- 投稿日:2026/01/02
会議が終わった瞬間、なぜかモヤモヤが残る。決まったはずなのに、手応えがない。そんなとき問題なのは議題よりも「終わり方」かもしれません。
日本の会議は開始は全力でも終わりはかなり雑な印象ですしね。
集まりには“締め”が必要です。この記事では、会を“時間で切る”のではなく“意味で閉じる”ためのクロージングの考え方と、会議に落とし込む具体策についてぼんやり考えたので共有できたらなあと思います。
楽しんでみてね。
人の集まりは「クロージング」で印象が決まる
最近、「最高の集い方」という本を読みました。
この著書の集まりにおいて重要視されるのが「クロージング」、つまり終わりの設計です。終わりが整うと、「良い会だった」という印象が残りやすくなります。
逆に終わりが雑だと、全体の内容が良くても、最後の数分の不完全さが記憶に刺さります。人は“区切り”を求める生き物だからです。
これは会議も同じではないでしょうか?
終わりを設計しているかどうかが、成果の残り方を変えます。
会議が「終わった」のではなく「止まった」だけの瞬間
パーティなど多くの主催者は、会が終わる合図として「時間」を選びます。
時間になったら終わり。たしかに分かりやすいです。
ただ、そのやり方の問題は「時間を理由に強引に終わらせてしまうこと」です。とある例では会を開いたとき、残りのわずかな時間を事務連絡に当てて、そのまま終了させようとしました。
ところが、時間になっても参加者は次の言葉を待っていたそうです。まとめ、余韻、振り返り、次に進むための“締め”。それが来ないまま「時間なのでお開きです」と切られると、参加者の中には「終わった」ではなく「止まった」という感覚だけが残ります。
これは物語の最終回が、いい加減に終わったときの気持ちに似ています。
アニメやドラマでも最終回を素晴らしい最後にできた作品だけが「名作」として語り継がれます。
話は途切れたのに、意味が閉じていない。だからスッキリしない。一番最後という一番重要な場面が不快感として記憶に残ってしまうのです。
参加者が欲しいのは「区切りの感覚」
参加者は、会の終わりに“区切り”を求めています。具体的には「この会で何を得たのか」「今後どうしていくのか」という全体の振り返りです。
締めがないと、会の中で起きたことが頭の中で整理されません。結果として、良い議論をしても“成果が保存されない状態”になります。
逆に言えば、最後に少しでも「今日の知見」と「次の一歩」を言語化できると、会議の価値が上がります。内容そのものより、持ち帰れる形が残るからです。
日本の会議あるある:始まりは守るのに、終わりは決めない
会議は時間通りに始めることには全力なのに、終わりの設計が弱い。これはよくある光景です。
話がそれて進まない。気づけば本題に入るのは終了間際。そこで急いで本題に入り、雑に決まる(もしくは決まったことにして終える)。こうなると、参加者の納得感も、翌日の行動も薄くなります。
だからこそ、会議にもクロージングの技術を入れる価値があります。
クロージングは二段階で行う:内側→外側
提案したいのは、クロージングを二段階で設計することです。
一段階目は「内側に目を向ける」。一息入れて、いま何が起きているかを見直します。ここまでで得たもの、残り時間で得るべきもの、ズレている点の修正です。
二段階目は「外側に目を向ける」。別れの準備をして、元の仕事世界に戻れる状態にします。つまり、会議の成果と次の行動を、はっきり持ち帰れる形にする段階です。
内側に目を向ける:真ん中で一度、会議を“整える”
禅を通して心に癒しを与える「ニューヨーク・禅センター」は瞑想のケアの基本を学ぶ9ヶ月のコースです。
ここではほぼ必ずと言っていいほど「延長してほしい」という要望があります。
そこで参加者に「終わりのための心の準備」をさせるようにした。
9ヶ月のちょうど中間地点で折り返しであることを意識させる機会を設けます。
「残り半分の期間です。この期間で皆さんはどのようなことをしていきたいですか?どのように終わりにしたいですか?」と質問をすることで終わりを意識させ、より身が入ると同時に終わりへの準備をするのです。
これは会議でも応用ができるのではないでしょうか?
まずは会議の真ん中に、短くてもいいので区切りを入れます。長い会議なら休憩(トイレ・外の空気)を挟むと、集中が戻りやすいです。短い会議なら休憩は不要で、30秒の立ち止まりでも構いません。
休憩後(または中間地点)に、いったん振り返ります。ここでやることは、会議を感想会にしないで、現状の把握に寄せるのがコツです。たとえば「前半はどうだったか」「後半で何を決める必要があるか」「ここまでで得られたものは何か」を確認します。
脱線していたなら戻せますし、「会議の時間をどこで溶かしていたか」にも気づけます。終わりを意識させると、今に集中でき、議論が元のレールに戻りやすくなります。
外側に目を向ける:会議にも「ラストオーダー」を作る
世界中のバーでは、バーテンダーが最後にラストオーダーを伝えます。それによって、人は会計を済ませたり、最後の一杯を頼んだり、連絡先を交換したりできます。終わりが近いと分かるから、終わりに向けた準備ができるのです。
会議も同じです。終盤に「ここからまとめに入ります」という合図(ラストオーダー)を入れて、会議を締めに向かわせます。終わりへ向けた心の準備をするのです。
この時間で扱うのは、会議全体のまとめです。今回の議題で決まったこと、決まらなかったこと。現場でどう活かすのか。持ち越すなら何を次の議題にするのか。
目安としては、会議全体の最後の一部を“締め専用”に確保します。短い会議なら2〜5分、長い会議なら10分前後でも良いでしょう。重要なのは「締めが削られない構造」にすることです。
「不十分だから延長」は封印する。ただし例外は“儀式化”する
締めをやっていて「まだ足りないから延長しよう」が習慣になると、次から「どうせ延長できる」が前提になります。会議は長くなり、決める力は落ちていきます。
終わりにしたくない理由があるからこそ終わりにできない。ダラダラと続けてしまう。だからこそ終わりを決めたら必ず守り、集まりの中間地点で振り返る必要があります。
なので基本は、約束通りに終わる。足りないなら「次の議題」にして持ち越す。これが締めのルールとしてしっかり守ることが重要です。
だし、緊急トラブルなど“本当に例外”がある現場もあります。その場合だけは「延長する理由」「追加で決めること」「延長時間」を宣言してから延長すると、ダラダラ延長を防げます。
まとめ
会議の価値は、話した量ではなく、終わりに何が残ったかで決まります。
とにかく終わりを意識させること。そして約束通り終わりにすること。
終わりが明確であるからこそ、そして延長を認めないからこそ、質が高い集まりになります。
終わりが明確であるからこそ、無駄にしてはいけないことに気づくことができ、優先順位の低いものは話すべきでないと気がつけます。
会議を決めるのは「どのように終わるか」を意識できたかどうか。時間で切るのは簡単ですが、意味で閉じるには設計が要ります。だからこそ、最後の数分に投資するほど、会議全体の印象と成果が底上げされます。