- 投稿日:2025/12/28
年賀状、最近書いていますか?
私はここ数年、ほとんど書いていません。周りでも「そもそも送らない」「来なくなった」という人が増えていて、年賀状という文化そのものが薄れてきた実感があります。
SNSやメッセージアプリがあれば、いつでも連絡が取れる。そう考えると、年賀状が減るのは自然な流れです。
ただ、年賀状が無くなってみて初めて気づくことがありました。
それは、年賀状には「ただの挨拶」以上の効果があった、ということです。
年賀状が廃れた最大の理由は「面倒」ではなく「負担」
年賀状が面倒なのは事実です。
・買いに行くのが手間
・書くのに時間がかかる
・宛名や住所がわからない
・アプリで作っても、結局ひと手間ある
でも、年賀状が一気に嫌われた最大の理由は、準備の面倒さ以上に「心理的負担」だと思います。
年賀状をもらうと、こんな気持ちになりませんか?
・返さないと失礼かな
・返さないと申し訳ない
・返すなら早めに返さないと
・返すなら同じくらい丁寧にしないと
この「返さなきゃ」という圧が、年賀状を重い文化にしてしまった。
そして、その圧の正体は心理学で説明できます。
返報性の原理:もらうと“返したくなる”のが人間
返報性の原理とは、ざっくり言うとこういう性質です。
人は何かを受け取ると、お返しをしないと落ち着かない。
プレゼント、親切、手助け。
相手が好意でやってくれたことほど、返せないとモヤモヤが残ります。
年賀状も同じです。
もらうこと自体は嬉しいのに、「返すべき」という義務感がセットで付いてくる。
つまり年賀状は、相手にとってこうなりがちです。
・嬉しい(プラス)
・でも返さなきゃ(マイナス)
プラスとマイナスを同時に渡してしまうので、結果として「面倒だからやめよう」が起きます。
年賀状を復活させる鍵は「返信不要」の一文
ここで大事なのは、年賀状を復活させる=昔のやり方に戻ることではありません。
年賀状の価値を残しつつ、負担だけを消す。
そのための最もシンプルな方法がこれです。
最初から「返信不要」と書く。
「そんなこと書いたら失礼では?」と思う人もいるかもしれません。
でも、逆です。
こちらがルールを明確にしないと、相手は勝手に気を遣ってしまい、負担が増えます。
だから先に「返信は不要です」と明言して、相手の脳内に生まれる義務感を消す。
これだけで年賀状のストレスはかなり減ります。
使いやすい定型文(柔らかい)
・ご返信はどうぞお気遣いなく。寒い日が続きますのでご自愛ください。
・年賀のご挨拶は本状にて失礼いたします(ご返礼不要です)。
・近況報告のみで失礼します。返信は不要です☺
ポイントは「返信しない自由」を相手に渡すことです。
年賀状の本当の強みは「休眠縁を再起動できる」こと
ここからが本題です。
年賀状には、SNSでは代替しにくい役割があります。
それは “普段連絡を取っていない人に、自然に接点を作れる” ということ。
昔の友人、以前の職場の同僚、お世話になった人。
こういう人たちとは、連絡を取りたい気持ちがあっても、きっかけが無いと難しい。
・何て送ればいいかわからない
・いきなり連絡すると変に思われそう
・用事がないのに連絡するのは気まずい
ここで効いてくるのが「年賀状」という“社会的に許された連絡の口実”です。
リコネクティング:休止中の縁を掘り起こす
ここで紹介したい考え方が「リコネクティング」です。
リコネクティングとは、
昔は良い関係だったけれど、しばらく連絡を取っていなかった人と、もう一度つながり直すこと。
新しく人脈を作るよりも、いったん止まっている縁を再稼働させる方が効率がいい。
なぜなら、
・すでに信頼関係の土台がある
・近況の交換だけで会話が成立しやすい
・今の自分の世界とは違う視点を持っていることが多い
普段会わない人ほど、「新しい情報」や「違う視点」を持っていることがあります。
だから休眠縁は、再起動できると強い。
そして年賀状は、その再起動に向いたツールです。
年賀状に何を書くと「再起動」しやすいか
ここで大切なのは、年賀状を“相談の道具”にしないことです。
いきなり悩み相談を書くと、相手によっては重い。
「久しぶりの連絡=相談か…」と思われると、そこで止まります。
おすすめは二段階です。
ステップ1:年賀状は軽く、気持ちよく
年賀状で書く内容はこのくらいがちょうどいいです。
新年を祝う言葉
自分の近況(1〜2行でOK)
相手への一言(思い出、尊敬している点など)
「返信不要です」と明記
連絡手段は任意で添える(LINEでもOK、程度)
例:
今年もよろしくお願いします。最近は〇〇に挑戦しています。〇〇さんの△△の話、今でも覚えています。ご返信はお気遣いなく、読んでもらえたら嬉しいです。
これだけで十分、縁は再起動します。
ステップ2:反応があった人だけ、軽く相談する
もし相手からLINEなどで反応があったら、そこで初めて相談を混ぜる。
ここでも重くしないのがコツです。
・5分でいいから一言ほしい
・あなたならどう考えるかだけ聞きたい
このレベルに落とすと、相手は答えやすいし、こちらも頼りやすい。
年賀状は「関係を維持する」より「縁を蘇らせる」道具
年賀状の効果は、単なる挨拶ではありません。
年に一度、関係を自動で更新する仕組み。
それが年賀状の本質です。
年賀状が無くなると、休眠縁はそのまま完全に死んでいきます。
そして「連絡したい」と思ったときには、もう連絡しづらくなっている。
だから、年賀状を使う価値はまだあります。
ただし、昔の形式のままだと負担が勝つ。
・返信不要の一文で、相手の負担を消す
・近況の一言で、縁を再起動する
・相談は二段階にして“利用感”を消す
面倒な文化に見える年賀状は、使い方次第で「人間関係の再起動装置」になります。
今年は一枚だけでも、休眠縁を掘り起こしてみる。
それだけで、意外と人生の風通しが良くなるかもしれません。