• 投稿日:2025/08/15
  • 更新日:2025/10/26
鍼灸を習慣化すると稼ぐ力がアップする理由

鍼灸を習慣化すると稼ぐ力がアップする理由

みつの@学び続ける鍼灸師/大学助手

みつの@学び続ける鍼灸師/大学助手

この記事は約11分で読めます
要約
鍼灸を習慣化すると、肩こりや腰痛などの痛み、ストレス、睡眠不足、免疫低下といった不調を改善できます。 その結果、 ・集中力が上がる ・判断力が戻る ・仕事効率が高まる ・体調不良による欠勤が減る といった効果につながり、年間で数万円〜十数万円の損失を防ぐかもしれません。

はじめに

「もっと稼ぐ力をつけたい」と考えたとき、多くの人がまず思い浮かべるのはスキルアップや副業です。資格を取る、勉強する、新しい仕事を始める――確かにそれも大切な取り組みです。

しかし実は、その前提にある「健康」という土台が揺らいでいれば、せっかくの努力も十分に成果を発揮できません。

例えば、肩こりや腰痛で頭が重い、寝不足で集中力が続かない、ストレスで気持ちが落ち込む……。これらは一見「仕方のないこと」と思われがちですが、実際には仕事のパフォーマンスを確実に下げている大きな要因です。

しかも、問題は欠勤だけではありません。出勤していても痛みや不調で集中できず、本来の力を発揮できない状態――これを プレゼンティーイズム(presenteeism) と呼びます。研究によれば、プレゼンティーイズムによる損失は欠勤よりも大きいとされています。つまり「体調が悪いけど何とか働いている」ことが、稼ぐ力をじわじわと奪っているのです。

この“隠れた損失”を減らす手段の一つが、鍼灸の習慣化です。

疼痛:肩こり・腰痛が生産性を下げる仕組み

日本人の多くが悩んでいる肩こりや腰痛。特にデスクワーカーにとっては「当たり前のこと」と片付けられがちですが、これこそが稼ぐ力を大きく削いでいます。

肩や腰の痛みは、単なる不快感にとどまりません。作業効率の低下、集中力の分散、判断力の鈍化、さらにはモチベーションの低下へとつながります。例えば、痛みを抱えたままの会議では、発言や意思決定に自信を持ちにくくなりますし、パソコン作業のスピードも明らかに落ちます。

実際の研究データも、こうした“痛みが稼ぐ力を奪う”ことを裏付けています。日本のオフィスワーカーを対象に行われた研究では、鍼灸施術に最大8,000円までの助成を行ったところ、症状が明らかに改善しました。その結果、一人あたり14,117円分の生産性損失が補填できると試算されています【科研費研究18K09982】。

この金額は「欠勤による損失」ではなく、「働いてはいるが効率が落ちている状態」で発生する損失の補填額です。つまり、鍼灸のように比較的低コストなケアを導入するだけで、実際の損失額を上回る経済的効果を得られる可能性があるということです。

「肩こりや腰痛くらいで仕事に支障はない」と考えるのは大きな誤解です。痛みを抱えたまま仕事を続けることは、気づかないうちに何万円もの損失を積み重ねているのと同じなのです。

鍼灸の投資効果

ここで“トータルで考える”視点を取り入れてみましょう。

仮にあなたの時間単価が1,500円だとします。
肩や腰の痛みで集中できない時間が1日あたり5時間あれば、それだけで 7,500円の損失 です。これはちょうど、鍼灸1回分の費用に相当します。

もし鍼灸を受けて症状が改善し、その5時間を取り戻せるなら、支払った治療費は「消費」ではなく「投資」として回収できることになります。しかも、失われた時間をただ補填するだけでなく、集中して成果を出す時間を増やすことにもつながるのです。

健康を軽視して目先の出費を惜しむのか、それとも健康に投資して稼ぐ力を底上げするのか。この判断が、長期的な成果を大きく分けるといえるでしょう。

ストレス:自律神経を整えて集中力を取り戻す

仕事における大敵のひとつが ストレス です。
適度なストレスはパフォーマンスを高めますが、慢性的に続くストレスは心身に悪影響を及ぼします。

🔵 集中力の低下
🔵 判断力の鈍化
🔵 睡眠障害
🔵 メンタル不調による離職リスク

こうした問題はすべて「稼ぐ力」に直結します。実際、職場のストレスが原因でパフォーマンスが下がり、結果的に昇進のチャンスを逃したり、契約や取引に影響するケースも少なくありません。

鍼灸がストレスに効く仕組み

では、なぜ鍼灸がストレスに効果を発揮するのでしょうか?
そのカギは 自律神経 にあります。

人間の自律神経は「交感神経」と「副交感神経」のバランスで成り立っています。
ストレスが続くと交感神経が優位になり、体は常に“戦闘モード”。血圧や心拍数が上がり、脳も緊張状態が続くため、休むべきときにリラックスできなくなります。

鍼灸には、このバランスを整える作用があることが研究で示されています。

データで見る鍼灸とストレス軽減

ランダム化比較試験(Choi et al., 2012)では、鍼治療を受けた群でストレスホルモン「コルチゾール」が有意に低下したことが報告されています。コルチゾールは「ストレスの指標」として知られており、その値が下がるということは、体がリラックスし、ストレス負荷が軽減している証拠です。

また、別の研究でも鍼灸後に「リラックスを感じる」「頭がすっきりする」という主観的効果だけでなく、心拍変動解析によって副交感神経活動が高まることが確認されています。これは、単なる“気分”ではなく、身体的にストレスが緩和されている客観的な裏付けとなります。

集中力と生産性への波及効果

ストレスが和らぎ自律神経が整うと、脳は「オンとオフ」を切り替えられるようになります。
その結果、仕事中は集中力が増し、休むときはしっかり回復できる。

このサイクルが回ることで、日々の生産性が着実に上がります。
「なんとなく疲れて頭が働かない」「考えがまとまらない」という状態が減るだけでも、仕事の質とスピードは大きく変わります。

鍼灸は単なるリラックス手段ではなく、ストレスマネジメントを通じて集中力を回復し、稼ぐ力を底上げする手段なのです。

睡眠:深い眠りが翌日のパフォーマンスを変える

私たちの生活に欠かせない「睡眠」。しかし現代人の多くは、質の高い睡眠を十分にとれていません。

睡眠不足は単なる「眠い」「だるい」では済まされません。研究では、徹夜を1日行うと血中アルコール濃度0.1%相当の認知機能低下が起きると示されています。これは飲酒運転レベルの状態と同じで、判断力・集中力は著しく落ちてしまうのです。

つまり、睡眠不足のまま働くことは「毎日お酒を飲んで仕事をしている」のと同じようなリスクを抱えているともいえます。

鍼灸と睡眠の質改善

では、鍼灸は睡眠にどのような影響を与えるのでしょうか。

複数の研究で、鍼灸は 入眠をスムーズにし、深い眠り(徐波睡眠)を増やす 効果が報告されています。

たとえば Cao ら(2009)のシステマティックレビューでは、不眠症患者に対して鍼灸が有効であることが示されています。具体的には、

✅ 入眠時間の短縮
✅ 総睡眠時間の延長
✅ 睡眠効率(ベッドに入ってから実際に眠れている時間の割合)の改善

といった客観的な改善効果が確認されました。

翌日の仕事効率に直結する

睡眠の質が改善されると、翌日のパフォーマンスは大きく変わります。

⭕️ 朝から頭が冴えている
⭕️ 集中力が長く続く
⭕️ 判断力が落ちない
⭕️ 気分が安定する

これらはすべて「稼ぐ力」に直結します。

「寝ても疲れが取れない」「夜中に何度も目が覚める」といった状態がなくなるだけでも、仕事の効率は飛躍的に上がります。

睡眠は最高の投資先

1回の鍼灸で数千円かかることを高いと感じる人もいるかもしれません。
しかし、不眠や睡眠不足によって失っている時間と成果を考えれば、むしろ安い投資といえます。

たとえば時間単価1,500円で働く人が、睡眠不足で1日3時間分の効率を失っているとします。
それだけで 4,500円の損失 です。鍼灸で睡眠の質が改善し、このロスを取り戻せるなら、治療費以上のリターンが返ってきます。

睡眠不足は「静かに進行する生産性の泥棒」です。
鍼灸を取り入れることで、この見えない損失を防ぐことができるのです。

免疫:風邪や体調不良を防ぎ、稼働日数を増やす

どれだけスキルややる気があっても、体調を崩して働けない日があれば稼ぐ力は途切れてしまいます。特に自営業やフリーランスにとって、欠勤はそのまま収入減に直結します。

例えば月に1回、体調不良で丸1日仕事ができなかったとします。年間に換算すると 12日=約2週間分 の稼働日数を失うことになります。時間単価1,500円で8時間働く人なら、1日あたり12,000円。つまり年間で 14万4,000円の損失 です。

健康を維持することは、単なる「自己管理」ではなく、稼ぐ力を守るための直接的な投資だと言えるでしょう。

鍼灸と免疫機能の改善

鍼灸は免疫機能を整える作用があることが研究で報告されています。

Huang ら(2008)の研究では、鍼治療を受けたグループで ナチュラルキラー(NK)細胞の活性が有意に上昇しました。NK細胞は体内の「警備員」ともいえる存在で、ウイルス感染や腫瘍細胞を監視・排除する働きを持っています。

また日本国内の研究でも、鍼灸が 白血球数の正常化 に寄与することが確認されています。免疫機能が安定することで、風邪をひきにくくなり、体調不良の回数が減るのです。

「休まない」ことが最大の強み

欠勤を1回減らせるだけでも、経済的なリターンは大きいです。
体調不良による休みが月1回から年3回に減れば、年間で約10万円分の損失を防げる計算になります。

特にフリーランスや自営業者にとっては、1日の稼働がそのまま売上につながります。つまり「休まないこと」そのものが競争力になるのです。

鍼灸を習慣化することで、免疫力を高め、欠勤リスクを減らす。
これは短期的なリラックスではなく、年間の稼働日数を守るための戦略的な健康投資だといえるでしょう。

金額換算で見える「鍼灸=投資」の考え方

ここまで「疼痛・ストレス・睡眠・免疫」の4つの視点から、鍼灸が稼ぐ力に直結することを見てきました。では実際に、金額に換算して考えてみましょう。

シナリオ1:時間単価1,500円の人

肩こりや腰痛で集中できない時間:1日5時間

損失額:1,500円 × 5時間 = 7,500円
👉 これは鍼灸1回分の費用に相当します。鍼灸でその5時間を取り戻せれば、実質プラスの投資です。

シナリオ2:睡眠不足で効率ダウン

睡眠不足により、1日3時間効率が落ちる

損失額:1,500円 × 3時間 = 4,500円/日
👉 週に2回これが起きれば、1か月で3万6,000円の損失。鍼灸で睡眠の質を改善できれば、この金額がそのまま戻ってきます。

シナリオ3:体調不良による欠勤

1日休む損失:1,500円 × 8時間 = 12,000円

月1回休むと年間12日、14万4,000円の損失
👉 鍼灸で免疫機能を整え、欠勤が半減すれば、年間7万円以上のプラスに。

トータルで考えるということ

このように換算してみると、「鍼灸にかかる費用は決して高くない」どころか、むしろ健康投資としてのリターンが大きいことがわかります。

・疼痛の改善で日々の集中力を守る
・ストレスを緩和し、判断力とモチベーションを維持する
・睡眠の質を改善し、翌日のパフォーマンスを高める
・免疫を整えて欠勤リスクを減らす

これらをトータルで考えれば、鍼灸習慣は「稼ぐ力を守り、底上げする仕組み」そのものです。

学長がよく言うように、「出費を消費と見るか、それとも投資と見るか」。
まさに鍼灸は、短期的な癒しではなく、将来の収入を守るための投資だといえるでしょう。

まとめ

鍼灸を習慣化することは、

・日々の不調を減らし
・集中して働ける時間を増やし
・長期的な健康を守る

これらを通じて 年間で数万円〜十数万円規模の労働損失を防ぐ可能性があることが、研究と数字から見えてきました。

「稼ぐ力=スキルや努力」だけでなく、
「健康を投資で守る」という視点を持つことが、これからの働き方には欠かせません。

👉 定期的な鍼灸習慣こそが、長期的に安定して稼ぎ続けるためのカギです。

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参考文献

厚生労働科学研究費補助金・科研費研究「オフィスワーカーの健康増進を目的とした鍼灸導入モデル(18K09982)」
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18K09982/

Choi, S. M., et al. (2012). “Acupuncture for stress reduction: A randomized controlled trial.” Journal of Alternative and Complementary Medicine, 18(6), 555–561.

Cao, H., et al. (2009). “Acupuncture for insomnia.” Journal of Alternative and Complementary Medicine, 15(11), 1171–1186.

Huang, W., et al. (2008). “The effect of acupuncture on the immune system: A randomized controlled trial.” American Journal of Chinese Medicine, 36(1), 1–10.

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  • 会員ID:hPB3IJfq
    会員ID:hPB3IJfq
    2025/08/16

    みつのさん 鍼治療のRCTによるコルチゾールの変化を調べた研究があるんですね。面白い👀 スポーツをしていて腰が痛くなることがあるので試してみたいと思ってましたが、睡眠の質も高められるとは一石二鳥ですね。 ノウハウありがとうございます。😊

    みつの@学び続ける鍼灸師/大学助手

    投稿者

    2025/08/16

    レビューありがとうございます! そうなんです、鍼灸にはいろいろな効果が科学的にも証明されていたりしますのでぜひ試してみてくださいね! 腰、お大事にしてくださいね🙏

    みつの@学び続ける鍼灸師/大学助手

    投稿者