- 投稿日:2024/11/16
- 更新日:2025/10/04

医療業界はIT化が進んでいない、と学長も嘆いていますが、Ai(エーアイ)は導入が進んでいます。人工知能(Artificial Intelligence)ではなくて、Autopsy imaging(オートプシー・イメージング;死亡時画像診断)です!
亡くなった人の体をCTスキャンなどの医療機器で撮影し、その画像を調べることで死因を探る方法です。
ドラマ化もされた海堂尊さんの小説「チーム・バチスタの栄光」などによりその認知が広がりましたが、改めてコメントしたいと思います。
なぜAiが必要なのか
亡くなった理由を身体を傷つけずに知ることができます。これは、亡くなった人の家族にとって大切な情報になります。
解剖とは違う?
解剖は少人数で行います。そのため、診断・判定などに関われる専門家は非常に少なくなります。
一度メスなどで身体に切れ目を入れてしまうと、復元が難しかったり、逆に本当の死因がわからなくなってしまう可能性があります。
しかし、Aiであれば後から第3者が読影することができます。データの保存も容易で、将来の技術発展次第では、死亡時の身体の様々な様子・条件を完璧に再現できるようになる可能性もあります。
解剖した遺体をずっと保存しておくのは非現実的です。
かかる時間は?
CTであれば約10分、MRIであれば20分〜1時間で撮影でき、数時間以内に結果がわかります。
基本的に、CT撮影後にすぐ帰ることができる場合が多いです。読影結果を待つ必要はない場合が多いと思われます。
読影には時間がかかります。Aiの結果は通常、数時間以内に判明するとされていますが、詳細な分析にはさらに時間がかかる可能性があります
あまり聞かないけど?
自分の肌感覚ですが、家族の死亡時などは気が動転しているため、
・亡くなってしまったのだから早く病院から出してあげたい
・(故人は)高齢だったんだし寿命だろうから、今更要らない
・気持ちの整理がつかず、駆けつけた自分もとりあえず早く病院から出たい
などの理由で「別に要らないです」と拒否するご家族が多いように思います。
費用は?
費用は9,000円から65,000円程度とばらつきがあり、どういったケースで行えるか・誰が費用負担するかなどは各施設で実施方針が異なります。例えば、島根大学医学部附属病院では院内死亡例は全て病院負担でAiを実施しています。
死亡後の画像診断は、原則として保険適用外です。これは、保険診療が生存している患者を対象としているためです。
病院でどうお願いすればいい?
現場では「一応身体を調べるためにCT撮りますか?」などの文言で聞かれることが多いと思います。
私は、聞かれなくても「一応、Aiとかってお願いできませんか?」と依頼するくらいの心構えでいたほうがいいと思います。
※Aiは死因を100%特定できるわけではありません。
しかし、本当に病気・寿命なのか、事件・事故なのか、医療ミス・薬害なのかなどを後になって検証したくなる場合もあるため、「10分だけ我慢」と思ってAi(Autopsy imaging)を依頼することをおすすめします。
(以上)
(御礼)
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