- 投稿日:2025/06/27

このお話に登場する中村家の皆さん
◎ 志保(しほ):47歳の主婦。
◎ まどか:80代の母。
◎ 明(あきら):志保の夫。
◎ 美緒(みお):中学1年生の娘。
◎ 陽翔(はると):小学3年生の息子。
◎ リベ丸:10歳の猫(茶トラ)。
◎ 匠(たくみ):すでに他界している父。
母の希望を、はじめて聞けた日
「ねぇ、お母さん。もしも自分のときは、どんなふうに送ってほしい?」
ある日、TVで『終活』のニュース番組が流れていた。
リビングで湯呑みを片手にくつろぎながら母・まどかに、志保はふと声をかけた。
先日、お葬式の事前相談に行ったときのことが、ずっと心に残っていたからだ。
「そんなの、まだ早いわよ〜」と笑って流されるかと思いきや、母は少し黙ってから、静かに言った。
「お父さんのときみたいな式場も悪くはないけど……私は、できたら家から送り出してもらえるとうれしいかもね」
「それって、できるの?」
その声に、反応したのは娘の美緒だった。
「おばあちゃんが家でって言っても、ちゃんとできるの?」と、真剣な表情。

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