- 投稿日:2025/04/26
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』2012年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ハワード・マークス
出典:https://www.youtube.com/watch?v=eeG5dtJk7y8
アメリカ合衆国の投資家、著述家。
ロサンゼルスを拠点とするオークツリー・キャピタル・マネジメントは運用資産1200億ドル以上を誇る投資会社で、ハイイールド債投資や不良債権への投資を得意とする。
ペンシルベニア大学ウォートン・スクールにて金融を学び、シカゴ大学経営大学院にてMBAを取得。
友人に個人的な投資アドバイスを求められると、私はまず相手のリスクとリターンに対する姿勢を理解しようと努める。
この姿勢を明らかにしないで投資アドバイスを求めるのは、医者に症状を訴えもせずに良い薬を処方してもらおうとするようなものだ。
だから私は、「儲けること」と「損失を避けること」どちらを重視するかと質問する。返ってくる答えは決まって「両方」だ。
だが儲けと損失回避の両方を最大限に追求することはできない。
各投資家はこの二つの目標に関するスタンスをはっきりさせる必要があり、そのためにはどうバランスをとるのが妥当か決めなければならない。
この決断は意識的、そして理性的に下すべきである。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
元も子もない話だが、このような要約で投資が成功できるなら苦労はない。
…が、この本は自分にとって良かった本なので、まとめることにした。
少しでも投資をし始めた人、始めて数年程度経った人、長年投資してよくわからなくなった人には、発見のある書籍である。
なお、『投資で一番大切な20の教え』が考えている「成功する投資」の定義。
それは、”市場と他の投資家を上回るパフォーマンスをあげること”である。
つまり、インデックス投資のみの運用であれば、そもそも目線や考え方が違うので暴落を気にする必要すらないのである。
積立投資のみの方は全く読む必要はない。
そのまま、口座に入れたことを年に数回思い出すだけで良い。
ただ”市場に居続ける”だけで良いのだ。
ちなみに本書の投資で一番大切な20の教えは以下の通りである。
1 二次的思考をめぐらす 2 市場の効率性(とその限界)を理解する 3 バリュー投資を行う 4 価格と価値の関係性に目を向ける 5 リスクを理解する 6 リスクを認識する 7 リスクをコントロールする 8 サイクルに注意を向ける 9 振り子を意識する 10 心理的要因の悪影響をかわす 11 逆張りをする 12 掘り出し物を見つける 13 我慢強くチャンスを待つ 14 無知を知る 15 今どこにいるのかを感じとる 16 運の影響力を認識する 17 ディフェンシブに投資する 18 落とし穴を避ける 19 付加価値を生み出す 20 すべての極意をまとめて実践する
ちなみに、本書で述べられた20の教えは、それぞれが独立したものではなく、相互に関連している。
総合的に実践することで、より効果を発揮できるので、是非読むというひと手間を無視しないでほしい。
ここではリスクという考え方に注目することにする。
✅ 一般的なリスクとは「損をする可能性」のこと。
✅ 投資のカギはリスクをどう管理するか。
✅ 価格ではなく「価値」に着目せよ。
バリュー投資家にとって価格は出発点でなければならない。 どんな資産も高すぎる価格で買ってしまえば悪い投資になるということは、繰り返し立証されている。そして、十分安い価格で買っても良い投資にならないほど悪い資産はほとんどない。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
見かけの安心より「本質的リスク」を見よ
リスクとは、将来実際に起きることよりも起こり得ることの方が多いという意味である。
投資を一言で言い表すとすれば、未来に対処することである。未来のことが確実にわかる者などいないから、リスクは避けられない。
つまり、リスクに対処することが投資における一つの必須要素である。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
高いリターン=高いリスクではない
特に相場が良い時期には、「リスクのより高い投資は、より高いリターンをもたらす」「もっと儲けたければもっとリスクを取ることだ」という話を、これでもかというほど耳にするだろう。だが、リスクの高い投資を高いリターンの源としてあてにすることはあり得ない。理由は単純だ。リスクの高い資産が確実に高いリターンを生み出すというのなら、その資産はハイリスクとは呼べないからである。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
⇒ リスクは確実な利益の保証ではない。
市場が語る「高リスク高リターン」の表現には落とし穴がある。
リスクが高ければ利益が出るという前提は幻想にすぎない。
これが大前提である。
我々の思い描いているリスクは「ボラティリティ」ではない
金融理論ではリスクを「ボラティリティ」あるいは「変動性」または「偏差」と厳密に定義している。
この表現には「危ない」というニュアンスは含まれていない。
(中略)
リスクとは、何よりもまず「資金を失う可能性」のことである。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
ボラティリティ(volatility):価格の変動の大きさを意味する。
価格がどれくらい上下にブレるかを表す指標で、数字が大きいと「値動きが激しい」、小さいと「値動きが安定している」と言われる。
「ボラが高い(低い)」ともいう。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=eeG5dtJk7y8
高リスク低リターン、低リスク高リターンがあるとかの話ではなく、リスクとリターンは線形だけではなく、その地点にもバラツキがあることを知っておかなければならない。
”全く”推奨しないがダブルインバース型(ある指標の市場が下がれば「2倍」上がる(上がれば2倍下がる))はオルカンや通常のETFに比べるとボラティリティは高いと言える。
あくまで短期トレード向けのツールであり、一般向けではないことを金融庁も注意喚起している。
実は長期で保有すればするほど、実際に2倍の値動きをする商品ではない。
ズレが生じてくるのだ。(しかもマイナスよりに…。)
外部サイト:金融庁
レバレッジ型・インバース型 ETF 等への投資にあたってご注意ください
リベシティでもバッチリ、毒キノコリストに入っているので注意。
(左下の下から2番目)
あくまで短期で狙って儲けようとするためのものであり、他が大きく下落した際の保険にはならないということだ。
銛(もり)で魚を釣ろうとしてはいけない。魚を突くものだ。
⇒ リスクは値動きではなく、損失の可能性。
多くの学者が「変動性=リスク」と定義するが、実際に投資家が恐れるのは資金を失うこと。
この定義を誤ると判断を誤る。
我々は投資している以上、そのお金が増えることを期待している。
厳密にいうなら、自分がそのお金を使う際に投じたコストよりも、使い始める際に減ってほしくないと言い換えることができる。
リスクの正体を知る4つの視点
一部の投資家にとってリスクとなる要因が、ほかの投資家には影響しないケースも多い。
また、一部の投資家の特定の投資においては安全に見える要因が、ほかの投資においてはリスクとなる場合もある。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
他人のお金を運用する者、自分のためにお金を増やす者、子供の学習資金のために準備する者…雑にいえば、リスクは人によって違う。
運用会社の立場、学長の立場、私の立場、あなたの立場でのリスクは全く異なるのだ。
つまり、人によってリスク管理や投資手法が異なるため、投資に悪手はあれど、最適解は存在しない。
”今のところ”一般の人でも触れるベターな手法があるだけに過ぎないことを理解すべきだ。
しかし、これは凄いことであることも事実である。
1. 目標未達リスク
例えば、退職したある元企業幹部は生活するために年4%の投資利益を必要としている。実際には年6%の利益が得られたとしたら、ボーナスが入ったようなものである。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
⇒ 投資成果が自身の必要ラインに達しないリスク。
同じ利回りでも人によって「成功」か「失敗」かは異なる。
主観的リスクを軽視すべきではない。
ある投資は一部の人にとってリスクが高くても、ほかの人にとっては無リスクである。
2. アンダーパフォーマンスのリスク
ある投資マネージャーが、ある顧客の資産運用で最善を尽くしても、もうこれ以上の利益があげられないと分かっているとしよう。そして、何らかのインデックスに連動させなければ損失が発生することが明らかだとしよう。 リターンがベンチマーク(運用成績を測定し評価するための基準となる指数)などの水準から大きく乖離するリスクを「ベンチマークリスク」と呼ぶ。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
⇒ 運用者はベンチマークを下回ること(アンダーパフォーマンス)で信用を失う。
たとえ長期的に正しくても、一時的な不調で評価を落とす可能性がある。
投資マネージャーはインデックスに連動した運用を行うことでこのリスクを取り除こうとする。
バブル期にはリスクを取らせない姿勢は、ブームに乗り遅れるリスクが生じるが、規律ある投資家はこのリスクを許容することも賢さである。
つまり、相場が大きく動いているときに手を出さない、意識を向けないのもリスク管理である。
3. キャリアリスク
運用を行う者と投資資金の出し手が異なる場合に生じる。
投資マネージャーあるいはエージェントは、自分が分け前にあずかれない利益をたくさんあげることにはあまり関心を持たないかもしれないが、自分の職を脅かす損失を出すことには強い恐怖感を抱くだろう。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
⇒ 損失が評価者に伝わり、職を失う。
他人の資金を運用する者にしてみれば、平均的なパフォーマンスを記録する方が気楽でいられる。
この点から、多くの投資家は優れたパフォーマンスを上げられずにいると語る。
つまり、投資マネージャーは「顧客より先に逃げない勇気」を持つ必要がある。この信念を守ることがリスクとなる場合もある。
逆に、職業ではない投資家にとっては無関係である。
4. 非流動性リスク
例えば、三ヶ月後に手術代を払う、あるいは一年後に家を買う予定の投資家は、その日までに現金化するのが難しそうな投資を行うことはできない。こうした投資家にとってのリスクは、損をすることや価格が乱高下することや前述の諸リスクではない。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
「必要な時に妥当な価格で現金化できないこと」もリスクである。
大半の人は、「老後」の際に妥当な価格で現金化できないことを恐れている。
投資を余裕資金で行えというのは、ここから来ている。
生活防衛資金や数年後に使用する資金とは全く別で考えなければならない。
あなたが株式に預けたお金はいつ使うのか?
大まかにでも良いので決めておこう。
これができて、自身の必要ラインが決まる。
投資で本当に大切なのは「買い方」だった
価格はすべてを語らない
私は過去何年にもわたって、「リスクの高い資産も、十分に安い価格で買えば良い投資パフォーマンスを実現できる」と説いてきた。
重要なのは、そのタイミングがいつなのかを知ることだ。
総じて、利益を得るためによく理解した上でリスクを取ることは、長期にわたって成功の実績を積み重ねていくのに最適な試練なのである。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
そこそこの会社を素晴らしい安値で買うのではなくて、素晴らしい会社をそこそこの値で買うのです。
ディヴィッド・アンドリューズ 著「ウォーレン・バフェットの生声」
⇒ 良い物でも高値で買えば悪い投資になる。
逆に、悪い資産でも安く買えば成功の可能性はある。
「価値 > 価格」が鉄則である。
リスクは見えていない時ほど危険
知らず知らずのうちにリスクを取ることは、大きな過ちとなり得る。だが、それは「悪いことは何も起きるはずがない」という風潮がある時期に、評価が高い人気の証券を買う投資家が繰り返し行っていることである。
要するに、投資家の仕事は利益を得るために、きちんと理解した上でリスクを取ることだ。これがうまくできるかどうかが、優れた投資家とそれ以外とを分け隔てる。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
⇒ リスクが意識されない時に市場は最も危うい。
投資リスクは、主に「高すぎる価格」によって生まれる。
❶安全性が高い資産(預貯金、国債、金)の期待リターンが低い。
❷リスクの高い資産(株式、仮想通貨、他商品)が最近高パフォーマンスを演じている。
❸資金が大量に流入している。
❹融資基準が緩い。といった状況も価格の高騰を後押しする要因となり得るという。
熱狂の裏には見落とされた危機がある。
慎重な姿勢こそ、最大の防御になる。
人生と同じく、投資の世界では確実なことはほとんどない。
それでも、胸を張って信じられる原則が2つあるという。
❶ほとんどの物事には、サイクルがある。それは、いつか判明する。
❷利益や損失を生み出す大きな機会は、周りの者が原則❶を忘れたときに生じることがある。
永遠と空に届くまで伸びる木や子供はいない。
また、ゼロになって終わるものもほとんどない。
何よりも、今日の出来事を未来に当てはめることへのこだわりほど、投資家の健康を脅かすものはないのだ。
モーガン・ハウセル 著『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』
合理的な判断よりも感情のコントロールが重要と語る。
雑にいえば、「あなたの気持ちが、投資成績に1番影響する」
つまり私たちは、それぞれの体験に基づいた、異なるレンズを通して世界を見ているのだ。
モーガン・ハウセル 著『サイコロジー・オブ・マネー』
実際の「最悪」は、過去に経験した最悪であって、未来の最悪とは限らない。
まとめ
✅ 一般的なリスクとは「損をする可能性」のこと。
✅ 投資のカギは「リスク」をどう管理するか。
✅ 価格ではなく「価値」に着目せよ。
⇒ リスク管理とは「損をしないようにする技術」である。
⇒ 多くの人は、リスクを「金儲けの手段」としてしか見ていない。
リスクを取っても報われない。
そういう現実を前にして初めて、人は「リスクとは何か」を思い知るのだ。
ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆