- 投稿日:2026/01/30
- 更新日:2026/01/30
こんにちは!
みなさん、「稼ぐ力」を伸ばすためにハンドメイド商品の販売やせどりに挑戦されている方も多いのではないでしょうか。
もしあなたが、3Dプリンターを使って自作アイテムを販売しようとしているなら、絶対に避けて通れない問題があります。
それは、「配送中の破損」と「使用中の熱変形」によるクレームです。
「お客様に届いた時点で割れていた...」
「夏場に車内で使ったらドロドロに溶けたと言われた...」
こんな低評価レビューがついたら、副業としては致命的ですよね。
今回は、そんな失敗を防ぎ、あなたの商品の「信頼性(=資産価値)」を高めるための、プロの素材選びを解説します。
Amazonのカタログスペックに騙されない、現場のエンジニアだけが知っている「失敗しない選択術」です。
なぜ素材選びで「稼ぐ力」が変わるのか?
3Dプリンターでモノを作るとき、多くの人が最初に手にするのが「PLA」という標準素材です。
安くて、印刷しやすくて、色も豊富。一見すると最強の素材に見えます。
しかし、実はこのPLAには、販売用商品としては致命的な弱点があります。
それは、「衝撃に弱い(脆い)」ことと「熱に極端に弱い」ことです。
ここを知らずに、「安いから」「印刷しやすいから」という理由だけでPLAを使い続けると、あなたのショップはいつかクレームの嵐に見舞われるかもしれません。
逆に、用途に合わせて適切な素材(PLA+やPETG)を使い分けることができれば、「市販品より頑丈で長持ち」という付加価値をつけることができ、ライバルと差別化できます。
そう、素材選びは単なる技術の話ではなく、「事業の守り」そのものなのです。
プロが教える「3つの判断基準」
エンジニアは決して「なんとなく」で素材を選びません。必ず以下の3つの軸で判断しています。
軸①:温度(Heat Resistance) - 何度まで耐えられるか?
軸②:機能(Mechanical Properties) - 硬いのか、粘り強いのか?
軸③:環境(Environment) - 屋内か、水回りか、屋外か?
この3つを間違えなければ、クレームは9割防げます。順番に見ていきましょう。
軸①:温度 〜真夏の車内は地獄〜
ここで覚えてほしいキーワードは「ガラス転移点(Tg)」です。
これは、プラスチックが「カチカチの状態」から「フニャフニャのゴム状態」に変わる境界温度のことです。
PLA / PLA+ (Tg: 約55〜60℃)危険ライン: 真夏の閉め切った部屋、直射日光の当たる窓際、車内。
解説: 60℃というのは、少し熱めのお風呂より少し高い程度です。真夏の車内ダッシュボードは80℃近くになるため、PLAで作ったスマホホルダーは1時間で溶けて崩壊します。これを販売してしまったら、即返金モノです。
PETG (Tg: 約80℃)危険ライン: 真夏のダッシュボード、煮沸消毒。
解説: 「熱に強い」と言われますが、あくまで「PLAよりはマシ」というレベル。80℃を超えると変形します。車内用グッズを作るなら、日陰になるエアコン吹き出し口用などに限定すべきです。
軸②:機能 〜「硬さ」と「強さ」は違う〜
「お客様に届くまでに割れないようにしたい」なら、選ぶべきは「硬い素材」ではなく「粘り強い素材」です。
PLA(標準): 「硬い」けれど「脆い」です。ガラスのようなイメージで、落とすとパリンと割れます。配送中の衝撃で破損しやすいのはこれです。
PLA+(PLA Pro): 「粘り強い」です。ゴム成分などが配合されており、衝撃を吸収します。落としても割れにくいため、販売用商品の標準素材にするなら間違いなくこれです。
PETG: ペットボトルと同じ素材です。非常に粘り強く、割れることはほぼありません。スナップフィット(パチンとはめる爪)のような部品に最適です。
軸③:環境 〜水回りと屋外〜
PLA / PLA+: 水分で加水分解(劣化)しやすく、紫外線でもボロボロになります。屋内・常温環境専用です。
PETG: 水に強く、紫外線にも比較的耐えます。お風呂場のフックや、ガーデニング用品を作るならPETG一択です。
【2026年版】副業ユーザーのための「最強素材カタログ」
ここからは、A1 miniなどの家庭用プリンターを使う副業ユーザーにおすすめの「鉄板素材」を紹介します。
推奨用途: おもちゃ、フィギュア、卓上収納、インテリア雑貨
理由: 普通のPLAよりも圧倒的に割れにくく、お客様の手元に届くまでの事故を防げます。印刷の失敗も少なく、表面も綺麗に仕上がるため、商品クオリティが上がります。
コスト: 標準PLAより数百円高いだけですが、クレーム対応のコストを考えれば安すぎます。
推奨用途: スマホスタンド、各種ブラケット、水回りの便利グッズ
理由: 「市販のプラスチック製品より頑丈」を謳えます。熱にもある程度強く、長く使ってもらえるため、リピートに繋がります。
注意点: 糸引き(蜘蛛の巣状の樹脂残り)が出やすいので、発送前の仕上げ処理(バリ取り)が必須です。
推奨用途: スマホケース、滑り止めゴム、ドローンのバンパー
理由: 柔らかいゴムのような素材です。普通の3Dプリンターでは印刷が難しいため、ライバルが少なく、高単価で売れます。A1 miniなら簡単に印刷できます。
注意:ABSは「家内制手工業」には向かない
「市販品と同じABSで作ればいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、家庭(特にA1 miniのような開放型プリンター)でのABS印刷は以下の理由で非推奨です。
失敗率が高い: 温度変化で反り返りやすく、歩留まりが悪いです。商品原価が上がってしまいます。
健康リスク: 印刷中に有害なガス(スチレンなど)が出ます。家族と同じ空間で作業する副業スタイルには全く向きません。
ABSが必要な商品は、それこそP1Sなどの上位機種(エンクロージャー付き)を買って本格的に工場化してからで遅くありません。
コラム:在庫管理の敵「湿気」
「稼ぐ力」を最大化するには、廃棄ロスを減らすことも重要です。
3Dプリンターのフィラメントは、開封した瞬間から空気中の湿気を吸い始めます。
特にPETGとTPUは吸湿しやすく、湿気ると印刷表面がザラザラになり、商品として売れなくなります。
対策: 使わない時は必ず密閉袋にシリカゲルと一緒に入れて保管しましょう。
これだけで、フィラメントを最後まで無駄なく使い切れるようになり、利益率が改善します。
まとめ:「信頼」を作る素材選びを
3Dプリンター副業は、単に「形を作る」だけではありません。
「お客様がどのような環境で使うか?」を想像し、それに耐えられる素材を選ぶ。
その一手間こそが、あなたの商品の信頼性を高め、長く愛されるブランドを作る鍵になります。
配送中の破損を防ぐなら
PLA+実用的な強度と耐熱性なら
PETG他と差別化する柔軟性なら
TPU家内制手工業で
ABSには手を出さない
このルールを守って、ぜひ「稼ぐ力」を加速させてください。
あなたの3Dプリンターが、最高の「金の卵を産むニワトリ」になりますように。