• 投稿日:2025/12/17
朝イチ散歩会議(ウォーキングミーティング)で、会議の質と時間を同時に改善する話

朝イチ散歩会議(ウォーキングミーティング)で、会議の質と時間を同時に改善する話

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かぜみどり

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要約
会議が長い、決まらない…を変えるなら「散歩会議」。朝の光と軽い運動で頭が冴え、アイデア出しが進みます。昼食後の眠気対策や健康にも◎。少人数・短時間で要点を決め、仕事を前に進めましょう。

多くの職場において会議は不可欠です。意思決定、調整、情報共有をまとめて行える便利な仕組みだからです。

一方で、会議が「長い」「決まらない」「疲れる」状態になると、業務時間そのものを圧迫し、集中力も削っていきます。

そこで発想を変えて、会議の進め方を“座る前提”から外す方法があります。それが、歩きながら行うウォーキングミーティング(散歩会議)です。

歩くという行為を会議に組み込むことで、時間の区切りが明確になり、思考の切り替えも起こしやすくなります。

ウォーキングミーティングとは何か

ウォーキングミーティングは、会議室で椅子に座って行う代わりに、屋外や社屋周辺を歩きながら短時間で話す形式です。

狙いは大きく2つあります。

1つ目は、会議を「短く終えやすい構造」にすることです。椅子に座ると人は長居しやすい一方、歩いていると自然に「要点をまとめて終わらせよう」という意識になりやすいです。これは会議のムダを削りやすい設計です。

2つ目は、思考の質を上げることです。特に「アイデア出し」「行き詰まりの打開」「方針のたたき台」といった発散寄りのテーマで効果が出やすいです。

歩くとアイデアが出やすいのは、研究でも示されています

「歩くと発想が広がる」は経験則として語られがちですが、実験研究でも示されています。スタンフォード大学の研究では、座っているときより歩いているとき(または歩いた直後)のほうが、発散的思考の課題(例:代替用途課題)の成績が上がったと報告されています。

同じ研究では、収束的思考(正解が1つに近い課題)の伸びは限定的だったという示唆もあります。

つまり、ウォーキングミーティングは万能ではなく、「思いつきたい」「視点を増やしたい」場面で強く、「細部を詰める」「数字を正確に確認する」場面では弱い、という向き不向きがあります。

朝イチに向いている理由

朝の時間帯は、前日の疲労や雑音が比較的少なく、重要論点に集中しやすい傾向があります。

そこに軽い運動と日光(明るい光)を足すと、覚醒を促しやすいのも利点です。光が睡眠・覚醒リズムに影響することは、概念としても研究領域としても確立しています。
また、散歩会議は「歩ける時間=会議時間」になりやすいのが強みです。終わりが体感で分かるため、結論が先延ばしになりにくく、会議のダラダラ化を抑えやすいです。

昼食後の午後イチにも有効です(眠気対策と血糖の観点)

昼食後は眠くなりやすく、会議の集中力が落ちやすい時間帯です。ここで軽く歩くと、身体が起動し、眠気対策としても実務的です。

さらに健康面では、食後の短い歩行が食後血糖の上昇を抑える方向に働きやすいことが報告されています。例えば糖代謝リスクのある高齢者を対象に、食後に15分の歩行を3回行うことで24時間の血糖コントロールが改善した研究があります。
軽い食後運動(歩行)と血糖・インスリン反応の関連を示す研究報告もあります。

つまり午後イチ会議を「座って眠い時間」にするより、「短い散歩で起動しながら要点を決める時間」に変える価値があります。

気分のリセットと、反すう思考の低下(自然環境の強み)

屋外に出ると気分が切り替わりやすいのは、多くの人が体感しています。これも研究的な裏づけがあります。健康な参加者に「自然環境を90分歩く」条件を与えた研究では、都市環境を歩いた条件と比べて、反すう思考(悩みの反復)が減り、脳活動の指標も低下したと報告されています。

重たいテーマや、気持ちがこじれやすい1on1、チーム内の摩擦がある議題などでは、会議室で向かい合うよりも、並んで歩きながら話すほうが心理的負荷が下がり、建設的な会話になりやすい可能性があります。

「広い空間」は発想を広げやすい可能性があります

「見晴らしがよい」「天井が高い」など空間の要素も、思考の型に影響し得ます。天井の高さが“自由”の概念を喚起し、より抽象的・関係的な処理(広い発想)につながる可能性を示した研究があります。
その意味でも、散歩会議は“空間の制約が強い会議室”から一度離れる効果が期待できます。

実務で使えるメリットを、もう少し具体化します

1) 判断と合意が速くなりやすい

歩くことで会議が「長く話す場」ではなく「要点を決める場」になりやすいです。結果として、結論・次アクション・担当が固まりやすくなります。

2) 会議が短くなり、脱線しにくい

移動していると雑談に流れにくく、時間の上限も意識されやすいです。会議時間に悩む組織ほど効果が出やすいです。

3) クリエイティブ課題に強い

発散系(アイデア出し、打開策検討、別案づくり)の場面で特に向きます。

4) ストレスが下がり、前向きな会話になりやすい

特に自然環境の要素がある場所は、反すうを下げる方向の示唆があります。

5) 健康面の“ついで得”が大きい

座位時間を削り、軽い運動量を稼げます。食後の短時間歩行は血糖の観点でも合理的です。

6) オンラインでも応用できる

全員が同じ場所を歩けなくても、電話・音声中心のミーティングを「歩きながら参加」にする運用は可能です(ただし周囲への配慮と安全が前提です)。

導入で失敗しないための設計

向いている会議(おすすめ)

・1on1(関係構築、相談、フィードバック)

・アイデア出し、詰まり解消、方針のたたき台

・30分以内で決められるテーマ

向かない会議(原則やらない)

・機密度が高い議題(声が漏れるリスク)

・数字・資料の精密確認、契約・評価・人事など

・参加者が多い合議(声が届きにくく、周囲の迷惑になりやすい)

人数の目安

最初は2〜4人が安定です。5〜6人は上限寄りで、隊列が分断されやすいです。

メモの取り方

音声メモや文字起こしは便利ですが、会社では情報管理のルールが絡みます。

使う場合は「録音してよい会議の範囲」と「保存先」「削除期限」「同意」を決めるほうが安全です。

実務上おすすめなのは、録音に頼り切らず、会議の最後にその場で以下だけ確定して、チャットに貼る方法です。

決まったこと(最大3つ)

次アクション(誰が・いつまでに)

保留事項(次回までに集める情報)

天候リスクの対策

雨・猛暑・極寒で運用が止まるのはもったいないので、代替案を最初から用意します。

雨:屋内の廊下ウォーク、または立ち会議

猛暑/極寒:15〜20分に短縮し、ルート固定(日陰・安全優先)

実施テンプレ(そのまま使える形にします)

所要時間:15〜30分

進行:

今日の論点を1文で確認(1分)

発散(案をできるだけ多く出す)(10〜15分)

収束(採用案・次アクション決定)(3〜5分、必要なら立ち止まって実施)

3行メモで共有(1〜2分)

この形にすると、「良い話をした」で終わらず、仕事が進みます。

まとめ

ウォーキングミーティングは、会議を短くしやすく、発散的な思考を促し、気分のリセットにも役立ちやすい方法です。歩行が創造的発想を高める研究、自然環境が反すうを下げる研究、食後の短い歩行が血糖管理に寄与し得る研究など、関連するエビデンスも複数あります。

一方で、機密性が高い議題、精密な資料確認、多人数の会議には向きません。用途を限定し、短時間・少人数・最後に決定とToDoを固める、という設計にすると、職場導入の成功率が上がります。

会議はゼロになりませんが、会議の“損失”は設計で減らせます。ウォーキングミーティングは、そのための現実的な選択肢です。

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