- 投稿日:2025/08/21
- 更新日:2025/10/09
こんにちは、🌸桜🌸です。
「親亡き後の備え」を考えるときに、最近よく耳にするのが 信託 です。
「家族信託」「民事信託」といった言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
一見すると便利そうに思えますが、実際には「誰に必要で、誰には不要なのか」をきちんと見極めることが大切です。
今回は、信託の歴史から仕組み、メリット・デメリット、そして使うべき人とそうでない人を整理してみます。
信託の歴史
信託の仕組み自体は古く、もともとは 資産を安全に管理・承継するための法制度 として発展してきました。
日本では1922年に「信託法」が制定され、その後、金融機関による「商事信託」が広がりました。
その後、2007年の信託法の全面改正によって、個人や家族間で使える「民事信託(家族信託)」の活用が広く普及しました。
現在は、
・高齢化や認知症対策
・親亡き後の障害者支援
の方法として注目されています。
近年になって注目されているのが 「家族信託」や「民事信託」 です。
これは金融機関を介さず、家族や親族に資産の管理を委ねる仕組みで、2000年代から少しずつ広まってきました。
高齢化や認知症対策、そして「親亡き後の障害者支援」の手段として関心が高まっているのです。
信託の仕組み
簡単に言えば、信託は 「財産を別の人に託して管理してもらう仕組み」 です。
・財産を持つ人(委託者)が、信頼できる人(受託者)に管理を任せる
・受託者はその財産を、受益者(利益を受け取る人)のために使う
・契約内容に従って、財産の管理や分配が行われる
例えば、親が自宅や預金を「受託者である長男」に託し、「重度発達障害のある次男」の生活費に充てるよう契約する…というイメージです。
メリット
・親亡き後の資産管理を指定できる
→ 「誰がどう管理するか」を契約で決められる。
・相続トラブルを減らせる
→ 遺言書よりも細かいルール(毎月の支払い、施設費用への充当など)を指定可能。
・成年後見制度より柔軟
→ 裁判所の監督下に置かれず、家族で決めた運用ができる。
・親が生きている間からスタートできる
→ 「今から準備しておく」ことが可能。
デメリット
・手数料や専門家費用がかかる
→ 契約作成に司法書士や弁護士が関わり、数十万円単位の費用が発生。
・信託財産の維持にもコストがかかる
→ 維持・管理のたびに専門家が入ると、定期的な費用がかさむ。
・資産が小さい家庭には不向き
→ 数百万円規模だと、手数料の方が重くのしかかる。
・受託者の選び方が難しい
→ 親族の中で「信頼して任せられる人」がいない場合は成立しにくい。
どんな人に必要?/不要?
✅ 信託が「必要」な人
・数千万円以上の資産があり、それを計画的に子に残したい
・不動産など「現金化しにくい資産」を持っている
・相続で揉めそうな親族がいるため、細かいルールで縛っておきたい
・成年後見制度では柔軟さが足りないと感じる人
❌ 信託が「不要」な人
・残す資産が数百万円〜1000万円程度でシンプルに現金化できる
・信頼できる受託者(管理を任せられる親族)がいない
・コストに見合わないと感じる
・遺言書と預貯金だけで十分に備えられる
私の考え
信託は「万能の仕組み」ではありません。
むしろ、多くの一般家庭にとっては コストが高く、使いにくい制度 だと思います。
ただし、資産規模が大きい家庭や、不動産を複数所有している場合には効果的です。
一方で「残すのは現金のみ」「家庭内で争うリスクが低い」なら、遺言書+流動資産や預金だけで十分。
👉 大切なのは「制度を使うかどうか」ではなく、
「子どもが本当に安心して暮らせる形になっているか」 を基準に考えることだと思います。
まとめ
・信託は歴史ある「財産を託す仕組み」
・親亡き後の資産管理に柔軟に使えるが、手数料と仕組みの複雑さに注意
・資産が大きい家庭には有効、一般家庭には不要なことが多い
👉 制度に振り回されず、「自分の家庭には本当に必要か?」を冷静に見極めましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。