• 投稿日:2026/01/10
AI校正で十分?「効率」と「信頼」、目的に合わせて使い分けるための判断基準

AI校正で十分?「効率」と「信頼」、目的に合わせて使い分けるための判断基準

 おはる@校閲ガール🖋️(元:HK)

おはる@校閲ガール🖋️(元:HK)

この記事は約5分で読めます
要約
AI校正は誤字脱字の「処理」には最適ですが、読み手の「感情」への配慮やTPOに合わせた「リスク回避」はまだ苦手。単に読める文章かではなく、信頼や人柄が伝わる文章か。AIを賢く活用しつつ、ここぞという「勝負どころの文章」で人の目を入れるべき理由と、その使い分けについてお伝えします。

「とりあえずAIに校正してもらえばいいよね」

最近はこういった声をよく聞きます。


実際、これは半分正解です。

本業で校正校閲をしている私自身、AI校正を否定するつもりはありません。
むしろ効率化の面で、積極的に活用しています。


今のAIはとても優秀で、

●誤字脱字
●表記の揺れ(例:「一人」「1人(半角)」「1人(全角)」の混在)
●文章としておかしな部分

これらをかなり高い精度で見つけてくれます。
個人で文章を書く分には、AI校正で十分な場面も、確かにあります。


では、
どんなときに「十分」で、
どんなときに「それだけだと不安が残る」のでしょうか。


AI校正でも十分なケース

まずは、AI校正と非常に相性のいいケースから。

●自分用のメモや思考整理
●下書き段階の文章の整理
●内輪(家族や親しい仲間)だけで共有する資料
●とにかくスピード重視の文章


こうした場面では、AI校正は最強の味方になります。

「早い・安い・疲れない」

人がつい見落としがちな細かいミスも、24時間365日いつでも淡々と拾ってくれます。

「最低限、読める状態にしたい」という目的であれば、AI校正は十分すぎる存在です。


それでも「人の校正」が必要になる瞬間

問題は、その文章が

「誰かの目に触れたあと、どう評価されるか」

が関わってくる場面です。


●お客さんに向けた公式の文章
●商品・サービスの魅力を伝える説明文
●自身のブランドを象徴するプロフィールや実績紹介
●WebサイトやSNSでの対外的な発信


こうした文章は、単に「日本語として読める」だけでは足りません。

「信頼できそうか」
「一緒に仕事したいと思えるか」
「違和感なく受け取れるか」

読み手は、文章から書き手の姿勢や人柄までを、無意識に想像しています。


こういった微妙なニュアンスは、まだまだAIが苦手とする領域です。
そのため、人の校正校閲が必要とされるのです。


AIは「間違い」は見つけられるが「配慮」は難しい

AI校正が得意なのは、いわゆる白黒がはっきりしている部分です。

「間違いを正して、マイナスをゼロに戻す」

そんなとき、とても重宝します。


一方で、こういった場面はどうでしょうか。

●言い切りが強すぎて、傲慢に見えないか?
●謙遜しすぎて、プロとしての信頼感が損なわれていないか?
●親しみやすさを狙ったつもりが、馴れ馴れしくなっていないか?
●一文一文は正しいが、全体として冷たい印象を与えないか?

これらに、明確な正解・不正解はありません。

しかし、読み手にとっては「なんとなく引っかかる違和感」になり得るポイントです。


AIは文章を「文字データ」として「処理」しますが、
人は文章を「感情」を伴って「受け取る」という違いがあります。


この違いは、ライティングやSNS発信などでブランドを築いていく上で、想像以上に大きな差を生み出します。


文章は「出す場所」によってリスクが変わる

同じ文章でも、どこに出すかによってリスクは変わります。

AI校正は、「この文章がどんな状況で読まれるか」までは判断しません。


もちろんプロンプトに打ち込むことで多少調整はできますが、それだけで完璧にリスク回避をすることは、まだまだ難しいでしょう。


⭕ブログ受けする親しみやすい表現も
   ↓
❌プレスリリースでは不信感の元

⭕SNSで共感を得られる語り口も
   ↓
❌公式LINEでは失礼に映ることも


万が一、不適切な表現で炎上したり、相手を怒らせてしまったりしても、AIは謝ってはくれませんし、責任も取ってくれません。


また、問題が起きてから対処するのは、簡単なことではありません。

なぜなら一度失った信頼は、謝れば取り戻せる、書き直せば元に戻る、そんなものではないからです。


ですので、「問題が起きそうな芽」を読み取って「先に摘む」。


これが、感情を持つ「人」の校正校閲が日々心血を注いでいる、一番の腕の見せ所です。


AIと人、どちらかではなく「どこまで任せるか」

AI校正を使うこと自体は、まったく悪いことではありません。
むしろ、AIで済むところはAIに任せる、非常に合理的です。


そのうえで、

●人にどう見られるか、どう感じられるか
●この一文が自分の信頼に影響しないか
●「あんな風に書かなければよかった」と後悔しないか

こういったことが気になる「勝負どころの文章」は、人に校正校閲をお願いする。

そんな使い分けをおすすめしています。


まとめ

「この文章で自分を判断される」
「この文章が自分を代表する」

そう感じる場面では、AIだけに任せない選択肢も、知っておいて損はありません。


人による校正校閲は、

❌文章を良くするためだけ
❌間違いを正すためだけ

のものではありません。


⭕文章が引き起こすリスクを最小限にし、
⭕あなたの信頼を守る

まさに安全装置です。


文章の内容が届く前に、信頼が揺れてしまわないように。


不安に感じたり、迷ったりしてしまう場合は、ぜひDMやコメント、オフィスで直接など、お気軽にお声がけください。

あなたに合った最適な方法を見つけるお手伝いをいたします。


次のコラムでは、人に校正校閲を依頼したいときに気になる

・「校正」「校閲」「素読み」の違い
・校正指摘の意味と対処方法

などについて、触れていきたいと思います。

ブックマークに追加した記事は、ブックマーク一覧ページで確認することができます。
あとから読み返したい時に便利です。

 おはる@校閲ガール🖋️(元:HK)

投稿者情報

おはる@校閲ガール🖋️(元:HK)

パンダ会員

この記事に、いいねを送ろう! 参考になった記事に、
気軽にいいねを送れるようになりました!
この記事のレビュー(3
  • 会員ID:fqo7Cf1A
    会員ID:fqo7Cf1A
    2026/01/11

    今回も読みやすかったです。特に「信頼」についての捉え方、とても共感しました😊

     おはる@校閲ガール🖋️(元:HK)

    投稿者

    2026/01/11

    読んでいただきありがとうございます! 校正校閲の仕事の要はやはり「信頼を守ること」と思っているので、共感していただけてよかったです🙌🏻✨️

     おはる@校閲ガール🖋️(元:HK)

    投稿者

  • 会員ID:KStTL5pN
    会員ID:KStTL5pN
    2026/01/11

    AIに文章投げて「もっとこうしたほうがいいよ!」って答えが微妙なときが何度もある。 参考にはなるが、それは自分の言葉じゃないって場面が何度も… とはいえそれわ参考に伝わる文章を打つのも苦手なので人の目ってだいじなんだと思いました。🙏

     おはる@校閲ガール🖋️(元:HK)

    投稿者

    2026/01/11

    読んでいただきありがとうございます! AIだけだと参考にはなるけれど「自分の言葉じゃない」と感じること多いですよね💦 AIの提案をどう扱うか、人の目をどこに入れるかを考えるきっかけになれたなら嬉しいです🙌🏻✨️

     おはる@校閲ガール🖋️(元:HK)

    投稿者

  • 会員ID:DJhQLSv7
    会員ID:DJhQLSv7
    2026/01/11

    AIに丸投げした文章は違和感があったので、今は誤字脱字チェックを任せしています。 AIに対して感じていたことを、言語化していただけた記事でした😊

     おはる@校閲ガール🖋️(元:HK)

    投稿者

    2026/01/11

    読んでいただきありがとうございます! 丸投げすると変な直し方されたり、逆に直してくれなかったり…難しいですよね。 使い分けの整理に、少しでも役立っていれば幸いです🙌🏻✨️

     おはる@校閲ガール🖋️(元:HK)

    投稿者