- 投稿日:2025/07/22
- 更新日:2025/11/05
序章
人が亡くなる話なんて不謹慎で縁起が悪い・・・。
そう言う方が世の中には何千何万といらっしゃいます。
実際僕もその中の1人でした。
ですが、世の中の死亡率は・・・・言うまでもなく100%です。
人は必ず死にます。
大切な家族、親戚、友達・・・。
その人達が亡くなった時はもう冷静に判断する事は極めて困難です。
ほぼ必ずパニックになります。
しかし、人が亡くなった時に当事者は悲しんでいる時間が無いのが現実です。
悲しくて辛くてしんどくて・・・そんな中死亡届を貰い、ご遺体を自宅や安置所まで搬送し、死亡届を役所に届け、火葬場の予約をし、葬儀の手配、親戚や友人などに亡くなった事を連絡し・・・・などなどやる事は山ほどあって、メンタルが超低下してる時にそんな事が全て冷静に進める事が出来る人はどれだけいるか。
そんな事を全てやってくれるのが葬儀屋さんです。
葬儀屋さんは本当に便利で全てを任せる事が出来る素晴らしい人です。
しかし・・・・人の悲しみや弱ってる心に付け込んでくるのもまた葬儀屋です。
葬儀屋もビジネスです。
ビジネスという事は儲けなければいけません。
ボランティアでは無いので必ずお金が発生します。
葬儀の相場を知ってる人はどのくらいいるでしょうか?
多くの人は親戚が知ってる人に頼む。とか実家が農協に入ってるから農協でやる。とか病院や保険屋や会社など、誰かの紹介でお願いする人ばかりで、事前に自分で調べたりしてる人は数パーセントしかいないのが現実です。
葬儀の相場は知らない人だらけです。
相場を知らないのに冷静に判断出来ない状態の時に葬儀屋さんに全てをお任せしてしまうと・・・全てが終わる頃には数十万〜100万円やそれ以上になる事も珍しくありません。
そして全てを終えてしまうとその金額を支払わなければなりません。
人が亡くなる話なんて不謹慎で縁起が悪い・・・。
このように言っている人が一番ぼったくりに遭ってしまします。
そうならない為に今から少しでいいから守る知識を頭の片隅にでも入れていればいざという時に無駄な出費をしないで済みます。
元搬送業者の僕が色んな葬儀会社と取引をして、多数の葬儀の経験を元にどうすればぼったくりから回避出来るか、どうすれば適正な葬儀が出来るかを皆さんに伝えれる事が出来れば幸いです。
第1章:葬儀は「緊急契約」が9割、だから危ない
多くの人が準備ゼロで突然決める病院が紹介する葬儀社は高確率で高い「早く決めないと遺体が…」と焦らされる構造
人が亡くなった時に起きる状況
病院の場合・・・病室で亡くなったら霊安室に移動するか、病室で待機をする。
その時に病院側は○○時間までに移動させてください。
と言われて、時間が無い中悲しむ暇もなく葬儀屋さん探しをしなくてはならない。
あまり時間がかかると病院によっては「うちは安置所ではないので早く移動していただけますか?」と言ってくる事もあります。
夏場だったら「なるべく急がないとご遺体の腐食が進んでしまいますよ。」
とも言われる事があります。
そんな事を言われたら焦りますよね……。
この時が実は一番大事な場面で、事前に搬送業者や葬儀屋さんを調べていたらすぐに対応出来ますが、
何の準備もしてない人は病院に置いてあるパンフレットを見るかネットで検索して上の方に表示された業者に連絡するか、テレビのCMやネット広告などに載ってる有名な業者に依頼してしまうケースが殆どです。
ここがボッタクリの一丁目になります。
第2章:これが「ぼったくり葬儀」の実態!
相場:一般的な直葬は10万円〜、家族葬は30万〜、でも80万〜請求される例も不要オプション(霊柩車、過剰な供花、高額な式場など)プランに含まれると見せかけて「実費で別請求」も
葬儀の相場は大体10万円〜30万円で一般的な葬儀は行う事が出来ます。
しかしこれはタイミングよくスムーズに行けばの話です。
タイミングよくスムーズに??ってどゆこと??って思いますよね?
タイミングとは火葬場に空きがある事。
火葬場は予約制で予約が取れなければ火葬を行う事が出来ません。
火葬が出来ないとどうなる??・・・安置する日数が増えます。
安置する日数が増えるとどうなる??・・・安置の費用がかかります。
安置の費用とは??
安置所がご遺体を保管する冷蔵庫だった場合1泊5,000円〜30,000円ほどかかります。
通常の霊安室や安置室での保管の場合は毎日ドライアイスを交換する必要があるので1泊3,000円〜20,000円ほどかかります。
これの日数分が必ずかかります。
スムーズにとは葬儀は家族だけじゃなく親戚や親族以外を呼ぶ場合、ある程度の人が来れる日を設定する必要があるので、その分安置する日数が加算されてしまいます。
年末年始なども火葬場が休みになると休み明けまで安置しなければならないので、その分の日数が費用に加算されます。
金額の幅が大きくない??って思いますよね??
何か違いがあるか・・・と言っても何も違いはありません。
良心的な業者とぼったくり業者の違いになります。
直葬(安置所から直接火葬場へ向かうこと)の場合は安置日数、搬送料金、火葬場の料金、葬儀屋さんへの手数料、棺と布団代のみで済むので(お寺さんを呼ぶ場合お坊さんへのお布施が必要)最低限の金額で行う事が出来ます。
葬儀の場合は葬儀場の確保。規模をどのくらいにするか。何人呼ぶか。
お通夜は行うか。料理は何人分用意するか。香典返しはどうするか。お坊さんは呼ぶか。お花はどうするか。故人様の服装やお化粧などをするか。霊柩車はどうするか(霊柩車か搬送用車両)。司会はつけるか。
などと沢山決める事があります。
決める事が多いという事は、その分費用も加算されていきます。
そうすると気がついた時には50万60万・・・80万・・・・100万と雪だるまのように費用が膨れ上がります。
通常のビジネスだと見積もりから請求・支払いまでは数週間や数ヶ月かかると思いますが、葬儀は亡くなってから支払いまでが数日という超短期になります。
この超短期の超スピードに対応出来るように事前準備はめちゃくちゃ大事だと僕の経験では思います。
第3章:絶対にやってはいけない!NG対応集
※紹介されたまま流される
紹介者が本当に信頼出来る人で、予め内容を知らせていてくれている場合は良いんですが、その場で病院から紹介されるとか、急に出てくる「俺に任せろ」と詳細を言わずに全部何とかしてやる!みたいな人は要注意です。
紹介料がめっちゃ貰えるケースが多いので、詳しく金額を言わずに話題を逸らしたり濁す人の紹介は危険なのでやめましょう。
万が一搬送してしまったら搬送後に業者を変える事も出来るので(搬送料金はかかります)おかしいと思ったらしっかり調べて適正な価格で請け負ってくれる業者さんを見つけましょう。
※「とりあえず」で見積もりを確認せず契約
皆さんが一番選ばれている普通のプランで進めましょうか?って言葉にも騙されてはいけません。
皆さんが一番選ばれている・・・違う違う。
皆さんを一番選ばせているプランが正解。
人は多数の人が選んでいる物に安心感を抱くので、皆んなが選んでるなら大丈夫か!と思い込んで言われるがままに進めてしまうものです。
皆んなが選ばされてるプランは中の上クラスのプランなので、80~100万円くらいのプランが殆どです。
※感情に訴える営業に負ける
ご遺体を運ぶ時に一般的なのはシーツに包んで搬送しますが、この時によく言われる言葉にも気をつけてください。
一般的なシーツは本当にただの白い薄いシーツと貧相な枕なので、
「故人様が安心してお眠りになれるように枕もこちらの枕の方がよろしいかと思われますが、いかがでしょうか?」
「シーツだけだとお寒いと思いますのでお布団をかけてあげたら故人様もお喜びになられるかと思いますがいかがでしょうか?」
このように言ってくる葬儀屋さんはなるべく信用しないでください。
枕交換と布団で数万円変わります。
棺も一般的な棺だと高くても5万円ほどですが、
「この花柄のお棺に綺麗なお花を沢山入れてあげると故人様も華やかでとてもお喜びになられると思います。」
このように言われると・・・そうですね・・。と言ってしまう人が殆どです。
この棺とお花で数万〜20万くらい変わります。
他にも「三途の川を渡る時に白い装束や草履などのセットを着せてあげれば迷う事なく成仏出来ます。」
や「お供えするお花は2段や3段あればとても見栄えがよく、故人様にも参列される方々にも大変喜ばれて悔いなく天国に旅立つ事が出来ると思います。」
など心に入り込む営業をしてくる業者が必ずいるので、本当に気をつけてください。
このような理由で葬儀の金額がどんどん高くなっていくのです。
第4章:守る力の武器
・地元で信頼できる葬儀社をリストアップしておく
家族や自分の葬儀の時に何をすればいいか?
何にいくら費用がかかるのかを見積もってもらいましょう。
一社ではなく数社で見積もれればなお良きです。
出来れば個人でやられている葬儀屋さんがおすすめです。
・事前に「直葬・家族葬の相場」を調べる
直葬にかかる工程や1つ1つの料金を詳しく聞きましょう。
安置所や安置料金、ドライアイスの料金、冷蔵庫の料金、搬送料金、葬儀場の料金、食事や香典返し、お寺さんの料金も聞いていきましょう。

・エンディングノートに希望を書いておく
どんな葬儀をしたいか。誰に連絡をしておくか。葬儀屋はどこにするか。お墓はどうするか。などの費用がかかる重要な事はなるべく記録しておきましょう。

・市町村の火葬場の予約方法と料金を確認
自分の市町村の火葬料金と近隣の市外の火葬料金も調べておきましょう。
地元以外での火葬は火葬料金が高くなりますが、地元の火葬場が混んでいて安置日数が何日もかかる場合は市街で火葬した方がトータルで安くなる事もあります。
臨機応変に対応出来るように事前にチェックしておきましょう。

第5章:ゆうぞう流!ぼったくり回避術
・枕や布団をグレードアップさせてくる業者には気をつけろ!
枕や布団は本人が使用していた物や予め用意している物を使えば料金はかかりません。
・病院のパンフレットを信じるな!(稀にいい業者のパンフレットもあります。)
病院が葬儀屋さんのパンフレットを置くメリットを考えましょう。良心的な病院ならいいですが、報酬を貰っている病院もあるので、その報酬は何処から払われているか…しっかり検討して判断しましょう。
・ネットの上位は信用するな!
ネットの上位は信用出来る!!なんて大間違い。良心的な業者はちゃんと調べないと出てきません。余裕のある時に1度何社か見比べて見てください。
・CMに出てる芸能人のギャラは誰が出しているか考えろ!
テレビや広告などで有名芸能人が宣伝しているのはボランティアではありません。必ず報酬が生まれています。その報酬の財源はどこから……?
良心的な葬儀屋さんは無駄な宣伝広告費はかけません。
・小さなお葬式・○○万円ポッキリに騙されるな!(基本料では納まらない事が多い)
小さなお葬式で小さく終わったって話は殆ど聞きません。大抵終わってからクレームが来たりしています。
本当に〇万円ポッキリだったと言う人は葬儀屋さんに色々と言える人だと思います。
だいたいの人が言われるがまま高額な支払いをしています。
第6章:僕が思う理想の葬儀
数百件の搬送と葬儀を見てきて、僕が辿り着いた葬儀の答えは・・・
葬式ってやる必要ある???
このような答えに辿り着きました。
え????何言ってんの???って思いました??
葬儀ってそもそもしなくてもいいんですよ。
法律的に決まっているのは死亡届を提出して火葬をすればあとは何も決まりがないんです。
お通夜も告別式もする必要はなくて、お坊さんを呼ぶこともしなくていいし、亡くなってから付けてもらう名前(戒名)もお坊さんに付けてもらうとすごい金額がかかるので、ぶっちゃけ自分で決めてもいいと僕個人は思っています。
は????何の儀式もせんかったらそれこそ亡くなった人に失礼やんけ!!って文句が飛んできそうですが。。。
何もしないとは言ってません(笑)
最低限の火葬までは行って、その後にお別れ会を故人様の好きだった場所や好きだった料理を自分たちで会場を借りるか、思い出のお店や場所で集まって昔話をしながら笑顔で送り出す。
そのような形の葬儀が僕は良いのかな?と考えます。
同じ数十万円を使うなら時間制限がある場所でそんなに美味しくもない料理を高級料理くらいの金額で食べて、流れ作業のように終わっていくより
想いのこもった場所や料理で時間を気にせず泣いて笑って送り出したいじゃないですか。
このように葬儀って決まりがあるように見えて実は殆ど決まりは無いんです。
その事を知った上でやっぱり葬儀はしっかりやりたい。そういう人も大勢います。
親戚や周りのしがらみで葬儀をしなきゃいけない人もいます。
宗教や自治体の付き合いや農協・・・いろいろ事情がある人もいます。
そんな人も何も知らないより知った上で決めていけば、納得して支払いを出来ると思います。
葬儀後に支払いで揉めて裁判したり、支払わずに逃げる人も少なくありません。
裁判してもほぼ確実に負けます。
払わずに逃げてもどこまでも回収に来ます(本当に)。
なので僕は最後に家族が揉めるのを避ける為に100万円くらい降りる死亡保険に入っておけば家族が支払いで揉める事は少なくなると伝えてます。(保険は出来れば推奨しません)
第7章:まとめと行動リスト
守る力=知っておく力+準備する力「知らないと損する」は通用しない時代に無料でできることから始めよう
ここまで読んで頂きありがとうございました。
せっかく稼いだお金を無駄な事で取られないように少しでも良いから準備して大切な資産を守りましょう。
葬儀の料金を聞くのはタダなので、無料で情報を入手して支払額をグッと低くしてぼったくりを回避しましょう。
終わりに
死に様が生き様。
自分が死んだ時にどれだけの人が会いに来てくれるか、どれだけの人が悲しんでくれるか、どれだけの人が思い出しながら笑って語り合ってくれるか。。。
霊柩車を運転している時に、毎日色んな喪主さんとお話しさせて頂きました。
悲しみながら生前の素敵な話をしてくれる人。
ため息をついてやっと解放されたと呟く人。
遺産相続の事しか頭にない人。
僕は出来れば生前の素敵な話をしてもらえるように子供達に恥じない生き方をして人生を終わらせたいと思っています。
とはいえ生きてるだけで丸儲け!なので、生きてるうちは楽しく稼いで自由に最高の人生を送りましょう!!
ぼったくられたらアカンでぇ〜(笑)
ありがとうございました!!!