- 投稿日:2025/04/04
- 更新日:2025/10/09

こんにちは、名古屋市守山区で自宅整体サロンを運営する理学療法士のきむです。
私が経営するサロンには、妊娠中や出産後の腰痛に悩む方が来店されすることがあります。
そこで、今回は、妊娠中の腰痛についての記事をまとめました。
妊婦さんと妊婦さんを支える人の、参考になれば、幸いです。
妊娠中の腰痛は「よくあること」ではあるけれど
妊娠中に腰や骨盤まわりに痛みや違和感を抱える方は少なくありません。ある調査によると、妊婦の50〜75%が腰痛を経験していると報告されています。日常生活の中でも、立ち上がるときや座っているだけで痛みを感じることがあり、「妊娠してからずっと腰が重い」と悩まれるケースも多くあります。
けれど実際には、「妊娠中だからこそ、体の声に耳を傾けて丁寧にケアすること」がとても大切です。
湿布や薬が使えない理由
妊娠中は、身体だけでなくホルモンや自律神経も大きく変化します。こうした変化により、薬の吸収や作用がいつもと異なることがあるため、市販の湿布や鎮痛剤の使用には注意が必要とされています。
実際、多くの妊婦さんが「湿布を貼っていいか迷う」「病院で薬はなるべく使わないようにと言われた」と不安を感じています。特に初めての妊娠中は、些細な判断にも慎重になりますよね。
その結果、腰の痛みを「何もせずに我慢する」選択をしてしまう方もいますが、体に優しい、薬に頼らないケアが他国ではすでに取り入れられています。
理学療法士が行っている妊婦さんの腰痛ケア
2016年に行われた調査では、妊娠中の腰痛に対して、理学療法士たちがどのような方法で対応しているかが報告されました。
最も多く取り入れられていたのは、ホームエクササイズ(自宅でできる軽い運動やストレッチ)で、回答した理学療法士のうち実に94%が指導しているとのことです。
また、そのほかにも以下のようなアプローチが広く使われていました:
正しい姿勢・座り方・立ち上がり方などの日常動作のアドバイス
骨盤を安定させるための軽い筋トレや体操
腰への負担を減らすための枕・クッション・骨盤ベルトの活用法
温熱療法(ホットパックなどで腰を温める)
深呼吸などのリラクゼーション法
これらはすべて、身体に過剰な負担をかけず、妊婦さん自身の自然な回復力を促すものです。湿布や薬を使わなくても、工夫とケアによって症状が緩和されるケースが多いことが分かります。
腰痛の背景には「神経の過敏化」や「ストレス」の影響も
もうひとつ注目すべきは、痛みの背景には神経系の影響が関わっているという点です。
同じく別の研究では、骨盤まわりに慢性的な痛みや違和感を感じる人の中には、自律神経の乱れや神経の過敏化が関係していることがあるとされています。妊娠中はホルモンバランスが大きく変わることに加えて、慣れない生活リズムやストレス、体型の変化も加わり、神経や筋肉が常に「緊張モード」になってしまいやすいのです。
その結果、姿勢や動作だけでなく、精神的な疲労や不安が痛みを強く感じさせてしまうこともあるのです。
我慢しないケアが、安心な妊娠期間を支える
妊娠中の腰痛は「よくあること」かもしれません。けれど、「よくあること」として我慢してしまうのではなく、安全な方法でケアを受けることによって、もっと快適に過ごすことは十分可能です。
日々の中で無理なく取り入れられるセルフケア(呼吸・ストレッチ・クッションの工夫)や、必要に応じた専門家への相談など、できることはたくさんあります。
妊娠中は自分の体だけでなく、お腹の赤ちゃんのことも気遣いながらの生活になります。だからこそ、「私の体の声をきくこと」は、赤ちゃんにとっても優しい選択になるのです。
まとめ
妊娠中の腰痛はとても多くの妊婦さんが抱える悩みです。しかし、湿布や薬だけに頼らずとも、身体をいたわり、丁寧に整えることで症状をやわらげる方法があるということが、理学療法の実例からもわかります。
ストレッチや姿勢の見直し、クッションの使い方ひとつで変わることもあります。必要なときは、安心できるサポートを受けながら、快適な妊娠期間を過ごしていきましょう。