- 投稿日:2025/09/16
- 更新日:2025/10/14
はじめに
はじめまして。福岡市の中心地で美容室を23年経営しているフランクです。
全国的に美容室は数多くありますが、福岡の中心部も例外ではなく、かなりの激戦区です。
そんな中で、ホットペッパーにも掲載せず、インスタも活用していない(←本当はした方がいいんですけどね)当店が、23年間営業を続けられているのはなぜか?
その理由は、単なる「集客」ではなく、お客様を「ファン化」できる仕組みをつくってきたからだと感じています。
そして、その仕組みの中心にあるのが「ニュースレター」です。
今回は、このニュースレターがどんな役割を果たし、どんな効果を生み、どう活用してきたのかを具体的にご紹介します。
きっと美容室以外の業種の方にも「応用できそう」と思っていただけるはずです。
今回は当店でのその役割、効果、活用術をお伝えしたいと思います。
ニュースレターってなに?
ニュースレターは、お店や企業の情報をまとめて定期的に発行する、いわば「学級新聞」のようなものです。
セールやキャンペーンの売り込みよりも、「お客様との信頼関係を深めること」に重きを置いたコミュニケーション手段です。
完成したニュースレターは、ご来店いただいたお客様にお渡ししたり、郵送でお届けしたりします。最近ではメールやWeb版で発行するケースもあり、形式はさまざまです。
リベシティでも2025年1月から会報誌が始まりましたが、それと同じようなものだとお考えください。
単なる「お知らせ」ではなく、お客様にとって読み物として楽しめ、安心感や親近感を感じてもらえるのが魅力です。だからこそ、長く続けることで大きな効果を発揮します。
なぜ「ニュースレター」がファン化につながるのか
商品紹介でなく「人柄」や「想い」を伝えるツール
ニュースレターでは、セールやキャンペーンの情報はあえて載せません。売り込み感が強いと、他のチラシやDMと同じようにゴミ箱行きになってしまうからです。
その代わりに当店が発信しているのは、
・商品やサービスへのこだわり
・技術や道具に対する想い
・美容室業界のちょっとした裏話
など。
さらに、スタッフの近況やおすすめのお店紹介、読書感想といった日常的でパーソナルな内容も織り交ぜています。
こうした情報は、ご来店時の会話のきっかけにもなり、スタッフの「人柄」を知っていただくことでお客様に親近感を持っていただけます。これこそが、ファン化の大きな第一歩です。
定期的な接触で“忘れられない存在”に
お客様がリピートしない大きな理由の一つは、技術や価格ではなく、単純に 「前に利用したお店を忘れていた」 というものです。
私たちは毎日美容室のことを考えていますが、お客様の頭の中は仕事や家庭など“美容室以外のこと”でいっぱいです。時間が経てば忘れてしまうのは当然のことなんです。
そこで役立つのがニュースレター。定期的にお客様のもとに届くことで、存在を思い出していただけます。これは心理学でいう 「単純接触効果」 ——人は繰り返し触れるものに好感を持ちやすくなる——を活用した仕組みです。
DMやSNSと違い“紙で残る”から読まれやすい
ニュースレターを紙で発行しているのは、デジタルでは届かない層にもしっかり届けたいからです。紙媒体は安心感や信頼感があり、特に40代以上のお客様からは「読みやすい」と好評です。
スマホの小さな文字は老眼やデジタル疲れで読みにくいこともありますが、紙なら手に取りやすく、あとからでも読み返してもらえるのです。
これはリベシティ会報誌を印刷したり冊子版で読んだ人なら共感すると思います。
20年間続けて実感した効果
当店がニュースレターを始めたのは、創業3年目のことでした。
それまでは情報誌やホットペッパーで集客していましたが、リピート率や客単価が思うように上がらず、苦戦していたんです。
最初は正直、効果を実感できませんでした。ところが続けていくうちに、
「この前の新聞、見ましたよ!」
「あの記事にあった本、面白かったですね!」
「旅行行かれてたんですね、私も行きたいです!」
といった声をいただくようになり、お客様との会話がぐっと広がっていきました。
さらに2〜3年が経つ頃には、数字にも変化が表れ始めました。
新規のお客様リピート率:40%台 → 約50%へ
既存のお客様リピート率:85% → 90%超えへ
リピーターが中心の美容業界において、 5〜10%の改善 は経営に大きなインパクトを与えます。
その後は経営も安定し、ニュースレターを20年以上発行してきた現在では、ホットペッパーなどの広告を完全にやめても、安定した売上を維持できています。
まずは小さく始めてみよう
ニュースレターには大きな効果がありますが、初めて取り組むときは「小さく始める」のがおすすめです。
当店の第1号は【A5サイズ片面・手書き】で、【月1回】【ご来店いただいたお客様に手渡しする】という形でした。

「手書き」は温かみが伝わり、とても効果的です。ただ、「字が苦手」「絵が描けない」という方は無理をせず、デジタル作成で問題ありません。
その後はA4片面→A4両面→A3両面と少しずつ変化させ、現在は2ヶ月に1回【A4両面】で【1年以内にご来店いただいたお客様に郵送】しています。
最初から完璧を目指さず、小さな形でも続けることが成果につながります。
ニュースレターは“継続”が鍵
ニュースレターを始めようと思うと、つい凝ったデザインや内容を追求してしまいがちです。ですが、その結果「続かない」人の方が圧倒的に多いんです。
正直なところ、数回出しただけで目に見える効果が出ることはありません。ニュースレターの真価は「続けること」によって生まれる“お客様との信頼関係”や“ファン化”にあります。
だからこそ、最初から完璧を目指さず、気負わずに肩の力を抜いて始めることが大切です。
ニュースレター代行にも毒キノコが・・・
ニュースレターの発行をしていると「ネタ」に行き詰まることがあります。
私もニュースレターの効果を感じ始めた頃、内容をもっと充実させたいと思い作成代行を試みました。
「簡単な面談だけでニュースレター作成をサポート」
「もうネタに困ることはありません」
と謳う業者が開催したセミナーに参加し、初期費用、年間作成費用などで50万円ほど支払いました。
しかし、その作成代行業者は一般的に使えるコンテンツを提供して誌面を作成しているに過ぎませんでした。
そうなると、うちじゃなくても良い情報が載っているので反応が悪くなります。
多額の費用をかけたので止めるのを躊躇しましたが、自分でも納得のいかない誌面をお客様に提供することに我慢できず解約・・・(もちろんお金は返ってきません)
(業者にお願いした時のニュースレター)
お客様との関係性作りの為のニュースレターなんだから、これはちゃんと自分たちで作る必要があるし、代行業者を使うときもその想いを共有してくれる業者さんにお願いしたいものです。
ネタに困ったら?
私がよくやっているのは「お客様との会話からピックアップする」ことです。
美容室ですから毎日お客様と会話していますよね。その中で出てくる疑問や質問に答えたり、話題になったことをそのままネタにしています。
また、あらかじめ「定番のテーマ」を決めておくのもおすすめです。最近起きた出来事を書くこともありますし、ブログやSNSに書いたことを転載しても十分役立ちます。
大切なのは「有益なことを書こう!」と気負わないこと。
むしろ「こんなこと書いていいのかな?」と思うくらいの方が、かえってお客様との関係性が深まります。逆に専門用語だらけの業界話や難しい解説は敬遠されやすいので注意しましょう。
当店で人気のネタ3選
1・旅行ネタ
旅行に行ったら必ず載せています。会話のきっかけになりますし、同じ場所に行ったことがあるお客様には親近感も生まれます。
2・近所のお店ネタ
「美容室に行ったついでに寄ろうかな」と思えるお店を紹介。
実際に「行ってきました!」「あれ美味しかった!」と反響があり好評です。美容室に来たついでに寄って行こうかな?
と思うようなお店を紹介してます。
3・スタッフインタビュー
スタッフの人柄が出るパーソナルなネタが多いですが、それが一番面白がってもらえています。
ネタ探しに困ったら…私は最近、チャッピーに「スタッフ紹介のネタを考えて」と聞いてすぐに助けてもらっています(笑)。
スタッフのパーソナルなネタが多いですが、みなさん面白がってくれてますね。
仕事と関係ないことでもいいの?
もちろんOKです!
もし新規集客のためだけなら役に立たないかもしれませんが、既存のお客様との関係づくりには大きな効果があります。
「この前行った美容室の人、実はこんな人だったんだ」
「あのスタッフさん、あんなことしてたんだ」
と気にかけてもらえると、次回の来店モチベーションにもつながります。
気軽な気持ちで取り組めば「ネタ切れ」の心配もありません。安心して書き始めてみてください。
最後に
今回はリピート率を改善して客単価を上げ、お客様との関係性を築き「ファン化」するニュースレターについて書いてみました。
「ニュースレター」がどういったものか、どういった効果があるかは知ってるけどなかなか作成まで踏み出せなかった人や、そもそもニュースレターの存在を知らなかった人などに届けば幸いです。
ニュースレターは、今日からでも始められるシンプルで強力な仕組みです。立派なデザインや特別なスキルは必要ありません。お客様との日常の会話や、ちょっとした気づきを形にするだけで十分です。
大切なのは「完璧を目指すこと」ではなく「続けること」。小さな積み重ねがやがて大きな信頼となり、お客様との絆を強めていきます。
まずは一枚の紙、短い文章から。気軽に取り組んでみてください。
ニュースレターを続けることで、きっとお客様との関係性に大きな変化を感じられるはずです。
作成についての詳しい手順や作成にかけるコストを回収する方法などは、需要があればまた別の機会に書こうと思ってますので、いいね!とブックマークをお願いします。
また「ニュースレターをはじめたい!」と思った方や気になる内容や聞いてみたいことがあれば、お気軽にコメントでお知らせください。