- 投稿日:2025/10/30
- 更新日:2026/02/07
はじめに
2024年、父の相続をきっかけに、土地の一部が「ひいおじいさん」名義のままだと分かりました。2代にわたって相続漏れがあったことが発覚し、確認のために戸籍を取り寄せることに。
せっかくの機会なので、「どうせなら全員調べちゃおう!」とスイッチが入り、“ガチ家系図づくり”を始めました。
戸籍の取得費用は約2万円
家系図を作るには、自分の戸籍、両親、祖父母と順に遡ります。自分と両親の分は自宅にあったので、祖父母以前の戸籍を請求しました。
戸籍の写しは1通450円、古い戸籍(改製原戸籍)は1通750円です。役所の方によると、先祖全員分をたどると2万円ほどになるとのこと。
手続きの際、「亡くなった日も知りたいですか」と聞かれ、先祖の寿命を知りたかった私は「はい」と回答しました。
死亡日が記載された戸籍は、生まれたときの戸籍とは別の除籍謄本(じょせきとうほん)になり、追加の費用がかかる場合があります。お墓を見れば没年が分かる人もいると気づき、戸籍取り寄せ中に「死亡日は省いて大丈夫です」と連絡しました。
家系の中で親戚同士の婚姻があったため、同じ人物が複数の系統に登場しており、取得する戸籍の数も少なく済みました。
自治体によっては、マイナンバーカードを使ってコンビニで戸籍を取得できます(窓口より100円くらい安い)。取得できるのは本籍地が同じ自治体内にある最新の戸籍のみで、除籍謄本や改製原戸籍は対象外です。
役所で受け取った「空欄の家系図」
窓口で「先祖全員分の戸籍をください!」と伝えると、「家系図ですね、右に男性、左に女性を書いてください」と言われ、空欄の家系図用紙を渡されました。
自分と分かる範囲の先祖を鉛筆で記入し、残りは市の戸籍課の職員さんが埋めてくれます。作業自体は無料で、10日〜2週間ほど。
自治体によりますが、この時点で簡易的な家系図が完成します。
※司法書士や行政書士など、戸籍調査や家系図作成を手掛ける専門家に依頼すると、数万〜十万円以上かかることがあります
7代前まで遡れた理由
現代では、明治19年式戸籍まで遡ることができます。一般的には5代ほどが限界ですが、戸籍によっては先祖の両親や祖父母の情報が併記されていることも。私の場合はそうした条件が重なり、7代前までたどることができました。
戸籍に記載されていた人物の墓碑を調査したところ、確認できる中で最も古い先祖は元禄時代(およそ300年前)に生きていたことが分かりました。
古い戸籍は、災害や廃棄などで現存していない自治体もあります。除籍や改製原戸籍の保存期間は作成・改製から150年。古い戸籍ほど残り期間が限られるため、早めの取得をおすすめします。
👉戸籍法施行規則 第5条第(4)項(e-Gov 法令検索)
戸籍は郵送や「広域交付制度」でも取得できる
本籍地が遠い場合でも、郵送で戸籍を請求できます。「戸籍証明書の広域交付制度」を利用すれば、全国どこでも戸籍を請求できます。
1.市区町村のWebサイトから申請書をダウンロード
2.本人確認書類のコピーを同封
3.手数料(1通750円)分の定額小為替を郵便局で購入
4.返信用封筒(切手付き)を同封して郵送
通常は1週間〜10日ほどで届きます。
感情との距離も大切に
古い戸籍には、戦死や乳幼児死亡、離婚、養子など、さまざまな人生の痕跡が記されています。気持ちが揺れやすい人は、あまり深く入りすぎないことも大切です。
古い戸籍の中には、当時の事情で事実とは異なる内容が記載されているケースもあります。3月生まれを4月生まれとして届出をしたり、何らかの事情で一時的に祖父母の子として届け出て、後に実父母と養子縁組する例も。
戸籍は、あくまで“その時代の記録”。まに受けすぎず、ゆるく眺めるくらいがちょうどいいと思います。
近年は墓じまいが進み、古いお墓が撤去されるケースもあります。わかる範囲を残していけば十分と割り切りましょう。
家系図を仕上げるのは、人とのご縁
傍系(きょうだい筋や分家)の情報までこだわって作る場合、自分が取り寄せた戸籍だけではつながらないこともあります。私の場合、菩提寺の住職さんにお願いして、ひいおじいさんの兄弟の子孫にあたる方を紹介していただきました。
聞き伝えによるものですが、元禄時代以前の情報を知ることができ、参考として家系図に記載。疎遠になっていた親戚と連絡を取り合うようになり、昔話や近況を聞く機会もできました。
家系図づくりは、過去を調べるだけでなく、「今あるつながりを結び直す」きっかけにもなります。
家系図ソフトとテンプレートを活用
家系図づくりは、紙に書くだけでなく、アプリやソフトを使うと整理が楽になります。後から修正できたり、データを長く保存できるのがデジタルの魅力。実際に使ってみて、使い心地が良かったものを中心に紹介します。
✅家系図のススメ(ソースネクスト)(Windows/約4,950円)
写真・家紋・メモ登録が可能。印刷に強く、保存性も高い。
✅エクセル家系図(フリーソフト)(Windows/無料)
自由度が高く、印刷や保存にも対応。シンプル派におすすめ。
✅らくらく家系図(Mac/iOS/無料)
ドラッグ操作で直感的に作成でき、写真やメモも追加可能。
✅家系図 by 名字由来net(Mac/iOS/Android/無料・一部有料)
名字データベースを活かした本格派。家紋登録・年表作成・遠縁検索に強く、じっくり作り込みたい人向け。
✅みんなの家系図(Mac/iOS/Android/無料・一部有料)
家族や親戚と共有しながら編集できる共同作業型。家族年表や同性婚対応など、つながりを残したい人におすすめ。
🪶 向いている人
・スマホで気軽に始めたい → らくらく家系図・みんなの家系図
・データを細かく残したい → 名字由来net 家系図
・PCで本格的に作りたい → 家系図のススメ
・PCで自分好みにカスタマイズしたい → エクセル家系図
「家系図 PDF テンプレート」で検索すると、記入用のシンプルなフォームも見つかります。まずはテンプレートを使って“仮の家系図”を作るだけでも、どの戸籍を取るべきか見えてきます。
読み解きに役立つツール・資料
明治〜昭和初期の戸籍には、手書きの崩し字や旧字体が多く使われています。読めない文字は以下を活用すると便利です。
✅みを(miwo)AIくずし字認識アプリ(iOS/Android/無料)
スキャンした手書き文字をAIが解析し、現代文字に近い形に変換してくれます。精度は完璧ではありませんが、解読の手助けになります。
※画像:人文学オープンデータ共同利用センター
✅国立国語研究所:変体仮名(へんたいがな)一覧表
旧かなづかいの文字を確認できる一覧。「よ」は「與」、「え」は「ゑ(惠)」などと書かれていることがあり、読みかたの確認に便利です。
おわりに
母は生前、親戚づきあいを大切にし、お墓参りが好きな人でした。家系図づくりは母との記憶をたどる時間でもあり、両親が遺した情報を確かめながら整理できました。
イギリスの歴史家ウィンストン・チャーチルは、「過去を深く見つめるほど未来を遠くまで見渡せる」と述べています。先祖の歴史を知ることは、未来に何を残せるかを考えるきっかけにもなりました。
相続やお墓、実家のことなど、普段は話しづらいテーマも、家系図を作る過程で自然に話題にできるかもしれません。
すべての戸籍を集めなくても、祖父母の世代や自分の苗字の系統をまとめるだけでも十分です。家系図づくりは、自分のルーツをたどる小さな旅。「やってみようかな」と思う人が増えたら嬉しいです。

