💬＜骨折編＞医療保険って本当に必要？大腿骨頸部骨折で“数字”から考える現実

「🏦 医療保険ってほんとに入らなくてもいいの？」

「医療保険に入ってると安心と聞いたけど🤔」

骨折で手術・入院・リハビリを含めると、医療費は約200万円にもなります。

「医療保険に入っていれば安心」と考える人が多い一方で、

実は日本の高額療養費制度を使えば、自己負担は月10万円前後で済むことをご存じでしょうか？

📘 本記事では、30歳女性が70歳で骨折したケースを想定し、

① 高額療養費制度だけを使った場合

② 医療保険に加入して給付金をもらった場合

③ 保険料を『全世界株インデックス（オルカン）』に投資した場合

の3パターンを数字で比較します。

結果は、誰もが「えっ、そうなの？」と思う意外な結論に😲

制度・数字・投資の3つの視点で、あなたの“心配”を科学的に検証します。

今回の調査は、「50歳以上の女性が生涯で骨折する確率」は、海外データでは 「3人に1人」 という報告があるので、骨折すると手術と入院が必須の日本で高齢者に多い大腿骨頸部骨折でテストしてみました。

🦴そもそも、大腿骨頸部骨折ってなに？

「大腿骨頸部骨折（大腿骨近位部骨折を含む）」は明らかに高齢者に多い疾患で、特に 70歳以降～80歳代 にピークを持つというデータが複数あります。

高齢者が転倒して歩けないときには、これを疑うことが多い。特に女性の発症率は高く、男女比では女性が圧倒的に多い（だいたい 1：4 程度という報告もあります）

　　　　　　簡単に言うと足の付け根（股関節）の骨折です。

厚労省の統計によれば、70歳以上の女性で最も多い骨折が大腿骨頸部骨折であり、転倒を契機に人工骨頭置換術を受ける人が年間20万人規模にのぼります。病院で働いてると、多くの大腿骨頸部骨折の患者さんに出会います。

手術後には数週間の急性期入院と、続く回復期リハビリが必要で、医療・介護の境界領域にまたがる代表的疾患といえます。

🦴大腿骨頸部骨折の医療のリアル🏥

この骨折は多くの場合、転倒による高齢者の受傷で、手術（人工骨頭置換術または骨接合術）を経て急性期治療を行います。

治療は「急性期」と「回復期」の2段階に分かれ、

急性期（約2〜3週間）で手術後の安定と全身管理を行い、その後は回復期ではリハビリテーション病棟（回復期病院）に転院してリハビリを継続します。

回復期はリハビリテーションが主な目的となり歩行再獲得と日常生活動作（ADL）回復を目指し、平均入院期間が60〜90日程度とされます（座間総合病院では人工骨頭挿入術の平均在院日数66.78日、出典：厚生労働省「DPCデータによる入院医療の実態調査」2023年版）

🚑 医療経過の典型的な流れ

手術後の流れを現実的にみると、

急性期（2〜3週間）：手術後の安定と全身管理

回復期（6〜10週間）：歩行再獲得とADL（日常生活動作）の回復

この2段階を合わせると平均入院期間は60〜90日程度になります（厚労省DPCデータ参照）。
したがって「3か月の入院」は、実際の医療経過に即した数字です。

そのため、今回シュミレーションする「急性期＋回復期」の流れを合わせて3か月入院（90日）とするのが、医療・経済の両面で現実的なモデルケースです。

ここまでをまとめると、大腿骨頸部骨折をすると手術することが多くて、入院期間は3ヶ月（90日）程度となります。

🏥入院するとどれだけお金が必要となるの？

大腿骨頸部骨折は、手術・麻酔・術後管理・リハビリ・検査・投薬などを含む複合的な入院医療になります。

厚労省のDPC（包括支払い制度）データによると、人工骨頭置換術を受けた場合の医療費総額は平均180〜250万円前後。

地域差や入院期間によって変動しますが、200万円は日本の標準的な治療費の中央値として妥当です。

このうち患者が窓口で支払うのは3割、つまり約60万円となります。

しかし、高額療養費制度を使えば、自己負担は大幅に軽減されます😲

🧮 高額療養費制度とは？しくみと計算のリアル

高額療養費制度とは、1か月あたりの医療費が一定額を超えたときに、その超過分を公的保険が負担してくれる制度です。

📊 高額療養費制度を計算してみよう

上限額は所得と年齢によって異なりますが、標準的な会社員（標準報酬月額28〜50万円）であれば、次の計算式が使われます。

　　80,100円 + (総医療費 − 267,000円) × 1%

たとえば、医療費が200万円かかったときは、
80,100 + (2,000,000 − 267,000) × 1% = 97,430円。
つまり、どんなに高額に医療費が発生しても、1か月あたり約10万円までが自己負担の上限です。

もし入院が2か月続けばおおよそ20万円、3か月でも30万円前後。
これは事実上、国が「医療費キャップ」を設けているようなものです。

加えて、食事代（1食460円×90日）や差額ベッド代（日額5,000〜10,000円）などの保険適用外費用を合わせても、実際の自己負担は40〜50万円ほどに収まるケースが大半です。

つまり――

日本ではすでに“医療破産しにくい”制度がきちんと存在している。ことを知っておきましょう。

🧾 医療費控除でさらに軽減！

ここからもう一段階。
確定申告で「医療費控除」を利用すると、所得税・住民税が軽減されます。

たとえば医療費50万円の場合、
控除対象＝（50万円 − 10万円）＝40万円
所得税率20%、住民税10%とすると、
約12万円の税軽減効果になります。

結果、実質負担額は約38万円

つまり、公的制度＋税制だけで、3か月入院でも40万円未満に抑えられるわけです。

ただし注意点があります。
これはあくまで課税所得がある人のみ対象です。
非課税世帯の場合は控除の恩恵を受けられません。

💡 医療保険料と給付金の現実

ここからは、実際に保険会社に支払う保険料（医療保険料）と入院や手術したことによる保険会社からあなたに支払われる医療保険給付金を計算してみましょう。

高齢期に収入が少ない人は控除の恩恵を受けられません。

💴 医療保険料とは？

病気やけがの際に給付金を受け取るための掛け金です。

ここでは月5,000円（入院日額5,000円、手術給付10倍型、特定損傷特約付き）を想定しました。

30歳から70歳までの40年間で医療保険を払い続けるとすると、

40年間で総額240万円の支払いになります。

📙 医療保険給付金とは？

骨折後に保険会社から、あなたに支払われる補償金（医療保険給付金）で、以下の構成です。

•入院給付金：5,000円 × 90日 = 45万円

•手術給付金：入院日額の10倍 = 5万円

•特定損傷給付金：10万円

合計で約60万円

まとめると、医療保険に加入している場合、入院して手術をすると保険会社から約60万円支払われることになります。

⚖️ 高額療養費制度 vs 医療保険 vs 投資（オルカン）

ここからは、医療費に対して公的制度を使った場合と、さらに医療保険をかけていた場合に受け取れる給付金を計算して、結果どのようになるかを明らかにしましょう。

では、もしこの医療保険料（月5,000円）を40年間、全世界株インデックス（オルカン）に投資していたらどうなるか？

同じ金額がどんな結果を生むのか、数字で確かめてみましょう。

🩺 パターンA：高額療養費制度のみ

医療保険料：0円

医療費負担：約38万円（高額療養費制度＋医療費控除後）

最終資産：−38万円

3か月入院でも自己負担は貯蓄で十分まかなえる範囲。

これがベースになりますよね。

ただし、一時的に医療費を立て替える必要があるため、60万円ほどの現金を用意しておく必要があります。

生活防衛資金がないと大変なことになり、急な出費となります。

💊 パターンB：医療保険加入

医療保険料総額：−240万円

医療費負担：−38万円

給付金：＋60万円

最終資産：−218万円

「安心料」としては意味があるが、最終的な資産的にはマイナスとなります。

📈 パターンC：オルカン投資

医療保険を支払わずに、その医療保険料を投資に回したと仮定します。

投資先は安定のオルカンで年利５％としました。

これらを40年運用するとなると複利が効いて約760万円になります。

投資元本：−240万円

運用資産（40年後・年利5％）：＋760万円

医療費負担：−38万円

最終資産：＋722万円

長期運用の複利効果で、圧倒的に有利です🌱

市場リスクはあるものの、長期の複利がもたらす資産成長は明らかに優位です。

🧠 結果：数字が語る「意外な真実」

高額療養費制度は、すでに国民共通の“医療保険”として機能しています。

単発の入院や手術なら、実費は数十万円に抑えられます。

医療保険は「安心のサプリメント」であり、資産形成を目的とするものではありません。

一方、投資（オルカン）は“自己保険”としても働き、

長期では経済的合理性がもっとも高い選択肢になります。

結論としては、単発の骨折の入院では医療保険は不要ということになります💪

🌸 まとめ：制度を理解することが最大の防御

もしもの不安を減らすには、まず制度を知り、数字で判断すること。

高額療養費制度をベースに、投資と最低限の保険を組み合わせれば、

「お金の安心」は自分で設計できます。

医療保険は怪我や病気の保険ですが、投資はいろいろなものに自由にお金を使うことが出来る点も魅力的でしょう。

安心は買うものではなく、理解でつくるもの🙌

それが、リベシティ流の「経済的自由への第一歩」です。

次回はがん保険編に続きます😇