- 投稿日:2025/09/29
- 更新日:2025/10/01

不動産投資は「安定した不労所得」として、多くの人が憧れる投資手法の一つです。
しかし実際に運営してみると、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。
今回は私が実際に体験したモンスタークレーマーとの闘いと、そこから得た教訓についてお話しします。
下の階からクレーム
私は以前マンションの一室を所有し、社宅として企業に貸していました。
立地も良く、安定した賃料収入を得られる優良物件だと思っていたのですが…
ある日、子連れの家族が入居してから状況が一変しました。
下の階の住人から「子供の歩く音がうるさい」と、苦情が寄せられるようになったのです!
最初は管理会社が対応してくれるものと思っていましたが、期待は見事に裏切られました。
管理会社は積極的な対応を避け、結果として物件オーナーである私が直接対応することになったのです。
ポイント:管理会社の対応力を確認しよう
多くの不動産オーナーが見落としがちなのが、管理会社の対応力です。
月々の管理費を支払っているからといって、すべてのトラブルを解決してくれるわけではありません。
特に住人間のトラブルに関しては、「住人同士の問題」を理由に消極的な対応を取る管理会社もあるでしょう。
管理組合を巻き込んだ話し合いへ
私はマンションの管理組合に連絡を取って、話し合いの場を設けてもらいました。
組合長を仲介者として、下の階の住人である50代ご夫婦と直接話し合うことになったのです。
私の主張は、以下の通りでした:
・自分の部屋の住人がうるさくしてしまったのは申し訳ない
・苦情が来てからは床に防音マットをひくなどできる限りの努力をした
・住人もなるべく音をたてないよう細心の注意を払っている
・管理組合に騒音計で計測してもらったが基準値を超える騒音ではない
・子供(2歳)のやることなので大目に見てもらえないだろうか
しかし相手は被害を感情的に訴えるだけで、建設的な話し合いになりませんでした。
後から分かったことですが、奥様は精神的な問題を抱えて通院されている方だったようです。
相手があまりに感情的に叫ぶので、途中から組合長さんは完全に私の味方になっていました。笑
最終的に僕の部屋の住人にクレームを入れないよう、念書を書くことで一応の決着がついたのです。
最後に組合長さんへお礼を言ったところ、「これは災難としか言いようがないですね」と苦笑いされました。
ポイント:騒音トラブルにおける「受忍限度」
騒音問題で法的責任を問えるかどうかの基準は、「受忍限度論」が採用されます。
これは騒音が社会生活を送る上で、通常我慢すべき限度を超えているかどうかを判断するものです。
一般的に、環境省の定める環境基準(住宅地では昼間で50デシベル以下、夜間で40デシベル以下など)が目安とされます。
しかし生活音(足音や声など)はこの基準値を超えるか否かだけでなく、発生時間帯や頻度など総合的に判断されます。
エスカレートする嫌がらせ
念書を取ったことで、一時的にクレームは収まりました。
しかしわずか1か月後、事態はさらに悪化する事態に!
相手はより卑劣で悪質な嫌がらせに、手段を変えてきたのです。
その手口は、常軌をちょっと逸したものでした:
・住人の会社に電話をかけて引っ越しさせるよう怒鳴る
・隣に住んでいる人の名前を勝手に使ってクレームの手紙を出す
・上の部屋からタバコの灰が落ちてきたと言い張る(住人は吸わない)
他人の名前を勝手に使う行為は、私文書偽造や名誉毀損に当たる可能性のある犯罪行為です。
もはや単なる「近隣トラブル」ではなく、悪質なハラスメントの域に達していました。
ポイント:悪質なクレーマーへの対抗手段
相手の行為が常識の範囲を超えた場合、以下の法的手段を検討すべきです。
①内容証明郵便
悪質な行為を止めるよう、弁護士名義で警告を送ります。
相手に法的措置を真剣に検討しているという、プレッシャーを与える効果があります。
②調停の申し立て
裁判所という公的機関に場を設定し、解決を促すことができます。
ただし相手が裁判所の呼び出しを無視し続けた場合、調停は不成立に終わります。
③警察への相談
他者へのなりすましや脅迫的な言動は、軽犯罪法違反や名誉毀損、威力業務妨害などの刑事犯罪に該当する可能性があります。
証拠を持って警察に相談し、介入を求めることも重要な手段です。
物件を売って損切り
最終手段として、私は裁判所に調停の申し立てを行いました。
しかし相手は呼び出しに応じず、欠席を繰り返すという最悪の展開に。
悪質なクレーマーに対して法的な手続きを進めるには、多大な時間・精神力・費用を要します。
私はこの時点で「これ以上、ここに力を注ぐのは人生の無駄だ」と判断しました。
私自身の精神的な健康を守るため、このマンションの売却を決めたのです。
不動産投資で学んだ貴重な教訓
不動産投資は、とかく立地や利回り、構造といった「物」のリスクに目が行きがちです。
しかし、この経験から私が学んだ教訓は「不動産投資は人間関係のリスクにも左右される」ということです!
「近隣のモンスタークレーマーに足元をすくわれる」というリスクは、どの不動産投資家にも起こりえます。
最終的に物件を手放すという苦渋の決断を下しましたが、この経験は私にとって貴重な財産となりました。
このようなトラブルに見舞われないよう、この記事があなたの不動産投資のリスク管理の一助となれば幸いです。