• 投稿日:2024/03/19
  • 更新日:2025/09/29
【春休み企画】ご近所でミニ恐竜観察!

【春休み企画】ご近所でミニ恐竜観察!

BAL@虫料理研究家

BAL@虫料理研究家

この記事は約9分で読めます
要約
春休みになりましたね。 子どもと一緒に手軽に無料で遊ぶ方法。 それが近所のトカゲを観察することです。 日本のトカゲの種類、探し方などなどの情報盛りだくさん!

はじめに

趣旨

本記事は春休みに子どもと気軽にお出かけをして、自然科学に興味を深めてもらうことを目的としています。

ですがいくつになっても散歩&自然観察は楽しいので、子どもに限らず興味を持ったら、ぜひやってみていただきたいです。


今回は本州にいるトカゲの捕獲&観察を主眼にします。

飼育については別記事を作成予定です。

また、野外活動における注意点も記載します。

恐竜について

タイトルに"ミニ恐竜"とつけていますが、ご存知の通り、恐竜は現在絶滅しております。

そして、トカゲの姿形が恐竜に似ている(とされている)ので、"ミニ恐竜"とタイトルを付けましたが、この記載は実は正確ではありません

現代の恐竜ということであれば、ニワトリのほうがよっぽど近縁種とされていますが、このあたりの部分に興味を持てるのも自然科学の現場学習から繋がると思うので、今回はとりあえず外でトカゲの観察をしてください。

野外観察時の注意点

事前準備

割と人里にいる生き物なので、そこまで重装備は必要ないですが、野外活動です。

長袖、長ズボン、運動靴、帽子くらいの装備はしといたほうがいいです。

また、場所にもよりますが、斜面や川の近くの場合は事故が発生しない、発生してもダメージが小さくなるように配慮してください(川辺で遊ぶときはライフジャケットの装着など)。

熱中症には注意

後述しますが、トカゲ捕獲の観点から見ても10:00~15:00くらいの真昼は活動しないほうがいいです。また、その時間以外でも熱中症になる危険はあるので、常に体調に配慮しながら活動して下さい。

敷地所有者の確認

こちらも言うまでもありませんが、他人の庭や畑に無断で侵入するのはやめましょう。公園にもいますので、公園が無難です。後述しますが、カナヘビは数が減り、畑や河原のほうが多いです。

日本にいるトカゲ

本記事では表記の仕方として

トカゲ |ニホントカゲとニホンカナヘビを総合した広義の意味

カナヘビ|ニホンカナヘビを指す

とします。

ニホントカゲ

通称:トカゲ

トカゲ 山道.JPG

つやつやした光沢のある体色が特徴です。幼体は青い体色、成体になると金色の体色になります。また、オスは繁殖期は顎の下がオレンジ色になります。カナヘビと比べ、ずんぐりむっくりしています。

ニホントカゲは生息地域によって、ニホントカゲ、ヒガシニホントカゲ、オカダトカゲの3種がいますが、外見上の区別は困難なので、まとめてニホントカゲとします。

ニホンカナヘビ

通称:カナヘビ

カナヘビ 山道.JPGカナ"ヘビ"と言いますが、ヘビではなくトカゲです。こちらをトカゲだと思ってる人も多いかもしれませんが、カナヘビという独立した科です。

全体的に茶色い色合いをしています。また、特徴として尾(しっぽ)が非常に長く、頭から後ろ足までよりも、尾の方が長いくらいです。

トカゲと違ってざらざらした質感をしています。


カナヘビ.JPGトカゲとカナヘビ、並べると明らかに違いますね。

手前にいる二匹がニホンカナヘビ、奥にいるのがヒガシニホントカゲです。

ニホントカゲは大人なので、青い色が消えて、金色の光沢のある体色になっています。

本州以外で見られるトカゲ

色々いるので種類だけさっくり紹介。基本的に南西諸島に集中して分布しています。種分化も多く、外見上では判別できない場合も多々あります。

環境保全や外来種侵入の観点から、奄美大島以南の土地では、トカゲ類には触らないほうが無難です(とっていいのは写真だけ)。

✅アオカナヘビ

沖縄本島に生息、名前の通り全身緑色のカナヘビ。オスとメスで体色が違うので、雌雄判定が簡単。

アオカナヘビ.JPG写真はまだ子どもなので、ちょっと茶色いです。成長すると鮮やかな緑になります。

✅オキナワキノボリトカゲ

樹上性のトカゲ。樹の上をらせん状に走っていくので、見ていて楽しい。

オキナワキノボリトカゲ.JPGかなり写真が良くないですが・・・。沖縄本島の中南部で見ることが出来ます。動きが素早いので、写真を撮るのも捕獲するのも結構慣れが必要です。


✅サキシマカナヘビ

アオカナヘビにそっくりだけど、やや大型。天然記念物ではないが、生息地の石垣島ではほぼ全地区で採集が禁止されてるので、実質的に採集は禁止。

✅サキシマキノボリトカゲ

オキナワキノボリトカゲと似た外見。生息地でわかるので、初心者は区別する必要はないと思います。サキシマカナヘビ同様に実質的に採集禁止。


以下はすべて天然記念物(触っちゃダメ)

✅ミヤコカナヘビ

アオカナヘビにそっくりな外見。宮古島のみに生息。見た目はサキシマカナヘビやアオカナヘビに似てるのに、遺伝的にはニホンカナヘビのほうが近縁らしい。

✅ミヤコトカゲ

ニホントカゲに似てるけど、海辺に住んでいる。カニとかも食べる珍しい生態のトカゲ。

✅キシノウエトカゲ

宮古島、石垣島等に生息。ニホントカゲをそのまま倍のサイズにした見た目のトカゲ。日本最大サイズ。トカゲマニアは一度は見たほうがいいと思います。感動します。


以下はすべて外来種(触らないほうがイイ)

✅グリーンアノール

小笠原諸島と沖縄本島に侵入。緑色の樹上性のトカゲ。のどの下に赤いひだがあるのが特徴。

✅グリーンイグアナ

宮古島と石垣島に侵入。最大1.5mにもなる大型のイグアナ。草食だが、顎や尻尾によるビンタはヒトにもダメージがあるので、むやみやたらに近づかないように。

トカゲ捕獲のポイント

トカゲ捕獲時の注意点

上記に色々と種類を書きましたが、ニホントカゲとニホンカナヘビ以外は捕獲しないでください。

また、東京23区内ではニホントカゲもニホンカナヘビも絶滅危惧種に指定されてしまいました。原因は草地の消滅と考えられています。個人的には自然観察などを通じて多くの人に自然科学に興味を持ってもらい、現代の正しい知識をつけてもらうことが環境保全につながると思います。

トカゲを捕まえて飼育すると死なせてしまうという悲しいことも発生しますが、それを含めて自然科学なので是非とも体験していただきたいところ。

出典|読売新聞オンライン

午前7時~8時ごろに行くべし!

ニホントカゲとニホンカナヘビは日向ぼっこが大好きです。

何故かというと、トカゲは変温動物なので、体を温めないと活動できません

石の上、レンガの上、開けた葉っぱの上、など日当たりが良く、地面が暖かい場所で日光浴をしています。

トカゲ 日向ぼっこ.JPGカナヘビ日向ぼっこ.JPGこんな感じでトカゲもカナヘビも日向ぼっこします。

気持ちよさそうですね^^

そして午前8時ごろは日向ぼっこを始めたばかり。体が温まっていないので、動きも比較的鈍く捕獲しやすいです。

細かな違いに気を配るべし!

✅生息地の違い

ニホントカゲは石垣や公園の植え込みなど、少し人がいる環境に多いです。また公園の石を持ち上げると下にいることもあります(持ち上げた石は必ず元の場所に戻しましょう)。

一方カナヘビは公園にもいますが、空き地や草むら、畑、河原などを好む傾向があります。

✅気性の違い

トカゲのほうが警戒心が強く動きも素早いです。捕獲するだけならカナヘビのほうが捕獲しやすいでしょう。一度捕獲に失敗してもカナヘビは同じ場所に数十分で戻ってくることがありますが、トカゲはあまり戻ってこないです。

トカゲもカナヘビも尻尾をつかんでしまうと、自分で尻尾を切って逃げます(自切と言います)。どちらかというとトカゲのほうがカナヘビより尻尾を切りやすいので、捕獲時は注意しましょう。

飼育する場合は用品などは共通ですが、上記の気性の違いからカナヘビのほうが飼育しやすいと思います。

基本は素手で勝負!

虫網を使ったり、餌を糸に巻き付けて釣る方法もありますが、素手で捕るのが一番やりやすい気がします。

コツとしては、気配を消して姿勢を低くゆっくり移動して近づきます。最後に捕獲の瞬間だけ上から包み込むように素早く捕獲してください。

慣れが必要なので、通っているとそのうち出来るようになります。

環境次第では持久戦が有利!

特にカナヘビが開けた環境にいる場合ですが、トカゲは瞬発力はありますが、持久力はありません。狭いところに追い込むと見失うので、広いところに追い込んで疲れるまで、追いかけまわすという方法もあります。

疲れると一度に移動できる距離が短くなり、捕まえやすくなります。


噛まれない?

ニホントカゲは割と噛みます。噛まれると場合によっては痛いですが、出血するほどのケガをしたことはないです。また、毒などもありません。

むしろ、嚙みついたトカゲの顎が外れるかもしれないので、極力全体を覆うようにふわりと持ってあげてください。

カナヘビは滅多に噛みついてきませんが、それでも変な持ち方をすると噛まれることがあります。トカゲのほうが痛いのですが、噛まれること自体がトカゲ側の負担なので、極力避けましょう。

手乗りする?

結構個体差があります。カナヘビの場合は捕獲してすぐでも、手乗りする個体もいます。二ホントカゲはあまり手乗りしない印象です。

捕獲後の観察

キャッチ&リリース

現代における野外で生き物を捕獲したときの原則は

・捕まえたのちにその場で逃がす(キャッチ&リリース)

・持ち帰り死ぬまで面倒を見る(場合によっては自分でとどめを刺す)

この2択です


・別の場所へ移動させる

・飼育した後に野外へ放つ

上記二つは絶対に行わないでください!


種類によっては、そもそも触れてはいけない、殺処分しなくてはならない、などの場合がありますが、本州のトカゲはどちらにも該当しません。


今回は捕獲後にしばらく観察して逃がすことをメインとします。飼育も比較的容易ですが、長くなるのでいずれ別記事で紹介します。

必要なもの

✅虫かご

以上です。すぐに逃がすので、小さいかごで大丈夫です。春休みごろから百均に並び始めます。なければ、最悪は調理器具コーナーのプラ容器を生き物専用で買いましょう。

注意点として、プラケースに入れたまま、直射日光にさらすと熱中症でトカゲが死んでしまいます。虫かごを日向に放置するのは絶対にやめましょう

観察ポイント

個人的に見て欲しいポイント

✅体色

特にトカゲでは年齢による変化、♂と♀の変化などがあるので、後から調べると面白いかも

✅鱗

鱗の質感はトカゲとカナヘビでかなり違います

✅眼

眼のついている位置、瞬きをするので瞼(まぶた)なども観察してみましょう。ちなみに、ヤモリには瞼はありません。

✅舌

たまにペロッと舌を出します。観察してみましょう

✅後ろ足の付け根

後ろ足と尾の付け根には切れ込み(お尻の穴)があります。トカゲ、ニワトリ、恐竜に共通している特徴があるので、観察してみましょう。

✅尾(しっぽ)

尾の長さは種類による違いも大きいですが、個体差も大きいです。なんか短いな?と思った個体はよく観察してみましょう。

まとめ

✅日本には二種類のトカゲがいる

ニホントカゲとニホンカナヘビがいるよ。


✅晴れた日の午前7時~8時に捕りに行こう

日向ぼっこを開始して、すぐを狙おう。


✅素手で捕ろう

ゆっくり近づいて、最後だけ素早く捕獲しよう。

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この記事のレビュー(1
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    2025/01/24

    カナヘビカワイイですね😸 子どもも大人も見つけるとテンション上がります!笑 公園でどう遊ぶか?ノウハウを探していましたが、トカゲ探し探検も面白いですね。😹 住んでいるところが、ちょい田舎なのでヘビもそこそこ出るのですが。笑

    BAL@虫料理研究家

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