- 投稿日:2024/12/02
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はピーター・M・センゲ 著「学習する組織 ― システム思考で未来を創造する」2017年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ピーター・M・センゲ出典:Wikipedia
マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院の上級講師、組織学習協会創設者。1947年米国生まれ。MIT スローン経営大学院の博士課程を修了、同校教授を経て現職。白律的で柔軟に変化し続ける「学習する組織」の理論を提唱。理論構築にとどまらず、ビジネス·教育·医療·政府の世界中のリーダーたちと協働し、学習コミュニティづくりを通じて組織·社会の課題解決に取り組んでいる。
世界100万部突破! 人とチームの「学習能力」の根源を探りマネジメントの新常識を打ち立てた名著と紹介されている。
今日のマネジメントの一般的体形は、その核心において、凡庸な結果しかつながらない。それは、チームが最高の状態で共働するときの特徴であるやる気と集合知を活用し損ねた代償として、人に「もっと働け、もっと働け」と強いるものなのだ。
ピーター・M・センゲ 著「学習する組織 ― システム思考で未来を創造する」
「学習する組織」という単語をそもそも耳にしている人は少ない。
しかもこの本は580ページの大著。😱
ハッキリ言って経営、経済のプロでも何でもない私が読み解けるものではない。
だが、「難しいものは自分がわかるレベルに落とす。」ことはできる。
改めて自分が見ている世界は狭いと感じる。🤔
とにかく、誰かの頭の片隅に知らせることが、この記事の目的である。
仕事の現場で学び続ける私たちは、マネジメント体系をつくり替える最前線にいるが、そううまくはいかない。
従来型組織の限界と学習する組織の必要性
たいていの場合、積極的に見えても、実は受身なのである。
(中略)
真の積極策は、私たち自身がどのように自身の問題を引き起こしているかを理解することから生まれる。
それは、私たちの感情の状態からではなく、私たちの考え方から生み出されるものなのだ。
ピーター・M・センゲ 著「学習する組織 ― システム思考で未来を創造する」
管理ではなく学ぶことが大事
従来の管理型組織では、目標管理や結果重視の文化が強調される一方で、個々の創造性や自発的な学びが抑制される傾向がある。
このような構造では、予測不能な変化に対応する柔軟性を欠く。
結果、管理型組織では変化への対応が遅れがちとなる。
つまり、昔のやり方だけでは、素早い世の中の変化についていけないよ。
だから、チームみんなで新しいことを学ぶのが必要だ。
学び続けることで進化する組織。
⇒ それが「学習する組織」だ!というのが本書の始まり。
学習する組織の5つの基盤
個人が学習することによってのみ組織は学習する。個人が学習したからといって必ずしも「学習する組織」になるとは限らない。が、個人の学習なくして組織の学習無し、である。
ピーター・M・センゲ 著「学習する組織 ― システム思考で未来を創造する」
本書では学習する組織が獲得すべき学習能力の5つを挙げている。
❶システム思考:全体を洞察し、根本原因を見極める。
❷自己マスタリー:目標に向かってまっすぐ成長。
❸共有ビジョン:組織が目指す方向を決める。
❹メンタル・モデル:先入観の克服。
❺チーム学習:全体が一体感ある状態を目指す。
本の原題は"Fifth Discipline"(5つの学習能力)
システム思考 (Systems Thinking)
全体像を把握し、個々の行動が組織全体に与える影響を理解する
自己マスタリー (Personal Mastery)
個人の能力を高め、組織全体の学習能力と目標達成に貢献する
共有ビジョン (Shared Vision)
個々の努力を組織の目標と一致させ、団結力とモチベーションを高める
メンタル・モデル (Mental Models)
個人の認識を改善し、組織の適応性とイノベーション能力を高める
チーム学習 (Team Learning)
集団的な知性を活用し、革新的な解決策とより良い意思決定を促進する
要はこれが知ってほしい5つのことだ。
1. システム思考
システム思考は、組織を孤立した出来事の集まりとしてではなく、相互に関連し合う要素からなる全体として捉えるための概念的な枠組みである。
システム思考は、他の4つの基盤を統合する「第五の規律」と見なされている。
問題の本質を見抜く力
システム全体を俯瞰し、繰り返される問題のパターンや根本原因を理解する能力。大きく分けて3つある。
❶自己強化型フィードバック
ある行動の結果を次の行動に反映させる仕組み。
雪だるまが転がり次第に大きくなるように、小さな変化が大きな変化を生む。良い場合もあれば、逆もある。
売上減で「あの店は危ない」という口コミが広がり、売上が落ちる悪循環もある。
❷バランス型フィードバック
安定状態を維持するもうひとつのフィードバック。
「寒い」と感じた人は厚着で暖まり、体温を維持する。
いい組織が好業績を生む好循環もあれば、悪い習慣から抜けられない悪循環もある。
❸遅れ
システムには遅れがある。
ブログが作成されて効果が見てくるのは、半年~1年程度かかる。
組織も同じで、新商品を出しても売上の結果が出るのに数カ月〜数年かかる。
3つの基本要素を組み合わせてシステム全体を洞察する。
一見解決が難しい複雑な問題で繰り返し現れる「型」を見抜いて、問題の全体像を把握する直感が働くようになる。
これにより、短絡的な解決策ではなく、持続可能な改善が可能になる。
⇒ 「問題のすり替わり」による悪循環を防ぐ。
2. 自己マスタリー
自己マスタリーは、個人の学習、成長、そして個人的なビジョンを絶えず明確にし深めること、エネルギーを集中させること、忍耐力を養うこと、そして現実を客観的に見ることへの焦点を指す。
つまり、個人の目標が組織の目標と一致すると、相乗効果が生まれる。
社員に物心両面の幸福を与えること
京セラ創業者:稲森和夫
個人の成長が組織を支える
個人が心からやりたいこと(個人ビジョン)を明確にしてエネルギーを注ぎ込む学習能力のこと。
明確な目標を持ち、成長を続ける個人が組織を進化させる原動力となる。自己の能力を深めることが、組織全体の力を引き上げる。
ビジョンと現実が見えれば、個人がすべき行動が見えてくる。
組織は個人が集まってできている。
他者は自己マスタリーを強制できない。
自己マスタリーは個人の心から自然に湧き出るもの。
上司(マネジャー)は日頃から個人の成長を尊重すべし。
⇒ 組織学習の大前提は、個人学習である。
自己学習ができる組織は強くなる。
到達すべき最終地点ではなく、生涯にわたるプロセスである。
次の共有ビジョンに関係する。
3. 共有ビジョン
組織が共に創造したい未来についての共通のイメージと集団的な願望を構築するプロセスである。
共通の目標が生む一体感
全員が共有するビジョンを持つことで、組織内に一体感と目的意識が生まれる。
これにより、メンバー全員が同じ方向に向かって力を発揮できる。
共有ビジョンは「自分たちは何をしたいのか?」「私たちは共に何を創造したいのか?」の答えである。
共有ビジョンがあれば組織として「何を学ぶべきか」が決まり、学習の焦点を絞ることができる。
個人ビジョンは個人が心からやりたいこと。
つまり、共有ビジョンは、組織にいる人々が心から「達成したい」と感じてワクワクし、具体的なものであることが求められる。
⇒ 共有ビジョンは個人ビジョンとの相互作用で生まれる。
4. メンタルモデル
「あと一息というところでの失敗」は、意志の弱さやためらい、システム的な理解の不足が原因なのだという認識が次第に広まっている。
ピーター・M・センゲ 著「学習する組織 ― システム思考で未来を創造する」
固定観念を乗り越える
先入観の克服が求められる。ゲームチェンジャーとも。
物事の状況や流れを一変させる個人や企業、プロダクト、アイデアのこと。
ゲーム中毒の息子が「プロゲーマーになる」といわれたらどう思うだろうか?
大抵、「ゲームは遊び」という先入観、つまりメンタル・モデルがある。
私たちはメンタル・モデルを通して世界を見ている。
批判をする前に分析をしなければならない。
市場規模、成功するまでの道筋、どのような稼ぎ方が考えられるか?
どれぐらいの時間や競争相手、実例があるかを。確率を。
メンタル・モデルは潜在意識にあるので普段見えないが、私たちを呪縛して真実を見えなくさせ、学習を妨げる。
個人や組織の思い込みを疑い、新しい視点を取り入れることで、革新と成長が可能になる。現状を変えるには、新たな考え方が不可欠だ。
⇒ 触っても、考えてもいないことを批判するのは悪手。
5. チーム学習
チーム学習は「チームのスキル」だということはどんなに強調してもしすぎることはない。才能あるアスリートを集めても優れたスポーツ・チームにならないように、個々に学ぶ才能のある人を集めても必ずしも学習するチームにならない。
ピーター・M・センゲ 著「学習する組織 ― システム思考で未来を創造する」
集団で成長し、知見を共有する
「集団の意思決定は個人の意思決定に勝る」
つまり、チーム学習の必要性を挙げている。それも対話であること。
議論の場合は意見に勝者と敗者が生まれるとしている。
対話で、各自の考えの違いを明確にし、チームで解決策をつくり、全員勝者になることを目指す。
求めることは3つ
❶自分の考えはあくまでも「叩き台」と考え、自分の意見に固執しない
❷参加者は仲間だと考え、肩書きや序列はもち込まない
❸全員でひとつの答えを探求する
メンバーが対話を通じて知識や経験を共有し合うことで、組織全体の知的資産が深まる。チームの連携が組織の成長を加速させる。
⇒ 「対立しているのは意見であり、私たち自身は対立していない」と認識すること
軽く5つの学習能力をまとめると…。
「学習する組織」への変革は時間がかかる。
じっくり取り組むしかない。
といったところか。
まとめ
⇒ 学習する組織は、変化の激しい時代を生き抜くための鍵を握る。
⇒ 5つの能力を実践することで、組織は柔軟かつ持続可能な成長を目指せ。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆