- 投稿日:2025/07/30
- 更新日:2025/10/08

- 🎯はじめに|“稼ぐ”とは、“他者に貢献する力”のこと。
- 🧠 診断と仮説は違う
- 💡 理学的評価の6分類
- 👣 評価力があなたの武器になる
- 📘 このコンテンツで学べること
- ▶️ 学び方のご提案
- 📝 最後に|“思考”は、誰にでも許された専門性
- 🩺 Case.01(初級)|歩行時に膝が抜けそうになる70代女性
- 🩺 Case.02(初級)|デスクワーカーの肩こり・首こりを訴える30代男性
- 🩺 Case.03(中級)|慢性的な腰の違和感を訴える40代女性
- 🩺 Case.04(中級)|ランニング後の膝外側痛を訴える20代男性
- 🩺 Case.05(上級)|呼吸時の胸の違和感と背部痛を訴える50代男性
- まとめ|“評価と思考”があなたの施術を変える
こんにちは😊
名古屋市守山区で痛み改善サロンを運営している理学療法士のきむです。
🎯はじめに|“稼ぐ”とは、“他者に貢献する力”のこと。
リベシティでは「稼ぐ=他者貢献」と繰り返し語られています。
痛み改善を目的する職種にとっての「他者貢献」は、
✨ 痛みが和らいだとき
✨ 体が軽くなったとき
✨ 自分の体と向き合うきっかけを与えられたとき
そんな“変化”を届けられたときに、自然と生まれます。
つまり、「痛みを改善するスキル」=「貢献する力」です。
そしてそれは、間違いなく“稼ぐ力”にも直結します。
痛み改善を支援する代表的な職種一覧
【医療・リハビリ系】
理学療法士(PT)
作業療法士(OT)
柔道整復師
鍼灸師
あん摩マッサージ指圧師
看護師(特に訪問看護など)
医師(特に整形外科・ペインクリニック)
【整体・ボディケア系】
整体師
カイロプラクター
トリガーポイント療法士
筋膜リリース・タイ古式マッサージ等のセラピスト
リラクゼーション系施術者(もみほぐし等)
【トレーニング・運動指導系】
パーソナルトレーナー
アスレティックトレーナー(AT)
ストレッチトレーナー
ヨガインストラクター
ピラティスインストラクター
フィットネスインストラクター
【福祉・ケア支援系】
介護福祉士・ケアマネジャー
デイサービス職員
放課後等デイサービススタッフ(発達支援含む)
【教育・育成系】
スポーツ指導者(学校・地域クラブ・少年団など)
体育教師・部活動顧問
コーチ・監督(中学・高校・大学スポーツ)
子どもの発育発達支援スタッフ(保育士・療育系含む)
【セルフケア・啓発活動】
自身や家族の痛みを学びたい一般の方
セルフケア動画・記事を発信しているブロガー・YouTuber
これらすべての人に共通して必要なのが「評価力と仮説力」です。
資格の有無ではなく、“考える力”こそが、痛み改善の本質に迫る鍵になります。
🧠 診断と仮説は違う
私が好きな番組に「総合診療医ドクターG」があります。
限られた症状・所見から病態を推理していく――
まさに“考える力”が問われる知的作業です。
でも、ここで大事なのは…
❌「診断」は医師だけの独占業務
✅「仮説を立てること」は誰でもできる
痛み改善を支える全ての人に必要なのは、
「評価力と仮説力」です。
医師の役割(診断の専門家)
症状の原因が病気かどうかを判断(診断権)
血液検査・画像診断などの医療検査を活用
病名をつけることができる(例:変形性関節症、椎間板ヘルニア)
薬・注射・手術などの医療処置を行える
重大な疾患を見逃さないために、除外診断が重要な役割
🧑⚕️ セラピスト・施術家・トレーナーの役割(評価と仮説の専門家)
姿勢や動作、筋力・柔軟性などを理学的に評価できる
「なぜその動きで痛みが出るのか?」を仮説として推理する
筋・関節・神経・呼吸などから日常のクセや代償動作を読み取る
手技・運動・生活指導を通じて、身体機能を改善する支援ができる
医師の診断に基づきながら、“変化をつくる”ための実践家
役割は違っても、目的は同じ
医師:病気を見つけるプロ(業務独占)
セラピスト:動きやクセを読み解くプロ
👉 “診断”は医師だけの専門領域ですが、“仮説を立てる力”は誰にでも持つことができるスキルです。
👉 評価と思考力を磨けば、資格の有無に関係なく、痛みに寄り添う力は高めていけます。
💡 理学的評価の6分類
理学的評価とは、
「なぜここが痛むのか?」を考える手段です。
以下の6分類で観察・検査を進めていくと、より精度の高い仮説が立てられます。
姿勢評価:重心バランスや左右差、代償姿勢から負担を推測
自動運動検査(AROM):患者が自分で動いたときの痛み・動作制限
他動的検査(PROM):施術者が動かして、関節包や筋膜の状態を確認
他動的副運動検査:関節の滑りや遊びなど微細な動きを評価
抵抗運動テスト(MMT):筋出力と収縮時の痛みから筋機能を分析
触診:筋肉や皮膚、骨、神経の状態を手で確認する
👣 評価力があなたの武器になる
たとえば…
❌ 凝っている所をただほぐす
⏩ ✅「なぜそこが固まるのか?」を推理してほぐす
❌ 同じ痛みに同じ手技
⏩ ✅「一人ひとりの違い」を踏まえた仮説→再評価→修正
この“思考の型”を持てば、施術は「なんとなく」から脱却し、
「根拠のある手当て」に変わります。
📘 このコンテンツで学べること
学べることの具体例
✅ 評価する力姿勢・筋力・神経・関節のチェック法
✅ 仮説を立てる力「骨盤の傾きが原因かも?」
✅ アプローチの根拠なぜここを緩める?なぜ刺激する?
✅ 言語化する力相手に伝わる説明ができる
▶️ 学び方のご提案
【Case.01】〜【Case.05】を順に読んで、まずは「自分ならどう考えるか?」を考える
その後に、筆者(きむ)の視点を見て「視点の違い・新しい発見」を整理する
少しずつ、自分自身の“評価軸”を磨いていく
📝 最後に|“思考”は、誰にでも許された専門性
あなたがもし「自分には国家資格がないから」と思っているなら、こう伝えたい。
“考える力”に資格はいらない。
あなたが目の前の人に向き合い、考え、仮説を立て、再評価していく――
その姿勢こそが、痛みを改善する“真の力”です。
🩺 Case.01(初級)|歩行時に膝が抜けそうになる70代女性
🧾 状況・背景
70代女性
日常生活は自立、週に数回の散歩習慣あり
平坦な道でも突然膝が「ガクッ」となる感じ
痛みは少ないが不安感強い
既往歴:変形性膝関節症の診断歴あり
📋 理学的評価
姿勢評価:軽度のO脚傾向、荷重偏位あり
自動運動検査:膝伸展時に不安感、可動域は比較的良好
他動的検査:膝関節周囲に軟部組織の過緊張あり
他動的副運動検査:膝蓋骨の動きに左右差あり
抵抗運動テスト:大腿四頭筋の出力低下と疲労感
触診:膝蓋腱周囲に圧痛、滑走性低下
🤔 あなたならどう考える?
🧑⚕️ きむの臨床的視点 🔍 仮説の立て方
筋出力の瞬発性不足→膝関節安定性低下
膝蓋骨の滑走制限→伸展制御の不全
🎯 優先すべき問題点
動的安定性の不足
膝蓋骨の滑走と神経筋制御
🛠 アプローチ例
大腿四頭筋の促通訓練
膝蓋骨モビライゼーション
フィードフォワード制御を意識した歩行トレーニング
💬 ポイントと学び
「痛み」よりも「不安感」がメイン訴えの場合、運動制御と心理的要因にも注目
🩺 Case.02(初級)|デスクワーカーの肩こり・首こりを訴える30代男性
🧾 状況・背景
30代男性
IT企業勤務で1日10時間以上のPC作業
就寝時や起床時に肩・首のこわばり感あり
特に午後から重だるさが増す
運動習慣:週1のジム、ただし肩まわりは不使用
📋 理学的評価
姿勢評価:頭部前方変位、肩甲骨外転・挙上傾向
自動運動検査:頸部伸展・回旋制限あり、痛みは後頭下部
他動的検査:頸部回旋で軟部組織に制限、肩甲帯可動性低下
他動的副運動検査:上位頸椎(C1-2)に滑り制限あり
抵抗運動テスト:僧帽筋上部に過緊張と痛み誘発
触診:後頭下筋群と肩甲挙筋に硬結と圧痛
🤔 あなたならどう考える?
🧑⚕️ きむの臨床的視点 🔍 仮説の立て方
デスクワーク姿勢による頭部前方変位が頸部過負荷に
上位頸椎の関節可動性低下による代償的緊張
🎯 優先すべき問題点
頭部重心のズレによる姿勢保持筋への負担
C1-2関節の滑走不全
🛠 アプローチ例
後頭下筋群のリリースと眼球運動誘導
頸椎モビライゼーション
肩甲帯リセットエクササイズ
💬 ポイントと学び
姿勢による負担の蓄積は、筋の過緊張だけではなく関節由来の場合も多い
上位頸椎と眼球の連動パターンも視野に入れる
🩺 Case.03(中級)|慢性的な腰の違和感を訴える40代女性
🧾 状況・背景
40代女性
デスクワーク中心
運動習慣は少なめ
長時間座位や起床時に腰のこわばり感あり
痛みは重だるく、常に3〜4割程度
既往歴:大きな怪我や手術歴なし
📋 理学的評価(6分類で整理)
姿勢評価:右上前腸骨棘が高位(右骨盤前傾)→骨盤の左右バランス不良
自動運動検査:前屈で詰まり感・可動域低下/後屈スムーズ/左回旋で右腰部に張り感
他動的検査:股関節屈曲制限軽度/外旋優位
他動的副運動検査:仙腸関節に軽い圧痛→関節の遊びに制限
抵抗運動テスト:特記なし(必要に応じて評価)
触診:仙腸関節部に軽度圧痛/腰部筋緊張や張力の左右差
🤔 あなたならどう考える?
🧑⚕️ きむの臨床的視点 🔍 仮説の立て方
骨盤の右前傾や回旋による荷重バランス異常
回旋動作時の筋連鎖エラー
胸郭の可動制限による体幹支持の不全
🎯 優先すべき問題点
骨盤と胸郭の協調運動不足
動きの質と代償パターンの観察
🛠 アプローチ例
右腸腰筋と左殿筋群のリリース
呼吸誘導で胸郭の動き改善
回旋動作の修正と左右差評価
💬 ポイントと学び
可動域の制限=「止まっている」とは限らない
呼吸と体幹機能は常にセットで評価
「張っている=原因」とは限らない
🩺 Case.04(中級)|ランニング後の膝外側痛を訴える20代男性
🧾 状況・背景
20代男性、週3〜4でランニング
ランニング後半〜終了後に膝の外側が痛む
安静時は痛みなし、再開すると痛み再発
既往歴:高校時代に足関節捻挫
📋 理学的評価
姿勢評価:回内足、右骨盤軽度後傾
自動運動検査:膝屈伸スムーズ/片脚スクワットで外側荷重
他動的検査:股関節内旋・内転制限あり
他動的副運動検査:脛腓関節の遊び制限
抵抗運動テスト:大腿筋膜張筋に痛み誘発
触診:腸脛靭帯〜Gerdy結節に圧痛
🤔 あなたならどう考える?
🧑⚕️ きむの臨床的視点 🔍 仮説の立て方
股関節内旋制限→腸脛靭帯へのテンション増大
脛腓関節の遊び制限→膝の衝撃吸収不良
🎯 優先すべき問題点
股関節と足部の連動評価
片脚動作の運動制御
🛠 アプローチ例
股関節内旋モビライゼーション
足部〜脛腓関節のリリース
片脚荷重パターンの再教育
💬 ポイントと学び
膝の痛みは膝以外の要因がほとんど
下肢全体の連鎖での再評価がカギ
🩺 Case.05(上級)|呼吸時の胸の違和感と背部痛を訴える50代男性
🧾 状況・背景
50代男性、事務職
デスクワーク中や深呼吸時に胸が詰まる感覚あり
特に午後になると背部のこわばり感強くなる
運動歴:特になし、猫背傾向あり
📋 理学的評価
姿勢評価:円背姿勢、肋骨下制、胸椎後弯増強
自動運動検査:深呼吸時に胸郭の動き制限あり
他動的検査:胸椎伸展制限、肋椎関節の硬さ
他動的副運動検査:胸椎の滑り制限
抵抗運動テスト:腹直筋過緊張、呼吸補助筋に疲労感
触診:僧帽筋中部〜下部、脊柱起立筋に圧痛と硬結
🤔 あなたならどう考える?
🧑⚕️ きむの臨床的視点 🔍 仮説の立て方
胸郭の動き不足→呼吸補助筋への負担増
胸椎可動性の低下→背部筋過緊張の代償
🎯 優先すべき問題点
呼吸運動と体幹安定性の関連性
胸郭の可動性と柔軟性
🛠 アプローチ例
胸椎モビライゼーション
呼吸誘導エクササイズ(横隔膜・肋間筋)
姿勢改善と脊柱起立筋の負担軽減
💬 ポイントと学び
呼吸と痛みの関係は軽視されがちだが、胸郭の機能改善が症状軽減に直結する
まとめ|“評価と思考”があなたの施術を変える
✅【評価】どのように体を観察し、情報を集めるか?
✅【仮説】集めた情報から、何を考えるべきか?
✅【介入】なぜその手技・運動・誘導を選ぶのか?
重要なのは、感覚や経験のみに頼らず、「なぜこの人はこの痛みを訴えているのか?」を論理的に考える力です。
そしてこの力は、
医療資格の有無ではなく、「目の前の人のために真剣に考える意思」があれば、誰でも鍛えることができます。
一緒に、痛みを改善する力を伸ばして行きましょう!そして、結果的に、稼げるようになっていけると信じて!
「専門用語が出てきて、ちょっと難しいかも…」と思った方へ。安心してください。私も最初はまったくわかりませんでした。でも、一つずつ学んでいけば大丈夫です😊