- 投稿日:2025/10/21
私は、現役の救急救命士であり、日々119番通報を受けて現場へ出動する救急隊と連携する通信指令員として勤務しています。
現場では、「これって救急車を呼んでいいのかな…」と判断に迷いながら通報する方が本当に多くいらっしゃいます。
一方で、「もっと早く呼んでくれていたら助かったかもしれない」というケースも少なくありません。
そんな119番の最前線で感じてきた現実を踏まえ、この記事では、119番するかどうかの判断の目安をまとめました。
体調の異変は突然やってきます。
たった数分の判断が命を分けることもあります。
「救急車を呼ぶべきか、少し様子を見るべきか…」
そんな迷いの瞬間に、思い出してほしい判断基準として、現場の経験をもとにお伝えします。
👧 子どもの場合(15歳以下)
子どもの体調は「坂道を転がるように」変化します。早めの対応が、命を守る最大のポイントです。次のような症状が見られたら、迷わず119番へ。
(出典 総務省消防庁救急車利用リーフレット)
🩶 顔のサイン
・くちびるの色が紫色
・顔色が明らかに悪い
→酸素不足のサインです。呼吸や心臓の異常に注意。
🧠 頭のサイン
・頭を強くぶつけて出血が止まらない
・意識がない、またはけいれんがある
・激しい頭痛や繰り返す嘔吐
→脳へのダメージのサインかもしれません。頭を強く打ったときは、時間が経ってから悪化するケースも。
💨 胸のサイン
・激しい咳やゼーゼーして呼吸が苦しそう
・呼吸が浅い、弱い
→呼吸器や心臓のトラブル、アレルギー反応の可能性も。顔色や唇のチェックは必ず。
🫃 お腹のサイン
・激しい下痢や嘔吐で水分が取れない
・食欲がなく、ぐったりしている
・お腹の痛みで身をよじるように苦しむ
・嘔吐や便に血が混じる
→脱水や腸重積、感染症などの危険性があります。
🔥 やけど(火傷)
・広範囲に赤くなっている
・水ぶくれができている
・衣服の下(胸・お腹・背中など体幹部)に熱傷がある
→広範囲のやけどは受傷直後は軽く見えても、後から重症化することが多いです。水疱は破かず冷やして。
⚠️ その他の危険サイン
・呼びかけに反応しない(意識がない)
・けいれんが止まらない
・顔色が急に悪くなる、じんましんが全身に広がる
・大量出血や交通事故、転落、溺水など
・生後3か月未満の赤ちゃんで様子がおかしい
💡 ポイント
「いつもと違う」「様子がおかしい」と感じたら、それが救急のサインです。迷ったときは #8000(小児救急電話相談) や #7119(救急安心センター) に相談を。
🧑🦱 大人の場合
💡 「突然」「今までにない」「強い痛み」
この3つがそろったら、すぐに119番です。我慢せず、ためらわず行動してください。
(出典 総務省消防庁救急車利用リーフレット)
😵 顔・手足のサイン
・顔の半分が動かない、しびれる
・ろれつが回らない、言葉が出にくい
・片目が見えにくい、視野が欠ける
・片方の腕や足に力が入らない
→脳梗塞や脳出血のサインです。発症後すぐの対応が命を守ります。発症から4.5時間以内の治療開始が運命を分けます。
🤕 頭のサイン
・突然の激しい頭痛(「バットで殴られたよう」な痛み)
・突然の高熱やふらつき、意識がもうろう
→ 脳出血や髄膜炎などの危険なサイン。
💔 胸や背中のサイン
・急な息切れ、呼吸困難
・胸の中央が締め付けられるような痛みが数分続く
・痛みが背中や腕に広がる
→ 心筋梗塞・大動脈解離など、緊急対応が必要な疾患の可能性。
🍽 お腹のサイン
・突然の激しい腹痛
・吐血、または黒っぽい便
・下血が続く
→ 消化管出血や消化管穿孔の可能性があります。
🔥 やけど・けが
・大量の出血を伴うけが
・広範囲のやけど
・顔や関節部位、体幹のやけど
→やけどは初期に軽く見えても、深部損傷が進むことがあります。
🚨 その他の危険サイン
・意識がない、反応しない
・けいれんが止まらない
・冷や汗を伴う強い吐き気
・のどに物を詰まらせた
・交通事故、水難、高所からの転落
💡 ポイント
「突然」「今までにない」「強い痛み」
この3つがそろったら、すぐに119番です。
☎️ 判断に迷ったら「#7119」へ
「救急車を呼ぶべきか迷う」「どの病院に行けばいいかわからない」
そんなときに頼れるのが #7119(救急安心センター) です。
医師や看護師などの専門スタッフが、
📞「救急車を呼ぶべきか」
🏥「今すぐ受診すべきか」
を24時間体制で案内してくれます。
👶 子どもの場合は #8000(小児救急電話相談) も活用を。
地域によって対応時間が異なるため、あらかじめ確認しておくと安心です。
✅ まとめ:迷ったら、電話・そして行動を
このようなような症状が見られたら、ためらわずに119番へ。
顔色・呼吸・意識・痛みの強さなど、どれか一つでも「おかしい」と感じたら、すぐに救急要請を。
そして、判断に迷ったら「#7119」や「#8000」に電話をしてください。
📞 #7119(救急安心センター)→ そのまま「#7119」とダイヤルするだけ。
医師や看護師などの専門スタッフが、「救急車を呼ぶべきか」「病院を受診すべきか」を24時間体制で案内してくれます。
👶 #8000(小児救急電話相談)
→ 夜間・休日もつながる地域が多く、お子さんの急な発熱・嘔吐・けいれんなど、迷ったときに頼れる相談窓口です。こちらも「#8000」と押すだけでOKです。
☎️ 一番伝えたいこと
「このくらいで呼んでもいいのかな…?」と迷ったときほど、電話してください。
#7119や#8000は“相談窓口”、119番は“命の窓口”です。
その番号を押す勇気が、あなたや家族の命を守ります。
以上!パパKでした🫡