- 投稿日:2025/10/21
手芸・ハンドメイド市場の最新動向と、どんな物作りが共感されるのか、考えてみます。
好きなもの、作りたいものを作る、これは手芸・ハンドメイドの原点です。
しかし、趣味の延長ではなく、ひとりのクリエイター、講師として続けるために、「好き」に共感してもらうためのトレンドを理解することは必要不可欠。「好き」と「売れる」を両立させるために!
成長著しい手芸・ハンドメイド市場
まず、私たちの活動がどれほどの規模なのか見てみます。
■ネット販売は前年比5.0%増
手芸・ハンドメイドを含む個人対個人の販売も含む
■クリエイター市場1.8兆円超え
手芸・ハンドメイドを含む国内クリエイターによる市場規模は1兆8,696億円(2023年)
■国内クリエイター市場1兆8,696億円
ただし、動画配信、グッズ販売、スキルシェア、広告収入などを含む
■世界市場の規模は135兆円
世界体の手芸・ハンドメイド市場規模は9,160億USドル(=135兆円)(2022年)
手芸・ハンドメイド専門プラットフォームの成長
代表的な2つの売買サイトを見てみます。2024年データより
■ minne(GMOペパボ)
事業売上:14億1,000万円(前年比94.1%)
月間訪問数:218万
■ Creema(クリーマ)
流通総額:165億円
月間訪問数:215万
一方で、出品するクリエイターも増え、埋もれるリスクは日に日に高まっています。
既存市場は400億円、将来は約8倍増
クリーマの株主向け資料によると、国内ハンドメイドマーケットプレイスの顕在市場規模は約400億円。しかし、潜在市場は実に3,030億円にのぼるとされています。
つまり、伸びしろしかない市場であり、いかに選ばれるか、が問われる段階にきています。
目が肥えてきた消費者
市場が拡大するにつれ、消費者の見る目も肥えて、数多の中から選ばれるためには、もはや手作りだから、という理由だけでは不十分です。
minneやCreemaで支持されているクリエイターさんは、単に安いからではなく、「このクリエイターから買いたい」というポジションを得ています。統一された世界観、制作背景、ならではの価格設定等
また、私たちがご提供している百貨店クオリティの物作り。単なる一点物の販売ではなく、作品の背景にある「人と物語」を主役に据え、百貨店という本物を求める顧客層に支持されている物や事の提供
手芸・ハンドメイドで楽しむ「さりげない推し活」
近年、手芸・ハンドメイドの世界に新しい風を吹き込んでいるのが、巨大な「推し活」市場です。
2023年度の「オタク市場」は、アイドル分野1,900億円、アニメ分野2,750億円という巨大な規模に成長しています。メルカリは、「推し活」アイテムの取引数が5倍に拡大したと報告。
もはや「推し活」アイテムは、若年層の趣味や派手なグッズばかりではありません。そこで、いま注目されているのは、大人世代の「さりげない推し活」スタイル。
例えば、推しイニシャルをさりげなく仕込んだり、表は街歩きバージョン、裏は推しライブバージョンと、「推し」を感じながらおしゃれに持てるセミカスタマイズのバッグなどなど
量産品とはまったく異なる価値を持ち、品良く応援したい、本当に好きなものを持ちたい、大人のファン層に刺さる「推し活」アイテムが手芸・ハンドメイドでは叶います。
成長市場で「選ばれる手仕事」
最新データは、私たちの手芸・ハンドメイドは、成長し続ける大きな経済圏の一部であること、そして将来の大きな可能性を証明しています。
そして、この成熟した市場で価値を発揮するには、埋もれない戦略が必要であり、売る・届けるために伝える技術が必須であることを痛感します。
私たちが提供している「百貨店クオリティ」という信頼の土台も、そのひとつです。
手芸・ハンドメイドは、間違いなく世の中に新しい価値と喜びを提供しています。
参考資料(2024–2025年 最新)
経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査」2024年9月25日発表(CtoC‑EC:2兆4,817億円) (pdf.pepabo.com, 会社四季報オンライン, 経済産業省)
経産省市場調査報告書:「BtoC‑EC市場規模24.8兆円 ★内訳物販14.7兆円」 (netkeizai.com)
GMOペパボ株式会社 2024年12月期決算資料(ハンドメイド事業売上1,401百万円、流通額115.6億円) (pdf.pepabo.com)
Creema株式会社 2025年2月期決算資料(流通総額165億円/登録クリエイター28万人)(creema.co.jp)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング「国内クリエイターエコノミーに関する調査結果」2024年(市場規模1兆8,696億円) (Yahoo!ファイナンス, Futureshop)
矢野経済研究所「オタク市場の現状と展望2023」(推し活規模:アイドル1,900億円/アニメ2,750億円)(経済産業省, Futureshop)