- 投稿日:2025/09/28
- 更新日:2025/09/30

1. はじめに
会社の外部研修というと、「今の仕事に役立つのだろうか?」「忙しいのに参加する意味はあるのか?」と考えてしまう人は少なくありません。
確かに、すぐに成果が見えるとは限らず、場合によっては「結局役に立たなかった」と感じることもあります。
しかし受講者の立場で振り返ると、研修には 社内の当たり前が実は他の会社では当たり前ではないと気づけること や、将来の提案のネタや自分だけの武器になる学び、ひいては将来の転職のヒントを得られること など、すぐには目に見えにくい価値も数多くあります。
この記事では、
社内講師による研修
外部講師を招いた研修
専門研修機関での研修
のそれぞれを受講者目線で比較し、さらに私自身が外部研修や外部講師を招いた社内研修で得た具体的な気づきや体験を交えてご紹介します。
「社外研修に参加するかどうか迷っている方」や「どうせ社外研修も社内の延長でしょ?と思っている方」にこそ読んでいただきたい内容です。
1. 社内講師の研修を受けるメリット
メリット1:自分の仕事に直結していてすぐに使える
講師が自社の業務や事例を前提に話すため、すぐに自分の仕事に結び付けやすい。
メリット2:質問しやすい雰囲気
同じ社内の人間なので気軽に質問できることが多い。
メリット3:業務の整理できる
普段の仕事で当たり前にやっていることを体系的に学べるので、自分の知識を整理できる。
一方デメリットは、
デメリット1:身近で理解しやすいが、刺激は少ない
内容が自分の業務に直結しているため即理解できる一方、視野が広がらず、普段の業務の延長にとどまりやすい。
デメリット2:講師が上司だと気を遣う
質問や意見を出すのに心理的ハードルが上がることもある。
デメリット3:研修の質にバラツキがある
講師の力量ややる気によって研修の質が左右される傾向がある。
2. 外部講師の研修を受けるメリット
メリット1:新しい知識や他社事例が学べる
普段触れない業界の動向や、他社の工夫を知ることで視野が広がる。
メリット2:刺激が大きくモチベーションが上がる
普段と違う人から学ぶことで「こんな考え方もあるんだ」と目が開かれる。
メリット3:プロによって吟味された内容と話し方で理解しやすい
教えることに慣れているので、説明がわかりやすく、内容も整理されている。また日頃の疑問を専門家に質問できるのも大切なメリットです。
一方デメリットは、
デメリット1:自社の状況に合わない場合がある
講師や受講内容によっては一般論や自社に合わないこともあり、自社への適用が難しいこともある。
デメリット2:一方通行になりやすい
外部講師は会社の事情を深く知らないため、受講者が積極的に質問しないと距離感が残る。
デメリット3:その場だけで終わるリスク
刺激は大きいけれど、実務にどう活かすかは自分で考えないと定着しにくい。
3. 専門研修機関で受講するメリット
メリット1:徹底的に学べる環境に浸れる
専門機関は研修ノウハウの蓄積があり、教材や進め方も洗練されている。受講者は短期間で効率よくスキルを吸収できる。
メリット2:他社の人やプロフェッショナルな講師と交流できる
異業種の受講者と同じクラスになることで、自社では得られない発想や情報交換の機会がありますし、
メリット3:プロフェッショナルな講師に質問できる
日頃の業務で疑問を持っている方は、その道のプロフェッショナルである講師の先生に質問できるチャンスでもあります。
一方デメリットは、
外部講師と同じデメリットがありますが、それ以外では以下があります。
デメリット:電車などで移動する必要がある
移動の交通費や時間がかかるので、受講内容によっては上司からの理解を得にくいことがありますので、受講はハードル高め。
4.受講者として意識したいこと
社内研修のとき
→特に社内システムの操作や社内ルールの説明会などの場合、知らないと自分の仕事が進まない受講内容の場合はきちんと理解できるよう務める。またすでに知っている内容でも自分の知識を整理するチャンスにする。
外部研修のとき
→自社の内情とオーバーラップしない内容のこともあるが、まずは素直に聞いてみる。そして「どうやって自分の仕事に落とし込むか」を意識して受ける。
👉 どちらの研修でも「受け身にならず、自分で学びを拾いにいく姿勢」が大切です。また疑問に思ったことは質問するようにしよう。こんな初歩的な質問、どうでもいい質問して大丈夫かなと迷ってしまい勝ちですが、あなたの素朴な質問がきっかけで思いがけない答えや学びにつながることがあります。
5.外の力を借りる学びが最も効果的なワケ
私フレンドエンジニアの考えですが、「社外講師を招いた研修」や「専門研修機関での受講」こそ、成長につながる実感が得やすいと感じます。
なぜなら――
外部の新しい視点は、普段の考え方を揺さぶり、自社の当たり前が外の世界では非常識と思わせてくれるるからです。
また専門機関の研修では他社の人と交流でき、他の会社のことを知ることができ、自分の立ち位置や課題がクリアにすることができると考えます。
もちろんコストや時間の問題はハードルが高めですが、「受講者が学びをどう活かすか」を考えたとき、外部からの学びは投資に値すると思います。
6.受講者にとって効果が高い研修とは?
単に「話を聞く」だけでは眠くなったり頭に残りません。
ワークや実習、グループワークでのディスカッションを取り入れた研修は集中しやすく、学びが深まるのが大きな利点です。
グループワーク → 多様な意見に触れて視野が広がる
ディスカッション → 自分の考えを言語化することで理解が定着する
7.外部講師や専門研修機関での研修から得たもの
1)高等ポリテクセンター(高ポリ)での業務効率化研修
効率化の仕方を実践形式で学べた
→ 今の会社にはない手法を知り、自分の業務に応用できた。グループワークでは講師の先生が工夫をこらしたワークを経験でき、とても興味深く感じました。
2)何事も“当事者意識”が鍵だと理解した
→ 当事者意識のない人が集まっても「烏合の衆」だが、自ら受講を希望した人たちが参加する研修は前向きな発言が出て良い方向に進むことが実感できました。これは会社の会議でも同じことが言えそうです。
3)DXや品質工学研修での学び
→ DXや改善に取り組む前に、まず「現行工程の流れを正しく把握」し、その上で対策を立てることの大切さを理解できました。実際の現場では、このプロセスを飛ばしてシステムを導入して失敗したケースがあり、考えさせられました。
4)研修の組み合わせ効果
→ ある研修で腑に落ちなかったことが、後の別の研修でつながり理解が深まることもありました。これがわかってからは、少しでも興味が湧いた研修は積極的に申し込んでみることにしています。
5)一つの研修では10のうち、1つ学べたらOK
→ これは上の4項と通じることですが、プロの講師の先生の研修でもすべてが自分の業務と結びつくわけではありません。10の内容があったら1つ光る内容があれば良しと考えるのが良いと思います。そしていろいろな研修を受けて不足分を補っていき10に近づけていけば良いと考えるようになりました。
8.グループワーク への苦手意識への対処方法
外部研修は「新しい知見を得られる」だけでも十分価値がありますが、そこにグループワークが加わると学びが深めることができます。
しかし多くの人にとって、グループワークはちょっと気が重いと感じるものです。
しかし、いざ始まってしまえば――
与えられた課題に頭をフル回転させる必要が出てきます。
結果として、最初に抱えていた「気が重い」という気持ちにリソースを割いている余裕はなくなります。そして他の人の意見を聞くと意外にも自分と同じことを考えているんだなと実感できると思います。
9.グループワークではリーダーや司会に立候補しよう
グループワークでリーダーや司会をすることで3つの力を自然に鍛えることができます。
1)まとめる力:全員の意見を拾って整理し発表する力
2)発展させる力:メンバーの異なる意見を次のアクションにつなげる力
3)役割分担の力:誰にどのタスクを任せるかを考える力
こうしたスキルは、グループワークの現場で自然と鍛えられます。
そしてそれは、日常の会議や業務でも必ず役に立つ「実践的な力」になります。
10.周りを活かすリーダーシップとは
リーダーだからといって「全部を決める必要」はありません。リーダーは「決める人」だけではなく「場を回す人」であることも考えてみてください。
周りが優秀なとき
→ あえて自分で答えを出さず、「どう思いますか?」と聞いてみて意見を引き出します。
これはまるでAIに質問して答えを得るようなもの。相手の知識や経験を活かすことができます。
周りの経験値が自分より低いとき
→ 自分の持っている知識が多少乏しいと感じたときは、自分が意見を出すことで皆んなを助けることができます。
11.研修は“未来の武器”になる
研修案内が来たら、考えずにまず申し込んでみてはいかがでしょうか。
研修は“今すぐ”役に立たなくても、将来の武器になる可能性を秘めています。
12.おわりに
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事が、少しでも「役に立った」「読んでよかった」と思っていただけたなら嬉しいです。
また外部研修を受けようか迷っている人、受講したことがあるけど役に゙立たなかった経験のある方にちょっとしたヒントや背中を押す記事になっていれば幸いです。
これからも、自分の経験をもとにリアルな気づきを発信していく予定です。
ぜひまた、次回の記事でお会いしましょう!