- 投稿日:2025/11/10
あなたの家の窓、防犯対策は十分ですか?
築20〜40年ほどの戸建住宅では、昔ながらのクレセント錠だけの窓が多く、雨戸も「面倒で閉め忘れてしまう」という方が少なくありません。
実は、空き巣が最も狙うのは玄関ではなく「窓」。
この記事では、窓からの代表的な侵入手口と、今日からできる防犯対策をわかりやすく紹介します。
「窓」が狙われている!?玄関だけじゃない空き巣の侵入経路
「空き巣」と聞くと、まず玄関を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし実際には、戸建住宅で最も多い侵入口は「窓」です。
政府広報オンラインによると、空き巣の侵入経路1位が窓で、鍵の閉め忘れやガラス破り、ベランダ経由で侵入するケースが多数を占めています。
窓は人目につきにくく、短時間で静かに侵入できるため狙われやすい場所。
「少し開けて換気していた」「寝る前に閉め忘れた」など、わずかな油断が被害につながります。
まずは、窓からの侵入手口を知り、空き巣が狙いやすい家の共通点を確認しましょう。
代表的な窓からの侵入手口
空き巣が狙うのは「時間をかけずに入れる窓」。
代表的な手口は次の3つです。
✅️ ガラス破り
クレセント錠(窓の中央にある締め金具)の付近のガラスを三角形に割り、そこから手や工具を差し入れて解錠する方法です。
音を抑えて静かに、短時間で行われるケースが多く見られます。ガラス破りは、補助錠や防犯フィルムで防げる場合もあります。
✅️ 無施錠狙い
「少し開けて換気していた」「補助ロックをかけていなかった」といった油断を突く手口です。とくに夏場や在宅時の換気中に多く発生しています。
換気ロックは“施錠の代わり”にはならないため注意しましょう。
✅️ ベランダ・塀越え侵入
2階だからと安心して窓を開け放していると、ベランダ伝い・塀越えなどで侵入される恐れがあります。室外機や物置が足場になるケースも多いです。
犯行が成立しやすい家の共通点
空き巣は「入りやすく、見つかりにくく、逃げやすい」家を選びます。
次のような環境がそろっていないか、今一度チェックしてみましょう。
✅️ 人目が届かない暗がり
植木や塀、物置などで視界が遮られ、外から見えにくい場所は格好のターゲットです。
窓まわりの照明がない家は要注意です。
✅️ 足場になる物の放置
室外機や脚立、ゴミ箱などを窓のすぐ下に置いていると、簡単に上って侵入されてしまいます。
ベランダにも同様の危険があります。
✅️ 防犯性能の低い窓まわり
単独のクレセント錠のみで、フィルムや補助錠がない窓は簡単に突破されやすくなります。
鍵付きクレセント錠への交換や、ガラス破り対策フィルムの貼付が有効です。
クレセント錠を正しく理解しよう
「窓には鍵がついているから大丈夫」と思っていませんか?
多くの引き違い窓に使われている「クレセント錠」は、実は防犯のための鍵ではありません。
これはあくまで、窓をしっかり閉めるための金具です。
つまり、防犯性を高めるには、別の対策が必要になることもあるのです。
まずは、クレセント錠の役割と仕組みを正しく理解しておきましょう。
クレセント錠とは?役割と仕組み
クレセント錠は、窓の中央にある三日月形のつまみを回してサッシを密着させる金具です。
この仕組みにより、窓の隙間を減らして気密性や断熱性を高める効果があります。
一方で、経年劣化や建付けのズレによって密着が甘くなり、しっかり閉まらない状態になることもあります。
そのまま放置すると防音性や断熱性だけでなく、防犯面でも弱点となるので、定期的に位置の調整や点検を行うようにしましょう。
よくある誤解:クレセント錠は“鍵”ではない
「クレセント錠を閉めた=施錠した」と思いがちですが、実際にはクレセント錠に“鍵”としての機能はありません。
防犯性を高めるためには、次のような対策を併用するのが効果的です。
・鍵付きクレセント錠へ交換する
・サッシ上下に補助錠を追加してダブルロック化する
・クレセント錠付近のガラスに防犯フィルムを貼り、破壊を防ぐ
これらの対策によって、侵入に時間がかかり、犯行を諦めさせる効果が期待できます。
今日からできる!基本の防犯対策
防犯対策は、特別な設備がなくても、日々の習慣とちょっとした工夫で効果を高めることができます。
ここでは、今日からすぐに取り入れられる基本的な対策をご紹介します。
就寝前・外出前の窓チェック
就寝前や外出前には、全ての窓のクレセント錠を確認し、可能であれば補助錠もセットしましょう。
換気ロックは完全施錠の代わりにはならないので、就寝時や不在時には必ず閉め切ってください。
ベランダや勝手口の小窓も見落としやすいポイントです。
雨戸・シャッターを正しく使う
夜間は雨戸やシャッターを閉めて、視線を遮断し、侵入も防止しましょう。
日中も可能なら雨戸やシャッターなどを下ろした方が防犯的には有効です。
ただし、常時閉まっている状態は留守感が出てしまうので、ときどき開けて生活感の演出も心がけてください。
照明で心理的抑止
空き巣は「暗くて人の気配がない場所」を好みます。
そのため、夜間や留守時には、照明が心理的な抑止に役立ちます。
✅️ タイマー式照明で部屋を明るく
タイマー式の照明は、夜間の侵入防止や長期間不在時の防犯に効果的です。
雨戸やシャッターがない窓も、照明が自動で点灯すると在宅のように見せられます。
部屋の明かりが定期的に点くと、留守を悟られにくくなります。
✅️ 人感ライトを設置
人感ライトは、玄関や通路、窓下などの動線に設置し、不審者が近づいた瞬間に光で威嚇します。
明るく照らされるだけで心理的なプレッシャーを与えられるので、侵入を諦めさせる効果がありますよ。
ソーラー式なら配線不要で導入も簡単です。
✅️ 常夜灯と人感ライトを組み合わせ
常夜灯と人感ライトを併用すると、防犯効果がさらに高まります。
常夜灯で常に明るさを保ち、人感ライトが動きに反応して点灯すれば、不審者を寄せつけにくくなります。
まとめ
空き巣の多くは、玄関ではなく窓から侵入します。
防犯の基本は「侵入させない環境づくり」です。
クレセント錠を正しく理解し、補助錠や防犯フィルムを組み合わせて対策を強化しましょう。
さらに、就寝前や外出前の窓チェック、シャッターの活用、照明による在宅演出といった日常的な工夫で、防犯性はぐっと高まります。
小さな習慣の積み重ねが、安心で安全な住まいを守ります。
今日できることから、ぜひ取り入れてみてくださいね。