- 投稿日:2025/03/26
- 更新日:2025/09/30

はじめに
突然、子供が「大学を辞めたい」と言ってきたら…それは、それはショックです。ショックを受けた直後、まず知りたくなるのはその理由です。今思えば、話してくれただけでも良かったのかもしれない…そんなことを考えながら、この記事を書いています。これはあくまでも、わたしの息子の話であり、我が家のやり方に過ぎません。それが正解かどうか、今のわたしにはまだ分かりませんが…少しでも共感していただけたり、参考になれば幸いです。
大学を辞めたい理由
「大学、辞めた!」
まさかの言葉が突然降ってきたのは、2月の終わり。
息子は昨年の春から親元を離れ、一人暮らしをしながら大学に通っていました。
まだ1年も経っていません…。
よくよく話を聞くと、まだ辞めてはいませんでした。
(そりゃそうだ…お父さんのサイン、してないからね)
でも…
1年の後期からほとんど学校へ行かず、後期の単位は1つも取れていなかったのです。
辞めたい理由は…
・やりたいことが見つかった
・課題が大変でやる気が起きなくなった
『やりたいことが見つかった』
やりたいことが見つからず悩む人が多い今の時代、この言葉は親として嬉しいものですが…
でも、たぶん…
課題が大変でやる気がなくなり、やりたいことが楽しくてそっちへ行きたくなったんだと思います。
(ちなみに、息子が学んでいたのは建築系の専門分野…他学科に比べると課題がかなり大変だというのは本当らしく、事務局のお姉さんもそう言っていました)
息子は大学を辞めて、すぐにでもやりたいことで起業したいと言いました。
しかも、友達と…。
「起業したい」
それは素晴らしいこと。応援してあげたい。
でも——
「友達と…」というのが引っかかる。
失敗パターンが頭をよぎりました。
大学に通いながらではダメなのか?
息子は
「今は起業について学びながら開業資金を貯めて、その資金をもとに融資を受けたい」
と考えているようです。
親として…
人生の先輩として…
そして、22年間夫の会社を一緒に支えてきた者として…
ツッコミどころは山ほどありました。
まだまだ世間知らずで未熟な19歳の息子に、どう伝えようか…。
最終的にどうするかは息子次第。
でも、わたしは——
わたし自身が後悔しないために、もう一度、息子にとって何が一番良いのか真剣に考え、言うべきことは言う!
そう決めました。
わたしの本音
本音を言えば…卒業してほしい。
それに尽きました。
だって、それが約束だったから。
もちろん、その思いは息子に伝えました。
その上で一緒に考えることにしました。
はじめは「休学」か「退学」かの二択しかないと思っていました。
でも、調べていくうちに「転学・転学科制度」という選択肢があることを知り、それも息子に提案してみました。
すると…
「それが可能なら考えたい」と前向きな反応を見せました。
早速、大学の事務局で詳しく話を聞いてみたのですが、そもそも単位が足りず、その選択肢はあっけなく消えてしまいました。
事務局のお姉さんはとても親身になってわたしの話を聞いてくれました。
途中からは、まるで相談のようになり、「再入学制度」について提案してくれました。
「息子さんにやりたいことがあるのなら、まずはそれをやらせてあげてはどうでしょうか?」
一度退学にはなるものの、その間の学費は一切かからない。
だからこそ、気兼ねなく挑戦できるのではないか。
そうアドバイスをくれました。
大学の事務局には、学生の状況を理解し、親身になってくれる方もいます。わたしも実際に相談する中で、新たな選択肢を知ることができました。
悩んだときは、一度話を聞いてもらうのも良いかもしれません。
提案したこと
息子の状況は…
1年前期の単位は最低限取得しているものの、1年後期はゼロ。
そのため、留年が確定しています。
選択肢1 1年半の休学からの復学
【理由】
半年の休学では、息子にとってやりたいことをするには短すぎる…
そう考えた本人の希望により、前期の単位は取得済みであることを踏まえ、1年半の休学とすることにしました。
【メリット】
1.起業に集中できる: 休学中は好きなことに全力で取り組む時間が取れる
2.実戦経験が積める: 起業準備をしながら現場で学べる
3.復学して卒業できる: 休学後に復学して、卒業資格を得られる可能性がある
4.選択肢が広がる: 起業がうまくいかなくても、学歴を活かして建築の道に進める
【デメリット】
1.在籍料がかかる: 休学中は学費が発生する
2.卒業が遅れる: 休学期間中に進学が遅れ、卒業が延びる
3.モチベーションの低下: 休学後、学業への興味を失う可能性がある
【行動】
・休学中に起業準備と実践経験を積む
・必要なスキルや知識を学び、資金調達などを行う
・復学後は学業に戻り、卒業を目指す
選択肢2 再入学制度の活用
【理由】
最大の理由は…再入学までは学費がかからないということです。
また後期入学も認められ、入学金及び諸経費の入会金は免除されることがわかりました。
【メリット】
1.学費がかからない: 退学後、再入学の間は学費が発生しない
2.単位認定: 既に取得した単位は再入学後に認定されるので、無駄なく卒業に近づける
3.起業に集中できる: 退学後は起業に専念できる期間を確保できる
4.選択肢が広がる: 起業がうまくいかなくても、再入学し卒業資格を得られる可能性がある
【デメリット】
1.再入学のタイミングが重要: 4年以内に再入学しなければならないため、計画をしっかり立てないと卒業が難しくなる
2.卒業が遅れる: 退学期間中に進学が遅れ、卒業が延びる
3.就職や学歴の空白期間: 退学後に就職活動や社会的な信用が気になる場合、空白期間をどう説明するかが課題になる可能性がある
4.モチベーションの低下: 退学後、学業への興味を失う可能性がある
5.再入学の保証がない: 必ずしも再入学の選考審査に受かる保証はない
【行動】
・起業活動に集中し、状況が整ったら再入学のタイミングを決める
・退学しても将来的に学び直しができることを踏まえ、起業活動を進める
お金のこと
お金の話はとても大切です。
リベシティの皆さんなら、その重要性を十分理解されていると思いますが、いざ子供に伝えるとなると、どんな言葉を選ぶかが大事になります。
頭ごなしに伝えると反発を招きやすく、かえって心を閉ざしてしまうこともあります。だからこそ、押しつけにならないよう、冷静に対話することが大切だと思います。
息子には進路を考える段階で、学費や奨学金、生活費について具体的な数字を示していました。
ただ、今振り返ると、当時の息子はそれを「自分ごと」として真剣に受け止めていなかったのかもしれません。
そこで、改めて、これまでとこれからの費用を出してみることにしました。
(※息子の場合です)
在学中に支払った学費や生活費
▼【学費】
入学金 250,000円
授業料(前期・後期) 1,390,000円
他会費(前期・後期) 34,500円
▼【生活費】
家賃 40,000円×12ヵ月
光熱費(水道・ガス・電気) 12,000円×12ヵ月
携帯通信料 3,000円×12ヵ月
食費 20,000円×12ヵ月
合計 2,574,500円
今後の費用
▼【休学の場合】半期ごとに在籍料と諸会費が111,250円かかります。
1年半の休学だと333,750円となります。
復学から卒業までにかかる学費は5,243,750円、
生活費は3,150,000円
合計 8,727,500円
▼【再入学の場合】再入学までの費用はかかりません。
合計 8,393,750円
改めて数字でみると…震えるレベルですね💧
奨学金のこと
息子は、給付型と貸与型の奨学金を併用して受け取っていました。
奨学金には一定の条件があり、学業成績や学習意欲が求められます。
もし条件を満たせなくなると、支給が止まったり、場合によっては過去に受け取った分を返さなければならないこともあります。
給付型を受け取りながら留年が決まった息子の場合はどうなるのか?
事務局に相談したところ、
前期の単位は取れていたため、返還の必要はない とのことでした。
(※息子は前期16単位取得していました)
貸与型の奨学金については、5月頃にお知らせが届き、
その後返還手続きをすることになるそうです。
とりあえず、給付型奨学金の返還の必要がないと分かり、少しホッとしました。
学長のYouTube動画 ※子育て世帯には重要な話題
息子には、
学長のこちらの動画も見てもらいました。
もちろん、息子だけでなく家族全員にも見てもらいましたが、
「分かりやすくて参考になった!」と大好評でしたよ!
どうすれば本人が主体的に考えられるのか?
一つの方法として、『自分で試算させる』ことがあると思います。
例えば、
・もし今のまま大学を続けるなら、卒業までにどのくらいの費用がかかるか
・アルバイトや奨学金でどこまで負担できるか
・もし辞めるとしたら、どのような生活設計が必要か
などを、本人にシミュレーションさせました。
親の意見を押しつけないよう、「あなたはどう思う?」「どんな選択肢が考えられる?」と何度も話し合い、考えを引き出すことも大切だと感じました。
結局のところ、親がどれだけ説明しても、本人が現実を実感しなければ、本当の意味で理解することは難しい。
だからこそ、
具体的な数字や状況を「自分で考えさせる」ことが鍵になるのではないか
と思います。
息子の決断
これまでのやりとりは、
すべて家族のグループLINEで共有していました。
息子は末っ子で、
兄は私立の四年制大学を、姉は専門学校を卒業し、
それぞれ社会人として働いています。
わたしは、
少し先を行く先輩でもある兄姉の意見は大切だと思い、共有しました。
そもそも、我が家では昔から何かあるたびに家族みんなで話し合いながら決めてきました。
今回も例外ではなく、みんなの意見を聞き、最終的に息子が出した答えは…
『再入学制度』 でした。
学費がかからず、やりたいことに専念できる時間をしっかり確保できる。
それが息子にとって、最善の選択だったのでしょう…。
とはいえ、
この制度を利用するということは、
一度『退学する』ことを意味します。
退学かぁ…
ネガティブに考えない
たしかに、
「退学」という言葉だけを聞くと、ネガティブに感じるかもしれません。
でも、未来につながる選択として「退学」を悲観せず、
前向きに捉えることは決して悪いことではないと思います。
大切なのは退学を選んだあとに、
どう進むか——どう歩んでいくのか——
そこを一緒に考えていくことが大切だと感じました。
次の道を選ぶためのひとつの手段
わたしはそう考えることにしました。
まとめ
▼突然の「大学を辞めたい」にショックを受けても、まずは冷静に話を聞くことが大切。
▼辞めたい理由を整理し、本当に納得できる決断なのかを一緒に考える。
▼休学・退学・転学など、大学には複数の選択肢があることを知っておく。
▼親ができるのは、最終決断を押しつけることではなく、選択肢を提示してサポートすること。
▼「お金の話」は避けず、リアルな数字を共有して現実を理解させることが大切。
▼本人が主体的に考え、納得のいく決断をするために、試算やシミュレーションを活用する。
▼最終的に、子どもが選んだ道を信じ、親としてできる限りの応援をする
さいごに
わたしはわたしなりにいろいろ調べて、思いや言いたいことをすべて出しきりました。
もしかしたら口を出しすぎなのかもしれません。でも、やりたいことがうまくいかず、学歴まで失ってしまう… そんな状況だけは避けてほしい——そう思うのが親心ではないでしょうか。
お互いにしっかり考えて決めることができれば、どんな結果になっても後悔は少ないはず。
だからこそ、息子が出した答えには納得できました。むしろスッキリしました(笑
数年後、息子は再入学をしないかもしれません。未来のことは誰にもわかりません。
でも、どんな選択をしても 「これからも一番の理解者であり、応援しているよ!」 という気持ちは、これからも伝え続けたいと思います。
そして——
これは、私が娘といろいろなことがあったときに、最終的にたどり着いた究極の結論ですが…
「生きてさえいてくれれば、それで充分」
そう思うようにしています(笑
子育てが終わっても、母業は一生。
心穏やかに暮らせる日は…まだまだ先のようです(笑
この先またどんなに悩まされようと…
究極の結論を胸に、乗り越えていこうと思います(笑
今、心穏やかに暮らせていますか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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・共感したよ〜
・参考になったよー
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※「家族の教育にかかるお金」や「子どもの成長のために親が学ぶこと」も含めた広い意味での投資として…「親として子どもに向き合い、自分も学びながら支える」=間接的な自己投資と、勝手に判断し【自己投資】のカテゴリに入れさせて頂きました