- 投稿日:2025/04/02
- 更新日:2025/10/07

はじめに
ヒジキ(鹿尾菜 : Sargassum fusiforme)は、
ホンダワラ科ホンダワラ属の褐藻類。
ワカメやコンブと同じ仲間です。
波が荒い海岸の岩場に生え、
昔から食べられてきました。
乾燥させた「干しひじき」として
売られていることが多く、
茎の部分を「長ひじき」
小枝の部分が「芽ひじき」
と呼ばれています。
スーパーでよく見かけるひじきですが、
実は国産はわずか1割程度なんです!
今回は、その貴重な国産ひじきの漁の現場から、
記事をお届けします。
ひじきの栄養価はすごい?
ひじきは、栄養満点な食材としても
知られています。
特に知られているのは、鉄分とカルシウムでしょうか?
・カルシウム:牛乳の約12倍
・食物繊維:ごぼうの約7倍
・マグネシウム:アーモンドの約2倍
鉄分の王様は昔の話?ひじきの鉄分事情
昔は「鉄分の王様」と言われていたひじき。
しかし、2015年の食品成分表改訂で、
鉄分が大幅に減少したことをご存知ですか?
なんと・・・
約1/9にまで減ってしまったんです!
理由は、ひじきの製造に使われる釜の変化にあります。
以前は鉄製の釜が主流でしたが、
今はステンレス製の釜が使われることが多くなりました。
つまり、ひじきの鉄分は、
鉄釜から溶け出した鉄分がひじきに吸収されたものだったんですね!
煮込む時間によっても鉄分の含有量は変わってきます。
・鉄釜の場合:100gあたり鉄分58.0mg
・ステンレス釜の場合:100gあたり鉄分6.2mg
ひじきの旬はいつ?
ひじきの旬は3月~4月。
東北地方では4月頃から刈り取りが始まります。
宮城県石巻市沿岸部の漁村集落では、
春の大潮で海が穏やかな日を選んで、
住民総出でひじきの刈り取りを行います。
まさに春の風物詩ですね!
僕は住民でも漁師でもありませんが、
毎年、声がかかりお手伝いをしていますw。
いざ、ひじき漁へ!
ひじきは、満潮時に海に浸かる浅い岩場に生えています。
船底が岩にぶつからないように慎重に上陸し、収穫作業開始!
スーパーで売られているひじきは黒く、
あれが海に揺らいでいるイメージがあるかもしれませんが
生のひじきはモスグリーン色をしているんです。
採れたてのひじきは渋みが強いため、
美味しく食べるためには半日ほど煮込む必要があります。
お湯で煮ると一瞬、鮮やかな緑色に変わり、
長時間煮出すことでタンニンが染み出し、
酸化して黒くなっていきます。
この色の変化も面白いですね!
昔の人はどうしてこのようなやり方を
思いついたのか???不思議です。
浜の住民数人で500~600kgものひじきを
数時間で収穫できます。
収穫したひじきは、
水揚げしてすぐに昔ながらの製法で、ドラム缶に入れ半日ほど煮ます。
東日本大震災前は、
余ったひじきを市場に卸して収益を
集落の光熱費や維持費に充てていましたが、
今は高齢化と過疎化が進み
その風習はなくなってしまいました。
ちょっと待って!それ、密漁かも!?
近年、アワビやナマコ、ウナギの稚魚などの密漁が問題になっています。
そのため、漁業法が改正され、罰則が大幅に強化されました。
最高で3年以下の懲役または3,000万円以下の罰金が科せられることも!
アワビやナマコ、うなぎの稚魚にかかわらず、
海での採取には漁業権が関わってくるため、
許可なく海産物を採取すると犯罪になる可能性があります。
注意しましょう!