• 投稿日:2025/10/11
ねっこ先生と学ぶ”暮らしに役立つ心理学” ー 【アンカリング効果】

ねっこ先生と学ぶ”暮らしに役立つ心理学” ー 【アンカリング効果】

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ねっこ先生@ヒプノセラピスト

ねっこ先生@ヒプノセラピスト

この記事は約4分で読めます
要約
アンカリング効果とは、人間が物事を判断したり意思決定をする際、最初に提示された情報に思考が強く影響され、その後の判断が偏ってしまう心理的なバイアスです。⚓ この最初の情報が船のいかりのように思考をその場に固定してしまい、後の判断はアンカーから大きく逸脱することが少なくなります。

【ご挨拶】

こんにちは!

ヒプノセラピストの「ねっこ先生」です。

今回も、皆様の暮らしに役立つ心理学の効果をサクッと5分程度の長さにまとめてご紹介していきます。

よろしくお願いします!

今回取り上げるのは **アンカリング効果** です!

稼ぐ力、人脈作り、円滑な人間関係構築等に、是非お役立てください^^

【起源/由来】

アンカリング効果の概念は、心理学者の ダニエル・カーネマン と エイモス・トヴェルスキー によって提唱されました。彼らは、人間が不確実な状況下でどのように判断を下すかを研究し、その発見を行動経済学の基礎として築き上げました。

【エピソード】

アンカリング効果を実証する有名な実験に、以下のようなものがあります。

「回転盤とアフリカの国」の実験:

被験者を2つのグループに分け、ランダムな数字が出る回転盤を回させます。その後、一方のグループには「アフリカの国連加盟国は、この数字より多いか少ないか?」と質問し、もう一方のグループには別の数字で同じ質問をします。最後に「アフリカの国連加盟国は何カ国だと思うか?」と尋ねると、回転盤で出た数字が大きいグループの方が、小さな数字が出たグループよりもはるかに多い国数を回答しました。回転盤のランダムな数字が、その後の判断に影響を与えたのです。

【生活への活用事例】

アンカリング効果は、私たちの生活の様々な場面で活用されています。年齢や性別を問わない具体的な例を5つ挙げます。

1.スーパーマーケットでの価格設定:

🛒 商品の値段を「通常価格1,500円」と表示し、その横に「特別価格980円」と書かれていると、私たちは980円という価格が非常に安く感じます。1,500円という高い通常価格がアンカーとなり、980円の価値を相対的に高めているのです。

2.営業や交渉:

💼 不動産や車の交渉で、最初にわざと高い希望価格を提示することで、その後の交渉で提示する価格を「妥当な範囲」だと相手に感じさせることができます。最初の高い価格がアンカーとなり、相手の認識を固定する効果があります。

3.求職活動での給与交渉:

面接で希望年収を聞かれた際、最初に高い金額を提示することで、その後の交渉で提示される金額が、提示しなかった場合よりも高くなる傾向があります。最初の提示額がアンカーとなります。

4.飲食店でのメニュー:

メニューの一番上に高価な「特選コース料理」を掲載することで、その下に並んでいる通常のメニューが手頃に感じられます。一番上の高価なメニューがアンカーとなり、他のメニューの注文を促す効果があります。

5.慈善団体への寄付:

⛪ 寄付を募る際に、「1,000円、3,000円、5,000円、その他の金額」といった選択肢を提示することで、多くの人が一番上の1,000円ではなく、2番目や3番目の金額を選択する傾向があります。提示された金額の範囲がアンカーとなり、寄付額が引き上げられます。

【活用時の注意点】

アンカリング効果に惑わされないために、以下の3つの点に注意が必要です。

1.情報の吟味:

最初に提示された情報が、必ずしも正しい基準であるとは限りません。提示された価格や数値が本当に妥当なものなのか、立ち止まって考える習慣をつけましょう。

2.客観的なデータの収集:

最初のアンカーに囚われず、複数の情報源から客観的なデータを集め、多角的に比較・検討することが重要です。特に高額な買い物や重要な意思決定をする際には、このプロセスを怠らないようにしましょう。

3.直感を疑う:

「なんだかお得だ」「これは正しい気がする」といった直感は、アンカーによる影響を受けている可能性があります。その直感が本当に自分の判断に基づいているのか、自問自答することが大切です。

【まとめ】

アンカリング効果は、私たちが無意識のうちに影響を受けている強力な心理的バイアスです。この効果を理解することで、私たちは自分自身の意思決定における偏りを見抜き、より合理的な選択ができるようになります。また、ビジネスやコミュニケーションの場で、相手に良い印象を与えたり、交渉を円滑に進めたりするための有効なツールにもなります。しかし、安易に他者の判断を操作する道具として使うのではなく、自分自身の思考を客観的に評価し、より良い判断を下すための知識として活用していくことが重要です。


今回の内容は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました!次回の配信も、ぜひご期待ください!!!

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