- 投稿日:2025/07/09
- 更新日:2025/09/30

経緯の概要
大学進学をきっかけに、息子が暮らすことになった1Kマンション。契約当初から卒業まで住む予定で借りました。そのことをオーナーにも伝えていたにもかかわらず、ある日届いた通知は「所有者変更・管理会社変更・家賃振込先変更」の三点セット。
詐欺の可能性も頭をよぎり、すぐに契約時の不動産会社へ確認。担当者自身も驚いていたことから、本件の急な展開がよくわかりました。
契約者は私だったので、すべての対応を私がしなくてはなりません。
新オーナーからの打診
程なくして、新オーナーN社の仲介役であるA氏から「立ち退き依頼」の連絡が来ました。
「持ち家vs賃貸」についてリベで勉強していましたが、「賃貸だとこういうことが起こるのね」を実感しました。
「地上げとかですか?」と聞いてみると、「今の物件を壊してもっと大きな建物に建て替えるようです」と返ってきました。実は2度ほど、大家さんもご一緒に息子の部屋を訪問なさったそうです(留守だったとのこと)。東京から地方にある自宅まで説明に来てくださるとのことで、一定の誠意を感じました。
ちなみに、同じマンションに住んでいた大家さんは、すでに退去済みということでした。
情報収集と戦略が大事
・N社は東京に本社を置くデベロッパー
・建て替えをするのであれば、なるべく早く着工したいはず
・マンションには法人も入っている。そことの交渉がどうなっているのかも聞きたい
・借地借家法をタテにして「出ていかない」とごねたとしても、2年位で、結局出ていくことになるだろう
・まずは、相手の出方を見て、こちら側の条件について洗い出そう。
・相手は個人ではなく法人。この手のやり取りは経験豊富だろうし、出ていく姿勢を見せるほうが、交渉しやすいかもしれない。
エトセトラ エトセトラ
お互いの条件を出し合う
N社から提示された条件(抜粋)
・敷金全額返金/退去時の清掃費免除
・引っ越し代、新居の契約に係る費用、引っ越すことで必要になる家具等(カーテンなど)の費用
・引っ越し先で不要となるもの(つまりゴミ)は、すべて置いたまま退去でよい
・退去期限の強制はなし
・家賃は管理費込みで現在のプラス20%までの範囲
・家賃の上振れによる差額負担2年分
こちらから提示した条件
・引っ越しは、学業に差し支えないスケジュールで進めたい
・新居へ移転することによる発生コスト全額の費用負担
(更新料差額・保証会社費用(今までは保証会社の利用無し)・通学定期代差額・親用の合鍵代など)
・「家賃は、学費として貯めたお金から払っているのであり、予算が決まっている。」として、
発生し続ける差額は、卒業予定年度の3月末まで全額の費用負担を要望
・今の部屋のフリーレント2か月分
<フリーレントについて>
・住所変更にともなう関係各所への手続きで子供にも負担がある
・内見などで親の交通費なども発生、新物件の契約に関し諸々の対応
というめんどくさいことについての慰謝料的な要求でした。
(慰謝料下さいって言いにくいけど、どんどん人が退去していくわけなので、この物件で儲ける気がないなら、これくらいいけるかな~と思ったの。 てへっ💛)
交渉は最初から最後まで、全てメールで行いました。
結局は人間関係なので、終始謙虚な姿勢を忘れず、礼節を持ってこちらの要求を提出しました。
結果、満額回答をいただきました。
物件探しから契約まで
合意が取れてから新居探しを本格化。現在の地域に近いエリアを希望し、レインズにアクセスできるA氏にも、物件探しを依頼しました。
不動産サイトで、物件を発見したので内見を申し込み、同時にN社にも見積もりを送付しました。
現地では「先行申し込み」の存在に焦る場面もありましたが、熱意を伝えて契約に成功。部屋のオーナー(分譲賃貸)には、エアコンの交換もしてもらえることになりました。また、家賃はN社側の希望額をややオーバーしていたものの、了承が得られました。
引っ越し先の照明(残置物)が豪華すぎて、電気代が気になったので、今の部屋の照明二つ(残置物)をもらえないかN社と交渉し承諾を得ました。
費用確定と最終合意
賃貸物件の契約後、最終的な費用が確定。提示された見積もりにも納得し、X社との契約書を取り交わしました。
・実費ではなく見積もりベースで支給
・契約後に新居契約金を即振込
・引っ越し完了後に残額を振込
・契約書には退去条件の詳細も明記
相見積もりをしたおかげで、3月という繁忙期にもかかわらず、引っ越し代は予算内ですみました。2万くらい浮きました。また、当日には、A氏にお弁当などの差し入れまでいただきました。
あとがき
思い入れのある部屋との別れは寂しさもありましたが、事実を冷静に捉え、丁寧なコミュニケーションと細やかな調整を積み重ねたことで、納得の結果につなげることができました。
この経験は、「交渉とは信頼と論理のバランス」ということを改めて教えてくれたように思います。
ちなみに、息子の部屋は私の東京基地を兼ねていますが、新しい部屋は分譲賃貸だけあって、超快適です。(^_^)v