- 投稿日:2025/11/16
国民健康保険や国民年金の負担が重い。でも、フルタイム正社員に戻るイメージも湧かない…。
そんな個人事業主の方に向けて、僕が実際に選んだ「個人事業+週4日の社保つきバイト」という働き方と、そこで感じたメリット/デメリットをまとめました。
社会保険料がいくら変わったのか、心と時間にどんな変化があったのか。「こういう選択肢もアリかも」とイメージしてもらえたら嬉しいです。
【はじめに:この記事で伝えたいこと】
個人事業主として働いていると、
・国民健康保険や国民年金の支払いが重い
・収入は月によって上下する
・でも、フルタイム正社員に戻るイメージも湧かない
という「なんとも言えないモヤモヤ」を抱えがちだと思います。僕もまさにその状態で、最終的に選んだのは「個人事業+週4日の社保つきバイト」という働き方でした。
この記事では、
・実際にいくら払っていたのか(国保・年金と社保の金額)
・週4バイトを組み合わせて得られたもの・失ったもの
・それでもこのスタイルを続けている理由
を、きれいごと抜きで書いていきます。
【僕の前提条件:完全フリーから「週4バイト+事業」へ】
まずは、僕の働き方の変化から簡単に。
<以前:完全フリーの個人事業主>
・個人事業主としてフルタイム(主にネット物販など)
・国民健康保険+国民年金
・扶養家族あり
・収入は月によって波が大きい
<現在:個人事業+週4日の社保つきバイト>
・メイン:個人事業主(収入は変動あり)
・プラス:週4日・社会保険つきのスポーツショップでのバイト
・バイト収入は「生活費のベース」を担うポジション
・事業収入は「貯金・投資・将来のため」に回しやすくなった
きっかけはシンプルで、「国保と年金の負担がつらい割に、収入は安定しない。だったら社保をコントロールできる働き方に切り替えたほうが、トータルでは楽なのでは?」と考えたことでした。
【なぜ法人化ではなく「個人+週4社保バイト」を選んだのか】
ここで「じゃあ法人化は考えなかったの?」と思う方もいるかもしれません。正直にいうと、僕も一時期は法人化推奨ラインの前後をウロウロしていて、「そろそろ法人にしたほうがいいのかな?」と真剣に悩んでいました。
それでも最終的に、「法人化ではなく『個人事業+週4社保バイト』を選んだ」理由は、ざっくり言うとこの3つです。
法人化ラインを安定して超えられるイメージがなかった
売上や利益が、いわゆる「法人化推奨ライン」の前後を行ったり来たりで、毎年コンスタントに超え続けられる自信まではなかったんですよね。いい年もあれば、そうでもない年もある。まだ「常に右肩上がり」とまでは言えない。そんな状態で、固定費の高い器をかぶせるのが怖かった、というのが本音です。
ランニングコストがどうしても気になった
法人にすると、
・税理士報酬
・決算申告のコスト
・社会保険の会社負担分
など、毎年必ずかかる固定費が増えます。売上が落ちた年でも、ここはあまり下がってくれません。「数字だけ見ると得でも、メンタル的にしんどくないか?」という不安がありました。
最大のネックは「決算が2つになる」こと
僕にとって一番大きかったのはここです。
法人化すると、
・僕個人の確定申告に加えて
・法人の決算・申告も管理する
必要があります。事業そのものよりも、管理業務に頭を使う時間が増えそうだと感じたんですね。
「やりたいのは経理ごっこじゃなくて、お客さんに価値を届けたり、自分の事業を育てることのはず」。そう思ったときに、今の規模や性格を考えると、「法人で節税を追いにいく」より「個人のまま社保バイトを組み合わせて土台を安定させる」ほうが僕には合っていると判断しました。
もちろん、
・売上・利益の規模
・今後の事業計画
・家族構成
によっては法人化のほうが有利なケースもたくさんあります。この記事ではあくまで、「法人化も一度は検討したうえで、僕はあえて個人+週4社保バイトを選んでいる」という、一つの判断例として読んでもらえたら嬉しいです。
【週4バイトを始めて「得られたもの」】
社会保険トータルの負担感がグッと軽くなった
一番分かりやすいのが「毎月の社会保険料」の変化です。
<以前:完全フリー(個人事業主だけ)のとき>
・国民健康保険:約9万円/月(実際は8万6,000円ほど)
・国民年金:1万7,500円/月
合計すると、毎月だいたい10万7,000円前後を「全部自分で」支払っていました。収入が落ちても保険料はすぐには下がらないので、請求書を見るたびにずっしりとした重さを感じていました。
<現在:週4バイトで社会保険に加入したあと>
週4日の社保つきバイトを始めてからは、
・健康保険:7,121円
・厚生年金:12,993円
・雇用保険:860円
→ 合計 約2万1,000円/月 が、バイトの給与から天引きされる形になりました。バイトの支給合計額は月15万〜15万5,000円前後なので、そのうち約2.1万円が社会保険などで引かれ、残りが「生活費のベース」になる、というイメージです。
<数字で見るとどう変わったか>
ざっくり比較すると、
・以前:国保+国民年金で 約10万7,000円/月 を自腹で支払い
・現在:社会保険(健康保険+厚生年金+雇用保険)は 約2万1,000円/月(給与天引き)
「自分だけで抱えていた保険料」は、月あたり約8万6,000円ぶん軽くなった計算になります。もちろん、そのぶんバイトに時間を使っているので、事業にフルコミットしていた頃と比べれば、短期的な売上の伸びしろは少し手放している感覚もあります。
それでも、「全部自分で払っている」構造から「会社と一緒に負担している」構造に変わったことで、請求書を見るときのストレスや「この保険料、本当に払っていけるのかな…」という不安はかなり減りました。
※金額はあくまで「僕の場合」の実例なので、実際の保険料は所得・自治体・バイト先の条件によって変わります。
毎月15万円前後のキャッシュフローは心を癒やす
もうひとつ大きかったのが、「ほぼ決まって入ってくるお金」ができたことです。週4バイトの支給合計は、だいたい月15万〜15万5,000円前後。このお金を、家賃・食費・光熱費・通信費などの固定費といった「生活のベース」にあてるようにしました。
その結果、「今月、生活費ちゃんと出せるかな…?」という不安がかなり減り、事業の売上が多少ブレてもメンタルが揺れにくくなったと感じています。完全フリーの頃は、売上の上下と気持ちのアップダウンがほぼリンクしていましたが、いまは、
・生活費:バイト収入でカバー
・事業の利益:貯金・投資・将来の仕込み
という役割分担ができたことで、心の中にひとつ「安全地帯」ができたような感覚があります。
スポーツショップで、さまざまな世代と交流できる
働く場所がスポーツショップというのも、想像以上に良い影響がありました。学生さん、子育て世代の親御さん、シニア層の方々など、本当にいろいろな世代のお客さんと毎日接することになります。
個人事業だけをやっていた頃は、どうしても関わる人が限られがちでしたが、「最近の学生はこんなことで悩んでいるんだ」「この年代の人は、ここにお金をかけるんだ」といったリアルな声や価値観にふれる機会が一気に増えました。これは、これから何を売るか・どんな情報を発信するかを考えるうえでも、かなり貴重な生の情報になっています。
ゴルフ担当になることで得た知識が、そのままInstagram運用に活きる
さらに大きいのが、ゴルフ担当になったことです。
・お客さんの悩みを、現場で直接聞ける
・クラブ・シャフト・ボール・グローブなど、道具の知識がどんどん増える
・実際にどんな質問が多いのか、日々メモがたまっていく
これらがそのまま、僕が運用しているゴルフ系Instagramアカウントのネタに直結しています。接客でよく聞かれる質問、お客さんがつまずきやすいポイント、店頭で売れている商品の特徴。こういったものを、現場目線のコンテンツとして発信できるのは、かなり大きな強みです。
ただアルバイトをしているだけではなく、「バイトそのものが、コンテンツの仕入れ場所になっている」という感覚があって、そこで得た知識や会話の中で生まれた気づきを、そのままSNSに転用できるのは、この働き方ならではのメリットだと感じています。
【週4バイトを始めて「失ったもの」】
個人事業にフルで当てていた時間
もちろん、良いことだけではありません。一番分かりやすいのは、個人事業に使える時間が確実に減ったことです。平日の日中を事業にフル投入していた頃と比べると、バイトのシフト分だけ、シンプルに「作業時間」は削られます。
その結果、「もし今も全部の時間を事業に使っていたら、もっと売上は伸びていたかもしれない」と思う瞬間も、正直あります。言い換えると、「事業の最大化」より「家計とメンタルの安定」に舵を切った、という感覚です。
拘束時間があるかわりに、メリハリと効率化のきっかけを得た
もうひとつの「失ったもの」は、いつでも自由に動ける時間です。昼間に思い立ってすぐ動く、平日昼に予定を詰め込む、といったことは、以前より難しくなりました。
ただ、ここは「失ったまま」で終わっていません。
・限られた時間で成果を出すにはどうするか?
・僕がやらなくてもいい作業は外注できないか?
と考えるきっかけになり、仕事にメリハリをつけて取り組むようになったり、単価の低い作業や時間のかかる作業は、徐々に外注や仕組み化を意識するようになったりと、ポジティブな変化も生まれました。
結果的に、「自由時間が減ったからこそ、逆に“時間の使い方”にシビアになれた」という面があり、単純なマイナスというより、働き方全体を見直すきっかけになった“痛み”だったと今は感じています。
【こんな人には向いている/向いていない】
向いていると思う人
・国保+国民年金の負担に、数字を見るだけでしんどさを感じている人
・事業の売上に波があり、メンタルもそれに振り回されている人
・「まずは家計の土台を安定させてから、事業を育てたい」と考えている人
・バイト先から得られる経験や人間関係も、プラスに活かせそうだと感じる人
あまり向かないかもしれない人
・「事業をとにかく最速で伸ばしたい」というフェーズの人
・人に雇われる形態がどうしてもストレスになる人
・平日日中の完全フリーな時間が必須なライフスタイルの人
・場所に縛られない働き方(長期旅行・移住など)を最優先にしたい人
【おわりに:自分と家族にとって「ちょうどいいバランス」を探す】
個人事業主が週4バイトを始めると、お金・時間・自由度・安心感のバランスが大きく変わります。「全部フリーの自由」も捨てがたいけれど、「社保つき週4バイトの安心感」も悪くない。実際にやってみて僕が感じたのは、「完璧な働き方はないけれど、自分と家族にとってちょうどいいバランスは選べる」ということでした。
もし今、
・国保や年金の支払いがつらい
・でも、フルタイム正社員に戻る気持ちにもなれない
・事業は続けたいけれど、心の余裕もほしい
と感じているなら、「個人事業+週4社保つきバイト」という選択肢を、一度検討してみてもいいかもしれません。
そして、この記事を読み終わったあと、ほんの少しだけ時間をとって、自分に聞いてみてください。
今の働き方で、一番しんどいのは「お金・時間・メンタル」のどこか?
その答えが、みなさんにとっての「次の一歩」を考えるヒントになるはずです。そして、この記事を読んだことが、同じように悩む誰かの背中をそっと押すお力添えになれば幸いです。