- 投稿日:2026/03/06
- 更新日:2026/03/06
- 誰に届ける情報?
- このコンテンツで何がわかるの?
- 全体でどのくらいのスケジュール感?
- フェーズ0:最初の接触で“空気”が決まる(売主の不安を減らす返し方)
- フェーズ0.5:売主に会う前にできる“土地の素性確認”——登記事項証明書は許可なしで取れる(費用:520円)
- 1回目の打ち合わせに備えた作戦
- フェーズ1:1回目の対面打ち合わせ(お金の話を“あえて”出さない)
- フェーズ2:査定を取るための資料依頼(相手の負担を下げる言い回し)
- フェーズ2:査定結果が出たら「金額の話は対面」に切り替える(査定費用:0円)
- フェーズ4:司法書士を先に押さえる(「登記が詰む」を先に潰す)
- 司法書士「見積書」の実物(私のケース)
- フェーズ5-1:契約書づくり(テンプレ“そのまま”は危険。論点だけは必ず条項に落とす)
- フェーズ5-2:最大の山場「登記地積と現況地積が違う?」——気づいた瞬間に止めて、合意して、条項で固定
- フェーズ6:3回目の対面打ち合わせ:契約書読み合わせ+現地確認+登記日程の最終調整
- 売主帰宅後、契約書製本
- フェーズ7:決済(振込)+登記(所有権移転)を同日に通す段取り
- 登記当日(決済〜登記移転):時間割で事故を防ぐ
- フェーズ8:登記完了(成功の証跡)——“終わった”が見えると安心が段違い
- 登記完了メール
- 後日、司法書士事務所から郵送で登記に関する書類が届く
- 最後に:この実録で一番伝えたいこと
- 付録:土地売買契約書(参考情報)
本記事では、300坪の土地を不動産会社を介さずに「個人売買」した実体験を、プロセス・やり取り・見積金額に至るまで、一切の省略なく公開しています。
書かれているのは、不動産会社や司法書士といった専門家目線の“教科書的な正解”ではありません。
土地売買の知識がほぼゼロだった私が、何につまずき、何を調べ、どう判断し、どんな交渉をして、最終的に成立させたのか。
そのすべてを、実際の行動記録としてまとめています。
正直に言って、ここまで具体的な一次情報を公開している事例は、他にはほとんどありません。
売主とのファーストコンタクトから、交渉の生の記録、土地情報、見積金額、契約書の内容まで、「本当に必要な人が、実務で使えるレベル」の情報だけを収録しています。
専門家の意見だけを読んでも、「で、実際は何から始めて、どう進むの?」と感じたことはありませんか?
これは、知識ゼロの個人が、土地の個人売買を成立させた“現実の記録”です。同じ立場の方にとって、必ず参考になる部分があるはずです。
※本記事は個人情報保護のため、氏名・住所・地番・不動産番号・認証キー・電話番号等を[ ]でマスキングしています。
※本文中のやり取りは「全部載せ」ではなく、ノウハウになる箇所だけ厳選しています。ただし、掲載するやり取りは文途中で切らず省略なしで全文掲載しています。
※契約書は参考情報として掲載します(士業による作成物ではありません)。テンプレート配布や法的助言を目的とするものではなく、実際の利用時は専門家への確認を推奨します。
誰に届ける情報?

このコンテンツで何がわかるの?

全体でどのくらいのスケジュール感?
以降の章では、フェーズ単位で何を実施したか、具体的なノウハウをお伝えします。
フェーズ0:最初の接触で“空気”が決まる(売主の不安を減らす返し方)
まず、イメージを付けるために土地売買に関する主な登場人物と土地に関する概要をご紹介します。

ファーストコンタクトのポイント
最初の連絡は、価格交渉よりも先に信頼が立ち上がるタイミングです。
この時点では「相場はわからない」「条件を聞きたい」を正直に置きつつ、相手の負担(草刈り等)への配慮を言語化しておくと、その後が壊れにくいです。
✅実際のやり取り(SMS)
6年前に私が草刈りを依頼するために売主と電話番号を交換していたため、売主はSMSで私に連絡を取ることができました。
フェーズ0.5:売主に会う前にできる“土地の素性確認”——登記事項証明書は許可なしで取れる(費用:520円)
出典:登記・供託オンライン申請システムHP
(https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/)
ここでのポイント
土地の個人売買は、「会ってから調べる」だと後工程で詰まりやすいです。
買主側としては、会う前に最低限の登記情報(地目・面積・権利関係)を押さえるだけで、会話の精度が一気に上がります。
※ただし、事前に調べたことは伝えていません
そしてここでのポイントはこれです:私は2025/10/03に、法務省の「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」から、登記事項証明書(全部事項証明書/土地)をオンラインで郵送請求し、地目(山林など)を確認しました。
登記事項証明書のイメージ

どうやって土地の登記情報を取得するの?

手数料(知っておくと地味に効く)
窓口請求:600円/通
オンライン請求(窓口受取):490円/通
オンライン請求(郵送受取):520円/通(郵送料負担なし)
取得できたらどうする?

1回目の打ち合わせに備えた作戦
あえて「買主の自宅」で打ち合わせした理由(和やかに進める設計)
対面打ち合わせは、交渉の場であると同時に「関係を壊さない場」でもあります。私は最初から、打ち合わせ場所を自分(買主)の自宅にしました。
理由はシンプルで、5歳と7歳の子ども、犬がいるからです。
売買の話を“いきなり金額”から入ると、個人間取引は空気が硬くなりやすい。そこで、子どもや犬の話題が自然な雑談になり、結果的に和やかな雰囲気で進められる確率が高いと考えました。
売主側:60代の母、40代の息子
買主側:私、妻、子ども2人、犬
この構図自体が、相手に「変な人ではなさそう」「揉めたくない人そう」という印象を与えやすく、個人売買では地味に効きます。
フェーズ1:
1回目の対面打ち合わせ(お金の話を“あえて”出さない)
この回の目的は、価格交渉ではなく、相手の背景と意思を引き出して信頼を作ることと置きました。
そのため、買主側(私)からは、あえてお金の話を切り出しませんでした。
買主側のアプローチ
※この“使い道”の話は、価格交渉より先に出すと「投機目的ではない」ことが伝わり、相手が安心しやすい。
売主側はなぜ売ろうと思った?
ここで「じゃあ100万円で」と交渉を始める方法もありました。
ただ、私自身が土地の価値を正確に把握したかったことと、納得感・透明性のある進め方にしたかったので、次の提案をしました。

売主側もこの提案に納得してくれました。結果、私の知り合いの建築士経由で、不動産屋を紹介してもらう流れになりました。
また、この打ち合わせ以降の非対面コミュニケーションは、60代の母ではなく40代の息子さんとLINEで進めることにしました。
息子さんが役所関係の仕事をしているとのことで、書類や段取りがスムーズになる可能性が高いと判断したためです。
フェーズ2:査定を取るための資料依頼(相手の負担を下げる言い回し)
ここでのポイント
資料依頼は、「書類はスマホ撮影でOK」「登記事項証明書の取得が難しければこちらで」を入れると通りやすいです。
個人売買は「相手が面倒になった瞬間に止まる」ので、ここは遠回りに見えて最短ルートになります。
✅40代息子さんとLINEでのやり取りスタート

フェーズ2:査定結果が出たら「金額の話は対面」に切り替える(査定費用:0円)
ここでのポイント
チャットで価格の腹を探ると荒れやすいです。
このケースでは売主側が「対面で」と提案してくれたのが、結果的にすごく良い分岐でした。
査定書って何が重要なの?

不動産会社の査定書(一部抜粋)
✅売主の息子さんとのLINEやりとり
フェーズ3:2回目の打ち合わせ|査定を“土台”にして100万円で合意
2回目は、いよいよ価格の話をする回です。ここでは「相場の根拠」を作っておいたことが効きました。
買主側の説明(不動産屋から得た補足説明の共有)
個人間取引のため、周辺の類似する土地の価格を基に算出した旨
ただし、不動産屋が実際に売買する際は
市街化調整区域
山林
という条件で、販売価格が大きく下がる可能性がある旨
買主側の結論提示(100万円の妥当性)
土地の除草が必要
場合によっては整地代もかかる
以上を踏まえ、私は「100万円が妥当」と考えている旨を伝えました
売主側の回答
売主側が「お互いWin-Winになるのが一番良い」と言ってくれたこともあり、100万円で売買することを双方で了承しました。
次の段取り(この回で決めたこと)
私がWebで調べた範囲で、
売買契約書が必要
登記移転が必要
ということは分かっていたので、
「不動産屋に司法書士を紹介してもらえるか確認します」
と提案し、打ち合わせを終了しました。
フェーズ4:司法書士を先に押さえる(「登記が詰む」を先に潰す)
ここでのポイント
個人売買で怖いのは、契約がまとまっても登記(所有権移転)が進まないことです。
このケースでは、契約書を詰める前に司法書士の見積を取って、手続きの現実が見えたのが大きかったです。
ここでハッキリしたのが、この2点です。
司法書士は売主・買主に直接会って本人確認+押印をする
売買契約書は当事者で用意する(司法書士に依頼すると高くつきます)
司法書士「見積書」の実物(私のケース)
登記移転手続きの見積書(1枚)を読むと、合計は 44,150円 でした。

実際の見積書

登記移転手続きの必要書類

【売主】〇 売買契約証書〇 登記済権利証 (受付年月日:[YYYY年MM月DD日]/受付番号:[XXXXXXXX]) (受付年月日:[YYYY年MM月DD日]/受付番号:[XXXXXXXX])〇 登記識別情報通知 (受付年月日:[YYYY年MM月DD日]/受付番号:[XXXXXXXX])〇 印鑑証明書(取得後3ヶ月以内) 1通〇 実印〇 身分証明書両面の写し (運転免許証またはマイナンバーカード等) 1通住所が変わっている時〇 住民票(本籍記載のあるもの) 1通※登記簿上の住所から現住所まで関連付けられる記載のあるもの。※現住所までの関連が取れない場合は、戸籍の附票も必要となります。【買主】〇 住民票 1通〇 認印〇 身分証明書両面の写し (運転免許証またはマイナンバーカード等) 1通
✅売主の息子さんとのLINEのやりとり

フェーズ5-1:契約書づくり(テンプレ“そのまま”は危険。論点だけは必ず条項に落とす)
ここでのポイント
契約書は、ネットの雛形をベースにしてもいいですが、案件固有の地雷は、条項に落とさないと後で揉めます。
以下が私が作成した売買契約書の抜粋です。
※売買契約書は参考付録として最後にお渡しします。(以下、一部抜粋)
こんな感じで作成を進めました。実は会社の業務でも契約書を作成することがあるので、そこまで時間はかかりませんでした。
フェーズ5-2:最大の山場「登記地積と現況地積が違う?」——気づいた瞬間に止めて、合意して、条項で固定

第5条の2(地積に関する特約)甲および乙は、本物件の売買にあたり、以下のとおり特約する。1 本物件の地積は、登記簿記載の地積を基準とし、実測による地積は本契約の内容としない。2 乙は、登記簿記載地積と実測面積とが相違した場合であっても、これを理由として甲に対して売買代金の増減、損害賠償その他一切の請求を行わない。3 本条の規定は、本物件の引渡しおよび所有権移転登記後も効力を有する。
後で売主に聞きましたが、地積を売主側で直すことになった場合、この話はなかったことにしようと考えていたようです。(危なかったです)
この記事を参考にされる皆さんは、なるべく登記の地積と実測面積が等しい土地を購入することを強くお勧めします。(いざ、土地を売ろうとなった際、正当な見積りを出すために測量が必要となるためです)
✅売主の息子さんとのLINEのやりとり


フェーズ6:3回目の対面打ち合わせ:契約書読み合わせ+現地確認+登記日程の最終調整
ここまで来たら、個人売買の勝負は「揉め所を潰し切ること」と「当日の導線を固めること」です。
この回でやったことは3つです。

売主帰宅後、契約書製本
契約書は正・副2部それぞれ片面で印刷しました。

フェーズ7:決済(振込)+登記(所有権移転)を同日に通す段取り
ここでのポイント

ここを詰めると、当日の思わぬアクシデントを避けられます。
✅売主の息子さんとのLINEのやり取り

登記当日(決済〜登記移転):時間割で事故を防ぐ
当日は、やることを時間割に落とし込んで、迷いをなくしました。
<注意>
必ず売買契約書を持っていきましょう!司法書士が契約内容と契約が済んでいるかを確認し、控えとしてコピーを取りました。
また、売買の支払いは完了しているかを司法書士が気にしていましたので登記移転手続き前に済ませておくことが良いと思います。
この「押印→振込→着金確認→司法書士」の順番を崩さないことで、個人売買でも決済の不安が出にくく、スムーズに終えられました。
※参考:割印の場所

フェーズ8:登記完了(成功の証跡)——“終わった”が見えると安心が段違い
しばらくたって、登記・供託オンライン申請システム経由で「登録手続完了」の通知が届きました。
このメールは、取引が「口約束」や「気持ち」ではなく、手続として完了したことの証跡になります。
登記完了メール
From: sys-info <sys-info@touki-kyoutaku-online.moj.go.jp>申出人 様申出された検索用情報についての登録手続が完了しましたので、お知らせします。不動産番号 :[不動産番号(マスク)] [不動産番号(マスク)]立件番号 :[立件番号(マスク)]立件年月日 :令和 8年 1月15日認証キー(※):[認証キー(マスク)]※認証キーは登録されたメールアドレスを変更する際に必要になります。[地方法務局名(マスク可)]以上
後日、司法書士事務所から郵送で登記に関する書類が届く
以下の書類が郵送で届きます(希望すれば司法書士事務所に取りに行くことも可)
・登記識別情報 2通
・登記簿謄本 2通
・領収書 1通
以上で土地売買に関する全ての工程が完了となりました!!!!
最後に:この実録で一番伝えたいこと
個人売買は、気合や交渉術よりも、
「揉める論点を先に見つけて、合意→条項に落として、当日の導線を組む」
これが9割です。
今回それが一番出たのが、
登記地積と現況地積のズレを、契約書条項5-2で決着させたところでした。
ここを曖昧にしたまま決済に突っ込むと、だいたい後で揉めます。
今回の体験記録を是非、ご自身のケースにお役立てください。
付録:土地売買契約書(参考情報)
土地売買契約書売主(以下「甲」という)と買主(以下「乙」という)は、下記土地の売買について、次のとおり契約を締結する。第1条(売買目的物)甲は、次の土地(以下「本物件」という)を乙に売り渡し、乙はこれを買い受ける。1 所在地:[都道府県][市区町村][町名][字][地番A]地目:山林地積:409平方メートル(登記簿記載面積)2 所在地:[都道府県][市区町村][町名][字][地番B]地目:山林地積:33平方メートル(登記簿記載面積)第2条(売買代金および支払方法)1 本物件の売買代金は、金100万円とする。2 乙は、前項の売買代金を本契約締結後、202 年 月 日までに一括して甲に支払うものとする。第3条(所有権移転)本物件の所有権は、司法書士による所有権移転登記が完了したときに、甲から乙へ移転するものとする。第4条(引渡し)1 甲は、202 年 月中に本物件を現状有姿のまま乙に引き渡すものとする。2 本物件の引渡しは、所有権移転登記と同時に行うものとする。第5条の1(現状有姿)乙は、本物件を現状有姿にて購入するものとし、土地の形状、地盤、境界、地上物、埋設物その他一切の状態について異議を述べないものとする。第5条の2(地積に関する特約)甲および乙は、本物件の売買にあたり、以下のとおり特約する。1 本物件の地積は、登記簿記載の地積を基準とし、実測による地積は本契約の内容としない。2 乙は、登記簿記載地積と実測面積とが相違した場合であっても、これを理由として甲に対して売買代金の増減、損害賠償その他一切の請求を行わない。3 本条の規定は、本物件の引渡しおよび所有権移転登記後も効力を有する。第6条(契約解除)1 甲または乙は、相手方が本契約に違反した場合には、相当期間を定めて是正を求め、当該期間内に是正されないときは、本契約の全部または一部を解除することができる。2 甲および乙は、書面による合意により本契約を解除することができる。第7条(協議事項)本契約に定めのない事項および本契約に関して疑義が生じた場合は、甲乙協議のうえ、誠意をもって解決するものとする。第8条(合意管轄)本契約に関する一切の紛争については、[管轄裁判所(地裁)]を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。本契約の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙署名押印のうえ、各1通を保有する。令和 年 月 日売主(甲)住所:氏名: 印買主(乙)住所:氏名: 印