- 投稿日:2026/01/16

当時、妻と私そして一匹の愛猫と暮らしていました。
愛猫は、妻が結婚前に保護し、家族として過ごしてきた大切な存在です。
そんな愛猫が余命宣告を受けてから見送るまでの間、私たちは正解のない選択を何度も迫られました。
治療をどこまで行うのか、どのように過ごすのか、何を優先するのか。
その一つひとつに迷い、悩み続けた(そして泣き続けた)日々でした。
振り返ると、当時の自分たちが「事前に知っておきたかったこと」や、「結果としてやって良かったこと」がいくつもあります。
この記事では、愛猫の余命宣告から見送りまでの実体験をもとに、
かかった費用、相談先、心の整理の仕方という観点で記録を残します。
同じような状況に直面している方や、大切なペットがいる方のお役に立てるような内容になれば幸いです。
旅立ちまでの症状と経過
愛猫の体調に異変を感じ始めたのは、2025年9月中旬頃でした。
それ以前は大きな不調もなく過ごしていましたが、徐々に変化が見られるようになりました。
9月19日
嘔吐の回数が増え、体重が減っていることに気づき受診しました。
8月時点では約5.4kgあった体重が、5.0kgまで減少していました。
血液検査・尿検査では特に大きな異常は見つからず、フードの見直しと投薬で経過観察となりました。
10月13日
1日に3回の嘔吐があり、夜間救急を受診しました。
数日後に内視鏡検査を控えていたため、この日は原因の特定には至らず、対症療法のみが行われました。
10月15日
体調不良が続いたため、内視鏡検査を予定していた病院を受診しました。
エコー検査の結果、腹水が確認され、がん性腹膜炎の可能性が高いとの説明を受けました。この時点で、余命は1ヶ月未満と告げられました。
10月22日
腹水から悪性腫瘍が検出されました。
確定診断ではないものの、がん性腹膜炎である可能性が高いとのことでした。以降は、吐き気止めなどの皮下点滴を中心に、定期的に通院する生活となりました。
11月1日
推定9歳の誕生日を迎えました。
11月2日
2人の側で静かに旅立ちました。
余命宣告を受けたときの心境と判断
余命宣告を受けた直後は、ショックで頭が真っ白になりました。
つい最近まで元気に過ごしていた愛猫が、余命1ヶ月未満と告げられ、現実を受け止めることができませんでした。
同時に、「もっと早く病院に連れて行っていれば」「定期的に健康診断を受けさせていれば」といった後悔の気持ちが次々と浮かびました。
そんな中、獣医師から
「これに関しては、もっと早く気づいていればという話ではありません。飼い主としてできることはされています。どうかご自身を責めないでください」
獣医師からの言葉
という言葉をかけてもらい、少しずつ気持ちを立て直すことができました。
その後、「今からでもできることはないのか」「費用に上限はないから命を救えないのか」と考えましたが、延命治療は体力を大きく奪う可能性があること、また病院が苦手な子にとって通院自体が負担になることを説明されました。
悩んだ末に私たちが選んだのは、無理な延命よりも、一緒に過ごす時間を大切にすることでした。
点滴後は少し楽そうに見えることもあったため、体調を見ながら定期的に皮下点滴を受けるという判断をしました。
かかった費用とその内訳
余命宣告を受けてから見送りまでにかかった費用は、合計で約7.5万円でした。以下は実際に発生した費用の内訳です。
<動物病院関連>
A動物病院:3,130円(10/3)
夜間救急動物病院:23,375円(10/13)
B動物病院:19,800円(10/15)
B動物病院:3,300円(10/23)
B動物病院:4,180円(10/27)
▶ 動物病院関連 合計:53,785円
<葬儀費用>
動物霊園:20,900円(11/3)
▶ 葬儀関連 合計:20,900円
ペット保険について
リベシティでは、ペット保険に頼るのではなく、万一の医療費を自己資金でまかなえる状態でペットを迎えるべき、という考え方があります。
我が家もこの考えに基づきペット保険には加入していませんでしたが、今回のケースを通して、改めてペット保険は不要だったと感じました。
相談してよかったこと(獣医・第三者の存在)

一度動物病院を受診しましたが、症状はすぐに改善せず、不安が残りました。「このまま様子を見ていてよいのか」「他に考えられることはないのか」と迷い続けていました。
そこで、リベシティのスキルマーケットを活用し、現役獣医師のちっひー先生に相談しました。
診断結果を確認していただくだけでなく、丁寧なヒアリングを通して、考えられる複数の可能性を一緒に整理してもらいました。
また、私たちにも理解しやすいように資料まで用意してくださり、専門的な内容も落ち着いて受け止めることができました。
この相談を通じて、「夫婦だけで判断しなくていい」という安心感を得られたことが、何より心の支えになりました。
さらに、同じ県内で往診専門の動物病院を運営・診療されているわたはるさんをご紹介いただきました。
この先生にも、LINEなどを通じてその都度相談に乗っていただきました。
こうしたサポートがあったことで、夜間診療を受け、最終的に余命宣告をしていただいた動物病院Bへ連れて行く判断にも繋がりました。
やって良かったこと・やっておけば良かったこと
やって良かったこと
無理な延命を選ばなかったこと
病院が大嫌いな子だったため、治療による負担を最小限に抑え、苦しませずに済んだと感じています。
専門家や第三者に相談できたこと
リベシティを通じて現役獣医師に相談できたことは、大きな支えになりました。リベシティ会員ではない妻も「こんな素敵な場所なんだ」と感銘を受けており、心から入っていて良かったと感じました。
ペットカメラを2台設置したこと
急変がないかをいつでも確認でき、外出時の不安を大きく減らすことができました。カメラで異変に気づき、嘔吐した際などもすぐに駆けつける事ができました。
動画や写真をたくさん残せたこと
愛猫のインスタグラムを運営していたこともあり、日常的に動画や写真を残していました。
弱ってからは投稿目的ではありませんでしたが、いつも通り記録を残せたことは、今では大切な宝物です。
旅立った後、すぐに冷やせたこと
事前に保冷剤を多めに準備していたため、旅立った直後から体を冷やす対応ができました。(すぐに冷やす事で体の状態をできる限り維持できた)
一緒に過ごす時間を最優先できたこと
日頃から信頼関係を築いていた上司に状況を共有していたことで、私は在宅勤務を増やしたり、突発的な休みにも柔軟に対応してもらえました。
また、妻も不幸中の幸いではありますが、妊娠中で休職していた時期だったため、常にそばにいることができました。
そのおかげで、二人で愛猫のそばに寄り添い、一緒に過ごす時間を何より大切にすることができました。
最期は、大好きな妻と私のそばで、眠るように旅立っていきました。
やっておけば良かったこと
正直なところ、大きな後悔はありません。
それでも、あえて挙げると次の二つです。
最期の瞬間に、抱きしめてあげたかったこと
動揺してしまい、落ち着いて抱きしめてあげることができませんでした。
死後硬直が始まる前に、目を閉じてあげられなかったこと
知識がなく、気がついた時には間に合いませんでした。
「こうしておけば良かった」と思う気持ちもありますが、
私たちは最善を尽くせたと思っています。
愛猫が教えてくれたこと
愛猫を見送ってから、喪失感を覚えることもありました。
それでも、この経験から何を受け取ったのかを考えるようになりました。
引っかいてきたり、噛んだりすることもありました。
今思えば、そうした仕草も含めて、すべてが愛おしい存在でした。
甘えてきたり、呼びかけに反応する姿はたまらなく可愛く、時には面白く、
日々の中で私たちを何度も笑顔にしてくれました。
辛いとき、誰にも相談できないとき、
ただそばにいてくれるだけで心が救われることもありました。
言葉はなくても、何かを感じ取って寄り添ってくれていたのだと思います。
余命宣告を受けてからの選択に、答えはありませんでした。
それでも、夫婦で話し合い、専門家の意見を聞きながら決めた判断は、すべてがベストだったと信じています。
この時間は、結果として夫婦の絆を深めてくれました。
愛猫は私たちに、愛とは何かを教えてくれました。
見返りを求めない、無条件の愛です。
あなたがいてくれたから、今の私たちがあります。
正直、いつまで経っても寂しいです。
それでも私たちは、前を向いて日々を生きていきます。
また会える日を信じて。