• 投稿日:2024/08/04
  • 更新日:2025/09/30
乳がん検診:マンモグラフィと乳腺エコーどちらを選ぶべき?かかる費用は?

乳がん検診:マンモグラフィと乳腺エコーどちらを選ぶべき?かかる費用は?

きなこ@書きたい検査技師

きなこ@書きたい検査技師

この記事は約4分で読めます
要約
「マンモグラフィと乳腺エコーどちらを受けるのがいいですか?」 これは乳がん検診で受診者さんに一番よく聞かれる質問です。 両検査のメリット・デメリット、そしてかかる費用などを知って ご自身に合った検診方法を選んでいただきたいと思います。

はじめに

興味をもっていただき、ありがとうございます。

きなこと申します。

まず私の簡単なプロフィールです。

・臨床検査技師20年以上

・超音波検査士15年以上(消化器・体表領域)

・急性期病院、健診センター等で主に超音波(エコー)検査に従事。


乳がん検診で超音波(エコー)検査をしていると永遠に聞かれる質問。

「マンモグラフィと乳腺エコー、どっちを受けるのがいいですか」

その答えは・・・「自分で決めてください」

となります。すみません (^_^;)


なぜなのか。

それは年齢、乳房のタイプ、費用などで異なり、

また両検査にはメリット・デメリット(得意・不得意)があるからです。

では簡単ではありますが、その理由をみていきましょう。


それぞれの検査のメリット・デメリット

マンモグラフィ:乳房のX線撮影法

乳腺エコー:超音波を利用して乳房の内部を画像化する検査方法

MMGと乳腺エコーのメリット・デメリット.jpg ※高濃度乳腺(デンスブレスト)とは乳腺組織の密度が濃い状態。


このように両検査にはメリット・デメリット(得意・不得意)があります。

年齢や乳房のタイプなどにより選択できます。


国の指針はマンモグラフィ

厚労省のホームページで乳がん検診の指針を確認すると以下のとおりです。

①マンモグラフィによる検診を原則とする。

②視触診については推奨しない。実施する場合はマンモグラフィと併用。

③対象年齢は40歳以上 

④検診間隔は2年に1度


しかしマンモグラフィですべての乳がんが発見できるわけではありません。


マンモグラフィでは乳腺組織は白く映し出され、

とくに高濃度乳腺は強い白色になります。

また、乳がんの部分も白く写るので、発見されにくいのです。

そして日本人女性のおよそ4割が高濃度乳腺といわれています。


一方で乳腺エコーは高濃度乳腺の影響は受けにくい検査です。

なのでマンモグラフィに乳腺エコーを併用するべきでは、

という議論がされています。


※厚労省による国家プロジェクト「J-START」試験

・乳がん検診でマンモグラフィと乳腺エコーの併用が有効か検証する

・対象は40代女性

・乳腺エコーを併用するグループとしないグループで比較

・現在は参加者の募集は終了し、追跡調査中

(結果が出るのは残念ながら時間がかかります)


検診にかかる費用

さて、リベシティに住むものとしてお金の話は外せません。

乳がん検診にかかる費用はいくらぐらいでしょうか。

乳がん検診は受診方法によって費用が変わってきます。


①自治体の健診を利用する場合(例:大阪市)  

 ・マンモグラフィ:40歳以上の女性(2年度に1回) 

  費用は1,500円(クーポン利用で無料)

 ・乳腺エコー:30~39歳女性(年度に1回)で費用は1,000円

 各自治体によって異なりますのでHPなどで確認してください。


②健康保険組合の制度を利用する

 会社で加入している健康保険組合の検診で、

 マンモグラフィかエコー検査を選べることがあります。

 費用は無料か、自己負担金1,000円程度のところが一般的です。

 これもお勤めしている会社または健保組合に確認してください。

 被扶養配偶者も受けれることがあります。


③全額自己負担で受ける

 個人事業主の方など、国民健康保険に加入されている方の場合は、

 人間ドックなどを利用して、オプションで乳がん検診を追加することが

 できます。その場合は全額自己負担となります。

 費用は受診する施設によって異なります。

 ・超音波検査+マンモグラフィ検査10,000円前後。

 ・超音波検査のみの場合は4,000円前後

 ・マンモグラフィ検査のみの場合は5,500円前後


④保険診療で受ける

 しこりなど自覚症状があれば、保険診療で受診することも可能です。

 検査方法は同じようにマンモグラフィと乳腺エコーとなります。

 必要があればそのまま精密検査を受けることができるのでスムーズです。

 ・初診料+マンモグラフィ+乳腺エコーが3割負担で3,600円

  異常があり精密検査を受けると検査費用(保険適用)が追加される。


まとめ

・マンモグラフィ、乳腺エコーにはそれぞれメリットとデメリットがある。 

・年齢、乳房のタイプにより検査を選択できる。

・国の指針は40歳以上の女性で2年に1回のマンモグラフィ検査。

・しかしマンモグラフィだけでは、乳がんを発見できないこともある。

・乳腺エコーを併用するのが理想だが、客観的なデータは現在調査中。

・検査は何を受けるか、どういう方法で受けるかで費用が異なる。


以上、永遠にされる質問

「マンモグラフィと乳腺エコー、どちらを受けるのがいいですか」

に対する答え「自分で決めてください」の理由となります。

結局、両検査の特徴・年齢・乳房のタイプ・費用などにより、ご自身で

決めてもらうことになりますので、この投稿が参考になれば幸いです。

余談ですが、40代の私は毎年両方受けています。

身内に乳がんが多いので・・・

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この記事のレビュー(1
  • 会員ID:3qc1tGMI
    会員ID:3qc1tGMI
    2024/08/05

    タイムリーに健診予約を入れるところです。 乳がん検診は初なので、種類があることも知りませんでした。 有益な情報をありがとうございます!

    2024/08/05

    レビューありがとうございます! お役に立てていたら嬉しいです☺️

    きなこ@書きたい検査技師

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