• 投稿日:2025/12/05
  • 更新日:2025/12/05
「お金がなくても進学を諦めないで」非課税世帯の私が進学。介護奨学生として働いた2年間のリアル

「お金がなくても進学を諦めないで」非課税世帯の私が進学。介護奨学生として働いた2年間のリアル

カッシー@LINE構築🔰

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要約
非課税世帯で進学資金ゼロだった私が、介護奨学生として働きながらIT専門学校へ進んだ2年間。初年度学費170万円の返済、日勤+夕勤の生活、介護現場での葛藤と成長、そして“諦めない進路選択”についてまとめました。
「お金がなくても進学を諦めないで」

非課税世帯の私がIT専門学校へ進んだ道と、
介護奨学生として働いた2年間のリアル

はじめに:進学をあきらめかけた高校時代

学費不安.png高校生の頃、私は進学校に通っていました。
周りの多くがいわゆるお嬢様で私立大学に進学する中、私は家計の事情から大学進学は現実的ではありませんでした。

家は非課税世帯。
「進学のための資金は出せない」という状況は、ずっと心の片隅にありました。

だからこそ、JASSO(日本学生支援機構)の給付型奨学金を受けられるように、高校時代は評定に気を配りながら生活していました。
その結果、給付型奨学金(月38,300円)を受けられることに。

けれど、これだけでは到底足りません。

そこで私は、生活費や学びを支えるために、
交通遺児育英会※の給付(月2万円)と貸与(月4万円+入学一時金80万円) を併用しました。
(※交通遺児育英会には条件があります。今回、こちらには触れません) 

ただ、それでも進学に必要な学費のすべてをまかなえるわけではありませんでした。
特に、初年度の納入金170万円は、どうしても奨学金だけでは届きません。

進学したい。でも資金がない。
やりたいことはあるのに、現実が追いつかない。

そんな葛藤の中で出会ったのが、
「介護奨学生」という働き方でした。

介護奨学生という選択肢に出会う

進路に悩んでいた頃、専門学校の進路指導の先生から「ミライ道場」というインターンシップ型奨学金制度を紹介されました。

「介護奨学生として働きながら進学する道があるよ。」
先生がそう言ってくれた瞬間、胸が少しだけ軽くなったのを覚えています。

実は、介護はまったくの未知の世界ではありませんでした。
祖母が認知症で施設に入っており、私自身、おばあちゃんやおじいちゃんが大好き。
大切な人にしてあげたいと思っていたことを、介護の現場で実現できるかもしれない──
そんな気持ちもありました。

制度を利用するには、まず 介護初任者研修の取得 が必要でしたが、
これも将来を見据えると大きな財産になると感じ、迷わず挑戦しました。

そして私は、介護奨学生として働きながらIT専門学校に通う道を選びました。

介護奨学生として働く2年間のリアル

介護奨学生として働くことで、初年度納入金170万円は介護施設から無利子で貸与され、
私は 毎月の給料から6万円を天引きして返済していました。
日勤と夕勤がメインでしたが、夜勤があれば20万円近く稼ぐことも可能です。

勤務スケジュールは日によって変わり、

授業 → 移動 → 勤務 → 帰宅 → 勉強 → 睡眠

勤務 → 移動 → 授業 → 帰宅 → 勉強 → 睡眠
のような日々が続きました。

決して楽ではありません。
でも、「進学をあきらめずに済んだ」という事実が、心の支えになっていました。

担当した仕事内容:“介護職員”として働く毎日

介護サイクル.png2年間の中で、私はさまざまな業務を任されました。

入浴介助

排泄介助

食事介助

とろみ付け、配膳準備

洗濯、ベッドメイキング

レクリエーションの補助

利用者さんの見守り

特に特養(特別養護老人ホーム)では、
40人ほどの利用者さんに対して、介助ができる職員は3〜4人、介護助手が1人ということも珍しくありません。

常に人手不足で、時間と効率を優先しなければならない現場。
「もっと寄り添いたいのに」という気持ちと、現実とのギャップに苦しむ日もありました。

心に残っているエピソード

そんな中でも忘れられない出来事があります。

なかなか食事を取れない利用者さんがいました。
いつも時間に追われている職員は、ゆっくり話を聞く余裕がありません。

そこで私はお願いして、その方の話をじっくり聞く時間をもらいました。

たわいもない話から始まり、
「食事の時間が楽しくないこと」
「誰かと話したかったこと」
そんな本音を知ることができました。

それから私は、
「今日のご飯どうですか?」
「少し甘めですね」
と声をかけるようにしました。

すると、その利用者さんは徐々に食事を取れるようになり、
表情も明るくなっていったのです。

この経験は、私にとって大きな宝物になりました。

辞めたいと感じた日、支えてくれた人

支え.pngもちろん、つらい日もあります。

人手不足の中で任されることが増えるにつれて、
利用者さんに十分に向き合えず、素っ気ない態度になってしまったことも。

そんな自分が嫌になり、「辞めたい」と思った時期もありました。

そんなある日、夕勤の時によく話をしていたショートステイの利用者さん(元スナックのママ)が、
「あなた、いつも頑張ってるわね。でも無理してない?」
と声をかけてくれました。

私が悩みを打ち明けると、
その方は背中をポンポンと優しく叩きながら、ただ話を聞いてくれました。

職員であるはずの私が、利用者さんに支えてもらった瞬間でした。
このおかげで私は、2年間をしっかり乗り切ることができたのです。

働きながらITを学ぶということ

私は高校の普通科出身で、ITの知識はほぼゼロ。
授業の内容に追いつくのも、課題をこなすのも必死でした。

それでも、周りの友達や先生の助けもあり、なんとか乗り越えることができました。
この経験もまた、私を強くしてくれたと思っています。

返済と覚悟の話

介護奨学生として働きながら、毎月6万円の天引き。
最初は「大きいな……」と正直思いました。

でも、
「これは自分の夢のための挑戦なんだ」
そう気持ちを切り替えることで、乗り越えられた気がします。

お金を借りるということは、覚悟が必要です。
介護奨学生の仕事も、責任のある立派な社会人として扱われます。

でも、若いうちに苦労したからこそ、
お金の見方や、働くことの意味、そして「感謝される喜び」を深く学べました。

介護奨学生を考えるあなたへ

もしこの記事を読んで
「進学したいけれど、お金の問題がある」
と感じている人がいたら、私は伝えたいです。

介護奨学生という道は、選択肢の一つとして本当に価値がある。

もちろん簡単ではありません。
覚悟も必要です。

でも、

感謝される喜び

自分の夢に向かう強さ

働くことの意味

社会に触れる経験
これらは、何にも代えがたい財産になります。

そして私は、介護奨学生として働きながら進学したことを、
今でも心から「良かった」と思っています。

あの経験がなかったら、今の私はいないからです。

おわりに:進学を諦めないでほしい

自信.png進学をお金の問題で諦めそうになったあなたへ。

どうか、可能性を閉じないでほしい。
あなたの未来を支えてくれる制度や働き方は、実はたくさんあります。

私がその一例です。

介護奨学生という選択肢は、
夢を追う人の背中をしっかり押してくれる制度です。

「お金がないから無理だ」と思ったあの日の私に、
もし声をかけられるならこう言いたいです。

「大丈夫。進みたい未来は、自分の力で切り開けるよ」

あなたにも、きっとできます。

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この記事のレビュー(1
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    2025/12/05

    感動しました。 誰もが気軽に奨学金に手を出すべきとは思いませんが、カッシーさんのような志がある方にとって、奨学金が支えとなることもありますよね! 若いうちから努力することを知っているカッシーさんは、必ず良い未来が待っていると思います✨

    2025/12/05

    ふみこさん、温かいお言葉、本当にありがとうございます。 介護奨学生として働きながらの奨学金返済は大変なことも多かったですが、その経験が今の私を支えてくれていると感じています。 奨学金は誰にでも簡単に勧められるものではありませんが、状況に応じて大きな力になってくれる制度でもありますよね。 私の体験が、同じように迷っている方の選択肢の一つとして役に立てば嬉しいです。 これからもコツコツ努力を続けていきたいと思います。 素敵なコメントをいただき、とても励まされました。ありがとうございます✨️

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