- 投稿日:2025/12/04
介護福祉士になると決めた日
「お前には娘たちを引き取るのは無理だ」
「資格も経験もないくせに」
リビングのソファに深く沈み込みながら、離婚の話を切り出した私のことを夫は鼻で笑った。
深夜の重苦しい空気。仕事と家事、そして二人の娘の育児に追われ、私がヘトヘトになって帰宅した後のことだった。連絡もなくパチンコに行き、負けて帰ってきた夫の息は、独特の焦げたような煙草の臭いと、ギャンブル特有の饐えた臭いが混じっていた。
「悔しい」
その一言では片付けられない感情が、私の腹の底で煮えたぎっていた。20歳で結婚してからの14年間、私は耐えてきた。理不尽な言葉も、協力のないワンオペ育児も、すべて「私が我慢すればいい」と飲み込んできた。でも、その夜、何かがプツンと切れた音がした。「資格がないなら、取ればいい。経験がないなら、これから積めばいい。私は絶対に、自分の足で立ってやる」それは、私が「介護」という仕事に出会い、人生を取り戻すための長い戦いの始まりだった。夜の街の恐怖と、自立への渇望私が「自分の力で生きたい」と強く願うようになったルーツは、幼少期の記憶にある。
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