- 投稿日:2026/02/04
はじめに
あなたのバッグの中に、モバイルバッテリー入っていませんか?
「スマホの充電用」「電子タバコ」「ワイヤレスイヤホン」「モバイル扇風機」に・・・・。今やモバイルバッテリーは、私たちの生活に欠かせない存在です。
でも実はその一方で、使い方・選び方・処分方法を間違えると、火災につながる危険もあります。
特に注意してほしいのが、海外から輸入された製品の中にはPSEマークが表示されていないものがあるという点。
見た目では分かりません。
中の安全対策が不十分なまま、あなたのバッグや枕元に入っている可能性もあります。
実際に起きている火災の例
実際に起きている火災の多くは、特別な場所ではありません。
・寝室の枕元で、いつものようにスマホを充電したまま就寝
・夏の外出時、「少しの時間だから」と車内に置いたモバイルバッテリー
・片付けのついでに、「あとで捨てよう」とゴミ箱に入れた古いバッテリー
・電子タバコを充電しながら、テーブルの上に置いたまま別の作業
・落としたモバイルバッテリー、傷もないし、普通に充電できるから使用
実際の火災も、「危険な使い方をしていた。」人ばかりではありません。
多くは、「今までも大丈夫だった。」「今日だけなら問題ない。」そんな油断の延長線上で起きています。
共通しているのは、
・ 生活空間のすぐそばで使われていたこと
・ 可燃物が近くにあったこと
・ 異変に気づけない状況(就寝中・外出中)だったこと
そして何より、「自分の家で起きるとは思っていなかった。」という点です。
火災は、特別な人に起きる事故ではありません。日常の中の「これくらい大丈夫」が重なったとき、突然、現実になります。
この話にドキッとしたなら、それはもう他人事ではない、というサインです。
それは「まさか」の場所で起きます。
「枕元」「車の中」「何気なく捨てたゴミ箱の中」、モバイルバッテリーの火災は、工場や特殊な現場ではありません。私たちが毎日過ごしている場所でも起きています。
・寝る前に、枕元でスマホを充電したまま眠る
・夏の日、車にバッグごと置き忘れる
・もう使わないからと、そのままゴミ箱に入れる
どれも「特別な行動」ではありません。誰でも、ついやってしまうことです。
現役消防士として断言します。これは「不運」でも「たまたま」でもありません。火災は、条件が重なった結果として起きています。
「高温」「衝撃」「過充電」劣化や安全装置の不十分な製品。
これらが重なったとき、火災の確率が一気に跳ね上がるだけです。
だからこそ大切なのは、完璧に気をつけることではありません。「知らないまま使い続けないこと」。
知っていれば、「置き場所を変えられる。」「選び方を変えられる。」
「処分の仕方を変えられる。」その小さな選択が「家」「思い出」「日常」を守ってくれます。
充電場所で気をつけたいこと
充電場所、ちょっと思い出してみてください。
昨夜、スマホをどこで充電しましたか?枕元に置いたまま、寝落ちしていませんでしたか。
ソファで動画を見ながら、クッションの横で充電したままになっていませんか。
机の上に見えていても、実は周りに紙や服、バッグが置かれていませんか。
モバイルバッテリーやスマホの発熱は、「燃えるものが近い」だけで危険度が一気に上がります。
寝具の上や枕元。ソファやカーテンなどの布製品の近く。紙類や衣類が積まれた場所。
どれも、特別な環境ではありません。毎日の生活の中に、普通にある場所です。
だからこそ大切なのは、「完璧な防災」ではなく、充電する場所を安全なところに変えること。
「目が届く。」「安定している。」「周りに燃えやすい物がない。」
それだけで、火災の起きる確率は確実に下げられます。
安全なモバイルバッテリーの選び方
安全なモバイルバッテリーを選ぶとき、まず見てほしいのは「性能より、表示」です。
今、あなたが使っているモバイルバッテリー。裏側や側面に、小さく「PSEマーク」は付いていますか?
このマークは、日本の安全基準を満たしているかどうかの最低ライン。
見た目がきれいでも、容量が大きくても、これが無いものは中身が分からないというのが現実です。
「安かったから」「レビューが良さそうだったから」、そんな理由で選んだものが、実は安全装置が最低限しか入っていないケースもあります。
極端に安い製品ほど、過充電防止や異常検知の仕組みが簡略化されていることも珍しくありません。
もうひとつ大事なのは、誰が作って、誰が売っているのかが分かるか。メーカー名や販売元がはっきりしていないものは、トラブルが起きたときに相談先すら分からないことがあります。
そして、使い始めてからも「変化」に気づいてほしい。「以前より熱く感じる。」「本体が少し膨らんできた。」「焦げたようなにおいがする。」、これらは「まだ使える」ではなく「もう危険のサイン」です。
モバイルバッテリーは、壊れてから替えるものではありません。違和感を覚えた時点で手放すものです。
選び方ひとつ、気づきひとつで、火災の起きる確率は確実に下げられます。
処分するときに気をつけたいポイント
モバイルバッテリーを手放すとき、一番多いのがこの考えです。「もう使わないし、小さいし、燃えないでしょ!」
でも実際には、処分の瞬間こそ火災が起きやすいのがバッテリーです。
「可燃ゴミとして袋に入れたあと。」「ゴミ置き場で押されいる時。」「収集車の中で圧縮されている時。」、そこでモバイルバッテリー内部がショートして発火する――これは、現場では珍しい話ではありません。
自分の家では何も起きなくても、ゴミ置き場、収集車、処理施設で火事になる。つまり、「自分が捨てたあとに、誰かが危険にさらされる」可能性があるということです。
だから、可燃ゴミに混ぜて捨てない!これは最低限、守ってほしいポイントです。
処分するときは、自治体のルールに従って回収ボックスや指定された方法を使ってください。
家電量販店や公共施設に設置されていることも多く、手間は思っているほどかかりません。
「どうせ捨てるものだから」ではなく、「最後まで安全に手放す。」
その意識が、近所の人、収集に関わる人、そして自分の住む街を守ることにつながります。
まとめ
最後に、現役消防士としてお伝えします。
火災現場でよく聞く言葉があります。「まさか、うちで起きるとは思わなかった!!」。
モバイルバッテリーの火災も同じです。特別な使い方をしていた家ばかりではありません。
いつもの充電、いつもの置き場所、ほんの少しの油断が重なった結果です。
防災は、頑張ることでも、完璧を目指すことでもありません。
・置き場所を一度見直す
・古いバッテリーを手放す
・充電中に「目を向ける」習慣を持つ
それだけで、火災の確率は確実に下がります。
火事を防ぐというのは、家を守ることだけではありません。
思い出、家族の時間、生活、そして積み上げてきた資産を守ることです。
この投稿を読み終えたあと、今あなたの家で充電されているバッテリーを
一度だけ、見てみてください。
それが、火災防止の第一歩です。