- 投稿日:2025/10/10

はじめに
このブログでは、金融機関や周囲の人がなかなか教えてくれない「身近なお金の話」を発信しています。
私は40歳でリタイアし、資産運用や暮らしの知恵をお伝えしてきました。
今回のテーマは 「家賃値上げトラブルの急増」 についてです。
最近、家賃引き上げをめぐる相談件数が増えており、不安を感じる方も多いと思います。
そこで本記事では、最新の状況や法律上のポイント、賢い対応法について解説していきます。
家賃値上げトラブルの急増
(出典:日本経済新聞)
2024年9月10日付の日本経済新聞によると、家賃引き上げをめぐるトラブル相談が急増しています。
東京都消費生活総合センターの統計では、
2020年度:326件
2024年度:662件(4年で倍増)
2025年度(4〜6月の3か月間):193件
すでに前年を上回るペースで増えており、賃貸住宅を取り巻く環境が変化していることが分かります。
なぜトラブルが増えているのか?
家賃値上げの背景には、以下のような要因があります。
地価や物件価格の上昇
都心部を中心に不動産価格が上がっており、家賃水準も連動して上昇しています。
固定資産税や管理費の増加
地価が上がると、オーナーの税負担が増加します。修繕費や建築コストの高騰も影響しています。
人口の流入と需要の増加
若年層や単身世帯の都市部集中が進み、需要が高まったことで家賃を上げやすい状況になっています。
これらの要因が重なり、オーナー側が値上げを通知するケースが増えているのです。
入居者が知っておくべき法律上のポイント
家賃値上げ通知を受けたとき、多くの人が「拒否できないのでは?」と不安になります。
しかし、日本には 借地借家法 という法律があり、入居者は強く保護されています。
原則:双方の合意がなければ値上げはできない
値上げを拒否しても、オーナーが一方的に追い出すことはできない
賃料を従来通り支払っていれば、強制退去させられることはない
つまり、家賃値上げの通知が来ても慌てる必要はありません。
法的に入居者は強く守られており、冷静に対応することが大切です。
実際の対応方法
家賃値上げの話が来た場合、以下の流れで対応するのがおすすめです。
拒否も選択肢
「納得できない」と思えば、値上げを拒否する権利があります。
交渉も可能
一方的に拒否するのではなく、「1000円までなら上げても良い」など、妥協案を提示する方法もあります。
周辺相場の確認
自分が住んでいる物件の築年数や設備を考慮し、近隣の賃貸相場を調べることが重要です。相場より高ければ、むしろ値下げ交渉の余地があります。
不動産投資との関わり
家賃トラブルは、入居者だけでなくオーナーや投資家にとっても大きな問題です。
特に日本の借地借家法は入居者を強力に保護しているため、不動産投資は「安定収益」とは限りません。
私自身、不動産投資を直接行うよりも、手間がかからない REIT(不動産投資信託) を選んでいます。
物件管理やトラブル対応が不要であり、分散投資もしやすいからです。
家を買うべきか、賃貸を続けるべきか
「家賃が上がるなら、家を買ったほうが良いのでは?」と考える人もいます。
しかし、これには慎重な判断が必要です。
不動産価格は将来も上がるとは限らない
景気後退や金利上昇があれば、住宅価格が下がる可能性もある
借金(住宅ローン)を抱えることは、資産形成にリスクを伴う
つまり、焦って購入する必要はありません。
むしろ、自分の地域の相場を調べ、冷静に比較検討することが大切です。
金利と銀行の動向
住宅ローンを検討する際には、金利の動向も重要です。
金利が上がると、借入額に対して返済負担が増える
銀行は貸し渋りを強め、融資が通りにくくなる
その結果、住宅購入者が減り、物件価格が下がる可能性もある
つまり、金利と不動産価格は密接に関連しているため、長期的な視点で考えることが欠かせません。
まとめ:家賃値上げにどう向き合うか
今回の家賃値上げトラブル急増から学べることは以下の通りです。
家賃値上げは 双方合意がなければ成立しない
借地借家法により、入居者は強く保護されている
値上げ通知が来たら、 拒否・交渉・相場確認 が基本対応
不動産購入は「焦らず冷静に」検討することが大切
投資視点では、直接の不動産投資よりもREITの方が効率的な場合もある
家賃トラブルは増加傾向にありますが、正しい知識を持っていれば慌てる必要はありません。
大切なのは「法律を理解すること」と「相場を把握すること」です。賢く情報を集め、自分にとって最適な選択をしていきましょう。