- 投稿日:2025/11/28
- 更新日:2025/11/30
はじめに:父の後悔と私の安心。二つの体験から伝えたいこと
便秘や胃痛が気になっていても、「カメラは怖いし、もう少し様子を見よう…」と後回しにしていませんか。
父は「歳のせい」「薬で治る」と受診を先延ばしにしていました。
ようやく検査を受けたときに見つかったのは、進行大腸がん。手術と抗がん剤治療を経て、2年たった今、再発がわかりました。
一方で私は、怖さを抱えながらも早めに大腸カメラ・胃カメラを受け、ポリープを切除できました。
看護師として多くの患者さんを見てきた経験からも、
「もう少し早く検査していれば…」
という後悔を、誰にもしてほしくありません。
この記事では、大腸カメラ・胃カメラの痛み・恥ずかしさ・費用について、実体験をもとにお伝えします。
「どんな検査なのかを知ったうえで、今年のうちに一歩を踏み出す」ための材料として読んでもらえたら嬉しいです。
※本記事は看護師としての経験と、家族と自分自身の体験にもとづく情報です。具体的な症状や治療については医師に相談してください。
※血便、強い腹痛、体重減少、便の性状の変化がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
1.「いつか」ではなく「今」検査を受けてほしい5つの理由
① 早期発見は「命・時間・お金」すべてのコスパがいい
早めに検査を受けて異常を見つけることは、命と時間とお金を守る、究極の「投資」です。
なぜなら、がんは早期発見できるかどうかで、その後の負担が劇的に変わるからです。 日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、およそ2人に1人。決して他人事ではありません。
🦁学長も仰っていますよね。
病気になる前にお金をかける方がコスパがいい。病気になった後で治す方がお金も時間もかかるし、元通りにならないことも多い。どうせだったらお金がかからない方で、なおかつ生活のクオリティが高くなる方法に時間とお金をかけた方が効率がいいよね。
父の進行がんと、自分の早期発見の経験からも、健康の維持こそ最高の「投資」だと断言できます。
② 12月は予約が埋まりやすく、冬は感染症も流行しやすい
12月から冬にかけては、年末の予定の多さと風邪・インフルエンザの流行が重なり、せっかく決めた検査日がくずれやすい時期です。
12月はもともと検査の予約が埋まりやすく、
・「年内に診てもらいたい」という人が増える
・年末年始の休診日が重なり、予約枠が少なくなる
といった理由があります。
さらに、冬は風邪やインフルエンザなどの感染症が流行しやすい季節。自分や家族の体調が悪くなって、検査日を変更することになる場合もあります。
検査では、前日〜数日前からの食事制限や下剤の内服など、準備が必要です。日程が変わると、準備もスケジュールもやり直しになってしまいます。
だからこそ、元気で、仕事が本格的に慌ただしくなる前の「今のうち」に予約しておくと、スムーズに検査を終えやすくなります。
③ ポリープ切除後の「制限」をイベント前に終わらせられる
ポリープをその場で取れば、「将来のがん予防」にもつながることが期待できます。しかし検査でポリープが見つかって切除した場合、出血を防ぐために2週間ほど生活に制限がかかります。(ポリープの大きさや数によってはそれ以上の日数がかかる場合もあります)
【主な制限の例】
・アルコールはお休み(禁酒)
・激しい運動や筋トレは控える
・長風呂やサウナは避ける
この期間が、イベントの多い年末年始と重なると、お酒好きな人なら「飲めない…」と、少しさみしい状況になるかもしれません。
検査後の食事制限や安静が必要でも、今のうちに済ませておけばイベントを楽しみやすくなります。
④ 「悪い病気かも…」という不安を来年に持ち越さない
「忙しいから、落ち着いたら考えよう」と先延ばしにすると、不安な時間もその分長くなります。
年末年始に家族や友人と過ごしているとき、ふと「お腹の調子、やっぱりおかしいかもしれない」「悪い病気だったらどうしよう」と頭をよぎるだけで、心から楽しめなくなってしまいます。
検査を受けてはっきりさせておけば、「検査で確認したから、今のところは大丈夫」と自分に言ってあげることができます。
安心して食べて仲間と笑える時間を増やすために、不安を来年に持ち越さないという選択も、とても大切だと感じます。
⑤ 女性は「生理」との兼ね合いも大事です
生理中の検査は心身ともに負担が大きくなってしまうもの。普段よりも体調の変化を感じやすい時期に、さらに緊張を伴う検査を受けるのはつらいですよね。
検査を受ける決意をしたら、すぐに予約!生理周期と重ならない日程を選びやすくなります。
2.「薬で治るから大丈夫」は、要注意
「薬を飲めば治るから、大丈夫」気持ち、よく分かります。仕事や家事があると、病院に行く時間をつくるだけでも大変…💦
私自身も、症状があっても薬で乗り切ろうとしていた期間がありました。
実際に受けた内視鏡検査結果は次のとおりです。
・大腸:ポリープを発見(放置すれば将来がん化する可能性)
・胃:胃炎を発見。ピロリ菌検査も追加
胃がんの原因の多くを占めるとされるピロリ菌も、検査で早く見つけて除菌すれば、将来のリスクを大きく減らせます。
薬で何とかするのは一時しのぎです。「なぜその症状が出ているのか」を確かめる検査こそ、自分の体を守る行動です。
3.よくある不安TOP3「痛い・恥ずかしい・高い」の本当のところ
大腸カメラ・胃カメラをためらう理由の多くは、次の3つではないでしょうか。
・痛そう、苦しそうで怖い
・お尻を見られるのが恥ずかしい
・お金がかかりそう
① 痛くない? → 【鎮静剤あり】で、眠っている間に終わることが多い
私が受けた20年前の胃カメラでは鎮静剤なしで、カメラが口に入っただけで気持ち悪くなり、検査は中止。それ以来、「もう二度と胃カメラは受けたくない」と思っていました。
今回、大腸カメラと胃カメラを鎮静剤ありで受けたら、
・点滴から「眠くなる薬」を入れてもらう
・意識がぼんやりしてくる
・「終わりましたよ」と声をかけられて目が覚める
・「えっ、もう終わったんですか?」本当に検査したの?
私の場合、痛みは点滴の針を刺す一瞬の「チクッ」だけ。検査中の苦しみは全くありませんでした。
【鎮静剤を使うときの注意点】
・検査後もしばらく眠気が残る(私は2時間ほどぼんやりしていました💤)
・当日は車・バイク・自転車の運転は禁止🈲 公共交通機関の利用がおすすめです🚃
※持病や内服中の薬によっては、鎮静剤が使えない場合もあります。
※予約の段階「鎮静剤は使えますか?」と医師やスタッフに事前に相談してみてください。
②お尻を見られるのが恥ずかしい→ 専用検査着+掛け物で、見える部分は最小限
大腸カメラでは、
・お尻の穴の部分だけに切れ込みがある専用の検査ズボンを履く
・上から検査着を羽織る、掛け物で体をしっかり覆う

露出する部分は本当に必要最小限。移動中や検査室に入るときに、お尻が丸見えになることはありません。検査前の下剤を飲む時間も、トイレ付きの個室で過ごせることが多いです。(施設によります)
私たち医療者は
・検査を安全に、スムーズに進めること
・患者さんが不利益を受けないようにすること
を最優先に考えています。そのうえで、できるだけ恥ずかしさがないように、掛け物で覆う、声をかけるなどの配慮をしています。
③ 費用は? → 進行してからの治療費と比べると負担は小さい
私のケースを一例としてご紹介します。
【実際に支払った金額(3割負担)】
・大腸カメラ
・胃カメラ
・ポリープ切除
・病理検査
すべて含めて、自己負担は約31,000円でした。
検査内容によって金額は変わりますが、3割負担の費用の目安は次のとおりです。
3万円と聞くと、高く感じるかもしれません。
しかし、もし進行がんになってから見つかった場合は、
・手術費用・長期の入院費
・抗がん剤などの薬代
・仕事を休むことによる収入減
など、お金も時間も、大きな負担になる可能性があります。今ここで支払う金額としては「将来の大きな出費を防ぐための必要経費」ともいえます。
【補足①:民間医療保険について】加入している保険がある場合、ポリープ切除が「手術」とみなされ、給付の対象になるケースもあります。※実際の検査費用や自己負担額、保険給付の有無は、医療機関や加入している保険の内容、処置の有無によって異なります。詳細は、医療機関や保険会社に確認してください。
【補足②:内視鏡検査の不利益について】検査は命や時間を守る大切な手段ですが、完全にリスクゼロではありません。日本対がん協会の、大腸内視鏡検査についての説明、興味のある方は一読ください。参考:日本対がん協会「大腸がん検診・よくある質問」
4.まとめ:今年中に「安心」を手に入れましょう
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
この記事で一番お伝えしたいのは、次のひと言です。
検査は「いつか」ではなく、「今」受けるからこそ、命・時間・お金のすべてを守れるということです。
父は、がんが再発し、治療と向き合う日々。娘として心配が続いています。一方で私は、早めに検査を受け、「今は大きな問題はない」とわかり、体調面での不安は減りました。検査を受けるタイミングで、その後の気持ちや過ごし方が大きく変わると日々実感しています。
検査への一歩を踏み出すための3ステップ🚀
この記事を読み終えた今が、行動を変えるチャンス!
次の3つを、試してみてください。
✅️ステップ1:検索❗️スマホやパソコンで Google マップを開き、 「大腸カメラ 胃カメラ (お住まいの地域名)」 で検索します。
✅️ステップ2:ホームページをチェック❗️ ホームページで、次の点を確認します。
・「鎮静剤」「眠ってできる検査」などの記載があるか
・平日が難しい人は「土日も検査」があるか
・鎮静剤を使うと車の運転ができないので、自宅から通いやすい場所か
✅️ステップ3:予約、相談❗️
24時間WEB予約できるクリニックもたくさんあります。
電話では、次のように伝えるだけで大丈夫です。
📞「お腹(または胃)の調子が気になるので、大腸カメラ・胃カメラの検査について相談したいです。」
目標は、「今年中に検査を完了させること」です。
「怖さがゼロになってから」ではなく、「怖さを抱えたままでも、一度相談してみる」。その小さな一歩が、未来の自分と家族を守ってくれます。
忙しい毎日のなかで、検査はどうしても後回しになりがちです。それでも、来年の自分に 「去年のうちに受けておけばよかった…」 と言わせないために、今日の小さな一歩がとても大切だと感じています。
健康は、究極の資産です。元気で長く働けることは、やりたいことを楽しむことにも、資産形成にも、すべての土台になります。
もしこの記事を読んで検査予約ができたら、
「予約したよ」
とつぶやいてもらえると嬉しいです。
その一言が、同じように迷っている誰かの背中をそっと押す力になります。
あなたと、あなたの大切な人が、これからも笑顔で過ごせますように。そのための一歩として、「検査を受ける」という選択肢を、ぜひ前向きに検討してみてください。