- 投稿日:2026/01/10
「とりあえずAIに校正してもらえばいいよね」
最近はこういった声をよく聞きます。
実際、これは半分正解です。
本業で校正校閲をしている私自身、AI校正を否定するつもりはありません。
むしろ効率化の面で、積極的に活用しています。
今のAIはとても優秀で、
●誤字脱字
●表記の揺れ(例:「一人」「1人(半角)」「1人(全角)」の混在)
●文章としておかしな部分
これらをかなり高い精度で見つけてくれます。
個人で文章を書く分には、AI校正で十分な場面も、確かにあります。
では、
どんなときに「十分」で、
どんなときに「それだけだと不安が残る」のでしょうか。
AI校正でも十分なケース
まずは、AI校正と非常に相性のいいケースから。
●自分用のメモや思考整理
●下書き段階の文章の整理
●内輪(家族や親しい仲間)だけで共有する資料
●とにかくスピード重視の文章
こうした場面では、AI校正は最強の味方になります。
「早い・安い・疲れない」
人がつい見落としがちな細かいミスも、24時間365日いつでも淡々と拾ってくれます。
「最低限、読める状態にしたい」という目的であれば、AI校正は十分すぎる存在です。
それでも「人の校正」が必要になる瞬間
問題は、その文章が
「誰かの目に触れたあと、どう評価されるか」
が関わってくる場面です。
●お客さんに向けた公式の文章
●商品・サービスの魅力を伝える説明文
●自身のブランドを象徴するプロフィールや実績紹介
●WebサイトやSNSでの対外的な発信
こうした文章は、単に「日本語として読める」だけでは足りません。
「信頼できそうか」
「一緒に仕事したいと思えるか」
「違和感なく受け取れるか」
読み手は、文章から書き手の姿勢や人柄までを、無意識に想像しています。
こういった微妙なニュアンスは、まだまだAIが苦手とする領域です。
そのため、人の校正校閲が必要とされるのです。
AIは「間違い」は見つけられるが「配慮」は難しい
AI校正が得意なのは、いわゆる白黒がはっきりしている部分です。
「間違いを正して、マイナスをゼロに戻す」
そんなとき、とても重宝します。
一方で、こういった場面はどうでしょうか。
●言い切りが強すぎて、傲慢に見えないか?
●謙遜しすぎて、プロとしての信頼感が損なわれていないか?
●親しみやすさを狙ったつもりが、馴れ馴れしくなっていないか?
●一文一文は正しいが、全体として冷たい印象を与えないか?
これらに、明確な正解・不正解はありません。
しかし、読み手にとっては「なんとなく引っかかる違和感」になり得るポイントです。
AIは文章を「文字データ」として「処理」しますが、
人は文章を「感情」を伴って「受け取る」という違いがあります。
この違いは、ライティングやSNS発信などでブランドを築いていく上で、想像以上に大きな差を生み出します。
文章は「出す場所」によってリスクが変わる
同じ文章でも、どこに出すかによってリスクは変わります。
AI校正は、「この文章がどんな状況で読まれるか」までは判断しません。
もちろんプロンプトに打ち込むことで多少調整はできますが、それだけで完璧にリスク回避をすることは、まだまだ難しいでしょう。
⭕ブログ受けする親しみやすい表現も
↓
❌プレスリリースでは不信感の元
⭕SNSで共感を得られる語り口も
↓
❌公式LINEでは失礼に映ることも
万が一、不適切な表現で炎上したり、相手を怒らせてしまったりしても、AIは謝ってはくれませんし、責任も取ってくれません。
また、問題が起きてから対処するのは、簡単なことではありません。
なぜなら一度失った信頼は、謝れば取り戻せる、書き直せば元に戻る、そんなものではないからです。
ですので、「問題が起きそうな芽」を読み取って「先に摘む」。
これが、感情を持つ「人」の校正校閲が日々心血を注いでいる、一番の腕の見せ所です。
AIと人、どちらかではなく「どこまで任せるか」
AI校正を使うこと自体は、まったく悪いことではありません。
むしろ、AIで済むところはAIに任せる、非常に合理的です。
そのうえで、
●人にどう見られるか、どう感じられるか
●この一文が自分の信頼に影響しないか
●「あんな風に書かなければよかった」と後悔しないか
こういったことが気になる「勝負どころの文章」は、人に校正校閲をお願いする。
そんな使い分けをおすすめしています。
まとめ
「この文章で自分を判断される」
「この文章が自分を代表する」
そう感じる場面では、AIだけに任せない選択肢も、知っておいて損はありません。
人による校正校閲は、
❌文章を良くするためだけ
❌間違いを正すためだけ
のものではありません。
⭕文章が引き起こすリスクを最小限にし、
⭕あなたの信頼を守る
まさに安全装置です。
文章の内容が届く前に、信頼が揺れてしまわないように。
不安に感じたり、迷ったりしてしまう場合は、ぜひDMやコメント、オフィスで直接など、お気軽にお声がけください。
あなたに合った最適な方法を見つけるお手伝いをいたします。
次のコラムでは、人に校正校閲を依頼したいときに気になる
・「校正」「校閲」「素読み」の違い
・校正指摘の意味と対処方法
などについて、触れていきたいと思います。