- 投稿日:2026/01/25
1.「質問せよ、されば開かれん」
これは イエス・キリストの言葉 とされ、
新約聖書に由来する格言とされていますが、原文は以下の通りです。
・ 「求めなさい。そうすれば与えられる」
・ 「探しなさい。そうすれば見つかる」
・ 「(扉を)たたきなさい。そうすれば開かれる」
そこから
「質問せよ、されば開かれん」という格言になったといいます。
わたし自身はクリスチャンではありませんが、原文も味わい深く感じていますし、この格言も気に入っています。
2.この言葉の本質
この言葉、単なる精神論ではありません。
・ 何も言わずに待つ人には、何も起きない
・ 問いを立てた人だけが、扉の前に立てる
という、行動した人だけに扉が開かれるという行動原理を示しています。
具体的に言うと、
学び →「質問できる人」が伸びる
仕事 →「質問できる人」がチャンスを得る
人生 →「問いを持つ人」が方向を選べる
…と、かなりリベシティに近い考え方だと思います。
3.なぜ「質問しない人」は損をするのか?
結論から言うと、
質問しない人は「情報・機会・評価」を自分から捨てているからです。
しかも本人は、その損に気づきにくい。
① 情報を“取りに行かない”から、判断を誤る
質問しない人は、こう考えがちです。
「まあ、たぶんこうだろう」
「今さら聞くのは恥ずかしい」
「空気を読んで黙っておこう」
結果どうなるか。
・ 不完全な情報のまま判断する
・ 手戻り・失敗・遠回りが増える
一方、質問する人は
最短ルートの地図を手に入れてから動く。
これは能力差ではなく、姿勢の差と言えます。
② 「やる気がない人」に見えてしまう
これは残酷ですが、現実です。
質問しない
反応が薄い
確認もしない
すると周囲はこう解釈します。
本人は一生懸命でも、
質問しない=関与していないと受け取られやすい。
結果、
・ チャンスが回ってこない
・ 大事な話に呼ばれない
という「見えない損」が積み重なります。
③ 成長スピードが、確実に遅くなる
質問とは、
・ 自分の理解の穴を知る行為
・ 他人の知恵を借りる行為
です。
質問しない人は、
つまずいても一人で抱え込む
同じところで何度も止まる
質問する人は、
つまずきが1回で済む
次に活かせる
👉 時間という最も貴重な資源を、どちらが得しているか答えは明らかです。
④ 「聞かない人」は、AI時代ではさらに不利
今は
人に聞ける
AIにも聞ける
時代です。
それでも質問しない人は、
AIを前にしても何を聞いていいかわからない
結果、使いこなせない
👉 質問力=AIを活用できる力
👉 質問しない人は、道具を前にして立ち尽くす人
これ、かなり大きな差になると思います。
4.良い質問とは何か?(仕事・学び・人生)
結論から言うと、
良い質問とは「相手の時間を奪わず、自分の前進を早める質問」です。
そして共通点は、たった一つ。
① 仕事における「良い質問」
❌ 悪い質問
「どうすればいいですか?」
「これ、わかりません」
→ 相手に丸投げしている。
⭕ 良い質問
「A案とB案で迷っています。◯◯の観点ではどちらが良いでしょうか?」
「ここまでは理解しましたが、この部分だけ確認させてください」
👉 ポイントは
自分なりの仮説+ピンポイント
仕事の現場では、
質問=考えている証拠 です。
② 学びにおける「良い質問」
❌ 悪い質問
「結局、何が正解ですか?」
「簡単に教えてください」
→ 学ぶ姿勢が弱く見える。
⭕ 良い質問
「私は◯◯と理解しましたが、合っていますか?」
「この考え方は、△△のケースでも使えますか?」
👉 良い質問は
理解を深めるための確認になっている。
学びが早い人ほど、
「自分の言葉で言い直してから」質問しているといいます。
③ 人生における「良い質問」
人生の質問は、答えをもらうためというより、
方向を定めるためにあります。
❌ 悪い問い
「自分は何が向いていますか?」
「これからどうすればいいですか?」
→ 他人にハンドルを渡してしまう。
⭕ 良い問い
「私は何を大切にしたいのか?」
「この選択で、5年後の自分はどう感じるか?」
「今やらないと、後悔することは何か?」
👉 良い人生の質問は
自分に向かっている
誰かが答えをくれるわけではないけれど、
問いがあると、判断に軸が生まれる。
5.良い質問に共通する3つの条件
1.自分で一度考えている
2.何を知りたいかが明確
3.次の行動につながる
逆に言えば、
この3つがない質問は、相手にも自分にも残りません。
6.「問いを持つ力」を養うためにすること
結論から言うと、
問いを持つ力は才能ではなく、習慣です。
しかも、小さく始められます。
① 「わからない」を放置しない
問いを持てない最大の原因は、
違和感をスルーする癖です。
「まあいいか」
「今さら聞けない」
「流れ的にこんなものだろう」
この瞬間、問いは消えます。
👉 代わりにやることは一つ。
声に出さなくていい。
立ち止まるだけで、問いは芽を出す。
② すぐ答えを探さず、仮説を立てる
問いを持つ人は、
いきなり正解を探しません。
「たぶん◯◯だからこうなっている?」
「もし△△なら説明がつく?」
この仮の答えがあると、
質問が具体的になる
会話が深まる
学びが定着する
👉 問い+仮説=思考のエンジン
③ 「一日一問い」を自分に投げる
おすすめの簡単な習慣です。
例:今日いちばん引っかかったことは?
例:なぜ、あの場面で違和感を覚えた?
例:もう一度やるなら、何を変える?
紙でも、スマホのメモでもOK。
👉 答えを書く必要はありません
👉 まずは問いを書くだけでも十分
④ 小さく外に出してみる
とはいえ、問いは頭の中だけに置くと育ちません。
「ちょっと聞いていいですか?」
「確認したいのですが…」
「私の理解では…」
👉 いきなり鋭い質問でなくていい
👉 出すこと自体がトレーニング
ノックの回数が増えるほど、
他人の家のドアを叩く怖さは減っていきます。
7.AI時代に「質問できる」ということの意義
AIが普及し、24時間365日、AIに質問ができる今、
問いを立てられる人にとって天国とも言えます。
① AIは「質問しない人」を助けてくれない
AIは万能に見えますが、実はとても正直です。
あいまいに聞けば、あいまいに返す
目的がなければ、表面的な答えしか出ない
つまり、
👉 きちんと質問できない人の前では、AIはただの箱
👉 きちんと質問できる人の前では、強力な相棒
② AIを使いこなす力=質問する力
AIに何かを頼むとき、実はやっていることは:
・ 目的を言語化する
・ 条件を整理する
・ 期待するアウトプットを明確にする
これ、全部良い質問の条件そのものです。
だから、
質問力がある人 → AIを深く使える
質問力が弱い人 → 表面的な使い方で止まる
👉 プロンプト力の正体は、質問力といえます。
③ AIは「考えること」を代わってくれない
・ 何を考えたいのか
・ どこで悩んでいるのか
・ 何を判断したいのか
これを決めるのは、人間の仕事。
AIは、
・ 考えを整理する
・ 視点を増やす
・ 仮説を広げる
ことはできる。
でも、
👉 自分に本当に成り代わって問いを立てることは代行できない
8. 質問力を養う習慣(チェックリスト)
① 違和感をスルーしない
「これ、なぜだろう?」
「前提は何だ?」
「何が“引っかかった”?」
👉声に出さなくてOK。心で止まるだけで芽が出る。
② 仮説を1つ立ててから訊く
「たぶん◯◯だから…?」
「もし△△なら説明がつく…?」
👉 仮説があると質問が鋭くなる。相手も答えやすい。
③ 「一日一問い」をメモする(答えはいらない)
毎日1行で十分。
今日いちばん引っかかったことは?
なぜ、あの場面で違和感が出た?
次に同じことが起きたら、どう聞く?
④ 小さく外に出す
いきなり鋭い質問を狙わなくていいので、
「ちょっと確認していいですか?」
「私の理解だと◯◯ですが、合ってますか?」
「優先順位だけ教えてください」
👉 ノックは軽くてOK。回数が恐怖を減らす。
9. そのまま使える質問テンプレ集
覚書として、ここだけ見返してもOKなコーナーです。
仕事テンプレ
目的は◯◯です。制約が△△のとき、最適な方針はどれですか?
A案/B案で迷っています。判断基準は何を優先すべきですか?
私の理解は◯◯です。間違っている点があれば指摘してください。
いま詰まっているのは一点だけで、□□です。確認させてください。
学びテンプレ
私は◯◯と理解しました。合っていますか?
△△にも応用できますか?できるなら例を1つください。
初学者がつまずくポイントを3つ教えてください。
AIに聞くテンプレ(コピペ用)
目的:◯◯
背景:△△
制約:□□(時間/予算/条件)
出力形式:箇条書き/表/手順/テンプレ
重要:初心者向けに。専門用語は説明付きで。
10.まとめ:扉は、ノックした人にだけ開く
質問は「教えてもらうための行為」ではなく、
自分を前に進めるための道具です。
質問しない → 情報・機会・評価を取り逃す
良い質問 → 仕事が速くなる、学びが深くなる、人生の軸ができる
AI時代 → 質問できる人ほど、道具の力を引き出せる
あとがき
わたしがこの格言自体は知っていたのですが、質問することの意義を感じたのは会社の研修の一環で、外部講師を招いての専門的な研修に参加したときでした。
研修のさいごに講師の先生が「質問はありませんか?」と訊かれたのですが、参加者全員が押し黙ってしまいました。そこで、この格言を思い出して勇気を出して先生に質問をしてみました。
興味本位の大した質問ではなかったのですが、先生は真剣に答えてくれました。それだけでなく、それにまつわるおもしろい裏話まで披露してくださったのです。
そして研修後に声をかけていただき、「質問してくれてありがとう」と言ってくださいました。そして、質問がなくみんなが押し黙った空気に包まれると、自分の研修内容に自信がなくるとおっしゃていました。
真剣に講義をしてくれる講師に対して質問するというのは、いろいろな意味で大切なことと実感できた瞬間でした。
以上で終わりですが、最後までお読みいただきありがとうございます😊