• 投稿日:2025/12/02
 みずほ銀行調査:2030年に日本産業を待ち受ける危機とチャンス:生き残りのための「3つの戦略」

みずほ銀行調査:2030年に日本産業を待ち受ける危機とチャンス:生き残りのための「3つの戦略」

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シロマサル@ノウハウ図書館×本の要約🍀

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要約
みずほ銀行産業調査部が発表した2026年から2030年に向けた日本産業の中期見通しを解説。日本企業は不確実性が増す中でもチャンスを見出し、競争力を強化するため、3つの戦略を推進することが求められている。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!


「日本の経済の先行きが不安だ」

「自分の業界はこの先どうなるのか?」


未来に漠然とした危機感を抱えていないだろうか。特に、国際情勢の不安定化や急速なAI・デジタル化の進展は、私たちの働き方や生活を一変させる可能性がある。


今回はみずほ銀行産業調査部『日本産業の中期見通しー向こう5年(2026ー2030年)の需給動向と求められる事業戦略ー』2025年発行をつまみ食いする。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみよう。


0.png企業の枠を超えたマクロ視点でビジネスや投資のヒントを得たい方にも広く活用できる資料ながら、無料で公開されている。

本文データはこちらから:https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/industry/sangyou/index.html

「みずほ産業調査」は、業界全体を俯瞰したうえで、「大きな構造変化」「潮流の動き」「ビジネスモデルの変化」「ビジネスの新基軸」といった視点を中心に分析し、「業界の将来像の予想」「業界への提言」も盛り込んだレポートです。

みずほ産業調査

00000.png10.png✅ 日本産業は国際情勢や人口動態など5つの外部環境変化に直面しており、リスクとチャンスが内在する。

✅ 2030年に向けて、強固な供給基盤と拡張が生むシナジー、技術がもたらす付加価値の創出により、高付加価値な産業構造へ転換することが必須である。

✅ 競争を勝ち抜くためには、供給体制の適正化、ビジネス領域拡張、デジタル技術活用が戦略の柱となる。

◼ 製造業はデジタル化に伴う、半導体・IT分野のグローバル需要拡大を中心に引き続き伸長を見込むも、関税引き上げ前の駆け込み需要の反動減や不透明な情勢もあり伸びは鈍化。非製造業は、高齢化等を背景としたヘルスケア需要拡大を中心に引き続き伸長する見込み。

みずほ産業調査


このレポートは、日本の会社が2026年から2030年までの未来で、どんなことに気を付けて、どう頑張れば成功できるかをまとめたものだ。

本稿では、みずほ銀行産業調査部が考察した、2026年から2030年に向けた日本産業の中期的な需給動向と、企業が競争を勝ち抜くために必要な戦略を解説する。

不確実性の高い時代を生き抜くためのリスクとチャンス、そして具体的な3つの重要戦略を知ることで、今後のキャリアやビジネスの方向性を定める一助となるはずだ。

具体的な関連企業の個別株を確認し、PERといったいくつかの指標を信じて個別株投資に活用しても良い。

投資家だけでなく、この先日本はどうなっていくかの方向性を探るのも面白い。


2030年に日本産業を取り巻く5つの外部環境

1.png

国際情勢の緊張と脱炭素化の揺らぎ

3.png⇒ 経済のブロック化とコスト増加がリスクである。

各国政府主導による自国産業の保護・育成や同志国間の連携が進むことで、経済のブロック化や財の貿易鈍化が進行する。

また、脱炭素化・環境対応シフトに伴うコスト増と投資増が企業に求められるリスクとなる。国際情勢の緊張や不安定化は、今後5年(2026〜2030年)において外部環境の変化として想定されている。

国際情勢の緊張と脱炭素化の揺らぎは、まるで2つの異なる潮流が日本経済に押し寄せているようなものである。

国際情勢は、貿易の壁を作り、自国中心主義へと経済を分断する潮流であり、ビジネスの機会を狭め、コストを増大させる。

一方、脱炭素化の揺らぎは、環境対応という不可避の目標に向かいつつも、コストや技術的な課題から各国が足並みを揃えられず、エネルギーの選択肢を再考せざるを得ない、経済と環境のバランスを問う潮流である。


供給制約と人口動態の変化

2.png⇒ 人手不足によるインフレ圧力は解消しない。

人手不足に伴う供給制約が顕在化し、モノやサービスの価格が持続的に上昇するインフレ圧力が高まる想定だ。

国内人口は全体として減少するものの高齢者数は増加し、ヘルスケア産業の市場は堅調に拡大するが、生産年齢人口の減少による労働供給制約に直面する。


デジタル化・テクノロジーの急速な進化

5.png⇒ AIや量子コンピューティングの実装が産業構造を変える。

デジタル化・AI等のテクノロジーの進展により産業構造が大きく変化する。特にデータ豊富で知識集約型産業の領域から、AIエージェント等の実装が進み、創薬や金融などの特定領域においては、AI・量子コンピューティングの社会実装に向けた開発が推進される。

AI活用に向けたデータ連携基盤や、AIインフラへの投資も継続すると見られる。


つまり…。

1. 世界との関係が不安定になること:国と国との間で「自分の国のものを守ろう」という動きが強まり、モノの貿易が難しくなること。

2. 地球に優しい取り組みが難しくなること:二酸化炭素を減らすためのルール(脱炭素化)を守ろうとすると、会社がお金や投資をたくさん使う必要が出てくること。

3. 人や材料が足りなくなること:働く人が少なくなったり(人手不足)、モノを作るための材料が手に入りにくくなったりすること。これにより、モノやサービスの値段が上がりやすくなる。

4. 日本の人が減っていくこと:日本の人口が減り、お年寄りが増えること。このため、国内でモノが売れにくくなる仕事もあれば、ヘルスケア(健康や介護の仕事)のように需要が伸びる仕事もある。

5. AIや技術がどんどん進化すること:AI(人工知能)や新しいデジタル技術が急速に進んで、モノの作り方や仕事のやり方が大きく変わってしまうこと。

この5つに私たちは悩まされることになる。


外部環境の変化がもたらすリスクとチャンス

4.png日本産業が直面する主なリスク

⇒ 競争力低下と供給制約による物価上昇に留意が必要だ。

デジタル化・テクノロジーへの対応の遅れは競争力の低下につながる。

また、人手不足による労働供給制約や、自国産業保護による貿易制限がリスクとなる。

製造大国を目指す中国の競争力拡大による日本の供給体制の弱体化も懸念される。


掴むべき主なチャンス

⇒ 国内投資の増加や高付加価値領域への転換を狙う。

経済安全保障や自国産業強化を目的とした国内投資が増加するチャンスがある。

また、労働力不足解消に向けた投資や高付加価値領域への転換が進む。AI・テクノロジーを活用した付加価値向上や新規需要の創出も重要なチャンスであり、具体的には、ウェルビーイングを高める個人サービスの需要拡大も期待できる。

不確実な時代を勝ち抜くための3つの中期戦略日本産業には、不確実性が増す中でもチャンスを見出し、高付加価値な産業構造へ転換することが求められている。


つまり…。

悪いこと(リスク):世界との競争に負けてしまうことや、人手不足で仕事が回らなくなってしまうこと。

良いチャンス:国を守るために国内への投資が増えたり、人手不足を解決するためにロボットやデジタル技術に投資したりすること。

また、AIを使って今までできなかった新しいサービスや商品を生み出すチャンスも増える可能性が高い。


カギとなる3つの戦略

6.png戦略1:供給体制の適正化

7.png⇒ 供給リソースの持続的な確保が求められる。


国際情勢を見極めた供給網の再構築や、国内の労働力不足環境下での人材確保・省人化、原材料の安定確保を通じて、供給リソースを持続的に確保することが重要である。

この戦略は、化学、鉄鋼、非鉄金属、自動車、建設、電力産業などに求められている。


戦略2:ビジネス領域拡張による価値極大化

8.png⇒ 既存顧客ニーズを周辺領域へ展開する。


既存事業で捉えた顧客ニーズを周辺領域へ展開することによるバリューチェーン事業の構築がポイントだ。

領域横断や非競争領域・競争領域での戦略的提携による効率化・領域拡張も必要とされており、石油、建設機械、都市ガス、情報サービス、物流、小売が該当する戦略である。


戦略3:デジタル技術活用による付加価値向上・新規需要創出

9.png⇒ AIや技術の組み込みで競争力強化を図る。


デジタル技術を既存の商品・サービスに組み込んだり、高度な技術提供を行うことで付加価値を向上させたり、新規需要を取り込むことが必要である。

ハードの売り切りではなく、サービス(アフターサービス、カスタマイズ等)で儲けるリカーリング型のビジネスモデルがデジタル化とともに拡大する。エレクトロニクス、メディアサービス、不動産、宿泊、ヘルスケアなどがこの戦略を求められている。


つまり…。

日本の会社が、この荒れた海を乗り越えて、もっと良い船(高付加価値な産業構造)になるために、次の3つの作戦が必要だ。

1. 作戦1:モノをしっかり作り続けられるように準備すること

世界中のどこから材料や部品を仕入れるかを考え直し、ちゃんと安定して手に入るようにする。

人手が足りなくても困らないように、工場や仕事のやり方を変えたり(省人化)、人をしっかり確保したりする。


2. 作戦2:今の仕事から、新しい分野にも挑戦すること

お客さんが困っていることをよく聞いて、その悩みを解決するために、今の仕事の周りの分野にもサービスを広げる。

色々な会社と協力して、効率よく仕事を進めたり、新しい市場に入ったりする。


3. 作戦3:デジタル技術を使って、もっと便利で価値のある商品やサービスを生み出すこと

AIやデジタル技術を商品やサービスに組み込んで、商品の価値をもっと高める。

モノをただ売るだけでなく、アフターサービスやカスタマイズなど、デジタルを活用した「サービスで稼ぐ」ビジネスを増やす。

会社は、この地図(5つの変化)を見て、リスクを避けながらチャンス(国内投資やデジタル技術の活用)をしっかり掴むことで、競争に打ち勝っていくことが求められている。


まとめ

10.png✅ 日本産業は国際情勢や人口動態など5つの外部環境変化に直面しており、リスクとチャンスが内在する。

✅ 2030年に向けて、強固な供給基盤と拡張が生むシナジー、技術がもたらす付加価値の創出により、高付加価値な産業構造へ転換することが必須である。

✅ 競争を勝ち抜くためには、供給体制の適正化、ビジネス領域拡張、デジタル技術活用が戦略の柱となる。


⇒ 不確実な環境下でこそ、リスクを乗り越えチャンスを掴め。


日本産業は、国際情勢、脱炭素化、供給制約、人口動態、デジタル技術の進化という5つの外部環境の変化に直面している。

しかし、これらの変化は同時に、経済安全保障強化、高付加価値領域への転換、AI活用による新規需要創出といった新たな投資機会を生み出している。

競争力を強化し、高付加価値な産業構造へ転換するため、供給体制の適正化、ビジネス領域拡張、デジタル技術活用を推進することが、企業にとって必須の戦略だ。


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれる。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

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