• 投稿日:2025/10/27
  • 更新日:2025/10/31
【本業強化・管理職になる方へ】持続可能なマネジメントの提案〜長時間残業からの脱却〜

【本業強化・管理職になる方へ】持続可能なマネジメントの提案〜長時間残業からの脱却〜

ぽる@珈琲好きの管理職・副業勉強中

ぽる@珈琲好きの管理職・副業勉強中

この記事は約9分で読めます
要約
私の職場では管理職の長時間残業が常態化しており、『罰ゲーム』と言われています。 この原因は業務量が多いことですが、そもそも『管理業務自体の改善活動が行われていないこと』が根本にあります。本記事では、私の職場を例に、この原因と改善活動を一歩一歩進めることの大切さをご紹介します。

1.はじめに

管理職についてマイナスイメージはありませんか?
・長時間労働
・精神的負担が大きい
・働き損(仕事量の割に報酬が低い)

私の職場はこれらが当てはまっており、「管理職は罰ゲーム」であったり、「管理職にはなりたくない」と言う人もいます。なぜ管理職はこのような働き方が常態化しがちなのでしょうか?

管理職にマイナスイメージがある原因は、「労働時間が多いことで管理職の業務改善が後回しにされ、さらに忙しくなるという負のスパイラルに陥っているから」です。

このため、今が辛いのであれば、脱却に向けた業務改善が必要です。
とはいえ、業務負荷が高い中での改善活動の第一歩はハードルが高く、一個改善したところで効果を実感できないと思います。
ですが、リベシティで宿題リストを一個ずつ取り組んで小金持ち山に登っていくのと同じように、一つ一つの行動の積み重ねが業務負荷の低減につながっていきます。

私の実感として、管理職自身の業務改善は簡単なことではありません。おそらく、自分の任期のうちに全て終わるとは思っていません。
しかし、「無理を重ねる働き方」を続けていては、自分自身も、後に続く管理職も疲弊していくだけです。だからこそ、少しずつでも環境を整えて、次の世代へより良い職場を引き継いでいくことが大切だと感じています。

本記事では、私が実際に取り組んだ環境改善活動をご紹介しますので、これからの職場づくりの参考になれば幸いです。

2.なぜ「管理職は罰ゲーム」になってしまうのか

「管理職は罰ゲーム」という言葉を聞くたびに、正直、残念に思います。
本来であれば、管理職は組織を動かし、成果を支える重要な役割です。
しかし現実には、「やりがい」よりも「責任ばかり増えて報われない」「常に忙しく心が休まらない」という声が少なくありません。

では、なぜそんな状況が常態化してしまうのか?
原因の一つは、「業務が過剰に集中している構造」にあります。
管理職は、プレイヤー時代と比べて裁量が広がる一方、意思決定・調整・報告といった“見えない仕事”が増えます。
さらに、部下の管理や育成に加えて、多くの職場では慢性的な人手不足により、管理職自身もプレイヤーとして業務に取り組むことが多いのです。
この結果、「やることが多すぎて、改善に手が回らない」という悪循環に陥ってしまいます。

もう一つの原因は、「管理職には任期がある」ことです。
多くの会社では、同じポジションにいる期間は数年程度です。
このため、「数年間を乗り切ればいい」「今だけ我慢すればよい」という根性論が前提になりやすく、構造的な業務改善が後回しにされがちです。
結果として、「管理職の負荷を減らすための改善」が進まないまま、世代交代を繰り返しているのです。

ここで記載したとおり、管理職が罰ゲームになる問題の本質は「個人の努力不足」ではなく、「構造と文化の歪み」にあります。
だからこそ、必要なのは「頑張る管理職」ではなく、「仕組みを整える管理職」への転換です。

次章では、この負のスパイラルを断ち切るために、どのような考え方と小さな一歩が有効なのかを掘り下げていきます。

3.「仕組みを変える管理職」になるために

私自身、プレイヤーとして活動してきた時期が長く、「やれば何とかなる」と信じてきました。
しかし、実際に管理職の立場で働いてから思うことは、「努力でカバーする限界はすぐに訪れる」という現実です。

働くメンバーが増え、業務が多様化し、スピードも上がる中で、自分の残業を増やしたとしても対応できることはわずかです。
だからこそ、管理職には、「チーム全体で成果を出す仕組み」や「管理職に負荷が偏らない仕組み」をつくるマインドチェンジが求められます

以下では、私自身が実際に意識しているポイントを2つ紹介します。

(1)「自分でやった方が早い」は最大の罠

プレイヤーとして成果を出してきた人ほど、「自分がやった方が早い」「自分が決めた方が確実」と考えがちです。
しかし、その瞬間から「部下が育たない構造」が始まります。

上司が次々と業務を進めてしまうと、多くの部下は「言われたことをやればよい」と考えるようになり、結果として指示待ちの姿勢が根付いてしまいます。
短期的には業務が早く進んでも、長期的には「自分が動かないと回らない職場」が完成し、改善活動に割く時間がなくなってしまいます。

このため、管理職は「自分で動く」のではなく、部下に任せ、節目で声をかけ、困っていたら最小限の手助けをする姿勢が重要です。
つまり、「管理職がプレイヤーとしても活躍できる組織」ではなく、「部下が活躍できる組織」を目指すべきだと考えています。

(2)「仕組み」は自分を楽にするための投資

「仕組み」というと、効率化や数値改善のような組織的な取り組みを想像するかもしれませんが、私自身は「自分を楽にするための投資」と捉えています。

忙しいときほど、仕組みづくりは後回しにしがちです。
ですが、10分の工夫で明日からの1時間が浮くなら、それは十分に価値ある投資です。
「今日の業務改善が来月の自分を助ける」という視点を持つだけで、日々の姿勢が少し変わってきます。

リベシティには「経済的自由をつくる宿題リスト」があり、みなさんもゴールを目指して一つ一つ取り組んでいると思います。
業務改善も同様で、小さな仕組みの積み重ねが、自分とチームの未来を支える土台になると信じて取り組むことが重要だと考えています。

次章では、実際に私が取り組んだ改善活動例と現場の変化をご紹介します。

4.私が取り組んだ改善活動

改善の方向性は、職場の状態や課題によって異なります。
私の職場では、管理職が担当業務を抱えたまま管理業務をこなしており、日々の業務に追われていました。
この結果、管理職自身の改善活動は後回しになり、ノウハウの蓄積も進まず、「管理職は長時間残業で頑張るもの」という考えが定着していました。

この状況を変えるため、私は「組織として活動する職場」を目指し、次の二つの柱で改善を進めました。
・安心感と一体感のある職場づくり
・管理職業務の低減と仕組み化

(1)安心感と一体感のある職場づくり

最初に着手したのは職場の雰囲気の改善です。
私の職場は仕事量が多く、「常に余裕がない状態」が続いており、将来への不安も広がっていました。
「この先、何を目指して頑張ればいいのか」「自分は成長できているのか」――そんな声も上がるようになっていました。

この状況を変えるために、以下の2点に取り組みました。

① 管理職として職場にいる時間を増やす。
出張や会議への参加を控え、担当者や取りまとめに任せる機会を増やしました。
これにより、自分の作業時間を確保できただけでなく、部下が気軽に相談できる環境を整えることができました。
また、出張や会議の内容を部下から報告してもらうことで、部下が要点を押さえて説明する力や、管理職の視点を持つきっかけになり、成長スピードを高めることができました。

② 中長期計画の作成と共有
今後5年間を見据えた業務計画を作成し、「この職場で継続して活躍できる」ことを示しながら、人員育成や技術継承の方向性を共有しました。
一部からは「数年先のことは分からない」という声もありましたが、「技術者は短期間では育たない」「人を集めれば済む仕事ではない」という点を説明するなど、組織経営の視点を伝える機会にもなりました。
結果として、多くの部下が「目の前の業務が将来にどうつながるのか」「この仕事でどんな成長ができるのか」を意識しながら取り組むようになり、チーム全体の意識変化が生まれました。

(2)管理職業務の低減と仕組み化

管理職の業務改善は特に難しいテーマでした。
多くが口伝で、「やりながら覚える」スタイルが根付いており、ほぼ「0→1」の状態からの取り組みでした。

この状況を変えるため、私は「仕事の見える化」と「業務をなくす(委譲する)」という2つの柱で進めました。

① 管理職業務の見える化
まず、1年間の管理業務を洗い出し、Excelで「いつ・何を・どのように行ったか」を整理するところから始めました。
依頼日、対応内容(概要)、他職員や派遣社員に任せた部分などを明確にし、最終的には年間スケジュール形式のノウハウ書としてまとめました。
この作業により、自分の業務全体を客観的に把握でき、翌年度の対応が格段に楽になりました。
また、結果的に後任への引き継ぎ資料も作ることができました。

② 管理職が「自分でやらない」仕組みづくり
管理職の仕事は、日々の進捗管理・報告・勤怠・経費・採用・教育など多岐にわたります。
そこで、「いかに自分が動かなくても回るか?」を重視し、次のように取り組みました。
・任せられる業務は部下に委譲する
・メールのCCなどで状況を把握し、基本的には「見ているだけ」で回る状態を作る

特に、会社連絡などのメール対応や業務報告のフォローなど、毎週のルーティン業務を中心に移譲を進めました。
この際のポイントは、最初の1ヶ月ほどは一緒に対応し、流れを掴んでもらいながら、徐々に職員が直接展開できるように移管したことです。

こうした一つ一つの業務は数分の作業でしたが、積み重ねることで管理職の注意力や判断力を奪う「小さな負荷」を大幅に削減できました。
結果として、時間の余裕が生まれただけでなく、「自分が動かないと止まる仕事」が減り、精神的な負担も軽減しました。

5.おわりに

本記事では、管理職がマイナスイメージを持たれやすい理由と、私が実際に取り組んだ改善活動をご紹介しました。
管理職が誤解されやすい背景には、「管理職に業務が過剰に集中している構造」があり、その結果として「管理職自身の改善活動が進みにくい」といった問題があると感じています。

この構造を変えるためには、一手で大きな改善を狙うよりも、「一個ずつコツコツとやる」ことが有効です。
私自身、管理職として自分の業務をリスト化し、数分で済む業務から少しずつ人に任せていくことで、改善の効果を実感しました。
そして何より大きな学びは、「任せる力(手放す力)」が組織を強くするということです。
一見、任せることは不安が伴いますが、「人を信じ、仕組みを整え、任せて見守る」ことで、部下も管理職も共に成長できます。

多くの業務を抱える管理職ほど、目の前の対応に追われがちです。
しかし、将来の自分や次の管理職を助けるために、今できる改善を一歩ずつ進めていくことで、結果として安心して働ける組織づくりができると思います。

リベシティでは、「副業にチャレンジする際の保険として本業も大切」と言われていたり、「本業に注力し、小金持ち山を目指す選択肢」も用意されています。
いずれの場合でも、自分のリソースの多くを投入する本業が、高残業で疲れ切った職場ではなく、常に改善を求め、チームで動ける職場の方が魅力的ですし、結果的に長く働き続けられると思います。

本記事が、そうした前向きな職場づくりのきっかけになれば幸いです。

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この記事のレビュー(1
  • 会員ID:lCCjqNtR
    会員ID:lCCjqNtR
    2025/10/27

    一般社員から管理職になると、視点を変えていかなければならないのを実感しています。 投稿を参考に変えていけるようにします。 ありがとうございます。

    ぽる@珈琲好きの管理職・副業勉強中

    投稿者

    2025/10/28

    レビュコメントありがとうございます。何か参考になれば嬉しいです。 安心して働ける職場を目指して、一緒にコツコツ頑張りましょう😊

    ぽる@珈琲好きの管理職・副業勉強中

    投稿者