• 投稿日:2024/02/24
  • 更新日:2025/09/30
引越しの相見積もりをした結果、最終的な費用は32,287円となりました

引越しの相見積もりをした結果、最終的な費用は32,287円となりました

ガソダム@高配当株決戦仕様

ガソダム@高配当株決戦仕様

この記事は約12分で読めます
要約
2023年11月下旬。 賃貸契約を終え、 入居日は12月26日に決定。 人生初の引越しは、 手順も分からなければ、 費用の相場も分からない。 「そういえば引越しの挨拶って、  『そば』持ってくんだっけ?」 僕が最初に行った引越しのリサーチは、 『引越しそばの歴史』だった。

序章

引きこもり生活が長いと、
「引越しを手伝ってくれる友人」
と、いう概念は幻想に等しい。

となれば、
お金を払って業者に頼むしかない。

しかし、
「引越しお願いしたいんですけど~」
なんて無防備に電話をかけた瞬間、
カモられる危険性もある。

未経験な領域は、
被害妄想も膨らみ行動を鈍らせる。

取りあえず、
『引越し玄人』だと業者に思わせるために、
相見積もりを仕掛けてみよう。


■今回の引越内容

単身のおっさん。
中古カメラせどりで、
カメラ用品の在庫多数あり。
PCだけがお友達。

・空のダンボール箱 40個
・布団一式
・電子レンジ
・カメラ用 大型ドライボックス 5個

・デスクトップPC 2台
・27型ワイドミニター 2台
・モニターアーム 2台
・レーザープリンター

・スタンディングデスク
 テーブル脚:FlexiSpot E7 Pro
 天板:IKEA KARLBY 186x65x3.8 cm
などなど。

ハートフルに相見積もり『ミツモア』

最初に試したのは、
引越しだけでなく、
さまざまなサービスの相見積もりが可能な

ミツモア

引越しの条件を入力すると、
ものの数分で複数の業者から、
見積もりが続々とメールで届く。

各社の見積もりはかなり詳細で、
『有料オプション』や『対応不可』な事柄。
『対応可能な支払い方法』など
きっちり記載されています。

基本的なやり取りは、
ミツモア内のチャットで完結するため、
僕のような引きこもりでも、
気軽に交渉できるのはありがたい。

ただし、ひとつ注意点があり、
ここで見積もりをくれるのは、
いわゆる大手の引越し専門業者ではなく、

どちらかというと、
街の便利屋さん」 的な業者が中心。
なかには「スタッフ1人で対応
なんてところもある。

業者のプロフィールを拝見すると、
「大丈夫かな……」
と不安になるところもありますが、

口コミによる評価体制があるので、
よほどの地雷業者はいなさそうです。

大手よりは親近感があって、
フレンドリーなやり取りができるのは、
魅力かもしれません。

餅は餅屋だ『引越し侍』

こちらは引越しだけに特化した、
大手引越し業者の相見積もりサイト。

引越し侍

見積もりを出してくるのは、
CMでも有名な企業ばかりで安心確実。

しかし、
評判はあまりよろしくない。
理由は速攻での電話営業

サイトに引越し情報を入力した瞬間、
各社から電話による一斉攻撃が行われる。

でもご安心を。
ネットに回避方法が紹介されていました。

情報入力フォームの最後に、
『備考』という大きな記入欄があり、
そこへ、

電話での営業はやめてください。
 連絡はメールでのみお願いします

と、記入すればいいのです。

僕も落ち着いて比較検討したかったので、
しっかりとこの文言を記入しました。
──するとどうでしょう。

各社から瞬時に、
電話攻撃が始まりました。

ネットの情報なんてウソばかりです。

退路なんかもうねぇんだよ

サイトに情報を入力して数分後──
電光石火で電話をかけてきたのは、

「べんきょう~しまっせ~♪
  引越しの~♪ サカイ~♪」

でお馴染み、
サカイ引越センター

開口一番、
訪問見積もりの日程を決められる。
しかも、畳みかけるように──

見積もりを、
 1番最初ウチにさせてもろうたら、
 割引きしまっせ!

さすが大阪グイグイ来ます。
しかも未だ止まらない。

見積もりを、
 朝8時にさせてくれるんやったら、
 更に割引きまっせ!!

いやいや、それは早すぎません?
「朝8時」って、
引越のサカイは何時から働いてんの?

ブラックな感じと、
朝活並みの爽やかさが入り混じりながら、
「割引」の言葉に負けて、
僕はその条件を飲んだ。

因みに──
12月3日に引越し侍に登録し、
12月5日朝8時にサカイの訪問が決定。

「ゆっくり自分のペースで」 なんて、
大手引越し業者では通用しません。

金は命より重い・・・・!

さて今回の
見積もりチキンレース
に、エントリーしたのは以下の4社。

1.サカイ引越センター
2.アート引越センター
3.イナミ引越サービス
4.ハート引越センター

尚、この順番は、
電話をかけてきた順番であり、
同時に訪問見積もりの順番でもある。

サカイ引越センターに劣らず、
どこの業者も電話攻撃は迅速で、

さらに、訪問見積もりの日程調整では、
まるで余命宣告でも受けたかのように、
「1日でも早く!」という、
切迫感が凄い。

そんなイカれたスピード狂の、
命知らずの引越し業者たち。
仁義なきレースを振り返ってみよう。

エントリーNo.1 サカイ引越センター

見積もり額:44,000円

この金額が、今回の「基準値」となる。

引越しド素人の僕の中では、
「5万円を切れば合格」
と、いう感覚だったので、
幸先がよいスタート。

「べんきょうしまっせ~♪」
のCMは伊達じゃない。
商売っ気丸出しの姿勢は、
むしろ好印象である。


が──
突然レースは終わる……。

エントリーNo.2 アート引越センター

見積もり額:35,000円

……え? 安すぎない?

営業マンの口車か、
はたまた引越し神のご神託か──

この時点で、
まだ2社が控えているにも関わらず、
僕はアート引越センターと契約した。

ざわ…ざわ…

訪問見積もりとは、
すなわち「心理戦」である。

こちらは少しでも安くしたい。
業者はできるだけ高く契約を取りたい。
その妥協点を探るため、
笑顔の裏で腹の探り合いが始まる。

だが現状、僕の手札は、
引越のサカイ 44,000円
の1枚のみ。

このカード1枚という選択肢のない状況で、
どう戦えというのか。

アート引越しセンター
(以後「アートさん」と呼称)は、
まず慎重に情報収集を始めた。

👨🏻「もう他の業者さんは、
   見積もりに来られましたか?

👨🏽‍🦱「はい、サカイさんが来ました

👨🏻「費用はどのくらいでした?

👨🏽‍🦱「40,000円でしたね

まるで他人事のように、
包み隠さずはっきりと金額を述べる。

下手に間を開けると警戒して、
嘘の価格を述べてると思われるので、
僕は即座に返答した。

……いや、ウソなんですけどね。

👨🏻「そうですか

アートさんは特に驚くこともなく、
見積もりの書類に何やら書き始める。
僕はさらにプレッシャーをかけた。

👨🏽‍🦱「他の業者さんも来るんで、
  アートさんの見積もりを
  参考にさせていただきます

他にも頼れる業者が沢山いますよ。
そんな意味を込めた圧力。

👨🏻「お見積りは、
   何社にお願いしているのですか?
書類に書き込みながらも、
尋問の手は緩めないアートさん。

👨🏽‍🦱「え~と……明日は2社来ますねぇ
わざと僕はPCのGoogleカレンダーを開き、
少し面倒くさそうに答える。
この後も多くの業者と対応するかのように。

そもそも、
見積もりに来る業者は4社しかいないので、
わざわざ確認せずとも予定は全て頭の中。

僕には多くの援軍がいることを、
アートさんに印象付ける演出。

👨🏻「そうなんですね~
アートさんは別に気にするわけでもなく、
失礼します」と、僕に頭を下げると、
その場で上司に電話をかけ始めた。

お、来たな……!
引越し業者のお約束
上司と交渉してくる作戦

心の中で ニヤリ としながら、
僕は彼らの出方を静かに待つ。
さぁ、アートさん、
お宅は44,000円より安くできるのかい?

僕が張り巡らせたトラップの中、
アートさんは顔を上げる。


35,000円です


───俺に電流走る。

「サ…、サッサッ……
 3万! 5000円!!」
想定外の低価格に、
引越しド素人の声は裏返っていた。

信じると捨てるは同じこと

驚異的な低価格を提示してきたアートさん。
しかし、
当然その価格には裏がある。

👨🏻「今ここで即決していただければ、
   この価格で承ります

──それはまさに悪魔の囁き。
残りの業者を切り捨て、
この場でアートさんと契約する。

もしこの場で決断を見送れば、
この破格の見積もりは幻と消え、
見積もり額は通常の4万円超えに戻る。

瞬間、僕のCPUである脳内ハムスターが、
カラカラと回し車で走り始める。
──計算スタート。

残り2社 vs 35,000円

ミツモアで募った業者の中に、
35,000円より安い業者がいる。
だが、それはネット上の概算見積もり。

実際に訪問見積もりをすれば、
追加料金が発生して、
35,000円を超える可能性は大いにある。

一方でアートさんは、
すでに現場を見た上での確定価格。
サービスの質も申し分ない。

……問題は、明日控えた残り2社。

もし彼らがアートさんよりも安ければ、
今ここで契約してしまえば、
その可能性を自ら消すことになる。

──当初はこちらが優位な立場で、
価格を選ばせていた。
44,000円より高いか、安いか?

だが今、状況は完全に逆転した。
選ばされてるのはこちらの方だ。
35,000円を取るのか、取らないのか?

──OK。
脳内ハムスター落ち着くんだ。
ヒマワリの種でも食べてておくれ。

仮に、明日の2社の見積もりが、
アートさんより安かったとしても、
その価格差はせいぜい数千円。
さすがに30,000円は切らないだろう。

何より、
アートさんやサカイに比べ、
残り2社は、
ネームバリューでは大きく劣る。

規模の小さい残り2社が、
大手よりも安い金額を提示できるのか?

脳内ハムスターはエサに夢中だ。
目の前のアートさんは、
ただ笑顔で待っている。

「よろしくお願いします」
僕はアートさんを信じ、
他の選択肢を全て捨てた。

僥倖っ… なんという僥倖‥!

今回4社の引越し業者に、
訪問見積もりをお願いしたところ、
そのうち3社が、
「即決割引」を仕掛けてきた。

まるで、
共通のマニュアルでもあるかのように、
どこも電話をかける流れは同じルーティン。
だが、提示された金額は全て異なっていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■4社の見積もり結果(見積もり順)

1.サカイ引越センター:44,000円
2.アート引越センター:35,000円✅️最安値
3.イナミ引越サービス:38,000円
4.ハート引越センター:37,500円

🏆️優勝:アート引越センター! 🎉

おめでとうございます。
即決で契約した
アート引越センターが最安値でした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「情報操作」の結果

●アートさん
サカイさんは40,000円でした
と、嘘を伝えた。

●イナミさんとハートさん
アートさんは35,000円でした
と、事実を伝えた。

当然「もうアートさんと契約済み
と、いう重要情報は伏せた。
それでも、
35,000円を下回る業者は現れなかった。

つまり、今回の勝因は完全に「運」
訪問見積もりの順番が良かっただけ。

仮に、訪問見積もりの2番目が
「イナミさん」だったら、
38,000円で即決した可能性が高い。

気になったのは、
「ワテを1番にして」と、
あれだけグイグイ来てたサカイさんは、
即決割引をしてこなかったこと。

「割引しまっせ!」
のビックマウスな割には1番割高。

「べんきょうしてるね~」
と、引越しド素人は当初思っていましたが、
相見積もりをすると、
自分の世間知らずっぷりが如実に現れる。

でも、サカイさんだけは、
訪問見積もりの手土産に、
『お米』をいただきした。
ありがとうございます。

なんか、
メルカリで売ってたりしますけど、

僕は引越し後に、美味しくいただきました。

感謝っ....! 圧倒的感謝っ....!

引越し当日、午前8時前。
アート引越センターが予定通り到着。
自分で予約しておいてアレですが、

いやいや、それは早すぎません?
「朝8時」って、
アートさんは何時から働いてんの?

ブラックな感じと、
朝活並みの爽やかさが入り混じりながら、
僕の人生初の引越しがスタートした。

アートさんの作業員は2人。
テキパキと荷物を運び、
精密機器のPCやモニターも、
手際よく綿密に梱包していく。

その間、僕は何をしていたかというと、
手伝いに来た叔父と、
部屋でダベっていました。

訪問見積もりの際は、
洗濯機を持って行く予定でしたが、
現地調達に変更したので、
取付費用などが値引き。

最終的な引越し費用は、
32,287円でフィニッシュ。

随分と安くなりましたが、
2人の作業員の仕事ぶりは、
丁寧かつ迅速で手抜きの感じは一切ない。

見た目はチャラい感じなのに、
礼儀正しくギャップ萌え。

そんな作業員のあんちゃんに見惚れながら、
お箸の1本すら運ぶことなく、
僕の引越し初体験は終了した。

これで僕も立派な、
引越し経験者へと、
クラスチェンジしたわけですが、

僕のような引越しド素人が、
まだいらっしゃるかもしれないので、

最後に僕からの忠告、
というか、
引越し未経験者だった僕の思い込みを、
書き記しておきます。

■人は運んでくれない🚛

アニメやドラマで見た記憶だと思いますが、
単身の引越しは、
作業員の方と一緒にトラックに乗って、
新居に向かうものだと思っていました。

実はこれ、法律で禁止されています。

移動時に気まずくならないように、
トークのネタまで仕込んでいたのに、
全くの無駄に終わりました。

車を持っていない僕は、
叔父に送ってもらいましたが、
移動手段がない場合は、
タクシーなどを確保しておきましょう。

■『引越しそば』の時代は終わった🍜

昨今は、『そばアレルギー』とかあるので、
すっかり敬遠されているようです。

そこで僕が選んだのが……
✨️『高級ティッシュ』✨️

旧居&新居のご近所挨拶用に、
熨斗をつけて準備。

ところが新居に到着した途端、
アートさんが突然……
「挨拶に行ってまいります!」

『作業員によるご近所挨拶回り』
そんなサービスがあるなんて、
全く知らされていない。

「ヤダ、待って!」
僕も負けじと高級ティッシュ持って、
思わずアートさんを追う。

……冷静に考えると、
アートさんと一緒に挨拶回りに行く光景は、
親に付き添われた新入生のようで、
微妙にこそばゆい。

加えて、
アートさんの手土産もボックスティッシュ。
粗品も思っきりモロ被り。

因みに、
作業員のチャラ男風なお兄さん曰く、
業者さんと一緒に挨拶は、
別に珍しいことでもなく、

むしろ、
挨拶を業者に丸投げする人の方が多い。

特に女性の一人暮らしだと、
防犯対策として本人は挨拶を避けるようで。

そのうち、『ご近所挨拶』自体、
なくなる時代が来るかもしれない。

それでも僕は、
熨斗で包まれた見た目だけはやたら豪華な
ボックスティッシュを片手に、
少しでも好感度を上げようとご近所を回る。


ありがとうございました。

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ガソダム@高配当株決戦仕様

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ガソダム@高配当株決戦仕様

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この記事のレビュー(7
  • 会員ID:744fDgiB
    会員ID:744fDgiB
    2025/06/27

    来月の引越しが決まり、引越し業社の比較サイトに登録したら、まさに 鬼のようなメール&電話攻撃に遭っています😅 負けずに頑張ります✊ とても参考になりました。 ありがとうございます。

    ガソダム@高配当株決戦仕様

    投稿者

    2025/06/28

    レビューありがとうございます。 本当は電話攻撃が嫌で、 対策したつもりでしたが、 全く効果がありませんでした。 引越し作業は終始、 業者さんのペースで進み、 結果的に スムーズに完了しました。 夏の引越しは大変そうですが、 どうぞご自愛ください。 ありがとうございました。

    ガソダム@高配当株決戦仕様

    投稿者

  • 会員ID:TuoCKf6W
    会員ID:TuoCKf6W
    2025/06/23

    僥倖ってところで笑ってしまいました(^-^)

    ガソダム@高配当株決戦仕様

    投稿者

    2025/06/24

    レビューありがとうございます。 「僥倖」のネタで 食いつく人がいるとは、 思いませんでした。 ありがとうございました。

    ガソダム@高配当株決戦仕様

    投稿者

  • 会員ID:agB5KB7C
    会員ID:agB5KB7C
    2025/03/27

    相見積もりに疲れてきてたタイミングで読ませてもらい、面白くて元気もらいました! ありがとうございます😊

    ガソダム@高配当株決戦仕様

    投稿者

    2025/03/27

    レビューありがとうございます。 引越しの見積もりでは、 業者からの駆け引きやプレッシャーで 大変な思いをされることもありますよね。 少しでもお役に立てたなら幸いです。 ありがとうございました。

    ガソダム@高配当株決戦仕様

    投稿者

  • 会員ID:EXNmDGF8
    会員ID:EXNmDGF8
    2024/03/26

    今年引越しを考えていたので、とても参考になりました👍 面白かったです👏🤣

    ガソダム@高配当株決戦仕様

    投稿者

  • 会員ID:SForYyHB
    会員ID:SForYyHB
    2024/02/28

    文章が面白くてどんどん読み進めてしまいました😆 他の記事も拝見させていただきます。 ありがとうございました!

    ガソダム@高配当株決戦仕様

    投稿者

  • 会員ID:di5kNFMk
    会員ID:di5kNFMk
    2024/02/26

    参考になりました! とても面白くて最高でした😊

    ガソダム@高配当株決戦仕様

    投稿者

  • 会員ID:RtAuvQGh
    会員ID:RtAuvQGh
    2024/02/25

    文章が面白すぎて、外で読みながら笑っちゃいました😂引っ越し業者選びは賭けみたいなところありますよね笑

    ガソダム@高配当株決戦仕様

    投稿者