• 投稿日:2025/10/10
  • 更新日:2025/10/10
保育士が答える、入園前のよくある悩みに現場の声をお届けします

保育士が答える、入園前のよくある悩みに現場の声をお届けします

  • 1
  • -
とろろ@価値観マップ再構築中

とろろ@価値観マップ再構築中

この記事は約8分で読めます
要約
いよいよ春から幼稚園、保育園デビュー。楽しみな反面、不安もたくさんありませんか? よくある不安に対して、園ではどのように対応しているのか、現場の声をお届けします。

子育ては大変!

「保育士さんって大変ですよね、あんなにたくさんの子どもさんを見られて」
保育士をしているとよくかけていただく言葉の一つです。

ありがとうございます、確かに大変!
でも子育てはもっと大変。
そして、大変って言っちゃいけない、楽しまなきゃ、の理想に押しつぶされそうな時もありますよね。


初めまして、幼稚園で9年、子ども園で8年、幼児教育に携わっている現役保育士です。

2、3歳児の入園に向けて不安に思っている方。
雑誌やネット情報、【入園までにしておきたい事!!】の話が多いと思いませんか?
もちろん理想はそうかも知れません。
それは、子どもさんがスムーズに園生活を送るために持っていた方が楽なスキルです。

しかし、入園前の子どもとの生活は、そんなきれいごとばかりではありませんよね。
1日を振り返って、「あれ?今日なんでこんなに忙しかったんだっけ?」
名もなき家事という言葉があるように
名もなき育児は山ほどあります。
入園前の子どもさんを持つ家庭では、2、3歳あきの乳児がいる家庭もあるかも知れません。
もちろん1人でも、1対1で余計に大変なことも。

とにかく毎日が戦いです。

そんな毎日の中、つい気になって読んでしまうのが
【入園に向けて準備しておくこと10選】のような、記事。

⚪︎トイレが1人で出来る
⚪︎洋服や靴の着脱
⚪︎きちんと挨拶をさせましょう etc・・・

うちの子こんなこと出来てないんだけれど!

と不安になってしまう保護者の方も多いと思います。

それって実際どうなの?

大丈夫なら我が子のペースで進めたい、焦ってイライラして不安を膨らませたくない、他と比べたくない、そんな気持ちの方も多いと思います。

少しでも安心して通えるように、園の現場の声を届けます。

なおこの記事は、2、3歳入園を前提とした記事です。
4、5歳とは発達が違うのでご理解ください。


文章に出て来るアイコン
【👨 👩 保護者の方】
【👶 こども】
【😊 保育士】


うちの子きっと泣くと思う、大丈夫かな

ChatGPT Image 2025年10月8日 21_36_07.png

👨👩「うちの子、私がトイレに行くのも付いて来るくらい、離れられないの」
👨👩「どこに行っても、モジモジしていて、くっついているのよ」

😊「大丈夫、泣きます。結構泣きます。

✏️解説

知らない場所、知らない人、離れていく一番安心して過ごせる父、母。
泣きます。
この世の終わりかと思うくらい泣きます。

切ないですよね、泣き叫ぶわが子をおいて家に帰る、職場に行く
気持ちが切り替わらない、罪悪感
ずっと肩に、泣いてるわが子が乗っかっている

🍀実際の園での様子と保育士の対応

個人差はありますが、しばらくは泣きます。
😊「そうだね、パパ、ママに会いたいね、大好きだもんね」
無理に泣き止ませようとするより共感します。

まずは、園が安心して過ごせる場所だと思ってもらうことが1番です。

それでも泣きます。

👨👩「みんな泣き止んできているのに、うちの子だけ、どうしていつまでも泣いているのかな」

初めは子どもが心配だったけれど、段々と周りと比べてしまい、辛くなりますよね。

大丈夫!どんなに長くても1ヶ月も泣きません。
そして離れる瞬間はこの世の終わりだという泣き方をしている子も、案外すぐに泣き止んでいることも多々あります。

😊「今日も頑張ってきてくれたんだねー、そっか、パパ、ママに会いたいよね。あれ?このハンカチってパオパトロール?⚪︎⚪︎くんは誰が好き?ラブル?スカイ?」

泣き声には慣れています。
共感と共に、この人は僕の好きなことを知っている人だ!と少しずつ信頼関係を築いていきます。

会話にならなくてもOK

涙を止める瞬間を見逃しません!

泣く時間、泣き声の大きさ、目線がどこをみているのか、すこーしずつ変化が現れます。

ここまできたらもう大丈夫👍


初めての集団生活、お友だちができるかなぁ

ChatGPT Image 2025年10月8日 21_51_22.png

👨👩「うちの子人見知りで、大人の中で育ったし、同世代の子とお友だちになれるかなぁ」

😊「大丈夫!お友だちなんて、すぐに出来ません

✏️解説

すぐに出来ません!なんてひどいことをーと思いましたか?

入園当初、一緒に遊んでいるように見える子どもたち。
実は大半は、それぞれの世界で過ごしています。ただ同じ場所にいるだけのことも多いです。

🍀実際の園での様子と保育士の対応

まずは自分のしたい遊びを見つけられる力が大切です。
自分から見つけられなくても、お友だちのやっているのを見て、まねっこするだけの遊びもいいですね。

😊「・・・」 
何もしていないのではなく、その子の世界観を大切に見守ります。
必要とされた時にはすぐ反応します。

😊「わぁ、〇〇ちゃんと〇〇くんの使っている車、同じ車だね」
友だちの存在に気づけるように声をかけていきます。

😊「〇〇ちゃん、おままごとでパーティーするんだって、先生と一緒に行ってみる?」
自然と関われるように、保育士が間に立ちます。

😊「レゴブロックで、〇〇くんはお家作ったんだね、○○ちゃんは駐車場作ったんだね」
同じように遊んでいても、違うところを見つけ、お互いの役割の良さに気づいていけるように声をかけます。


このような段階を経て、自分の世界から、他人のいる世界へ目を向けて、一緒に遊べる楽しさに気づいていきます。
兄弟がいたり、集団でいることが多かった経験の子は、この状態から入園しているので、
うちの子はお友だちと遊べていないという風に見えるのかもしれません。

もちろん「○○ちゃんは将来研究者か?」と思うほどに、自分のこだわりに没頭している子もいますよ。



好き嫌いが多いんです、大丈夫?

ChatGPT Image 2025年10月9日 05_25_44.png

👨👩「緑のものは食べないです」
👨👩「食べるのも遅いし、少食です」
👨👩「食べることに興味がありません、納豆とご飯ばかり食べています」

😊「大丈夫、みんなと一緒なら、少しずつチャレンジしていますよ」

✏️解説

どんどん成長していく小さな子ども。
食べることは生きること。
あまり食べてくれないと、とても心配になりますよね。
一番の悩みになっている保護者の方も少なくないように思います。

他の子と一緒に食べるって、思っている以上に楽しいことなんです。

🍀実際の園での様子と保育士の対応

はじめは座って食べることさえままならない毎日。上記の画像のような穏やかな食事風景になるには時間かかっています。

まずは、
😊「ご飯の時は、おイスに座って食べようね」
からです。

何も食べようとしない子
白ごはんだけ食べる子
揚げ物の衣だけ食べる子
ご飯の上に出来るだけたくさんのおかずを乗せた全部盛りになっている子
口に入る量以上の量を口に詰め込もうとする子
ずっとモグモグしている子

ごはんを食べる様子は多種多様です。

👶「これきらーい」
😊「食べたことない?じゃあクンクン匂いをかいでみてみる?」
😊「くちびるに、チュってしてみる?」
得体の知れないものを口に運ぶ恐怖、大人でもわかりますよね。

😊「おうちでハンバーグって食べたことある?そのハンバーグの友だちだよ」
家で食べているハンバーグとは色も形も違います。
子どもたちにとっては、家のハンバーグが自分の知っているハンバーグなのです。
知らないもの⇨ちょっとだけ知ってるもの 少しずつお知り合いになっていきます。

😊「1つだけピカピカにしてみようか」

😊「○○くんと一緒に、せーので食べてみよう」

😊「前は食べられなかったけれど、今日はちょっと食べられたね、すごい!」

😊「ゴックンと飲み込んだら、おなかさん喜んでるよー」
(この辺の擬人化は園によって違うと思いますが・・・)


こんな感じで、チャレンジしてみたり、うっかり食べてしまったりすることもあります。

「がんばれ、がんばれ」って、友だちが応援団みたいに大合唱になっていることも。


好き嫌いが治るわけではありません。

でも『僕ピーマン食べたことある!』の成功体験の積み重ねが、経験値として積み重なっていきます。あたかもたくさん食べたかのように話しますよ。

この経験値のアップが、食事だけでなく、いろんなことをやってみよう、出来るかもに繋がっていくので、とても大事です。


最後に

家で一緒に過ごすことだけでは分からないことは山ほどあると思います。

私も2人の男の子を育てました。仕事でたくさんの子どもたちと関わってきたはずなのに、自分の子となると、全責任が親の手にかかっているような感覚になって、頭で分かっていたはずのことが分からなくなりました。
感情が追いつかないのです。

今しかない時間を少しでも楽しみに過ごせますように、
不安が和らぎますように、
現場の声をお届けしました。


園によって方針は違うと思いますが、どの園でも共通しているのは、
人生の土台となる根っこの部分を、強くたくましく、
自分の力でそれぞれ個性的な枝や葉、花や実をつけていける力を育てたいと思っています🍀


早寝、早起き、朝ごはんはとても大事✨
忙しい毎日、まずはこれだけでも頑張ってみて下さい。
保育士は、子どもの成長と共に、お家の方の心の健康も応援しています❣️


次回は

○トイレの悩み

○言葉の悩み

○すぐに手が出てしまう悩み

です。

最後まで読んでいただきありがとうございました😊

ブックマークに追加した記事は、ブックマーク一覧ページで確認することができます。
あとから読み返したい時に便利です。

とろろ@価値観マップ再構築中

投稿者情報

とろろ@価値観マップ再構築中

パンダ会員

この記事に、いいねを送ろう! 参考になった記事に、
気軽にいいねを送れるようになりました!
この記事のレビュー(0

まだレビューはありません