未ログイン状態で閲覧中
  • 投稿日:2026/03/11
  • 更新日:2026/03/12
オンライン秘書業務であたまの「空き」を安売りしてませんか?

オンライン秘書業務であたまの「空き」を安売りしてませんか?

  • -
  • -
イナモリ

イナモリ

この記事は約6分で読めます
要約
作業は10秒でも、あたまの占有時間は24時間。いつ届くか不明な問い合わせ確認などは、脳を使い続ける大きな心理的負担です。稼働時間だけで測れない「精神的拘束」を正当に評価し、基本料金などで対策を。あなたの「あたまの空き」を安売りせず、プライベートを守る働き方を目指しましょう。

私はこれまで730日間、オンライン秘書さんのサポートを行ってきました。

仕事の獲得や単価アップの秘策はもちろん、時にはクライアントを激怒させてしまった際のフォローや、未経験案件への挑戦まで…。

オンライン秘書さんと伴走し、現場で試行錯誤を繰り返してきました。

今回は簡単な作業を気軽に請け負った結果、心の休まる時がなくなってしまったオンライン秘書さんの話を書きたいと思います。

「1回10秒だからカンタン」という落とし穴

クライアントの代わりにメール確認、Googleフォームから届くお客様からの問い合わせのチェック。確認作業そのものは簡単ですが、「いつ届くか分からない」「早く確認しないといけない」といった心理的負担に悩んだことはありませんか?

ある時、オンライン秘書のFさんと獲得したばかりの新しい案件を一緒に進めていた時のことです。クライアントさんから依頼されている業務内容の中に「申し込みの確認」がありました。

私がそのことが少し気になりFさんに内容を確認したところ、「あー、別にこの作業は確認だけだから、1回10秒くらいで終わるんで!カンタンカンタン♪それよりこの業務なんですが……」とその場では深く考えることもなく、私も「隙間時間にサッとできる簡単な作業だな」と思ってあまり問題視していませんでした。

それから2〜3ヶ月経ち、Fさんもクライアントからの依頼をそつなくこなし、順調に行っているように見えました。Fさんの頑張りのおかげで、業務の整理や管理票の作成、サービスの流れのマニュアル化が進み、クライアントさんの負担は取り除かれていきました。

時々、苦労して問題を解決する大変さはありましたが、私から見ても順調にいっていると感じていましたので、後はFさんに任せようと思い、気にかける時間もだんだん減っていきました。

稼働時間は減ったのに、なぜか心が休まらない

しかし、依頼を受けて半年ほどになったとき、Fさんから連絡がありました。「クライアントさんからの依頼が減って稼働時間が落ちているんだけど、負担が減っている気がしない……」

詳しく経緯を聞いてみると、クライアントさんの売上が落ちてきて、オンライン秘書業務の稼働時間が今までの半分くらいになったことがわかりました。

でも変です。稼働時間が半分になったのなら、負担もその分減るはずです。

原因がわからない私は、とりあえず現状確認をしようと思い、Fさんと業務の洗い出しを行ってみました。時々「ちょっと待ってくださいね」と1時間に1回くらいの頻度で何かを確認するFさんに少し違和感を覚えましたが、まずは洗い出しの作業を進めることを優先させました。

10秒の確認が「24時間」の束縛に

洗い出しの結果、業務内容そのものは以前とほとんど変わっていませんでした。

だったら、稼働時間が減った分、負担が減らないとおかしい。しかし、Fさんは「負担が減っている気がしない」と言っている……。

しばらく私が悩んでいると、またFさんが「すいません、ちょっと待ってくださいね」と何かを確認しています。

「それ、何の確認をしてるんですか?」気になった私が尋ねると、Fさんはこう答えました。

「クライアントさんへの申し込みがないか確認しているんです」

もしかして負担が減らない原因はこれなのでは?と思った私は、Fさんに質問を重ねました。Fさんが答えた内容は次の通りでした。

クライアントさんのサービスは申し込みから始まるので、気になって一日に何度も確認してしまう。

土日祝日は業務を行わない契約だが、サービスの受付は24時間毎日動いているので、気になって確認してしまう。

確認作業そのものはすぐ終わるので、月の稼働時間にすると合計30分くらい。

サービスの種類が多く、季節ごとに内容が変わるため詳細を覚えておかないといけないが、「覚える手間」はお金として請求できない。

Fさんの負担は心理的な負担でした。

一つ目は、問い合わせがいつ来るかわからないため、気になって一日に何度も確認する「不安な気持ち」

二つ目は、業務内容を常に頭の中に入れておかないといけないという「焦る気持ち」でした。

プライベートな時間まで常にクライアントのことを頭に入れているFさんは、気持ちが休まるわけはありませんでした。

「契約終了」で感じた、意外な本音

このままではFさんの心がすり減ってしまうと思った私は、現状を整理して問題点を洗い出したものをFさんに渡し、「これを見ながらクライアントさんと相談したほうがいいですよ」とアドバイスしました。

後日、Fさんから「報告」と書かれたメッセージが届きました。

「イナモリさんからのアドバイスを実行しようとしたけど、クライアントさんへ相談する気持ちが固めきれず後回しにしていたら、クライアントさんから契約を終了したいと言われました。正直、ホッとしています」

そのメッセージを読んでわたしはFさんにアドバイスを送るだけでなく、気持ちの整理が付くまでしっかり支えるべきだったと思いましたが、結果的にFさんのこころの負担がなくなったのなら、それが一番だと感じました。

今回のケースから学んだことは、いくら簡単な作業でも、あたまの中でずっと覚えておかないといけないものがある場合、本人の大きな負担になるということです。そしてその負担を、相手(クライアント)へ理解してもらうことが必要なのだと痛感しました。

【対策】心理的負担を安売りしないために

では、どうやって対策すればいいのでしょうか? わたしが悩んで出した結論は以下のものになります。

初期段階で説明する:クライアントとの初回打ち合わせや見積りの段階で、確認作業の性質について説明しておく。

心理的負担に金額を設定する:単純作業でも精神的な拘束があるなら、金額を設定する。

「基本料金+稼働時間」の導入:心理的負担をカバーするために、以下の形がおすすめです。

(例1)メールの確認作業

 項目:メール確認(基本料金2,000円)+稼働時間

(例2)問い合わせ対応

 項目:Googleフォーム対応(基本料金3,000円)+稼働時間

作業時間は「10秒」でも、あたまの占有時間は「24時間」。 見えない脳のメモリーを使っている仕事はあなたのプライベートな時間まで使うことになります、クライアントさんと気持ちのいい仕事をするため正当な対価を設定しましょうね!

ブックマークに追加した記事は、ブックマーク一覧ページで確認することができます。
あとから読み返したい時に便利です。

イナモリ

投稿者情報

イナモリ

イルカ会員

この記事に、いいねを送ろう! 参考になった記事に、
気軽にいいねを送れるようになりました!
この記事のレビュー(0

まだレビューはありません