- 投稿日:2025/09/14
- 更新日:2025/09/29

収益が出ていない企業は意外と多い
上図は2019年版中小企業白書第3章第2節で解説されているものです。(国が公表しているので誰でも見れます。)営業利益が10年間の間に何回赤字を出したのかの統計データです。特にブルーで囲まれた10年のうち5回以上赤字の企業は債務超過であることが想像できます。事業における「スモールスタートのすすめ」は小さく初めて(経費・費用を少なく)売上を大きく伸ばすが基本戦略です。
上図は2024年版小規模企業白書第2部第1章第1節で解説されているものです。(国が公表しているので誰でも見れます。)100%のラインが赤字トントンラインです。小規模事業者(従業員数5名以下やフリーランス)は損益分岐点と離れていません。何かの拍子に(新型コロナウイルスなど)売上が下がってしまうと直ぐに赤字になってしまうことを示しています。
損益分岐点(赤字トントンライン)分析
損益分岐点とは収支がちょうどゼロになる売上高や販売数量のことです。売上高が損益分岐点を超えると利益がプラスになります。リベシティの皆さんは貯める力で家計管理をされていると思います。それが事業版になるだけです。
・変動費(売上原価・材料費・外注加工費・運送費・従業員の残業代)
・固定費(家賃・減価償却費・リース料・従業員の人件費)
上図のうち左の図が変動費を示していて、売れば売るほど変動費も増えていきます。真ん中の図が固定費で売れても売れなくてもかかる費用です。それを組み合わせると総費用となります。
上図の損益分岐点を超えると利益が残るし、この点を下回ると赤字となります。ここまでは数字の金額で説明してきました。ここから大切なのは数字の比率です。色々な事業者(個人事業主・フリーランス・会社)があるなかで金額で比較してしまうのは適切ではありません。比率で比較することが適切とされています。
皆さんの事業の平均的な固定比率・変動費率をAIで検索
例えばChatGPTで蕎麦屋の変動費率を教えて貰うとこのように出てきます。
一般的な飲食店の目安。日本の飲食店では 原価率(食材コスト)=売上の25~35%程度 が目安。蕎麦屋の場合、シンプルなもりそばは原価率が低め(20%前後)、天ぷらそばやセット物では30%程度になることが多いです。したがって、蕎麦屋の変動費率はおおむね 25~35% に収まることが多いと考えられます。
私の本業は商工会議所経営指導員のためお客さんから相談されます。飲食店で30%超えたら高すぎるとアドバイスしています。もちろんお客さんも根気よく原価計算されているのが前提です。正社員5名以下の小規模事業者からの相談が多いためほとんどのお客さんに変動費率を25%目指しましょうとお伝えしています。
では、蕎麦屋の固定費率もChatGPTで教えて貰いましょう。
固定費率(売上に対する比率)の目安。公に入手できるデータや業界のアドバイスから、蕎麦屋・そば/うどん業態での固定費率はおおよそ 売上の15〜25% 程度に抑えるのが望ましい、という見方が多いです。たとえば、家賃が売上の約10%以内、光熱費の基本部分+通信等諸経費・リース・減価償却などを含めて、固定費全体で 15〜25% の売上を下回らないようにするのが経営的に無理のない水準という指標があります。
固定費率はお店を営業しながら減らすことが難しい項目です。一方で安易に増やしてしまうと知らず知らずのうちにお金が手元に残らない原因にもなります。1年に1回で良いので見直しを行いましょう。
業種によって全く異なります。せどりであれば変動費が大半を占めますし、コンサルであれば仕入れがないですから固定費が大半を占めます。
業界平均と比べて変動費型か固定費型か
・固定費型は原価が低く固定費が高いです。10%営業量が増えれば利益の幅も大きくなります。一方で、10%営業量が減れば大きく赤字が出ます。
・変動費型は原価が高く固定費が低いです。10%営業量が増えても利益の幅は大きくありません。一方で、10%営業量が減っても赤字は少ないです。
同業他社と価格競争になる場合、業界平均と比べて変動費型となっている方は価格競争にのってしまうと不利となります。さらに利幅が減るからです。一方で、固定費型となっている方は価格競争への耐性があると分析できます。
結論
変動費と固定費の割合を計算した上で、適正な費用を掛けているか検討しましょう。ただ、家計管理と同じように限界があるのは事実です。今回の記事では、皆さんが宿題リストの家計管理を終わらせている前提でお話ししています。家計管理が終わっていない方は、家計管理を終わらせましょう。家計管理、事業の支出の見直しが終わったら売上を上げるとこに取り組みましょう。