- 投稿日:2025/07/23
- 更新日:2025/09/29

第1章|はじめに
「転職って難しそうだな…」
「今の自分には縁のない話だ」
3年前、東京の物流会社で営業をしていた私はそう思っていました。
業界として、まだまだ体育会系な部分も残っていて、
「働けば働くほど(残業をすればするほど)、評価されるんだ」
「今は忙しくて大変だけど、評価されれば給料も上がるはず」
当時の私は日々こう思いながら、土日も返上で働いていました。
第2章|転機
しかし社会人5年目になった時、そうは言っていられない出来事が起こりました。
ある日の朝、起きられなくなってしまったのです。
目は覚めているのに、起き上がれない。体を起こすことができない。
ちょうどこの時、スーパーバイザーになって3ヶ月しか経っていない頃でした。
昇進が嬉しく、周囲の期待に応えようと頑張っていたのですが、自分でも気づかないうちに、身体が限界を迎えていたようです。
家族の勧めで病院に行き、しばらくは薬を飲みながらなんとか職場に行っていましたが、やはり業務を続けることが難しく、休職という選択をとることにしました。
毎日朝から晩まで働いていたのに、急に何もすることがなくなった。金銭的な不安もあり、何かしないと、という焦りで心がいっぱいでした。でも身体は動かない。
どうすることもできないので、この期間はずっと家で寝ていたと思います。(あまり記憶がありません)
そして3ヶ月ほどが経ち、かなり回復してきた私は、これからこの仕事を続けるべきか、考えてみることにしました。
第3章|これまでの私
大学の時に勉強していた中国語を活かしたい。
中国と繋がる仕事がしたい。
そう思って当時の会社に入社し、現場での仕事、国内の法人向けの営業なども経験した後東京に異動となり、念願の海外向け法人営業のチームに配属されました。
そしてそのチームに配属されて一年が経ち、スーパーバイザーになることもできました。
側から見れば順風満帆。
でも私の中では、これで良いのか?という思いがありました。
これだけ身を削ってまで働いて、それでも他の業界で働く友達よりも低い給料。
さらに、自分が目指していた目標が達成されている今、この会社で次に何を目指すのか、イメージができませんでした。
管理職を目指す?海外の現地法人で働く?
正直、どれもイメージできず、今の会社で働き続ける理由が見つかりませんでした。
そこで私は、復職するのではなく転職活動をすることにしました。
第4章|リベ大との出会い
この時、私はたまたまYouTubeのおすすめで流れてきたリベ大の動画を見ることがありました。
ちょうど転職について考えていた時期なので、リベ大の転職に関する動画を見あさって、そこで初めて「軸ずらし転職」というものを知りました。
「軸ずらし転職」とは、
・自分の経験してきた業界は変えずに職種を変える
・自分の経験してきた職種は変えずに業界を変える
といったように、これまでの経験は活かしつつ、異なる業界や職種で軸をずらしながら転職をすることです。
今までずっと物流の営業をやってきていたので、それ以外の選択肢は無いと思っていた私にとっては、まさに目から鱗の情報でした。
第5章|業界を変える
業界を変えるか、職種を変えるか…
私はそれまで約4年間法人営業をやっていたのですが、営業は自分である程度裁量を持って仕事を進められるため、この職種自体は結構気に入っていました。
であれば職種を変えずに、業界を変えよう。
そこで初めて私は、物流業界以外に目を向けるようになりました。
これまでの営業経験の中で、少しでも関わっていた業界は何だろう?
取引先であった製造業?それとも協力会社であったIT業界?
その時、ふと物流業界に対してずっと感じてきたことを思い出しました。
それは、「他の業界に比べて、デジタル化が遅れているのでは?」ということです。
まだまだ配達には紙の伝票を使っており、配送ルートはドライバーの頭の中。人が足りていないと言われながらも、新人はまずルートを覚えることが大変で、一人前になるまで時間がかかる。なかなか人が定着しにくいのも、こういった理由があります。
では、ITを使って、そういった物流業界の課題を解決できるのではないか?
そして、ずっと近くでその大変さを目の当たりにしてきたドライバーさんたちの負担を、少しでも減らしたい。
そう思った私は、物流×ITを転職の軸として、転職活動を始めました。
転職エージェントの方にも相談しながら、物流のデジタル化を事業として進めているIT企業を片っ端から探し、応募しました。
第6章|一度目の転職活動
そして私の転職活動が本格的に始まりました。
合わせて約20社ほど応募し、一時期は毎日面接を受けていたと思います。
大変でしたが、私の場合軸がしっかりと決まっていたので、転職活動はスムーズに進みました。
私のやりたいこととその会社の業務内容、将来像が合わない場合は、こちらからお断りすることもありました。
そして最終的に内定をいただいた3社の中から、物流会社向けのシステムを一部販売している、SIer(システム開発、導入、運用保守などを一括で請け負う会社)に入社することに決めました。
法人営業の経験は活かしつつ、物流業界→IT業界への軸ずらし転職がついに成功しました。
第7章|SIerで法人営業をする
SIerに入社し、私はある既存顧客向けの営業を担当することとなりました。
一部、物流に関わるシステムの販売もしていましたが、実際はCSM(顧客管理サービス)、MA(マーケティング活動の自動化)のシステム導入支援が主な仕事でした。
入社してから1年半ほどその仕事を続け、これまでは無かった新しい知識を吸収したり、営業だけでなく導入支援まで職種の幅を広がることができました。また顧客との信頼関係も構築でき、新たな案件の相談をいただくことも増えました。
ただ、私がもともとやりたいと思っていた、
「ITを使って、物流業界の課題を解決すること」からキャリアとして離れてきていると感じていました。
また物流に関するシステムの事業も縮小しつつあったため、その会社でやりたいことを実現することは難しいと感じるようになりました。
そしてあるプロジェクトが区切りとなったタイミングで、再度転職活動を始めました。
第8章|二度目の転職活動
一度転職を経験していると、二度目の転職活動はとてもスムーズに進みました。
履歴書、職務経歴書の書き方や面接の対策方法をすでに知っているためです。
一度目の転職活動時の履歴書、職務経歴書を元に内容を修正し、転職エージェントを通して企業への応募を進めました。
今度は、特に物流に特化したシステムやアプリの販売をしている会社に絞って応募をしました。
その会社の目指している姿やミッションと、自分のやりたいことが近いか?
ここを特に重視して企業選びをしました。
また、システムの導入支援をしていた経験もあるため、営業だけでなくカスタマーサクセスなど導入支援に関わる職種も視野に入れていました。
そして10社ほど応募をして、普段の業務後に面接を受ける日々が続きました。
3〜4週間ほど様々な面接を受け、そして第一志望の企業から内定をいただくことができました。
ミッションに共感できたこともありますし、今度は営業ではなくコンサルタントとして導入支援の経験も活かせるということに魅力を感じ、入社を決めました。
今回は、業界ではなく営業→導入コンサルタントという職種での軸ずらし転職に成功しました。
第9章|二度の転職を経験して
20代で二度転職を経験しているのは、もしかすると他の人よりも転職回数が多いかもしれません。
その分、新たな人間関係を構築したり引越しすることも多かったため、大変なこともありました。
ただ今思うと、二度の転職をして本当に良かったと思います。軸ずらし転職をして良かった点を以下に挙げたいと思います。
① 年収が上がった
私の場合、もともと業界的に給料の水準が低かったこともあり、業界を変えたことでかなり年収が上がりました。
また、2社目の会社でシステムに関する知識を得たことと、導入支援の経験をしたことにより経験値が上がり、3社目の転職に活かすことができました。
特に、東京から地元の大阪に戻ったにも関わらず、年収が上がったことは非常に良かったです。
② 働くことへのモチベーションが上がった
「働くことを通して、自分は何を実現したいのか?」
ここがあまりはっきりとしていない状態だと、日々の業務に対するモチベーションが下がります。転職活動を通して、自分が実現したいことがはっきり見えたので、働くモチベーションが上がりました。
③ 転職に対するハードルが下がった
もともと自分にはアピールできるほどの能力はないので、転職は難しいだろうと思っていました。しかし転職活動をしてみて、それまでの自分の経歴を振り返ってみた時に、大したことないと思っていてもアピールポイントになることもある、ということがわかりました。(小さなプロジェクトだが他者と調整をしながら立ち上げを成功させた、など)
上記は転職活動をしながら見えてきたことです。自分でできないと決めつけずに、まずは行動してみることが大切だと学びました。
④ プライベートが充実した
転職する前は、平日の夜は接待や飲み会、土日も返上で働いており、ほとんどプライベートの時間が取れない状態でした。
転職を経て、年収は上がりつつもプライベートの時間も多く取れるようになり、自由度が上がったと実感しています。
⑤ 尊敬できる人に囲まれて切磋琢磨できる
転職をすると、その分新たな人との出会いがあります。
私の場合は、近くに尊敬できる人がいる場合といない場合で、かなりモチベーションが左右されます。
転職を経て今は、自分から見て凄いと思う人ばかりに囲まれており、日々切磋琢磨している状態です。
そんな凄い人たちと自分を比較して、できない自分に悔しくなることも多々ありますが、学びの環境としては、今非常に良い環境に身を置いていると感じています。
第10章|最後に
今転職を考えている方、転職をしようと思っているが一歩踏み出せない方、いらっしゃると思います。
私は転職を考え始めてから、行動に移すまで数ヶ月ほど時間がかかりました。
しかし転職を経験して、行動してから見えてきたことがかなり多かったので、もっと早く行動に移していても良かったと思います。
もちろん履歴書や職務経歴書など準備は必要ですが、一度作成するとそれ以降の転職活動が本当に楽になります。
一歩踏み出すことはなかなか勇気がいりますが、まずはできることから始めてみるのはいかがでしょうか?
この記事が一歩を踏み出す後押しとなれれば幸いです。