- 投稿日:2025/12/02
- 更新日:2025/12/03
【ご留意ください】
鍼灸治療は、頭痛治療における代替、補完的なアプローチですが、まずは国際頭痛分類(ICHD-3)に基づく正確な診断を受けるために、必ず医療機関(頭痛専門医など)にご相談ください。特に、急な激しい頭痛や、いつもと違う頭痛(二次性頭痛の可能性)を感じた場合は、速やかに専門医の診察を受けてください。
本文
「頭痛は仕方ない」「痛み止めを飲めば乗り切れる」そう思って、もう何年も生活していませんか?
国際頭痛分類https://www.jhsnet.net/kokusai_2019/34.pdf
頭痛は、国際的に「病気」として分類、診断される深刻な疾患です。現代医療の現場や、国際的な診断基準である国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)では100種類を超える頭痛が分類されています。
①一次性頭痛
代表的な頭痛の分類で、転倒して頭をぶつけた(外傷)などの疾患が原因ではない、頭痛そのものが病気であるもの(片頭痛、緊張型頭痛など)
②二次性頭痛
外傷や感染症、物質の使用など、他の原因疾患によって引き起こされるもの。「物質」とは、頭痛を引き起こす体外からの化学的な影響、全般を指します。
これが最も重要な分類であり、今回の記事でも取り上げたテーマです。
・薬剤の使用過多による頭痛(MOH): 市販の鎮痛薬や処方薬の飲みすぎによるもの。
・副作用による頭痛: 治療薬の副作用として発生するもの。
具体例/ 鎮痛薬、片頭痛治療薬(トリプタン製剤)、特定の心臓病薬など。
日常的な摂取や、体に有害な物質の暴露によるものです。
・嗜好品による頭痛/ アルコール(二日酔い)、カフェイン(摂取過多または離脱)など。
・毒物による頭痛/一酸化炭素(CO)、特定の重金属など。
③有痛性脳神経ニューロパチー、他の顔面痛およびその他の頭痛
三叉神経痛やその他の稀な頭痛性疾患、顔面痛など。
国際頭痛分類で注目したかったこと
二次性頭痛/ 薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)の名称が追記され、診断基準が大幅に改訂されました。
国際頭痛分類が明確に定義し、警告を発しているのが、鎮痛薬の飲みすぎでかえって頭痛が悪化する状態です。
これは、痛み止めを飲む回数が増えることで脳が痛みに敏感になり、薬が切れるたびに頭痛が誘発されるという、非常に厄介な悪循環に陥っている状態とのこと。
「薬を飲むな」と言われても、痛いから飲む。これが患者様の現実です。
朗報 🌿 薬に頼らない解決策/代替医療のアプローチ
この悪循環を断ち切るために、鍼灸、指圧、マッサージ、カイロプラクティックなどの代替医療のアプローチがあり、特に鍼灸のアプローチでは頭痛を誘発する体の筋緊張、交感神経過緊張、副交感神経過緊張(血流不良、冷え、むくみ、自律神経の乱れ)を緩和させると、世界保健機関(WHO)の1996年の報告書にあります。
▶世界保健機関(WHO)の1996年の報告書には、頭痛は【鍼灸治療の有効性が証明された疾患】のカテゴリーに分類されています。
分類の補足WHOの分類と疾患数の目安
WHOの鍼灸治療に関する報告では、疾患の有効性について主に以下の3つのカテゴリーに分類されています。このうち、最も治療効果が証明されているとされる疾患が、約40種類程度リストアップされています。
有効性が証明された疾患(Controlled trials have proved the effect):信頼性の高い臨床試験で効果が確認されたもの。
有効性が示されているが、さらなる証明が必要な疾患(Therapeutic effect shown, but further proof is needed):効果が期待できるが、データが不足しているもの。
試みる価値のある疾患(Acupuncture is worth trying):従来の治療が難しい場合に試すことが推奨されるもの。
*日本の場合は、プラシーボ効果も相まって″中等度″として、鍼灸治療の効果が紹介されています。厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/overseas/c02/01.html
【再掲/ご留意ください】
鍼灸治療は、頭痛治療における代替・補完的なアプローチですが、まずは国際頭痛分類(ICHD-3)に基づく正確な診断を受けるために、必ず医療機関(頭痛専門医など)にご相談ください。特に、急な激しい頭痛や、いつもと違う頭痛(二次性頭痛の可能性)を感じた場合は、速やかに専門医の診察を受けてください。
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筆者紹介
鍼灸師:廣木孝志(ヒロキタカシ)
福島県白河市出身/日本健康太極拳協会楊名時八段錦・太極拳師範
2007に療術業界に助手として活動を開始
2013鍼灸師の国家資格を取得
2022年恵比寿に個室鍼灸院ハリステーションを開業
リベでは養生サークルにて仕事や先人の知恵から得た養生方法を研究し発信!https://libecity.com/room_list?room_id=qblJeRF2NlwRZyvxh3BA