- 投稿日:2025/08/14
- 更新日:2025/09/29
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「不動産経営をしているけど、なんだか手元に残るお金が少ない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
その原因の一つが、“管理会社にすべて任せっぱなし”の経営スタイルです。もちろん、管理会社に委託することで時間や手間は省けます。
しかし、その分コストも高くなり、経営の改善ポイントを自分で把握しづらくなります。
今回は、『不動産事業を本気で育てていく第一歩として「自社管理」という選択肢』をご紹介します。
この記事は、こんな方におすすめ
・相続でアパートやマンションを手にしたが、管理会社にすべて任せきり
・本業が忙しく、入居者募集や修繕を完全に管理会社に依頼している
・家賃収入はあるのに、思ったより手元にお金が残らない
・リフォーム費用や修繕費が高いと感じたことがある
・不動産経営を「副業」から「本業レベル」に育てたいと考えている
いますでに不動産事業を行っている方だけでなく、これから戸建てやアパート経営をはじめようとする人にも、不動産が『事業』って言われる理由が分かる記事になっています。
賃貸物件を借りている人も自分の裏では、こんな事が起きてるんだ!というのも知るきっかけになると思います。
《結 論》
この記事の結論から先にご紹介します。
では早速ご紹介していきましょう。
1. 不動産事業における「自社管理」とは?
自社管理とは、物件の運営に関する業務をオーナー自身が直接行うことです。
入居者募集や契約手続き、家賃集金、クレーム対応、修繕手配まで、自分で管理・判断して進めます。
一見大変そうに思えますが、自主管理は「収益最大化」「資産価値向上」「事業感覚の習得」に直結する経営方法です。
2. 自社管理でやること
自社管理といっても、いきなり全てをやる必要はありません。
まずは「どこから自分でできそうか」を見極め、少しずつ取り組むのがコツです。
まず主な業務は、以下の通りです。
1. 入居者募集
不動産ポータルサイトへの掲載や、地元仲介業者との連携。
2. 契約手続き
契約書の作成、重要事項説明の準備(宅建士資格が必要な場合あり)。
3. 家賃管理
家賃入金チェック、滞納者への連絡。
4. 修繕・リフォーム手配
信頼できる工務店や職人を探し、相見積もりを取る。
5. 入退居者対応
設備不良や生活トラブルの一次対応や退去後の原状回復工事精算など。
詳しくみていきましょう。
個人的なイメージですが、1つひとつ難易度を星を5段階で表現します。
2-1. 入居者募集
難易度 ☆☆☆☆
スーモやアットホーム、HOME’Sなどの主要なサイトに物件広告を出して募集します。
仮に自分自身で集客が出来れば、仲介手数料、AD(広告費)などを収益、節約が出来ます。
ちなみに、仲介手数料は0.5ヶ月分が上限ですが、仲介業者は広告料と合わせて1ヶ月分請求などを平気で請求してきます。
不動産仲介業者からの書類を手元に用意して、契約時の費用がいくらか確認してみましょう。
2-2. 契約手続き
難易度 ☆☆☆☆☆
賃貸借契約書や重要事項説明書の作成、火災保険の加入手続きが必要です。
これは宅建業者で事業者登録する必要があり、宅地建物取引士の資格の取得が必須になります。
私は、大学時に宅地建物取引士(当時は、宅地建物取引主任者から士業になりました。)取得し、事業者登録の上で、管理物件の仲介契約もしています。近年では、試験監督も担当しています。
2-3. 家賃管理
難易度 ☆
その名の通り、家賃の確認をおこないます。
問題は、家賃が滞り、未払の場合の対応です。
入居者の募集時点で、しっかり審査を行い、保証会社経由の家賃振込みを活用がいいでしょう。
多くのオーナーは、家賃の入金確認だけしており、ほかは管理会社に丸投げのケースが多いです。
家賃を管理するだけなの、寝てても収益があると勘違いされてしまうのは、この部分だけ切り取られている側面があります。
2-4. 修繕・リフォーム手配
難易度 ☆☆☆☆
入居者が退去したあとに、原状回復工事というリフォーム修繕工事を行います。
ここで大事なのが、貸主と借主の負担割合です。
一般的には、借り主が約7年ほどで賃貸に住んだなら、クロスやクッションフロアなどの資産価値が0%として扱われます。
今回詳しくは割愛しますが、原状回復工事のガイドラインに則って工事を行います。
ここで、管理会社経由だと、工事業者の内容に中間マージンがのるので高くなります。
俗にゆう、人があいだに挟まると高くなる!です。
私は一級建築士でもあり、現場も自分で確認して工事するところの判断から工事手配、原状回復工事の精算書の作成までおこなっています。
※ ちなみに一級建築士でなくても、リフォームは可能です。
※ 1級建築士試験は、宅建の数十倍難しいです。
よく退去時に入居者が退去費用の精算でトラブルになるのもこの部分です。
要は、ボッタクリの費用請求です。
これが入居者だけでなく、実はオーナーも気づかないところで高い工事費用を請求されてたりします。
というより、管理会社に任せているので、当然高くなります。
その物件に住んでた人もぼったくり請求を受けたり、
オーナー自身も管理会社に丸投げしているので請求書の中身もよく把握していないケースも多々あります。
2-5. 入退居者対応
難易度 ☆☆☆
入居が決まって一安心もつかの間。
漏水があった、エアコンが故障した、足音がうるさい、入居者と連絡がとれない、、、。など
戸建て、アパート、マンションそれぞれ色んなトラブルが発生します。
ここで時間がかかると、入居者とのトラブルに発展し、退去要因にもなります。
しかし、ここで知識があってスピーディに対応できると入居者に感謝されますし、安心して入居して頂けます。
新築だと、当初トラブルも少ないですが、年数が重ねるごとに、漏水、設備故障などが発生します。
これが新築だと同じような時期に設備が劣化するので、一気に工事費用がかさみ、「実は思ったより全然儲かってなくない??」って気づくことになります。
またここで数字をしっかり管理できていないと、いくら将来必要なのかが分からず、この資金使えないよねとなります。
「不動産事業してるんだ!」って言ってる人も、実は全然儲かってない人が多い理由です。
特に、会社員で副業として不動産事業をしていて、毎年赤字、節税している人は要注意です。
また退去があって、リフォームで赤字続きの場合も注意予備軍の可能性があります。
以上、大きく分けて5点です。
管理会社に任せているのを自社管理に変えることで収支がより良くなり、手元資金が残せる本当の不動産事業ができたと自信を持って言えます。
3. 管理会社と自主管理のメリット・デメリット
ここで管理会社と自主管理のメリットとデメリットをまとめてみます。
3-1.管理会社に任せるメリット
・手間や時間を大幅に省ける
・トラブルや契約関係を代行してくれる
・不動産建築の知識がなくても運営できる
3-2.管理会社に任せるデメリット
・管理委託料がかかる(家賃の3〜5%が相場、多いと10%の人も)
・修繕やリフォーム費用が割高になりやすい(いらない工事などモリモリ)
・入居者対応や募集戦略を把握しにくく、改善点が見えづらい(だからより管理会社任せ)
3-3.自主管理のメリット
・管理費用を節約できる
・入居者の声を直接聞き、満足度向上につなげられる
・修繕や募集のコストを抑えやすい
・経営感覚が磨かれ、事業戦略を立てやすくなる
3-4.自主管理のデメリット
・手間と時間がかかる
・契約や法的な知識が必要
・クレームやトラブルへの直接対応が必要
自社管理するには、ある程度の時間が必要になります。
そのため、会社員だと本業や規定があるため、管理会社に委託せざるを得ないことが多いです。
しかし、いつまで経っても管理を委託しているだけでは、築年数が経てば立つほどリスクが高まります。
なぜなら、設備交換やリフォーム費用がかさむようになって、はじめて収支が合わないことに気づくからです。
4.自社管理を始めるための3ステップ
次に、自社管理をはじめるためにどんなことから始めればいいかをご紹介します。
① 現状の管理内容とコストを把握する
まずは、管理会社との契約内容の確認をしましょう。
そして、毎月・年間の委託費用、修繕費の内訳を洗い出しましょう。
ここは家計管理と同じで、数字で管理しましょう。
自分自身でエクセルやスプレッドシートを用いたり、まずは手書きでもいいので、一覧にしてみましょう。
そうすることで、「どの業務を自分でやれば効果が大きいか」が見えてきます。
② 部分的な自社管理から始める
いきなり全てやるのではなく、修繕の相見積もりや、入居者募集条件の調整など、取り組みやすい部分からスタートします。
成功体験を積むと徐々に業務を広げられます。
自社管理は、基本的にどの部分をおこなうかは自分で選べます(重要!)
もちろん管理会社によっては、ここまでは当社で決まっていて〜と言われる場合もあります。そこは交渉次第です。
私がおすすめする自社管理の順番は、以下の通り。
① 4.リフォーム・修繕手配(工事費の最適化)
② 5.入居者対応(管理費のカット)
③ 1. 入居者募集(広告費のカット)
あくまで人それぞれ難しく感じる程度は異なるので、どこから手を付けれそうかを知る参考にして下さい。
③ 信頼できる外部パートナーを確保する
すべて自分でやる必要はありません。工務店、司法書士、税理士など、必要に応じて外部の専門家とつながっておくことで安心感が増します。
どこを行うかが決まれば、会うべき人が分かります(超重要)
例えば、4のリフォームを行うなら、会うべき人は、工事業者です。
工事業者も出来たら、1つずつ電気、設備、大工など分野ごとに業者と知り合えるのがベストです。
こういう時に、『人と会う』のが重要になります。(重要)
とりあえず行けば良いではなく、誰に会うべきかをイメージして、その場所に行くことが大切です。
5.どんな人に不動産事業の相談すべき?
A. 自分で自社管理しているオーナー兼事業者の人です。
つまり、『自社で物件を管理している』というのは重要なキーワードです。
一方で、こういう人には、相談してもあまり良い回答が出て来ない可能性があります。
①全て管理会社任せのオーナー
詳細なお金の計算ができていない(大枠だけ)かつ、工事や契約の詳細まで、実は知らないケースがほとんどです。
例えば、相続してほとんど管理会社任せの人など。
高収入で物件は億単位で持っているけど、工事の細部や税制面で詳しくない。
注意点として、他の事業もしていて、不動産の管理会社に任せているよっていう人もいるので、そこは見極めて下さい。
②書籍の印税や高額コンサルがメインで稼いでいる人
儲かってる(?すれすれか、ぼちぼち)か微妙だから、高額コンサルで成り立っているケースです。
コンサルが悪いことではなく、不動産業をやっている風にみせて、セミナーや書籍で集客して騙している場合です。
だからといって、タダで教えますよっていう人が良いわけでもなく、真剣に学びたい人を選別するために、時間あたり5000円から2万であっても、おかしくありません。
筋トレでパーソナルトレーナーつけるようなイメージで、士業の人や事業をおこなっているひとに相談するなら、時間あたり値が張るのは仕方がないかなと思います。
今まで自己投資して資格や経験を手にしているからです。
仮に相談相手を間違えても、その数千円〜数万の軽症で済むので、いきなり何十万するコンサルに申し込み必要なありません。
もちろん色んな人に会って相談することが大事なので、
【この人は、自社管理しているか?】
これを頭に入れて質問するだけでも、相談すべきか、目安になるのではないかなと思います。
6.個人事業と法人での2刀流で不動産経営をめざす
この人が不動産経営でどのレベルか少し話を聞くとイメージできますか?
もしイメージが沸かなかったら、1つアドバイスをします。
私が相談にのって質問する中で、この人のレベルを判断する際の指標が、『個人事業と法人での2刀流で経営しているかどうか』です。
不動産事業の5つのレベル(仮)
レベル感でいうと、簡単にまとめると以下の通り。
レベル0 本業をしっかり頑張っています!(会社員)
レベル1 これから不動産事業はじめたいな(高年収の会社員)
レベル2 1物件購入したけど、管理会社に任せているよ(会社員+副業)
レベル3 複数物件持ってるけど、管理会社に任せているよ(個人事業主)
レベル4 複数物件を持ってて、不動産管理会社に立ち上げたよ(個人事業主と法人)
レベル5 自社で物件管理して、個人と法人でお金のコントロールもしっかりしているよ(個人事業主と法人)
個人事業の不動産事業所得が一定上になったら、法人を立ち上げて、税金をコントロールできるレベルまで持っていくのが1つ指標、目安になります。
よくいうのが利益で800万円超えたら法人作って、法人に管理収入として毎月いくら、そこから最低限の給与をもらって社保加入。
利益感は人それぞれなので、それほどでなくても法人立てて、枠を埋めるつもりで頑張って事業するのもアリです。
個人と法人の2刀流でお金の最適化した状態が、不動産オーナーが目指したいところです。
7.自分のレベルを超えたものを手にすると?
実際、レベル0の人が相続して、一気にレベル2,3へいくケースもあります。
本来進むべきステップを飛び越えてしまってるので、お金の許容度が自分のレベルを超えてしまって、
「不動産オーナーって意外と儲からないじゃん!だって手元のお金も将来使うから残らないもん。(全部管理会社にお願いしてるから)」って言っています。
レベル5と仮に書きましたけど、税金面や社会保険などで、士業に丸投げしてて、本人は理解していないケースも多いです。(レベルはイメージです)
自社管理+税務まで分かれば、比較的しっかりビジネスされている人です。
8.自社管理はどのレベルからスタートすべき?
自社管理は、レベル2くらいから可能です。
要は、1つ物件を持ったら自社管理は可能です。例えば、戸建てです。
不動産事業をボロ戸建てからはじめようと言われる2つの理由
①失敗しても最悪数百万の損失で済むこと
②小さくはじめることで学べることも多いから
9.どのレベルにいきたいか考えてみよう!
今回の記事は、レベル1から3くらいの方が、次のステップとして概要をつかめる内容だったかと思います。
レベル4に入った人なら共感できる部分も多かったのではないでしょうか。
未知の世界だったけど、不動産事業って奥が深いんだな、このレベル目指したいなと思うきっかけになれば幸いです。
自分がどのレベルにいきたいか、ぜひ考えてみてくださいね。
まとめ
簡単に今回の記事の内容をまとめます。
自社管理とは、物件の運営に関する業務をオーナー自身が直接行うこと。
主な業務は、5つ(入居者募集、契約手続き、家賃管理、修繕リフォーム、入退居者対応)。
自社管理を始めるための3ステップは、以下の通り。
1. 現状の管理内容とコストを把握する
2. 部分的な自社管理から始める
3. 信頼できる外部パートナーを確保する
どんな人に不動産事業の相談するか迷ったら、自分で自社管理しているオーナー兼事業者の人。
個人事業と法人の2刀流不動産経営は、1つの目標です。
管理会社任せはとても便利ですが、収益性や経営力の向上には限界があります。
また管理会社任せだと、自分の影響の範囲外でことが進むので、経営力や事業としての機能がおろそかになります。
自社管理を取り入れることで、コスト削減だけでなく、経営者としての視野と判断力が身につきます。
大事なことは、最初から全てを自分で行う必要はありません。
まずは修繕や募集条件の見直しなど、部分的な自主管理から始めてみましょう。
その一歩が、不動産事業を「副業」から「本業レベル」に成長させるきっかけになります。
スキルマーケットonlineにてご相談OK
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お気軽にコメント頂けたらと思います(^^)
あとがき
今回記事書くきっかけになったのは、お金の勉強フェスで不動産賃貸業の公式ブースボランティアで相談を受けた中で、オーナーだけど管理会社任せの人が多いなと感じたことです。
自分自身、20代は猛烈に仕事して、合間で建築士の勉強もして、事業立ち上げて、失敗を繰り返しながらも、自分で学んできたことで、15年ほどかけて身につけてきました。
5年前に学長を知ったとき、【有料級】独立のための完璧な「家計ノウハウ」を解説【会社を辞めたい人必見】という内容を見て、
『この人は、レベル100000000だわ\(^o^)/あっぱれ』って思いました笑
個人と法人を使い分けるスキームを当時から知ってる人は、税理士さんでも知らなかったり、ごく少数だけだったと思うからです。
また不動産屋で働いているだけでは、売る・管理は出来ても、税制面や個人と法人を使い分けることまで知ることは知らないことが多いからです。
本質を理解していれば、戸建てもアパートもマンションも、戸数が違うだけ、場所が点在してるか、まとまってるかだけなので、
『実はやることは一緒』だと個人的には思っています。(細かい部分は違いますが。)
入門の記事ですが、『自主管理』という実はハイレベルな内容です。
でもなるべく難しい言葉は使わずに、少しでもヒントになればと思って書きました。
ご自身で物件購入したり、相続したり、色んなケースがあると思いますが、1つでも改善していければ、未来は変わります。
ぜひ一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。
この記事を読んで、良かったな、少しでも勉強になったなという方は、
いいねやコメントで感想頂けると幸いです。
もっとこの部分も詳しく知りたいよ!というのもあれば、コメント頂ければ記事を作成したいと思います。
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最後までご覧頂き、誠にありがとうございました!(感謝)