- 投稿日:2025/09/25
- 更新日:2025/10/08

マネタリーベースって何?お金の仕組みを簡単解説
答えだけ見たい方は目次で飛んでくださいね。
1分以内で説明する!を目標にまとめてあります。
お金の生まれる場所は2箇所!
経済ニュースで「マネタリーベースが増えた!」「何ヶ月連続減少!」とか聞いたことはありますか?
私達が普段利用しているお金は2つのグループに分かれています。今日は私達個人は使えない預金のグループ「マネタリーベース」を説明します😊
マネタリーベースという統計内容の中身は?
マネタリーベースとは、「日本銀行が供給する通貨」のことです。具体的には、市中に出回っているお金である流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と「日銀当座預金」の合計値です。マネタリーベース=「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」
https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/exbase.htm 日本銀行ホームページより
💐🦔「日本銀行のホームページ、見たことありますか?」
👧「そんなの見ようと思ったこともないよ!」
💐🦔「そうだよね😂 でもいろいろな煽りニュースに惑わされないように、自分の目で確認できるといいこともあるよ♪」
💐🦔「怖くないよ(笑)」
マネタリーベースとマネーストック
銀行には私達が利用している民間銀行(市中銀行)と、政府と銀行が利用する日本銀行があります。
どこに属しているかで誰が(どこが)使えるのか、使えないのかが変わってくるのです(*_*)
1.マネタリーベース(青い部分) 2.マネーストック(黄色い部分)
↑私達には使えない❌️ ↑私達が使ってる⭕️
マネタリーベースの中身
マネタリーベースは、主に次の3つでできています。
📌 計算式:
マネタリーベース = 発行済のお札+硬貨+日銀当座預金
要するに、日本銀行が供給した預金をマネタリーベース(MB)といいます。
誰がどんな風に利用しているの?
内国為替取引と全国銀行内国為替制度
マネタリーベースである日銀当座預金の役割の一つに銀行間決済があります。
毎日私たちが利用している銀行間の振込は、『全銀システム』という銀行間の為替決済額の算出・清算などを集中的に行うオンラインシステムによって決済されています。
一番身近な振込を例に取ると、
銀行などの預金取扱金融機関(以下、「銀行」といいます。)は、資金を送る人と受け取る人のそれぞれの預金口座の金額を増減することにより、為替取引を提供しています。為替取引は預金、貸出とならぶ銀行等の三大固有業務と位置づけられています。特に、国内で日本円により行う為替取引を「内国為替取引」といいます。そして、この内国為替取引を円滑に行うため、銀行が守るべきルールとして全銀ネットが定めた仕組みを「全国銀行内国為替制度」といいます。
https://www.zengin-net.jp/zengin_system/domestic_exchange/ 全銀システムホームページより
わかりやすく説明してみますね!
銀行間決済の裏側では…
私達が普段、◯銀行から△銀行に振込みなど、日常的に行っている裏側で、どんなオペレーションがされているのでしょうか。
この銀行間決済に毎日利用されているのが、日銀当座預金です。
例えば私が自分のA銀行の口座から、支払先のB銀行の口座に100万円の振込をしたとき……上記のようなオペレーションが…
こんなことはしてません😅 知ってますよね😅
日銀当座預金で決済されている
私の預金が支払先口座へ移動するというイメージですが、実際は預金は移動しないのです。銀行預金は口座の保有者にとっては資産ですが、反対側で銀行にとっては負債です。
そして、振り込みの金額が銀行間で移動するのではなく、
私の口座の預金が消滅して、支払先の口座に預金が生まれる。というイメージです✨️
簿記のT字勘定で表してみますね!
そして、支払先の口座と、その口座があるB銀行では
支払先の口座に新たな預金が生まれ、支払先の口座のある銀行の負債が増えます。
この時点ではまだ決済は完了しておらず、この後1日の総取引を集計して、マネタリーベースである日銀当座預金で決済するんです(*_*)
銀行の日銀当座預金を増減させて決済する
一日の取引がこの一件だけだったとして考えてみましょう😊
A銀行は私の預金に対する負債が消滅し、B銀行は支払先の口座に増えた分の負債を負います。(支払い先がその金額を引き出したい時には必ず渡さなければならないという債務です。)
B銀行にすると「振込があったせいで負債が増えた」ことになります。それを日銀当座預金で調整します。
この要領で一日に何十万件とある振込を合計し、一日の最終の合計額を日銀当座預金で決済します。
だから以前、この全銀システムにトラブルがあったとき、振込ができなかったのですね。
こうして実際は1日の振り込み総額を全銀システムで集計し、預金が減った銀行と預金が増えた銀行の「日銀当座預金」を増減させてまとめて決済するのです。(ご存知でしたか?)
一番上の図解の黄色い部分であるマネーストックで振り込みを行うと、青い部分であるマネタリーベースで辻褄をあわせるという感じです。
💐🦔「市中銀行の間で、振り込んだお金が移動するのではないってわかった?」
👧「むずかしい〜💦 A銀行のお金のデータが消えて、新たにB銀行にお金が生まれるってことはなんとなくわかったかな。そんなことが日々行われてるんだね〜」
💐🦔「銀行間でマネーストックが移動するのではないのよ😊 マネーストックの言葉の意味はまた解説するね♪」
マネタリーベースの役割
国債の購入に使われるのはマネタリーベース
マネタリーベースは日銀が市中銀行へ供給した預金で、銀行間決済に使われたり、国債の購入に使われたりします。
国債を購入する資金は家計の預金だと言われることもありますが、個人は日銀に口座を持っていないので、このマネタリーベースを使って国債を購入することは出来ません。
ほんの1〜2%、市中銀行を通して個人向け国債を購入することはありますが、0ではない。というくらいの規模です。
「家計の預金が少なくなれば、国債を発行できなくなる」などの煽りは、マネタリーベースが何かがわかれば、ただの煽りであることが、これで自信を持って否定できますね😊
マネタリーベースが増えればどうなる?
2010年ごろの政策では、金融緩和をしてマネタリーベースを増やせば、銀行は民間に貸出を増やすことができ、景気が良くなる。と言われていましたね。
現実はどうだったでしょうか。
借りやすくはなりましたが、民間が今、借りたいと思える状況でなければわざわざ借りません。
「借りたいという資金需要」は景気の先行きが明るくなければ増えないということに気づいてる方も少なくないと思います。
1分で説明するマネタリーベース
貨幣の種類はたくさんありますが、グループ分けをするなら
マネタリーベースとマネーストックに分けられ、その中のマネタリーベースとは、日銀が市中銀行(民間銀行)に供給するお金の総称です。
マネタリーベースは日銀当座預金に口座を持たない一般市民個人には使えない種類の貨幣です。
日銀と市中銀行の間で、「銀行間決済」に使われたり、「国債の購入」に使われたりします。
「国内の貨幣システムは2段階構造になっていて、マネタリーベースは私たちには使えない預金」と理解できれば、ほぼOKです👍
拙い説明でしたが、お読みいただきありがとうございました!