• 投稿日:2025/08/06
  • 更新日:2025/09/29
過干渉ではなく「ちょうどよい」距離感で、親子が心地よく過ごす5つのコツ

過干渉ではなく「ちょうどよい」距離感で、親子が心地よく過ごす5つのコツ

サラ@ソーシャルワーカー&保育士

サラ@ソーシャルワーカー&保育士

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要約
記事を見て下さりありがとうございます!発達障害のある子どもへの支援者として、当事者の親としての視点を交えつつ、「親子が夏休みにお互い心地よく過ごすためのコツ5選」をまとめました。

はじめに

夏休みも前半が終わりつつありますが、レジャーや旅行をして子どもの成長を感じたり、後半の予定を楽しみに過ごされているかと思います。でも保護者の方から、「普段と違う生活リズムや予定の中で過ごすと子どもが不機嫌になり親子関係が悪化する」「出かけたがらない(我が家もそうでした💨)」という声も聞きます。そこで長期の休みだからこそ、お互い心地よく過ごすことを意識して過ごすコツをまとめてみました!親子でふっと肩の力を抜いて穏やかな時間を過ごし、暑〜い夏休みを乗り切りましょう!

過干渉ではなく「ちょうどよい」距離感で、親子が心地よく過ごす5つのコツ

夏休みは、学校という“枠”から離れ、子どもにとっても親にとっても自由度の高い時間です。けれど、発達障害のある子どもにとっては、生活リズムの乱れや見通しの立たなさ、不安定な感情のコントロールなど、過ごしにくさが顕在化しやすい時期でもあります。

親としては「この時間を有意義に」「苦手を克服する機会に」と思う一方で、つい予定を詰め込みすぎたり、子どもが困らないようにと先回りしたりしてしまいがち。そんなとき大切にしたいのが、“過干渉にならず、でも過保護である”というスタンスです。

ここでは、支援の現場と私自身の子育て経験を踏まえて、夏休みを親子で心地よく過ごすための5つのコツをご紹介します。

1. 「見通し」を共有し、1日の安心をつくる

発達障害のある子どもは、先が見えない状況に不安を感じやすく、突発的な変化への対応が苦手なことがあります。毎日の予定が決まっていない夏休みは、その不安を増大させる時期とも言えます。

そこでおすすめしたいのが、「1日のスケジュールを一緒に立てること」です。
朝のうちに、「今日はこんな1日だね」と親子でホワイトボードや紙に書き出す。それだけで子どもは安心感を得られます。「お昼ご飯は何時にする?」「自由時間はどこにする?」と選択肢を渡しながら、一部でも子どもが決定に関われるようにすると、自主性にもつながります。

毎日しないといけないと気負わずに、まずは大人の余裕がある時、子どもが好きなことをする場面にちょっと取り入れてみてください。(3時間分、半日分からなど)「選ぶ」「見通しをもつ」ことを楽しみながら経験することで、自分で安心して過ごす工夫を作り出せるようになります。

娘(当時小学2年生)にも普段からスケジュールを立てること一緒にしていました。特に旅行が大好きなので、「どのお洋服着ようかな」「ゲームは絶対持っていく!」と事前準備に気合が入ります。ウキウキしながらだと自分の意見や考えがどんどん出てきますよね。

でも支度のタイミングがわからずゲームに夢中。そんな娘に「○○に行くのに何持っていく?ママはいつお支度しようかなー☺️」と私が1日のスケジュールを紙に書き出だすと、娘も一緒に始めました。持っていく水着やプールの話などやりとりをしながらスケジュールに立てて無事支度も完了!

娘は高校生になりましたが、【楽しみな時間のための予定】はスケジュールを立てる→楽しみや安心を見通せるというメリットを感じる経験につながっています😀

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2. 「親の期待」を押しつけず、「できたこと」に目を向ける

名称未設定のデザイン (7).png夏休みは、生活面や学習面の課題を集中的に改善しようと、つい「できるようにさせよう」と思ってしまうもの。しかし、子どもにとっては「もっとできるように」「前より上手に」と言われ続けることが、大きなプレッシャーになることがあります。

大切なのは、「成果」ではなく「過程」に目を向けること。
たとえば「プリント1枚しかできなかった」ではなく、「机に向かってみた」「5分間取り組んだ」といった、行動そのものに価値を見出すことです。

親が「よくがんばったね」「途中でやめたけど、自分でやろうとしたね」と言葉にすることで、子どもは「できなかった」ではなく「がんばった自分」を肯定できます。

3. 「疲れる前に休む」習慣を意識する

名称未設定のデザイン (8).png親子で過ごす時間が増えると、「どこかに連れて行かなきゃ」「何かさせなきゃ」と頑張りすぎてしまうこともあります。ですが、発達障害のある子どもは、刺激に敏感で、変化に弱く、疲れやすい傾向があることを忘れてはいけません。

「楽しかったけど疲れたね」「お出かけは明日はやめて、おうちでゆっくりしようか」と、疲れる前にブレーキをかける工夫が必要です。

これは、いわば“過保護”の一種です。過干渉とは違い、子どもの感覚を尊重したうえで環境を整えることなので、むしろ健全な関わり方と言えます。

親も「疲れてるから今日はやめよう」と自分の休息を優先する姿を見せることで、「無理しなくていいんだ」という安心感を子どもに伝えることができます☺️

4. 「好きなこと」に没頭できる時間を用意する

名称未設定のデザイン (9).png夏休みは、学校ではできなかったことにじっくり取り組める貴重な期間でもあります。周囲との比較や“ねばならない”が少ないこの時間だからこそ、子どもの「好き」に目を向けてみましょう。

たとえば、絵を描く、レゴで遊ぶ、図鑑を見る、工作をするなど、本人が安心して集中できる「好きな世界」に没頭できる時間を意識してつくることは、情緒の安定にもつながります。

親は、成果や意味を求めずに、ただ「好きなんだね」と見守るだけでOKです。時に「わぁ、こんなに集中してたんだね」と声をかけるだけでも、子どもは満たされた気持ちになります。

5. 「親子で向き合う」を1日1回、意識してみる

名称未設定のデザイン (10).png夏休みは、親子で一緒にいる時間が長いようで、意外と“ゆっくり話す”時間は少なくなりがちです。そこでおすすめしたいのが、「1日1回、向き合って時間を意識的につくる」ことです。

「今日は楽しかった?」「嫌だったことあった?」「明日は何してみたい?」と、子どもの気持ちに耳を傾ける時間をとることで、子どもは自分の感情に気づき、それを言葉にする練習になります。言葉が出ない時もありますが、それでも「聞いてくれる大人がいる」ことで安心感につながります。

娘と言葉のコミュニケーションをとる前はぎゅっと抱きしめたり握手をして「公園楽しかったね!」「だいすきー!」などスキンシップをして、声をかけてみました。娘と目が合って微笑んでくれたり、私もふっと気持ちが軽くなりました。

おわりに

発達障害のある子どもとの夏休みは、親にとってもチャレンジの連続です💨けれど、毎日を「成長のチャンス」にしようと頑張りすぎず、まずは「穏やかに過ごすこと」をゴールにしてみてください。

過干渉にならず、けれど必要なところではしっかりと手を差し伸べる——
その“ちょうどよい距離感”は、子どもの自己肯定感を育て、親子の信頼関係を深めていく大きな力になります❤️

この夏が、親子にとって心地よく、笑顔の多い時間になりますように😀

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サラ@ソーシャルワーカー&保育士

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この記事のレビュー(1
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    会員ID:q3AW6U4Z
    2025/08/30

    サラさん✨ フェスでご一緒できたご縁から、またこうして素敵な記事を拝見できてとても嬉しいです😊 「ちょうどよい距離感」という言葉、本当に心に響きました。子どもに寄り添う難しさや大切さを、サラさんの実体験を交えて具体的に伝えてくださっていて、読んでいるだけで温かい気持ちになりますし、勇気づけられます🍀 私自身も支援や関わりの中で、「聞いてくれる大人がいる」という存在が、どれだけ安心感につながるのかを改めて実感しました。サラさんのお言葉が、きっと多くの方の心を軽くしていると思います✨ これからも投稿を楽しみにしていますし、また直接お話できる機会があれば嬉しいです☺️

    サラ@ソーシャルワーカー&保育士

    投稿者

    2025/08/31

    たいほーさん!!記事を読んでくださってありがとうございます✨✨ 「ちょうどいい距離感」に共感してくださって嬉しいです!ご本人も保護者もお互い大切な存在だからこそ距離感の大切さってあるのかと思い書かせてもらいました。たいほーさんが書いて下さったように、まさに身近な人を通して安心感を感じられるかが大きな支援の柱ですよね☺️また投稿しますので、チェックしていただけたら嬉しいです!そしてまた支援などのお話、お願いします!色々学ばせてください😀

    サラ@ソーシャルワーカー&保育士

    投稿者