- 投稿日:2025/02/22
- 更新日:2025/10/09
はじめに
家計管理において、「思いがけない出費=特別費」をいくら見込むかは難しいですね。中でも、病気やケガで入院したときにかかるお金は、イメージしにくい方も多いのではないでしょうか。
2025年1月、79歳の父がケガで入院しました。実際にかかった費用とその内訳を聞けたので、その実例をもとに「入院費用ってどのくらい備えればいいの?」を考えてみました。
父が入院した経緯
父は親戚との会食でお酒を飲みすぎ、転んで頭を強打。意識のない状態で救急搬送されました。
首の神経(頸髄)を損傷していて、時間が経ってからの脳内出血リスクもあったため、そのまま緊急入院しました。幸い回復は早く、入院日数は16日で済みました。
ちなみに、父は会食の後半から入院2日目までの記憶がほとんどないそうです。意識が戻った救急外来でのやりとりは、ただの泥酔😂 お酒はほどほどにしたいですね。
実際にかかった入院費用
今回の入院では、大きく入院中と退院後の2回、費用を支払いました。
入院中に請求された費用
通常、入院費用は退院時にまとめて請求されますが、入院の翌日に首を固定する装具の実費を請求されました。これは病院ではなく、業者さんへの支払いでした。
装具には公的保険が適用されますが、いったん全額を支払い、後日市役所に申請すると自己負担分を差し引いた額が戻ってくる仕組みでした。
支払った金額は約2万円。父は自己負担1割なので、最終的な負担は2,000円ほどになりました。
今回、金額を聞いてから3日後に業者さんが集金に来ました。「支払いは退院するときだけ」と思っていると慌てることになります。
また、公的保険が適用される支払いでも、一時的にまとまったお金が必要になることがあります。普段からすぐ動かせるお金を持っておきたいところです。
退院時に請求された費用
退院後に届いた請求書の内訳は、次のとおりでした。
🩺病院からの請求:34,727円
①負担金:24,600円(健康保険適用の医療費。高額療養費制度の自己負担限度額と同じ)
②食事負担金:9,890円
③その他負担金:0円
④自費合計額:237円
👕レンタルサービスからの請求:7,850円
⑤寝間着・タオルのレンタル:7,850円
💬 補足
②食事負担金について
入院中の食事代は、国が決めている「標準負担額」で計算されます。
父の場合は1食230円(高齢者・住民税非課税世帯:区分Ⅱ)でした。
一般の方は510円(令和7年10月現在)です。
協会けんぽのサイトに、説明のページがあります。
④自費合計額について
父の場合は、初日のおむつ代だけでしたが、ここには差額ベッド代や診断書などの文書料、感染予防のマスクなども入ります。
父は1部屋4人の一般室に入院しましたが、病室については印象的な出来事が2つありました。
1つ目は、入院が決まった時に看護師さんから「個室をご希望かもしれませんが、あいにく満床なので大部屋になります」と言われたことです。案外、個室の人気は高いようです。
2つ目は、父と同室に入院した方が相次いで途中から個室に移ったことです。理由は「隣の患者さん(父ではありません)がうるさくて耐えられない😫」。
最初は一般室で節約するつもりでも、途中で個室にしたくなることもあるのだと感じました。
⑤レンタルサービスについて
病院で寝間着やタオルをレンタルできる、日額制のサービスです。
日額495円(16日目以降は275円)で、着替えの洗濯が不要になり、日用品も一式ついてきます。
入院時に決めなければならず、途中解約もできないので、加入するかは悩みどころです。今回は母の負担を減らすために利用しました。
その他かかった費用
入院費以外で増えた出費もいくつかありました。
・母のお見舞いの交通費:電車とバスで7日分、合計約6,600円
・母の昼食代:1日500円×14日で約7,000円
・父の飲み物代:150円×14日で約2,100円
合計すると、およそ1万7,000円になりました。
これらの出費は、医療費に比べると大きくはありませんが、「入院=医療費だけではない」と覚えておくと安心です。今回は、父が入院した16日間の晩酌代がなくなったので負担感は少なかったです😄
今回の入院、合計でいくら?
今回、16日間の入院でかかったお金は
・医療費など請求された支払い:約45,000円
・交通費や飲み物など:約17,000円
合計 約62,000円 でした。
高齢者(自己負担1割)かつ大部屋利用だったこともあり、想像より負担は小さくなりました。
現役世代が1か月入院したら、いくらかかる?
父の例を参考に、現役世代(70歳未満・標準報酬月額28〜50万円)が入院したらいくらかかりそうか、試算してみました。
入院日数は、厚生労働省の「令和5年患者調査」にある平均在院日数29.3日を参考に30日としました。
医療費は高額療養費制度を利用し、月をまたいで2か月分の自己負担上限(標準報酬月額28万〜50万円の目安額:1か月あたり99,500円)を支払うことにします。
項目ごとの費用を計算した結果は、次のとおりになりました。
①医療費:199,000円(高額療養費制度の自己負担上限 99,500円×2か月)
②食事負担金:45,900円(510円×3食×30日)
③消耗品:3,000円(父のケースを参考に、多めに設定)
④病室代:一般室なら0円、個室なら252,000円(個室代8,400円×30日)
⑤衣類レンタル:11,550円(最初の15日は日額495円、残り15日は275円)
合計は次のとおりです。
・一般室の場合:合計 約25.9万円
・個室を選んだ場合:合計 約51.1万円
このほかに、交通費や差し入れなどの細かい出費が数万円かかるかもしれませんが、そのぶん自宅での食費や光熱費が減るので、全体ではプラスマイナスゼロとみなしてよさそうです。
試算するときのポイント
自分のケースにあわせて入院費用を試算するときに、おさえたいポイントは次の2つです。
① 高額療養費制度の自己負担上限額
所得と年齢によって上限が変わります。
自分や家族がどの区分になって上限がいくらなのかを perplexity AI などで確認して調整すると、自分にあった試算になります。
② 個室を使うかどうか
一般室なら0円でも、個室を選ぶと1日あたり数千円〜1万円くらいかかります。体調や周囲の状況で個室を選ばざるを得ないこともあるので、余裕をみておくと安心です。
まとめ
入院費用には、医療費だけではなく食事代やレンタル品など、さまざまな出費が含まれます。
今回の試算では、現役世代(標準報酬月額28〜50万円)が30日入院すると、一般室で約26万円・個室なら約51万円かかる結果になりました。
入院に備える金額を考えるときは、次の2点がポイントになります。
・高額療養費制度の自己負担上限額(自分の所得・年齢区分を確認)
・個室を使うかどうか(使う可能性を想定)
ここに、入院日数・衣類レンタル・消耗品・家族の交通費などを加えて試算すると、より自分の状況に合っためやすが作れます🙂
最後までお読みいただき、ありがとうございました。