- 投稿日:2025/06/25
- 更新日:2025/09/29

近年、SNSやマッチングアプリを介した「SNS型投資詐欺」「ロマンス詐欺」が深刻な社会問題となっています。警察庁の発表によると、2024年11月末時点の被害額は約1,141億円。これは氷山の一角かもしれません。
SNS型詐欺とは?手口の進化と巧妙さ
SNS型投資詐欺では、InstagramやX(旧Twitter)、Facebookなどに表示される偽広告をきっかけに、LINEグループへ誘導されるケースが多数確認されています。グループ内では「著名人になりすました人物」や「投資の先生」と名乗る人から、もっともらしい投資話が展開され、最終的に指定口座への振込を促される手口です。
一方、SNS型ロマンス詐欺では、マッチングアプリやSNSを通じて知り合った相手と日常的にメッセージを交わし、恋愛感情が芽生えたころに投資話が登場します。「将来のために」「結婚資金を用意しよう」など、愛情を盾に暗号資産や投資への勧誘が行われ、金銭をだまし取られるのです。
実例から学ぶ:甘い言葉の裏にある冷酷な罠
私の知人にも、マッチングアプリで知り合った異性と一度食事をし、その後はLINEで頻繁にやり取りをする関係になった方がいます。数週間後、「一緒に未来を築きたい」「投資すれば将来は安泰」と言われ、複数回に分けて金銭を渡してしまったそうです。
この頃は、ちょうどマッチングアプリが急速に普及し始めた時期で、「詐欺かもしれない」と疑う意識がほとんどなかったそうです。信じたい気持ちが先に立ち、冷静な判断力を奪われてしまったという典型例です。
詐欺被害を防ぐために覚えておきたい3つの教訓
このような被害を未然に防ぐために、以下の3つのポイントを意識しましょう。
① 実際に会ったことがない人との「お金の話」は赤信号
どれだけ親密に感じても、ネット上でしか関係がない相手からお金の話が出たら、まずは疑うこと。恋愛感情や信頼関係に乗じた金銭要求は、典型的な詐欺の特徴です。
② 安易に個人情報を渡さない
氏名・住所・勤務先・銀行口座・マイナンバーなどの個人情報は、信頼できる第三者機関以外には開示しないのが鉄則です。
③ 投資話には「裏を取る」習慣を
投資を勧められた場合は、まず投資先が実在するのか、金融庁に登録されている業者かを確認しましょう。国の登録機関である「金融庁の検索ページ」などで簡単に調べることができます。
ロマンス詐欺の本質:冷静さを失わせる心理トリック
ロマンス詐欺は、感情を利用した最も巧妙な詐欺のひとつです。恋愛感情が芽生えると、通常の判断力が鈍り、相手を疑うことが「裏切り」のように感じてしまいます。その心理的な隙を狙うのが詐欺師たちの手口です。
身の丈に合う関係こそ、真の信頼関係
私自身も思うのは、「身の丈に合う関係」こそが、信頼と安心に基づいた健全な人間関係だということです。誠実に向き合ってくれる人は、お金や投資で信頼を試すようなことはしません。
詐欺は誰にでも起こりうる身近な脅威です。特に「ネット上の出会い」や「お金の話」が重なる場面では、一呼吸置いて、冷静に周囲に相談する習慣を持ちましょう。あなたの資産と心を守るために。